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「アーサー様。この記述の意味をどう捉えますか?」
冬休みが明けて半月、その頃には古代アスベス語の解読がだいぶ進んでいた。
アーサ様のことを思いすぎて、研究を疎かにしてはいけないと頑張ったおかげで進んだといっていい。
でもわからないところはまだ多々ある。文と文の間に不思議な記号?があることもあれば、文末に同じ文字が繰り返していることもあって、それがどういうことなのかわからない。
「形容詞的な意味じゃないかな?」
「形容詞、ですか・・・」
「前後の文を見ると、『綺麗』とか『可愛』い、そんな意味の方が合ってると思う。ノエル・・・嬢がいう、女性視点よりの文ならば、特に使用頻度は高くなれんじゃないか?」
女性視点より。
そう言われると納得する。
「男性ならどんな表現を使いますか?」
「イメージになるが、男性なら直球で具体的に書くと思う。女性なら、感情を優先にして他人を慮る表現になるんじゃないかな?」
「そう・・・・・・ですね・・・」
アーサー様の意見に頷く。彼の発想は以前よりも柔軟なものに変わっている。
再開した頃とは違って落ち着いたようにも思えた。
傍にいてほっとする。
「やっぱり、まだいた」
急に研究室の扉が開くなりエマの低い声が聞こえてきた。
「外見て」
窓の外を見るとすでに日は落ちて辺りが薄暗くなっている。
気づかないほど集中していたらしいことに驚く。
「言ったわよね?わたしは明日ある弁論大会のスピーチの練習で遅くなるって。アーサー、ノエルを寮まで送ってくれる約束だったわよね?叔父様も保護者ならしっかりしてくれます?」
アーサー様とアルバート先生はエマの視線から目を逸らした。
「エマ、ごめんなさい」
「まあね、似たものが集まって集中してたら、時間も忘れるのもわかるわよ。でも、ノエル、あなたは女性よ。この二人が公爵家の端くれ紳士だといっても流石に辺りが暗くなるまで一緒にいるのはダメよ」
「先生もアーサー様もいつも気遣ってくれるわ」
エマの目がすんっと据わる。怖い眼差しにたじろいでしまう。
「ノエル。あなた気づいてないでしょうけど、クラスメイトや上級生の男性が狙ってるのよ」
狙っている?私を?
まさか・・・。
「髪を切って、片眼鏡をかけるようになってから声をかけられること増えたでしょう。よくお誘いされていない?」
頷く。
なぜかわからないが、確かに髪を切ってから男女とわずお茶のお誘いされたりするようになった。でも、研究の方が大切なので丁重にお断りさせてもらっている。
「雰囲気が変わって、みんなノエルの魅力に気づき出したのよ」
「そんなことが?」
「ノエル?」
先生とアーサー様が声音を変えた。
そうよね。
無縁とも言える私に声をかけてくる人がいると知れば驚きもするだろう。
「研究が大事ですからお断りしています」
それに、ここにくればアーサー様にも会えるし・・・。
研究を疎かにしないからと安心してもらおうと微笑む。
「それは・・・、ノエル次第だけど・・・」
不安そうな二人にエマは一瞥した。
「ともかく、ノエル。帰るわよ」
「あ、はい」
「僕も送るよ」
アーサー様が急いで片付けを始める。
「大人である私がいこうか・・・」
「叔父さんは泊まり込んで考察をまとめてるんだろう。僕は屋敷に帰るし、その帰り道だ。エマもついでに送るよ」
「わたしはついでなんだ・・・」
「いや、ちがう!」
エマとアーサー様のやり取りについ笑ってしまう。
こうして、寮までの道を三人で歩いて帰った。
寮の入り口で別れを告げようとしたとき、管理人さんが、やってくる。
「ちょうどよかった、ノエル様。いつもの花がきてました」
管理人さんの手には一本の薔薇があり、それを手渡してきた。
「これは?」
エマが眉を寄せ、管理人さんに問う。彼女は言いにくそうにエマに向かって言った。
「近頃・・・週に幾度か、ノエル様宛に送られてくるのです。宛名もないのですよ」
「ノエル!?それどうするの?」
厳しいエマの声。
どうしたというのか。
「部屋に飾るのよ。花に罪はないでしょう?」
「それでも怪しいでしょうが!ストーカーからだったらどうするのよ!」
ストーカー?私に?そんかことがあるわけは・・・。
「もうっ!不用心な!明日からわたしの屋敷にきなさい!朝に迎えに寄越すから準備しといて!」
「明日の土曜日は、三日間しかしない骨董市に行くから無理よ」
「ますますダメよ!!アーサー!」
「はいっ!」
エマがアーサー様を振り返り、にっこりと笑った。
「明日はノエルのエスコートしてくれるわよね?わたし討論会のスピーチでいないからアーサーに任せるわよ。骨董市寄ってでいいから、わたしの屋敷に連れてきて!」
「わかった。ノエル嬢もそれでいいかい?」
アーサー様と?
