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六章「秋の炭火に、語らいは香る - Words Rise in Autumn Flame」
第27話「香りの届く昼」
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木の葉が乾き、通りの石畳に影を落としていた。
海から吹きあげる風はやや湿りを帯びていたが、それでも陽に照らされた木壁や瓦の隙間からは、秋の匂いがゆっくりと漂っている。
居酒屋の前に、一人の商人が立っていた。肩掛けの麻袋を持ち、手には平らな木箱を下げている。開店にはまだ早いが、扉の内に気配を感じて、そっと声をかけた。
「──すまん、届けもんだ。宿屋の女将さんから預かってる」
戸を開けて現れたのは、屈強な体格の男だった。金髪を後ろに束ね、袖をまくった腕には炭火で焼かれた跡が残る。
「ああ? ……おう、ありがとな」
名乗りもせぬやりとりだったが、箱の角に貼られた布印に見覚えがあった。ベネリオは受け取ると、重みを片手で量ってから店内へと戻る。
明かりの落ちた店内は、まだ火が起きていない。だが窓から射す昼光に、調理台の上が静かに照らされていた。
布紐をほどき、蓋を開ける。
……ふわり。
空気が揺れた。
波打つように重なった小粒の茸が、日乾しされた傘の内側に淡く灰白の色を残している。鼻を寄せれば、深い森の湿りと、わずかに残った潮気とが混ざっていた。
「なるほどな……干しても、森の匂いは抜けねぇってわけか」
ベネリオは指先でひとつ摘み、炭床の片端に置いた小さな陶皿の上へ載せる。
陶皿の底には、朝のうちに残しておいた火種が、かすかに赤く灯っていた。
茸をひとつ、火にかける。
焦げる音はしない。水気は抜けているのだろう。けれど、熱を帯びた傘の端から、淡い香りが広がっていく。
「……こいつは、いい」
火が直接当たらぬよう、そっと皿をずらす。茸の傘がゆるりと反り、その内側からわずかな油分がにじむのを見て、ベネリオは目を細めた。
──乾いているが、乾ききってはいない。
この具合なら、炭の端で焼くだけでじんわりと香りが立つ。
「ったく、あのやろう……前に言ってたこと、忘れたのかと」
肩を揺らして笑い、もうひとつ、茸を皿に載せた。
それから身支度を整える。
腰に革袋を結び、布手拭いを引っかけて、扉を押し開けた。
陽はまだ高いが、潮風の中に木々の香りが混じっていた。
秋の昼下がり──魚と香草を仕入れるには、ちょうどいい時間だ。
市場のある表通りは、ざわめきに満ちていた。
干した海藻を巻いた籠が並び、遠くで誰かが柑橘を搾る音が聞こえる。
ベネリオは馴染みの魚売りがいる露地に向かう。
「おう、親父さん。今朝は、いいの入ってるか?」
通りの角で、肩に網を掛けた漁師の親父が桶を洗っていた。
陽に焼けた腕を止め、振り向いた顔は皺深く、それでいて笑っていた。
「そろそろ来ると思ってたぜ、大将。見ろ、この鯖。今朝の潮が運んできた」
桶の中には、青みを帯びた鯖が何尾も並んでいた。うろこが陽を受けて光り、腹は張り、目も濁っていない。
「……いいな。こいつを二尾、くれ」
「へいへい。あんたの火なら喜ぶさ。……そういや、あの若い商人から干し茸を取り寄せたって聞いたぜ?」
「届いたばっかだ。火と合うか、試したところよ」
「へへ、そうか。強いて言やぁ……茸ってのはな、匂いの通りが違う。濡れた炭じゃ、逃げるぞ」
「火は、昼のうちに整えとくさ」
短いやりとりだった。だが、通い慣れたやり取りには、互いの信が染みついている。
受け取った鯖の袋を肩に、ベネリオはふたたび歩き出す。
通りを曲がると、ひとつだけ影の深い角があった。
そこに、香草売りの老婆が座っている。木箱に布を被せ、小さな包みをいくつも並べていた。
