推しの悪役令嬢を幸せにします!

みかん桜

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推しと2人

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 ナターシャがお兄様達と同じクラスだった…。

 知ったのは友人と推し活だとお兄様達の教室に行った時。これは後からルーク様にも確認したから確実で。失礼なことに、ナターシャにSクラスに入れるだけの頭があると思っていなかったわ。

 2人の距離が本格的に近付いていくのが今年からなのは、クラスが関係していたからなのね。

 厄介なことにならなければいいけど…さっきだってお兄様にしつこく話しかけていたし。

「ハーロウ伯爵家のナターシャ様ね。彼女、整った顔立ちで自信があるんでしょうけど、随分失礼な方で驚いてしまったわ」
「そうよね…でも今は困っていてもいつかお兄様がなびいてしまうことがあったらって思うと」
「ありえないわ。ライナス様の隣にはニーナ様かエレナしか立っちゃいけないのよ」
「えっ、私?」
「あら、知らなかった? 私マーリン兄妹もですのよ」

 彼女がなんて言葉をうまく使いこなせてるのって私のせいよね。まぁ、私以上に推し活を楽しんでいそうで良かったけど。

 それよりも同じ教室にいたニーナ様が、なぜナターシャを気にされていないのかが気になって、放課後に時間を作っていただいた。



「ハーロウ様の本命はライナス様じゃない気がするの」
「えっ?」
「安心して、ルーク様ではないわよ」
「そ、そ、そ、そんなこと気にしていませんっ」
「ふふ」

 わぁぁ! 私にだけ向けられたこの笑顔っ! 最高です!

 やっぱり私の1番はニーナ様よね。

 ………じゃなくて。本当に本命が別にいるの? 別にいるのならなぜお兄様に近付こうとするのか理解できないわ。お兄様がニーナ様と婚約していることを知らないはずないもの。

 やっぱりもう少し注意しておかなきゃね。はぁぁ。やっぱり学年が違うって大変だわ。

「そうそう、学園生活は慣れたかしら? といってもまだ入学して一月ひとつきしかたっていないけれど」
「はい。仲の良い友人と同じクラスですし、授業も問題なくついていけてます。でも…」
「どうしたの?」

 ぐちゃぐちゃと考えてしまう事、話してもいいかな?

「去年の夏にルーク様からバラの花束をいただきまして…」
「まぁ! 素敵ね! ――ようやく動いたのね――」
「ニーナ様?」
「いいのよ。それで?」

 仕切り直しがいつまでたってもないことが気になっていること、ルーク様といるとドキドキしてしまうことを話した。

「そうね…私が答えを導き出してもいいのだけど、これはエレナが自分で見つけたほうがいいと思うの。だからもう少し悩んであげて? もちろん話はいつでも聞くわ」
「はい…」
「他にもあるの?」
「もしかしたら私…ブラコン……じゃなくてお兄様の事が好きかもしれません」

 危ない危ない。ブラコンなんて言葉ないんだった。でもなんだか恋愛的な意味がある言い方になってしまったのがキモチワルイわ。

「? ライナス様がエレナを大好きすぎて霞んでいるけれど、昔からエレナもライナス様が大好きよね? 私も弟がいるからライナス様がエレナを可愛がる気持ちは分かるのよ。でもセオドアは構いすぎると怒るから、仲の良い2人が羨ましかったのよ?」
「っ!!!」

 私、昔からお兄様のこと大好きだったの? ルーク様だけじゃなくニーナ様から見ても私は立派なブラコンだったんだ…。

「今ライナス様は構いすぎないよう相当我慢されているけどね。それに最近エレナの心を占めているのは、私達じゃなく別の人じゃないかしら? って聞いていないわね」

 ブラコンか…でも決してお兄様と結婚なんてしたくないし、ニーナ様に取られたくないなんて思ってない。ただちょっと寂しいなってだけで…。

「嫌い合うより断然いいと私は思うわよ?」
「ニーナ様…」
「ふふ。そのうちライナス様の事は気にならなくなるから、それまで存分に甘えるといいわ。きっと喜ぶわよ」
「そうでしょうか…」
「ええ」

 ニーナ様がそう言うならいいかなって気になってきたわ。

「あっ! そう言えばいつの間にお兄様はニーナ様を呼び捨てで呼ぶようになられたのですか?」
「学園に入学してからよ。ふふ。ルーク様にさんざん言われたみたい」
「なるほど」

 今思えば、漫画でもお兄様はニーナって呼び捨てにしていたわね。でも…

「初めて呼び捨てにされて驚くニーナ様の顔を見たかったです…」
「まぁ!」

 絶対、中々拝むことができない顔をしたはずなのに。





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