エマの顔を見ると、彼女はウィンクしてきた。
断るなんて・・・するわけない・・・。
「はい、お願いします」
わたしは嬉しくて笑った。
冬休みが明けて半月、その頃には古代アスベス語の解読がだいぶ進んでいた。
アーサ様のことを思いすぎて、研究を疎かにしてはいけないと頑張ったおかげで進んだといっていい。
でもわからないところはまだ多々ある。文と文の間に不思議な記号?があることもあれば、文末に同じ文字が繰り返していることもあって、それがどういうことなのかわからない。
「形容詞的な意味じゃないかな?」
「形容詞、ですか・・・」
「前後の文を見ると、『綺麗』とか『可愛』い、そんな意味の方が合ってると思う。ノエル・・・嬢がいう、女性視点よりの文ならば、特に使用頻度は高くなれんじゃないか?」
女性視点より。
そう言われると納得する。
「男性ならどんな表現を使いますか?」
「イメージになるが、男性なら直球で具体的に書くと思う。女性なら、感情を優先にして他人を慮る表現になるんじゃないかな?」
「そう・・・・・・ですね・・・」
アーサー様の意見に頷く。彼の発想は以前よりも柔軟なものに変わっている。
再開した頃とは違って落ち着いたようにも思えた。
傍にいてほっとする。
「やっぱり、まだいた」
急に研究室の扉が開くなりエマの低い声が聞こえてきた。
「外見て」
窓の外を見るとすでに日は落ちて辺りが薄暗くなっている。
気づかないほど集中していたらしいことに驚く。
「言ったわよね?わたしは明日ある弁論大会のスピーチの練習で遅くなるって。アーサー、ノエルを寮まで送ってくれる約束だったわよね?叔父様も保護者ならしっかりしてくれます?」
アーサー様とアルバート先生はエマの視線から目を逸らした。
「エマ、ごめんなさい」
「まあね、似たものが集まって集中してたら、時間も忘れるのもわかるわよ。でも、ノエル、あなたは女性よ。この二人が公爵家の端くれ紳士だといっても流石に辺りが暗くなるまで一緒にいるのはダメよ」
「先生もアーサー様もいつも気遣ってくれるわ」
エマの目がすんっと据わる。怖い眼差しにたじろいでしまう。
「ノエル。あなた気づいてないでしょうけど、クラスメイトや上級生の男性が狙ってるのよ」
狙っている?私を?
まさか・・・。
「髪を切って、片眼鏡をかけるようになってから声をかけられること増えたでしょう。よくお誘いされていない?」
頷く。
なぜかわからないが、確かに髪を切ってから男女とわずお茶のお誘いされたりするようになった。でも、研究の方が大切なので丁重にお断りさせてもらっている。
「雰囲気が変わって、みんなノエルの魅力に気づき出したのよ」
「そんなことが?」
「ノエル?」
先生とアーサー様が声音を変えた。
そうよね。
無縁とも言える私に声をかけてくる人がいると知れば驚きもするだろう。
「研究が大事ですからお断りしています」
それに、ここにくればアーサー様にも会えるし・・・。
研究を疎かにしないからと安心してもらおうと微笑む。
「それは・・・、ノエル次第だけど・・・」
不安そうな二人にエマは一瞥した。
「ともかく、ノエル。帰るわよ」
「あ、はい」
「僕も送るよ」
アーサー様が急いで片付けを始める。
「大人である私がいこうか・・・」
「叔父さんは泊まり込んで考察をまとめてるんだろう。僕は屋敷に帰るし、その帰り道だ。エマもついでに送るよ」
「わたしはついでなんだ・・・」
「いや、ちがう!」
エマとアーサー様のやり取りについ笑ってしまう。
こうして、寮までの道を三人で歩いて帰った。
寮の入り口で別れを告げようとしたとき、管理人さんが、やってくる。
「ちょうどよかった、ノエル様。いつもの花がきてました」
管理人さんの手には一本の薔薇があり、それを手渡してきた。
「これは?」
エマが眉を寄せ、管理人さんに問う。彼女は言いにくそうにエマに向かって言った。
「近頃・・・週に幾度か、ノエル様宛に送られてくるのです。宛名もないのですよ」
「ノエル!?それどうするの?」
厳しいエマの声。
どうしたというのか。
「部屋に飾るのよ。花に罪はないでしょう?」
「それでも怪しいでしょうが!ストーカーからだったらどうするのよ!」
ストーカー?私に?そんかことがあるわけは・・・。
「もうっ!不用心な!明日からわたしの屋敷にきなさい!朝に迎えに寄越すから準備しといて!」
「明日の土曜日は、三日間しかしない骨董市に行くから無理よ」
「ますますダメよ!!アーサー!」
「はいっ!」
エマがアーサー様を振り返り、にっこりと笑った。
「明日はノエルのエスコートしてくれるわよね?わたし討論会のスピーチでいないからアーサーに任せるわよ。骨董市寄ってでいいから、わたしの屋敷に連れてきて!」
「わかった。ノエル嬢もそれでいいかい?」
アーサー様と?
エマの顔を見ると、彼女はウィンクしてきた。
断るなんて・・・するわけない・・・。
「はい、お願いします」
わたしは嬉しくて笑った。
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