「……おばあさん、香り袋をひとつ」
「ほれ、これが今朝の。崖の上の風が、ちょうど染みてる」
包みを受け取ると、指の間から、甘やかで青い香りが立ちのぼった。
ミントにも似ているが、もっと土に近い。火にくべれば、茸や魚の匂いをほどよくつなぐだろう。
「……これで、宵の前に間に合う」
礼を言って歩き出す。
陽は少し傾き、空の青に白が混じり始めていた。
店へ戻ると、炭床にはまだ赤みが残っていた。
けれど、火は起きてはいない。灰の下で、芯だけが息をしている。
扉を閉めると、外の喧騒が遠ざかっていった。
静かな店の中に、鯖の匂いと、干し茸の乾いた香りが重なる。
──火は、まだだ。
だが、香りはすでに宵を予感させていた。
厨房の隅、炭床の手前に膝をつくと、ベネリオは指先で灰を崩した。
炭の芯がまだ柔らかく赤らんでいるのを確かめると、乾いた薪をひとつ、そっと重ねる。
ぱちり、と音がした。
乾いた空気のせいか、火の移りも早い。
炭に触れる前から、薪の表皮がきしむように収縮し、香ばしい匂いが滲み出していた。
干し茸の香りと、鯖の生臭さ、香草の青み。
これらを一つの火で結びつけるには、芯が静かに立ち上がる火がいい。
跳ねるような火では、茸の油が焦げつく。
眠っているような火なら、魚の脂が煙る前に弾ける。
──焚き火じゃない。料理の火だ。
火加減は、舌のためにある。
そう自分に言い聞かせるように、ベネリオは灰の山を少し崩し、炭を持ち上げて位置をずらす。
火を吸った炭は、指先に微かな振動を伝えてきた。
「……よし」
小さく呟いてから、包みに入っていた干し茸をいくつか並べた。
香草の束は、葉を一枚ずつちぎり、陶皿の縁に添えていく。
鯖はまだ捌いていない。だが、仕込みの前に、火の機嫌を見るのが先だ。
炭床の中央から、ひと筋、白く細い煙が立った。
香草が火を吸い、茸の油を焦がさぬように熱を分散させている。
──静かだ。
潮の匂いは、まだ濃くない。だが、干し茸の香りは炭の赤を撫でるように滲んでいる。
ひとつ、茸を箸で持ち上げてかじる。
さくり。
乾いた感触が最初に来る。だがすぐに、傘の内からほのかな苦味と、深い旨みが広がってきた。
香草の香りがそのあとに鼻を抜け、舌には塩を使っていないのに甘味が残った。
「……こりゃ、やっぱり……火で変わるな」
昼のうちに炙るのはもったいないほどだ。
だが、試し焼きには最適だった。
台の上に鯖を置く。尾に向けて刃を入れると、脂がわずかににじんだ。
今朝の潮の中で獲れたものだと、漁師の親父は言っていた。
切り口にそれが証明されている。
腹を裂き、内臓を丁寧に掻き出す。肝は崩さず、小鉢に分けておいた。
指先を洗い、ふたたび火のほうを見る。
赤は深く、薪の芯もくすぶり始めていた。灰の縁に煙の筋がまとわりつく──ちょうどよい、呼吸を持った火だ。
仕込みを終えた頃には、外の光が、少し斜めになっていた。
扉を開けると、午後の陽が長く伸びていた。
表通りにはまだ賑わいが残るが、どこか人々の歩みに影が差している。
──そろそろ、誰かが火の匂いを感じる時刻だ。
店の前に立ち、腕を組む。
潮の香りはかすかに残り、かわりにどこかから、炊きたての穀の匂いが風に乗って届いていた。
「……いい頃合い、ってとこか」
もうすぐ、最初の客が現れるかもしれない。
それとも、まだ宵の始まりには早いか──
再び戸を閉めた。
内と外が分かたれ、室内には静寂が戻る。
火の前に戻ると、炙っていた干し茸がゆっくりと反り、焦げる直前の色に染まりつつあった。
今はまだ、出す客はいない。
だが、夜は始まりかけていた。
火が香りを呼び寄せる。炭が味を育てる。
──それだけで、十分だった。
炭の音が、かすかに鳴った。
