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05)赤い部屋の秘密
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私がその部屋の存在を知ったのは、大学生の頃だった。
地元では有名な心霊スポットで、通称「赤い部屋」と呼ばれている。
その部屋に一度でも入ると、必ず奇妙な出来事に見舞われると言われていた。
***********************************
赤い部屋は、廃墟となった古い民家の中にあった。
元々は裕福な家庭が住んでいたとされるが、ある日を境に忽然と姿を消したという。
それ以来、家は放置され、地域住民の間では「決して近づいてはならない場所」として知られるようになった。
「赤い部屋に入ると、必ず後悔することになる」
そんな噂が私の耳に届いたのは、友人たちと心霊スポット巡りをしていた時だった。
好奇心旺盛な私たちは、噂の真相を確かめるべく、その家へ向かうことにした。
家は想像以上に荒れ果てていた。
玄関は崩れ落ち、窓ガラスは全て割れている。
しかし、不思議なことに、家の中には家具や生活用品がそのまま残っていた。
まるで住人が急いで逃げ出したかのように——。
奥へ進むと、噂の「赤い部屋」があった。
ドアには赤い塗料がこびりついており、その色は異様なほど鮮やかだった。
「……本当に入るのか?」
友人の一人が、不安げに問いかけた。
「もちろんだ。何のために来たと思ってるんだ?」
私は軽口を叩きながら、ドアを開けた。
部屋の中は、異様な雰囲気に包まれていた。
壁一面が赤く塗られており、その赤色はまるで新鮮な血液のようだった。
さらに驚くべきことに、床や天井にも無数の手形が押されていた。
「……何だこれ?」
友人が震える声で呟く。
私は懐中電灯を使って部屋の隅々を照らした。
すると、部屋の中央に小さな机があり、その上に一冊の古びた日記が置かれていた。
私は好奇心からその日記を手に取った。
表紙には名前もなく、ページは黄ばんでいた。
日記には、かつてこの家に住んでいた家族の記録が記されていた。
最初のページには、家族の何気ない日常が書かれていたが、ページをめくるごとに内容は次第に不穏なものへと変わっていった。
「彼が帰ってきた……。赤い部屋に閉じ込めたはずなのに」
「夜になると、壁から彼の声が聞こえる」
「赤い手が私を捕まえようとしている……助けて……」
最後のページには、ただ一言だけが書かれていた。
「私たちは、ここから出られない」
日記を読んでいる間に、部屋の温度が急に下がった。
息が白くなり、寒気が骨の髄まで伝わる。
「おい……何か変だぞ」
友人が怯えた声で言った。
その瞬間、部屋のドアが勢いよく閉まった。
鍵がかかっていないはずなのに、ドアはびくともしない。
「ちょっと待て、何だよこれ!」
私たちは必死でドアを叩いたが、外からの応答はなかった。
すると、部屋の中から微かに声が聞こえてきた。
「……出して……ここから出して……」
その声は、まるで部屋全体から響いているかのようだった。
私たちは全力でドアを開けようとしたが、全く歯が立たなかった。
その間にも、壁の赤い手形がじわじわと動き出し、まるで生きているかのように私たちに近づいてきた。
「おい、何か方法を考えろ!」
友人の一人が叫んだ。
私は懐中電灯を握りしめ、部屋を再び照らした。
その時、机の下に小さな扉があることに気づいた。
「こっちだ!」
私たちは急いでその扉を開け、中に飛び込んだ。
扉の向こう側は、狭い地下室に繋がっていた。
湿った空気が鼻を突き、薄暗い中で何かがうごめいている音が聞こえた。
地下室の奥には、大きな石棺が置かれていた。
その表面には無数の赤い手形があり、まるで内部から這い出ようとした跡のようだった。
「……何が入ってるんだ?」
友人が震えながら尋ねた。
私は恐る恐る石棺の蓋に手をかけた。
すると、突然石棺がひとりでに開いた。
中には——
無数の人骨と、血に染まった衣服が詰まっていた。
その瞬間、地下室全体が激しく揺れ始めた。
上の赤い部屋からは、狂気じみた笑い声と悲鳴が混ざり合った音が響いてきた。
私たちは必死で地下室から這い出し、赤い部屋を飛び出した。
外の空気は冷たく、現実に引き戻されるような感覚がした。
しかし、私たちの背後からは、依然として狂気の声が聞こえ続けていた。
「戻ってこい……ここからは逃げられない……」
***********************************
私たちは二度とその家に近づくことはなかった。
しかし、あの日以来、夜になると——
