【完結】ありのままのわたしを愛して

彩華(あやはな)

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 2年ぶりに祖国を馬車の中から見ていた。
 変わらない重苦しい街並みは嫌な過去を彷彿させ、苦しくさせる。

「大丈夫だよ」

 私の様子を察したのか、アーサーが声をかけてくれた。
 穏やかな表情と暖かな声音に勇気をもらう。

 王城につき、国王陛下と会談の場に着く。
 
「ロード先生?」
「ノエル!会いたかった」

 国王陛下のすぐ横にロード先生がいた。

「ノエル、頑張ったようだね」
「先生のおかげです」

 やだ!泣けてくる。
 ロード先生のおかげで今の私がいのだから。
 
「はじめまして。彼女の婚約者でアーサー・ロマニズと申します。あなたのことなノエルから聞いております。彼女の力になってくださりありがとうございました」
「ほほう。噂には聞いていたが・・・、ノエル。何か困ったことがあればいつでも言ってきなさい」
「まぁ、先生。ふふっ、大丈夫ですわ。先生と同じことを言ってくれる友人もできましたから」
「いい出会いがあったんだな」

 先生は安心したように優しく笑ってくれた。

「ロード。私のことを忘れていないか!」

 ロード先生の横にいた国王陛下。忘れていたわけではないが、雲のように遠い存在より、身近なものに目がむいていた。

「教え子との再会を邪魔するとは無粋だな」
 
 眉をしかめる先生。国王陛下相手によく言うものである。

「ノエル・エルトニー令嬢よ。この度の功績見事であった」

 わたしは頭をさげた。
 今までのアルバート先生のもとで調べまとめた論文が発表され皇帝陛下に認められた。女性ではじめてのことであり、論文は本になっている。
 
「ロードに相談されなければ、才能を埋なせ生き方さえも苦しくさせていただろう。君の存在はこれからの国未来にもなる」
「・・・ノエルを利用するつもりですか?」
「アーサー?」

 きつい物言いをするアーサーを振り返る。

「民族意識だけ高く女性の地位が低いから、ノエルをだしにしようとしているだけでは?」
「そう・・・だな。ノエル嬢の存在は大きい。自分たちが下に思っていた者が功績をあげ現れたらどう思うか・・・」
「わたしは反対します」

 国王陛下を相手に一歩も引こうとしないアーサー。

「この国に引き止めて置くことはしないよ。ただちょーっとばかり二人でいちゃついてくれればいいんだよ」

 やんわりとロード先生が言ってきた。

「はいっ?」

 アーサーの気の抜けた疑問の声に笑いを深める。

「僕が言うのもなんだが、ノエル。こんな国捨ててしまえ」
「先生?」
「君は外の世界を知った。そして新しい道を進んでいる。縛られなくていいんだ。君は大事な者を見つけた。なら、幸せになるべきだ。それを君は見せつけるんだ。君が自由であること、それによって幸せをつかんだことをこの国の全てに見せつけてほしいだけなんだ」
 
 それだけでいいの?

「それにしてもいい出会いをしたな。申し分ない婚約者だ。君の幸せを一番願っているからこそこうやって怒ってくれたんだから」

 この数年で増えたシワが深くなる。
 それが嬉しい。

「はい。私の大事な方です」
「ノ、ノエル!」

 いきなり照れるアーサーが可愛いかった。



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