7 / 36
7.サシャ
しおりを挟む
数日かけてついた王都の街並みをみて、わたしは口を開けたままだった。
「サシャ。口を閉じなさい」
司祭様にいわれ、口元を覆う。
「話をしたようにあなたが聖女としてお披露目するのはまだ先のことになります。今は行儀作法、勉学を覚えてもらいます。それとと同時に実績を積んでもらいますので気を引き締めてください」
田舎丸出しのわたしは聖女様として出せないらしい。
勉強と聞いて眉を顰めてしまう。
「サシャ。田舎育ちとはいえ聖女様の話は聞いたことあるでしょう」
「うん、・・・じゃなかった。はい」
「聖女とは美しさの代名詞であり、聡明さの代表格であります。それを身につければ王太子妃になれるやもしれません。そうなればゆくゆくは王妃、国母になることもあり得る話です」
「王太子妃?」
ーなにそれ?
ー王太子妃?そんなのになれちゃうの?
「可能性としてです。現在の王太子にはすでにご婚約者がおられますので無理だとは思いますが、もしあなたが聖女様としての品格を備えることができれば王族や公爵家から婚約話をがくるやもしれません。それが起こらなくても教会での地位は最上のものとなり、国王陛下に近いの発言権を有することができます」
ー聖女ってすごいんだ!
あまりのすごいことにドキドキしてきた。
「サシャ。聞いていますか?」
「うん。じゃなかった、はい。がんばります」
「はい。頑張ってください」
にこやかな司祭様にわたしはうなずいた。
だが、勉強は思っていたよりもきつかった。
食べ方や歩き方でぐだぐだといわれる。
それくらいできなくても生きていけるのに、なんで言われるのかわからない、ら
服は汚してないんだからいいじゃないー。
裾が長いスカートが悪いの。邪魔だからしょうがないじゃない。
走るくらい構わないでしょうに。
姿勢?コルセットなんて苦しいだけよ。苦しいって。わたしを殺す気なの?
ダンスなんてなんの役に立つの?えっ?王太子とするかも?・・・仕方ないわね。
勉強?字が読むのはできるようになったわよ。書くのは・・・。難しいの!
ミミズみたい?うるさいわね。上手に書けないのよ。うまく手首が動かせないの。
本なんて読むだけで眠くなるわ。寝てたら怒られるし、泣きたくなる。
もう!いやだ!!
泣いた。なんども両親のいる村に帰りたいと思ったか。
でも帰るすべなんて知らない。馬車で来たからどんな道を辿ったのかも見てなかったし、第一村の名前なんて覚えていなかったから「○○まで行きたいの」なんて言えなかった。
それに、もし帰っても前みたいな暮らしに戻れない。
ここにいれば綺麗な服が着れた。ゴワゴワした服じゃなく柔らかな服。毎日違う服が着れる。それに靴が気持ちいい。田舎では裸足か、木靴、布を巻いただけのものだったが今履いているのは布でできていて中敷も厚くて歩いていても痛くないものだ。
それに着飾るための宝石をわたしに与えてくれた。綺麗で見惚れるくらい。こんなものいくらするんだろうか。
あと、豪華な食事もよかった。焼いただけ、煮ただけの塩味のものじゃない。彩り豊かで一つ一つ味が違う。
すべてが美味しい。
そんな生活を手放すことができなくなっていた。
「サシャ。口を閉じなさい」
司祭様にいわれ、口元を覆う。
「話をしたようにあなたが聖女としてお披露目するのはまだ先のことになります。今は行儀作法、勉学を覚えてもらいます。それとと同時に実績を積んでもらいますので気を引き締めてください」
田舎丸出しのわたしは聖女様として出せないらしい。
勉強と聞いて眉を顰めてしまう。
「サシャ。田舎育ちとはいえ聖女様の話は聞いたことあるでしょう」
「うん、・・・じゃなかった。はい」
「聖女とは美しさの代名詞であり、聡明さの代表格であります。それを身につければ王太子妃になれるやもしれません。そうなればゆくゆくは王妃、国母になることもあり得る話です」
「王太子妃?」
ーなにそれ?
ー王太子妃?そんなのになれちゃうの?
「可能性としてです。現在の王太子にはすでにご婚約者がおられますので無理だとは思いますが、もしあなたが聖女様としての品格を備えることができれば王族や公爵家から婚約話をがくるやもしれません。それが起こらなくても教会での地位は最上のものとなり、国王陛下に近いの発言権を有することができます」
ー聖女ってすごいんだ!
あまりのすごいことにドキドキしてきた。
「サシャ。聞いていますか?」
「うん。じゃなかった、はい。がんばります」
「はい。頑張ってください」
にこやかな司祭様にわたしはうなずいた。
だが、勉強は思っていたよりもきつかった。
食べ方や歩き方でぐだぐだといわれる。
それくらいできなくても生きていけるのに、なんで言われるのかわからない、ら
服は汚してないんだからいいじゃないー。
裾が長いスカートが悪いの。邪魔だからしょうがないじゃない。
走るくらい構わないでしょうに。
姿勢?コルセットなんて苦しいだけよ。苦しいって。わたしを殺す気なの?
ダンスなんてなんの役に立つの?えっ?王太子とするかも?・・・仕方ないわね。
勉強?字が読むのはできるようになったわよ。書くのは・・・。難しいの!
ミミズみたい?うるさいわね。上手に書けないのよ。うまく手首が動かせないの。
本なんて読むだけで眠くなるわ。寝てたら怒られるし、泣きたくなる。
もう!いやだ!!