赤い手形が、私の部屋の壁にも現れるようになった。
地元では有名な心霊スポットで、通称「赤い部屋」と呼ばれている。
その部屋に一度でも入ると、必ず奇妙な出来事に見舞われると言われていた。
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赤い部屋は、廃墟となった古い民家の中にあった。
元々は裕福な家庭が住んでいたとされるが、ある日を境に忽然と姿を消したという。
それ以来、家は放置され、地域住民の間では「決して近づいてはならない場所」として知られるようになった。
「赤い部屋に入ると、必ず後悔することになる」
そんな噂が私の耳に届いたのは、友人たちと心霊スポット巡りをしていた時だった。
好奇心旺盛な私たちは、噂の真相を確かめるべく、その家へ向かうことにした。
家は想像以上に荒れ果てていた。
玄関は崩れ落ち、窓ガラスは全て割れている。
しかし、不思議なことに、家の中には家具や生活用品がそのまま残っていた。
まるで住人が急いで逃げ出したかのように——。
奥へ進むと、噂の「赤い部屋」があった。
ドアには赤い塗料がこびりついており、その色は異様なほど鮮やかだった。
「……本当に入るのか?」
友人の一人が、不安げに問いかけた。
「もちろんだ。何のために来たと思ってるんだ?」
私は軽口を叩きながら、ドアを開けた。
部屋の中は、異様な雰囲気に包まれていた。
壁一面が赤く塗られており、その赤色はまるで新鮮な血液のようだった。
さらに驚くべきことに、床や天井にも無数の手形が押されていた。
「……何だこれ?」
友人が震える声で呟く。
私は懐中電灯を使って部屋の隅々を照らした。
すると、部屋の中央に小さな机があり、その上に一冊の古びた日記が置かれていた。
私は好奇心からその日記を手に取った。
表紙には名前もなく、ページは黄ばんでいた。
日記には、かつてこの家に住んでいた家族の記録が記されていた。
最初のページには、家族の何気ない日常が書かれていたが、ページをめくるごとに内容は次第に不穏なものへと変わっていった。
「彼が帰ってきた……。赤い部屋に閉じ込めたはずなのに」
「夜になると、壁から彼の声が聞こえる」
「赤い手が私を捕まえようとしている……助けて……」
最後のページには、ただ一言だけが書かれていた。
「私たちは、ここから出られない」
日記を読んでいる間に、部屋の温度が急に下がった。
息が白くなり、寒気が骨の髄まで伝わる。
「おい……何か変だぞ」
友人が怯えた声で言った。
その瞬間、部屋のドアが勢いよく閉まった。
鍵がかかっていないはずなのに、ドアはびくともしない。
「ちょっと待て、何だよこれ!」
私たちは必死でドアを叩いたが、外からの応答はなかった。
すると、部屋の中から微かに声が聞こえてきた。
「……出して……ここから出して……」
その声は、まるで部屋全体から響いているかのようだった。
私たちは全力でドアを開けようとしたが、全く歯が立たなかった。
その間にも、壁の赤い手形がじわじわと動き出し、まるで生きているかのように私たちに近づいてきた。
「おい、何か方法を考えろ!」
友人の一人が叫んだ。
私は懐中電灯を握りしめ、部屋を再び照らした。
その時、机の下に小さな扉があることに気づいた。
「こっちだ!」
私たちは急いでその扉を開け、中に飛び込んだ。
扉の向こう側は、狭い地下室に繋がっていた。
湿った空気が鼻を突き、薄暗い中で何かがうごめいている音が聞こえた。
地下室の奥には、大きな石棺が置かれていた。
その表面には無数の赤い手形があり、まるで内部から這い出ようとした跡のようだった。
「……何が入ってるんだ?」
友人が震えながら尋ねた。
私は恐る恐る石棺の蓋に手をかけた。
すると、突然石棺がひとりでに開いた。
中には——
無数の人骨と、血に染まった衣服が詰まっていた。
その瞬間、地下室全体が激しく揺れ始めた。
上の赤い部屋からは、狂気じみた笑い声と悲鳴が混ざり合った音が響いてきた。
私たちは必死で地下室から這い出し、赤い部屋を飛び出した。
外の空気は冷たく、現実に引き戻されるような感覚がした。
しかし、私たちの背後からは、依然として狂気の声が聞こえ続けていた。
「戻ってこい……ここからは逃げられない……」
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私たちは二度とその家に近づくことはなかった。
しかし、あの日以来、夜になると——
赤い手形が、私の部屋の壁にも現れるようになった。
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