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26 【オパール店】テリーside
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――【オパール店】テリーside――
俺が下請けになった。
それもこれも、元婚約者であるナナリー・エリアの所為で。
結婚に焦っているのか「もう一度婚約して欲しい」と毎日毎日通い店の前で泣き叫び、ついに商業ギルドに目を付けられ仕事を失った。
キレた母に汚水をぶっかけられ「この疫病神!! 貧乏神までくっつけて来やがって!」と叫び足蹴りにされても必死に縋りついたが……俺が下請けになったことで去って行った。
ホッとしたが、下請けでなかったらずっとしがみ付かれたのだと思うとゾッとする。
俺も年齢的にそろそろ婚期と言われる時期を終える。
次の新しい恋、新しい婚約者と言っても今は考えられなかった。
余程ナナリーの事で女性不振に陥っているようだ。
母も父も心配してくれたが、どうしようもなかった。
そんな折、いつも通り【ガーネット】の仕事を終わってアイテムを納品に向かうと、着物姿で俺が声を掛けようとしたユリという女性が店番をしていた。
エンジ色の珍しい割烹着に髪をお団子にして棒で刺した姿はこの辺でも有名で、とても気立ての良い娘らしい。
正に、エンジュと言う男性……俺で言えば上司は、理想の女性を婚約者に出来たのだと理解出来る程だった。
「あら、テリーさんこんにちは」
「こんにちは。仕事が終わりましたので持って参りました」
「ありがとう御座います。そろそろお越しになると聞いていたのでお受け取りします」
そう言って店内にて作ったアイテムを出すと、スキルで【鑑定】を持っているのか「数もピッタリですね。次回用のアイテムを預かっております」とアイテムボックスから籠を取り出し机に置くと俺はそれを自分のアイテムボックスに入れていく。
給料はそう多くはないが、それでも仕事がない頃よりは良かった。
それに、ずっと【迷わずの鈴】【帰還の護符】の付与をしている間にスキルが上がった。
やっと付与レベル7になったのだ。
「あの」
「はい?」
「付与レベルがやっと7になりまして……何か他に付与できるアイテムが無いか聞いて貰えませんか?」
「分かりました。センジュ君呼んできますね」
そう言って奥の仕事場へと入って行く彼女に、どうしても胸のトキメキが止まらない。
既に婚約指輪をしている彼女はエンジュさんの婚約者だ。
俺が片思いするだけは許して貰いたい……。
「お待たせしました。付与レベル7おめでとうございます」
「ありがとう御座います」
そう言って出てきたのは、若干13歳にして特許を3つも持っている付与の天才と名高いセンジュだった。
見た目は細く女性のような感じだが、目は力強く正に仕事に誇りを持っている男の目だ。
「付与レベル7ですと……【命の花びら】には付与は可能ですね」
「おお……ただ、とても作るのに苦労すると聞いています」
「そうですね、彫金師でも作るのはとても大変そうでした。ただうちの店には冒険者も結構来ますし、作るのには兄上も父上も慣れてきたようでして。俺も他の仕事が結構あるので、付与して貰えるならお願いしたいですね」
「でも、大丈夫でしょうか? 付与師は失敗するとアイテムを壊します」
そうなのだ。付与師は付与に失敗するとアイテムが壊れる。
俺は付与失敗でルビーを割ったことがあり、結構トラウマなのだ。
「まぁ、割れたら持って来てください。こちらで違うアイテムに変えますし」
「い、良いんですか?」
「ただ、今まで通り【迷わずの鈴】【帰還の護符】はお願いします。大事な収入源ですので。それに加えて【命の花びら】でしたら、今作ってある分だけお渡しは可能ですね。付与はお願いします」
「ありがとう御座います」
「今俺がストックさせちゃってる分の【命の花びら】が50個あるので、そちらをお願い出来ますか?」