泣いた。なんども両親のいる村に帰りたいと思ったか。
でも帰るすべなんて知らない。馬車で来たからどんな道を辿ったのかも見てなかったし、第一村の名前なんて覚えていなかったから「○○まで行きたいの」なんて言えなかった。
それに、もし帰っても前みたいな暮らしに戻れない。
ここにいれば綺麗な服が着れた。ゴワゴワした服じゃなく柔らかな服。毎日違う服が着れる。それに靴が気持ちいい。田舎では裸足か、木靴、布を巻いただけのものだったが今履いているのは布でできていて中敷も厚くて歩いていても痛くないものだ。
それに着飾るための宝石をわたしに与えてくれた。綺麗で見惚れるくらい。こんなものいくらするんだろうか。
あと、豪華な食事もよかった。焼いただけ、煮ただけの塩味のものじゃない。彩り豊かで一つ一つ味が違う。
すべてが美味しい。
そんな生活を手放すことができなくなっていた。
131
あなたにおすすめの小説
お望み通り、消えてさしあげますわ
梨丸
恋愛
一国の次期王妃と言われていた子爵令嬢アマリリス。
王太子との結婚前夜、彼女は自ら火を放ち、死んだ。
国民達は彼女の死を特に気にもしなかった。それどころか、彼女の死を喜ぶ者もいた。彼女の有していた聖女の力は大したものではなかったし、優れているのは外見だけの“役立たずの聖女”だと噂されるほどだったから。
彼女の死後、すぐさま後釜として皆に好かれていた聖女が次期王妃に召し上げられた。
この国はより豊かになる、皆はそう確信した。
だが、“役立たずの聖女”アマリリスの死後──着実に崩壊は始まっていた。
※投稿してから、誤字脱字などの修正やわかりにくい部分の補足をすることがあります。(話の筋は変わらないのでご安心ください。)
【完結済】ラーレの初恋
こゆき
恋愛
元気なアラサーだった私は、大好きな中世ヨーロッパ風乙女ゲームの世界に転生していた!
死因のせいで顔に大きな火傷跡のような痣があるけど、推しが愛してくれるから問題なし!
けれど、待ちに待った誕生日のその日、なんだかみんなの様子がおかしくて──?
転生した少女、ラーレの初恋をめぐるストーリー。
他サイトにも掲載しております。
さようなら、私の初恋
しょくぱん
恋愛
「さよなら、私の初恋。……もう、全部お返しします」
物心ついた時から、彼だけが世界のすべてだった。 幼馴染の騎士団長・レオンに捧げた、十数年の純粋な初恋。 彼が「無敵」でいられたのは、アリアが無自覚に与え続けた『治癒の加護』があったから。
だが婚約直前、アリアは知ってしまう。 彼にとって自分は、仲間内で競い合う「賭けの対象」でしかなかったことを。
「あんな女、落とすまでのゲームだよ」
【本編完結・番外編追記】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。
As-me.com
恋愛
ある日、偶然に「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言する婚約者を見つけてしまいました。
例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃりますが……そんな婚約者様はとんでもない問題児でした。
愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。
ねぇ、婚約者様。私は他の女性を愛するあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄します!
あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。
番外編追記しました。
スピンオフ作品「幼なじみの年下王太子は取り扱い注意!」は、番外編のその後の話です。大人になったルゥナの話です。こちらもよろしくお願いします!
※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』のリメイク版です。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定などを書き直してあります。
*元作品は都合により削除致しました。
本物聖女の力は無力でした ――見世物レベルの聖女のおかげで婚約破棄されました――**
鷹 綾
恋愛
魔法が存在しないと信じられていた世界に、
突如として現れた「本物の聖女」。
空中浮遊、瞬間移動、念動力――
奇跡を披露した平民の少女は、たちまち市民の熱狂を集め、
王太子はその力に目を奪われる。
その結果、
王太子の婚約者だった公爵令嬢アストリアは、
一方的に婚約を破棄されてしまった。
だが、聖女の力は――
・空中浮遊は、地上三十センチ
・瞬間移動は、秒速一メートル
・念動力は、手で持てる重さまで
派手ではあるが、実用性は乏しい。
聖女の力は、見世物レベル。
少なくとも、誰もがそう判断していた。
それでも人々は喝采し、
権威は少女を縛り、
「聖女」という立場だけが一人歩きしていく。
そんな中、婚約破棄された公爵令嬢アストリアは、
ある違和感に気づき始める。
――奇跡よりも、奪われているものがあることに。
派手な復讐はない。
怒鳴り返しもしない。
けれど静かに、確実に、
“正しさ”は明らかになっていく。
見世物にされた奇跡と、
尊厳を取り戻す少女たちの物語。
---
母を亡くした公爵令嬢は、虐げられないが、今日も願いが叶わない
春風由実
恋愛
「何故お前が生きた?」
それは怪我をして長く眠っていたエルリカが、目覚めた直後に父親である公爵から掛けられた言葉だった。
「お前こそが、女神の元に行くべきだった!」
父親から強い口調で詰られたエルリカ。
普通の令嬢は、ここで泣くか、その後立ち直れなくなるという。
けれどエルリカは違った。
「あなたこそ、何をのうのうと元気にしているのですか?」
そうしてこの日父娘は、それぞれに絶縁を宣言した。
以来、母方の祖父母に引き取られ、侯爵領で過ごしてきたエルリカ。
ところが公爵は、いつまでもエルリカを除籍する手続きを実行しなかった。
おかげで名ばかりの公爵令嬢のまま、エルリカが王都へと戻る日がやって来てしまう──。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる