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9.サシャ
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その年の冬、風邪が大流行した。
街の外から広がりを見せ、気づいた時にはそこら中で咳をしていて、熱が出る人が続出している。そうなってから慌てて国をあげて対策を始めたが、その時には遅く平民どころか貴族の中でも流行っていた。
司祭様は嫌がっていたが、最終的に忖度される。
わたしは言われるまま貴族を中心に治してゆくことになった。
治療院でするのではなく、わたしが貴族の屋敷まで行く。
わたしは貴族の屋敷に行くたびに綺麗な教会とは華やかな部屋に驚ろいた。キラキラした壺や絵画ばかりがある。
ーすごい。貴族ってこんなところでくらしてるんだ。いいな・・・
羨ましいと思った。
治療院に帰ると自分が惨めに感じる。
ーわたし聖女なんだよね?
これまでは街の人を見ても何も思わなかったのに、今は違う。
全てが汚いものに見えてきた。
風邪の治療は大変だった。ひっきりなしにやってくるので忙しい。泣きそうになる。休みたいと言っても誰も聞き入れてくれなかった。
忙しい中、昼ごはんを食べるの確保して休んでいると、後ろからシスターたちの声が聞こえた。
「貧しいのはわかりますわ。差別するつもりもありませんが、お布施の金額が少なくても多くても同じ治療なんて、どうしても納得できませんわね」
「するつもりはなくても差をつけたくなって当然よね」
「そんなことを言ってはダメよ。人は誰もが平等です」
「・・・申し訳ありません・・・」
お布施の金額に対しての話だ。
聞いていてわたしもその気持ちがわかる。
貴族様はお布施も桁違い。だからこそ、教会だって忖度していたんだろうし、わたしも頑張ろうと思っていた。
でも街の人や村人はー。
少ないお布施で貴族と変わらない治療を求めてくる。
商人は綺麗な格好だが助けられて当然のような傲慢な態度をとっていた。中にはお布施をケチる人もいる。
だんだん貧しくなるにつれ服は汚れ、髪もギトギト。見た目だけでなく行動も粗野に見えるので、触るのさえ嫌悪を抱くこともある。
それでも同じ治療なんて不公平じゃないだろうか。
ーわたしはわたしを安売りしてる気がする。
ー少し手を抜くのもありよね?お布施に見合うよう差をつけたっていいんじゃない?う~ん・・・。司祭様にバレたらやっぱり怒られるよね。でも・・・わからないようにやれば大丈夫、なんじゃ・・・。
わたしはますます手を抜いた。そのぶん頑張るフリをした。
そうすると、みんなからますます感謝された。
「聖女様」と言われるようになり、風邪が治ったころ国王様から正式に「聖女」として認められた。
ーやったぁ!!
そして、その春から学園に通うようになった。
司祭様が、まだマナーが完璧にこなせていないが同じ年代の子たちといれば上達するのではと思ったようだ。
でも、わたしはわたし。
聖女であることと貴族のご令嬢様とは違う明るいところが高位の貴族子息に意外にうけた。
ーほらこのままで大丈夫だったじゃない。
ー貴族の男の人ってかっこいい。
そんな彼らはわたしをちやほやしてくれた。
そして夏を迎える頃、わたしを養女にしたいという貴族があらわれた。エレスト伯爵といい、おデブな見た目があまりよろしくなかったが、貴族になれるなら我慢しよう。
司祭様の小言が無くなったかわり伯爵・・・おデブ義父様から褒められた。
そしておデブ義父さまは欲しいものもいくらでも買ってくれる。以前欲しかった物・・・安いぬいぐるみや髪飾りが値段の張る高価なものになった。
服や宝石も教会の時のように行事に必要だからではなく、着る必要があるから買うのは当然、となる。
ー高価なものを身にまとうなんて嬉しい。やっぱり手触りが違う。
それに、教会でいた頃よりもっと美味しいものが食べられた。
食べるマナーは上手くないのでどうかな?とは思ったが、おデブ義父様はうるさく言わないのでよかった。
たくさんのことが変わって大変だったが、いいことづくめ。
ーわたし、貴族になれたんだ。
貴族を満喫した。
街の外から広がりを見せ、気づいた時にはそこら中で咳をしていて、熱が出る人が続出している。そうなってから慌てて国をあげて対策を始めたが、その時には遅く平民どころか貴族の中でも流行っていた。
司祭様は嫌がっていたが、最終的に忖度される。
わたしは言われるまま貴族を中心に治してゆくことになった。
治療院でするのではなく、わたしが貴族の屋敷まで行く。
わたしは貴族の屋敷に行くたびに綺麗な教会とは華やかな部屋に驚ろいた。キラキラした壺や絵画ばかりがある。
ーすごい。貴族ってこんなところでくらしてるんだ。いいな・・・
羨ましいと思った。
治療院に帰ると自分が惨めに感じる。
ーわたし聖女なんだよね?