「分かりました」
【命の花びら】はとても高いアイテムだ。
これならマージン考えても前よりぐっと儲けが出る。
下請け仕事も悪くないなと最近では思えていたので嬉しい悲鳴だ。
それに、下請けだからこそ自分をシッカリ持って仕事に励む彼女を見ることが出来る。
何故、ナナリーのような女性と婚約していたのか、今となっては分からない。
確かに見た目は可愛い方かもしれないが、他がズタボロだった。
料理は出来ない、掃除は出来ない、無いものばかりで欲しがり上手。
あんな女性の何処が良かったのか、本当に謎だ。
今あのナナリーがどこでどうしているか等知ったことではないが、噂では家に閉じこもっていると言う話だった。
何時も「付与師って素敵よね」と言っていただけに、付与師と結婚したいのだろうが、彼女の悪評を知らない者は今やいない。
誰も結婚なんてしたがらないだろうし、したとしてもその先は離婚しかないのだから、もう無理だろう。
結婚適齢期を過ぎても許されるのは男性側で、女性はそうはいかない。
この先どう生きるのかなんて興味もないが、面倒さえ起こさなければそれでいいと思っている。
「しかし、何時までも下請けで宜しいのですか?」
「え?」
「確かに商業ギルドで仕事が貰えなくなったとはお聞きしましたが……」
「いえ、せめて後一年は下請けにして貰わないとこっちも困るんです」
「と、言いますと?」
「元婚約者の執着が凄くって……下請けになったと言ったら無言で去って行ったので、彼女の結婚適齢期が後一年なんですよ」
「ああ……そういう」
「正直、今となっては何故婚約していたのかも分かりません。エンジュさんが羨ましいですね。あのようにシッカリ自分を持っている仕事のできる女性は早々居ない」
「ふふふ! 姉上は本当にシッカリしてますからね! つい甘えたくなりますし、甘えさせたくもなります!」
「ははは!」
「兄上はとても良い縁を結ばれました。俺も結婚適齢期になったら、そんな素敵な女性と恋をしたいものです」
そう言って微笑む姿は美少女なんだが、きっと素敵な出会いがありそうな気がする。
あのユリと言う女性は幸運の女神のような所がある。
この潰れかけていた店も立て直し、今や各ギルドの御用達店だ。
【貧乏神で疫病神のナナリー】と、【幸運の女神ユリ】。
どっちを選ぶかなんて誰に聞かなくても分かる。
フウ……と人知れず溜息をつく頃、センジュさんが父親とエンジュさんが作ったと言う【命の花びら】の細工を持って来てくれた。
それは本当の花のように美しく、俺ですら溜息が零れる。
「こちらをよろしくお願いしますね」
「これはまた……何と美しい」
「ブローチに髪留めにと色々ありますが、どれもこれも兄上と父上が心を込めて作った彫金です。特に兄上は魔物討伐隊でもありましたから、思い入れが強いのでしょう」
「そうでしょうね……前回の戦いではSランクの魔物と戦って、かなりの負傷兵が出たと聞いています」
「兄は剣を置きましたが、でも心に剣を持ったまま今度は彫金で一緒に戦うつもりなのでしょう。兄はそういう人なんです」
「それは……誇らしい兄上ですね」
「ええ、とても誇らしいです!」
そこまで言って貰える兄、エンジュさんとは余り話したことはないが、少々寡黙な所がある職人と言った感じだった。
優しい顔をするなんて想像すら付かないが、きっと家族の前では良い兄であり、良い婚約者であり、良い息子なのだろう。
俺も見習わねば……。
「幸運の女神にお願いしたいですね。俺にも良い出会いがないかと」
「あはは!」
こうしてアイテムを受け取り家路を急ぎ、店に入ると作業場へと向かう。
一人黙々と作業をするのは好きだ。
付与師だからと言うのもあるが、集中して仕事が出来る今はとても楽しい。
だが、俺を気遣いたまにお茶を入れてくれたりする相手が居たら、それはもっと素敵な事だろう。
エンジュさんの所のように――。
「無いもの強請りはするもんじゃないな」
それはナナリーを見て嫌程理解した。
今自分にできる精一杯で仕事をし、結果を出し、そして安定していきたい。
