【完結】ありのままのわたしを愛して

彩華(あやはな)

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71.ケティ視点

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 部屋でこもっていると、来客があった。

 マルス様だ。
 まさか・・・。

 彼が帝国でしでかしたことは噂できいている。廃嫡になったからこそ、魅力を失い距離を置いた。
 
 そんな彼がなぜわたしにー?

 彼は以前とは雰囲気が変わっていた。

「どうかしましたの?」

 醜い痕を晒しながら笑う。
 バカにする?同情するかしら?

「大変だったな」
「・・・・・・っ」

 無性に泣けてきた。
 
 そう!大変だった。

 誰もわかってくれなくて・・・。
 マルス様の言葉が嬉しく思い心が少しだけかるくなる。
 
 彼はわたしが泣き終わるのを待ってくれた。

「それでどうしましたの?」

 わたしは改めて彼に聞いた。

「いや・・・、気になったからお見舞いにきただけで・・・」 
「冷やかしかしら?傷のある女の行く末はあなたが一番わかってらっしゃると思っていましたが?」

 マルス様の言葉に泣いたことが恥ずかしいく思う。
 やっぱり違っていた・・・。

「・・・そうだな。この国をでは思うように生きてはいけないよな・・・」
「今更ですわ。女は男の所有物ですもの。そう教え込まれましたわ」
「では、自由に生きていけるとしたら、それを望むかい?」

 自由に生きる?わたしが?女性が?

 まさか、そんなことができるわけない。

「今僕はロード先生のもとで女性の地位を上げるために活動している。それは国王陛下も望んでいることだ」
「そんな出鱈目を。国王陛下が望んでいるならばすでに実行に移しているはずだわ」

 でも、そんな話聞いたことがない。

「それは国民性をはじめ風習や民族性、それに伝承も関わっているんだ。ロード先生はそれを調べ上げ、他国との資料も比べて表面からの切り崩しを行おうとしている」
「だからなんなの?上部だけ取り繕っても変わるわけないわよ」
「だからだ、君の協力を得たい・・・」

 わたしの協力・・・?
 この傷?

 わたしに晒し者になれというの?

「いやよ」
「無理か・・・」
「当たり前よ。この傷を他人に晒し出せというのよね?ふざけないで。最低ね!!」

 怒りが押し寄せた。
 マルス様のくだらない話にイライラも募る。
 彼は眉を寄せ笑った。

「・・・だよな。ごめん。今の話は忘れてくれ」
「当然ね」
「じゃあ、失礼するよ」
「もう、来ないで」

 ぶっきらぼうに言うと、彼は頷いてから部屋を出て行った。

「もう!!」

 イライラがおさまらない。

 でも・・・・・・。

「こんなに普通に話せたのは久しぶりかな?」

 また鏡台の前に座った。

「マルス様は傷のことは口にしなかった・・・」

 わたしはどうしたいのだろう・・・。

 じっと鏡の中のわたしを眺めていた。
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