これまでは街の人を見ても何も思わなかったのに、今は違う。
全てが汚いものに見えてきた。
風邪の治療は大変だった。ひっきりなしにやってくるので忙しい。泣きそうになる。休みたいと言っても誰も聞き入れてくれなかった。
忙しい中、昼ごはんを食べるの確保して休んでいると、後ろからシスターたちの声が聞こえた。
「貧しいのはわかりますわ。差別するつもりもありませんが、お布施の金額が少なくても多くても同じ治療なんて、どうしても納得できませんわね」
「するつもりはなくても差をつけたくなって当然よね」
「そんなことを言ってはダメよ。人は誰もが平等です」
「・・・申し訳ありません・・・」
お布施の金額に対しての話だ。
聞いていてわたしもその気持ちがわかる。
貴族様はお布施も桁違い。だからこそ、教会だって忖度していたんだろうし、わたしも頑張ろうと思っていた。
でも街の人や村人はー。
少ないお布施で貴族と変わらない治療を求めてくる。
商人は綺麗な格好だが助けられて当然のような傲慢な態度をとっていた。中にはお布施をケチる人もいる。
だんだん貧しくなるにつれ服は汚れ、髪もギトギト。見た目だけでなく行動も粗野に見えるので、触るのさえ嫌悪を抱くこともある。
それでも同じ治療なんて不公平じゃないだろうか。
ーわたしはわたしを安売りしてる気がする。
ー少し手を抜くのもありよね?お布施に見合うよう差をつけたっていいんじゃない?う~ん・・・。司祭様にバレたらやっぱり怒られるよね。でも・・・わからないようにやれば大丈夫、なんじゃ・・・。
わたしはますます手を抜いた。そのぶん頑張るフリをした。
そうすると、みんなからますます感謝された。
「聖女様」と言われるようになり、風邪が治ったころ国王様から正式に「聖女」として認められた。
ーやったぁ!!
そして、その春から学園に通うようになった。
司祭様が、まだマナーが完璧にこなせていないが同じ年代の子たちといれば上達するのではと思ったようだ。
でも、わたしはわたし。
聖女であることと貴族のご令嬢様とは違う明るいところが高位の貴族子息に意外にうけた。
ーほらこのままで大丈夫だったじゃない。
ー貴族の男の人ってかっこいい。
そんな彼らはわたしをちやほやしてくれた。
そして夏を迎える頃、わたしを養女にしたいという貴族があらわれた。エレスト伯爵といい、おデブな見た目があまりよろしくなかったが、貴族になれるなら我慢しよう。
司祭様の小言が無くなったかわり伯爵・・・おデブ義父様から褒められた。
そしておデブ義父さまは欲しいものもいくらでも買ってくれる。以前欲しかった物・・・安いぬいぐるみや髪飾りが値段の張る高価なものになった。
服や宝石も教会の時のように行事に必要だからではなく、着る必要があるから買うのは当然、となる。
ー高価なものを身にまとうなんて嬉しい。やっぱり手触りが違う。
それに、教会でいた頃よりもっと美味しいものが食べられた。
食べるマナーは上手くないのでどうかな?とは思ったが、おデブ義父様はうるさく言わないのでよかった。
たくさんのことが変わって大変だったが、いいことづくめ。
ーわたし、貴族になれたんだ。
貴族を満喫した。
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