派手でなくとも、地道で真っ直ぐ地に足を付けて。
その為にも、俺はこの下請けで頑張りたいと、そう思えたんだ――。
俺が下請けになった。
それもこれも、元婚約者であるナナリー・エリアの所為で。
結婚に焦っているのか「もう一度婚約して欲しい」と毎日毎日通い店の前で泣き叫び、ついに商業ギルドに目を付けられ仕事を失った。
キレた母に汚水をぶっかけられ「この疫病神!! 貧乏神までくっつけて来やがって!」と叫び足蹴りにされても必死に縋りついたが……俺が下請けになったことで去って行った。
ホッとしたが、下請けでなかったらずっとしがみ付かれたのだと思うとゾッとする。
俺も年齢的にそろそろ婚期と言われる時期を終える。
次の新しい恋、新しい婚約者と言っても今は考えられなかった。
余程ナナリーの事で女性不振に陥っているようだ。
母も父も心配してくれたが、どうしようもなかった。
そんな折、いつも通り【ガーネット】の仕事を終わってアイテムを納品に向かうと、着物姿で俺が声を掛けようとしたユリという女性が店番をしていた。
エンジ色の珍しい割烹着に髪をお団子にして棒で刺した姿はこの辺でも有名で、とても気立ての良い娘らしい。
正に、エンジュと言う男性……俺で言えば上司は、理想の女性を婚約者に出来たのだと理解出来る程だった。
「あら、テリーさんこんにちは」
「こんにちは。仕事が終わりましたので持って参りました」
「ありがとう御座います。そろそろお越しになると聞いていたのでお受け取りします」
そう言って店内にて作ったアイテムを出すと、スキルで【鑑定】を持っているのか「数もピッタリですね。次回用のアイテムを預かっております」とアイテムボックスから籠を取り出し机に置くと俺はそれを自分のアイテムボックスに入れていく。
給料はそう多くはないが、それでも仕事がない頃よりは良かった。
それに、ずっと【迷わずの鈴】【帰還の護符】の付与をしている間にスキルが上がった。
やっと付与レベル7になったのだ。
「あの」
「はい?」
「付与レベルがやっと7になりまして……何か他に付与できるアイテムが無いか聞いて貰えませんか?」
「分かりました。センジュ君呼んできますね」
そう言って奥の仕事場へと入って行く彼女に、どうしても胸のトキメキが止まらない。
既に婚約指輪をしている彼女はエンジュさんの婚約者だ。
俺が片思いするだけは許して貰いたい……。
「お待たせしました。付与レベル7おめでとうございます」
「ありがとう御座います」
そう言って出てきたのは、若干13歳にして特許を3つも持っている付与の天才と名高いセンジュだった。
見た目は細く女性のような感じだが、目は力強く正に仕事に誇りを持っている男の目だ。
「付与レベル7ですと……【命の花びら】には付与は可能ですね」
「おお……ただ、とても作るのに苦労すると聞いています」
「そうですね、彫金師でも作るのはとても大変そうでした。ただうちの店には冒険者も結構来ますし、作るのには兄上も父上も慣れてきたようでして。俺も他の仕事が結構あるので、付与して貰えるならお願いしたいですね」
「でも、大丈夫でしょうか? 付与師は失敗するとアイテムを壊します」
そうなのだ。付与師は付与に失敗するとアイテムが壊れる。
俺は付与失敗でルビーを割ったことがあり、結構トラウマなのだ。
「まぁ、割れたら持って来てください。こちらで違うアイテムに変えますし」
「い、良いんですか?」
「ただ、今まで通り【迷わずの鈴】【帰還の護符】はお願いします。大事な収入源ですので。それに加えて【命の花びら】でしたら、今作ってある分だけお渡しは可能ですね。付与はお願いします」
「ありがとう御座います」
「今俺がストックさせちゃってる分の【命の花びら】が50個あるので、そちらをお願い出来ますか?」
「分かりました」
【命の花びら】はとても高いアイテムだ。
これならマージン考えても前よりぐっと儲けが出る。
下請け仕事も悪くないなと最近では思えていたので嬉しい悲鳴だ。
それに、下請けだからこそ自分をシッカリ持って仕事に励む彼女を見ることが出来る。
何故、ナナリーのような女性と婚約していたのか、今となっては分からない。
確かに見た目は可愛い方かもしれないが、他がズタボロだった。
料理は出来ない、掃除は出来ない、無いものばかりで欲しがり上手。
あんな女性の何処が良かったのか、本当に謎だ。
今あのナナリーがどこでどうしているか等知ったことではないが、噂では家に閉じこもっていると言う話だった。
何時も「付与師って素敵よね」と言っていただけに、付与師と結婚したいのだろうが、彼女の悪評を知らない者は今やいない。
誰も結婚なんてしたがらないだろうし、したとしてもその先は離婚しかないのだから、もう無理だろう。
結婚適齢期を過ぎても許されるのは男性側で、女性はそうはいかない。
この先どう生きるのかなんて興味もないが、面倒さえ起こさなければそれでいいと思っている。
「しかし、何時までも下請けで宜しいのですか?」
「え?」
「確かに商業ギルドで仕事が貰えなくなったとはお聞きしましたが……」
「いえ、せめて後一年は下請けにして貰わないとこっちも困るんです」
「と、言いますと?」
「元婚約者の執着が凄くって……下請けになったと言ったら無言で去って行ったので、彼女の結婚適齢期が後一年なんですよ」
「ああ……そういう」
「正直、今となっては何故婚約していたのかも分かりません。エンジュさんが羨ましいですね。あのようにシッカリ自分を持っている仕事のできる女性は早々居ない」
「ふふふ! 姉上は本当にシッカリしてますからね! つい甘えたくなりますし、甘えさせたくもなります!」
「ははは!」
「兄上はとても良い縁を結ばれました。俺も結婚適齢期になったら、そんな素敵な女性と恋をしたいものです」
そう言って微笑む姿は美少女なんだが、きっと素敵な出会いがありそうな気がする。
あのユリと言う女性は幸運の女神のような所がある。
この潰れかけていた店も立て直し、今や各ギルドの御用達店だ。
【貧乏神で疫病神のナナリー】と、【幸運の女神ユリ】。
どっちを選ぶかなんて誰に聞かなくても分かる。
フウ……と人知れず溜息をつく頃、センジュさんが父親とエンジュさんが作ったと言う【命の花びら】の細工を持って来てくれた。
それは本当の花のように美しく、俺ですら溜息が零れる。
「こちらをよろしくお願いしますね」
「これはまた……何と美しい」
「ブローチに髪留めにと色々ありますが、どれもこれも兄上と父上が心を込めて作った彫金です。特に兄上は魔物討伐隊でもありましたから、思い入れが強いのでしょう」
「そうでしょうね……前回の戦いではSランクの魔物と戦って、かなりの負傷兵が出たと聞いています」
「兄は剣を置きましたが、でも心に剣を持ったまま今度は彫金で一緒に戦うつもりなのでしょう。兄はそういう人なんです」
「それは……誇らしい兄上ですね」
「ええ、とても誇らしいです!」
そこまで言って貰える兄、エンジュさんとは余り話したことはないが、少々寡黙な所がある職人と言った感じだった。
優しい顔をするなんて想像すら付かないが、きっと家族の前では良い兄であり、良い婚約者であり、良い息子なのだろう。
俺も見習わねば……。
「幸運の女神にお願いしたいですね。俺にも良い出会いがないかと」
「あはは!」
こうしてアイテムを受け取り家路を急ぎ、店に入ると作業場へと向かう。
一人黙々と作業をするのは好きだ。
付与師だからと言うのもあるが、集中して仕事が出来る今はとても楽しい。
だが、俺を気遣いたまにお茶を入れてくれたりする相手が居たら、それはもっと素敵な事だろう。
エンジュさんの所のように――。
「無いもの強請りはするもんじゃないな」
それはナナリーを見て嫌程理解した。
今自分にできる精一杯で仕事をし、結果を出し、そして安定していきたい。
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