海から吹きあげる風はやや湿りを帯びていたが、それでも陽に照らされた木壁や瓦の隙間からは、秋の匂いがゆっくりと漂っている。
居酒屋の前に、一人の商人が立っていた。肩掛けの麻袋を持ち、手には平らな木箱を下げている。開店にはまだ早いが、扉の内に気配を感じて、そっと声をかけた。
「──すまん、届けもんだ。宿屋の女将さんから預かってる」
戸を開けて現れたのは、屈強な体格の男だった。金髪を後ろに束ね、袖をまくった腕には炭火で焼かれた跡が残る。
「ああ? ……おう、ありがとな」
名乗りもせぬやりとりだったが、箱の角に貼られた布印に見覚えがあった。ベネリオは受け取ると、重みを片手で量ってから店内へと戻る。
明かりの落ちた店内は、まだ火が起きていない。だが窓から射す昼光に、調理台の上が静かに照らされていた。
布紐をほどき、蓋を開ける。
……ふわり。
空気が揺れた。
波打つように重なった小粒の茸が、日乾しされた傘の内側に淡く灰白の色を残している。鼻を寄せれば、深い森の湿りと、わずかに残った潮気とが混ざっていた。
「なるほどな……干しても、森の匂いは抜けねぇってわけか」
ベネリオは指先でひとつ摘み、炭床の片端に置いた小さな陶皿の上へ載せる。
陶皿の底には、朝のうちに残しておいた火種が、かすかに赤く灯っていた。
茸をひとつ、火にかける。
焦げる音はしない。水気は抜けているのだろう。けれど、熱を帯びた傘の端から、淡い香りが広がっていく。
「……こいつは、いい」
火が直接当たらぬよう、そっと皿をずらす。茸の傘がゆるりと反り、その内側からわずかな油分がにじむのを見て、ベネリオは目を細めた。
──乾いているが、乾ききってはいない。
この具合なら、炭の端で焼くだけでじんわりと香りが立つ。
「ったく、あのやろう……前に言ってたこと、忘れたのかと」
肩を揺らして笑い、もうひとつ、茸を皿に載せた。
それから身支度を整える。
腰に革袋を結び、布手拭いを引っかけて、扉を押し開けた。
陽はまだ高いが、潮風の中に木々の香りが混じっていた。
秋の昼下がり──魚と香草を仕入れるには、ちょうどいい時間だ。
市場のある表通りは、ざわめきに満ちていた。
干した海藻を巻いた籠が並び、遠くで誰かが柑橘を搾る音が聞こえる。
ベネリオは馴染みの魚売りがいる露地に向かう。
「おう、親父さん。今朝は、いいの入ってるか?」
通りの角で、肩に網を掛けた漁師の親父が桶を洗っていた。
陽に焼けた腕を止め、振り向いた顔は皺深く、それでいて笑っていた。
「そろそろ来ると思ってたぜ、大将。見ろ、この鯖。今朝の潮が運んできた」
桶の中には、青みを帯びた鯖が何尾も並んでいた。うろこが陽を受けて光り、腹は張り、目も濁っていない。
「……いいな。こいつを二尾、くれ」
「へいへい。あんたの火なら喜ぶさ。……そういや、あの若い商人から干し茸を取り寄せたって聞いたぜ?」
「届いたばっかだ。火と合うか、試したところよ」
「へへ、そうか。強いて言やぁ……茸ってのはな、匂いの通りが違う。濡れた炭じゃ、逃げるぞ」
「火は、昼のうちに整えとくさ」
短いやりとりだった。だが、通い慣れたやり取りには、互いの信が染みついている。
受け取った鯖の袋を肩に、ベネリオはふたたび歩き出す。
通りを曲がると、ひとつだけ影の深い角があった。
そこに、香草売りの老婆が座っている。木箱に布を被せ、小さな包みをいくつも並べていた。
「……おばあさん、香り袋をひとつ」
「ほれ、これが今朝の。崖の上の風が、ちょうど染みてる」
包みを受け取ると、指の間から、甘やかで青い香りが立ちのぼった。
ミントにも似ているが、もっと土に近い。火にくべれば、茸や魚の匂いをほどよくつなぐだろう。
「……これで、宵の前に間に合う」
礼を言って歩き出す。
陽は少し傾き、空の青に白が混じり始めていた。
店へ戻ると、炭床にはまだ赤みが残っていた。
けれど、火は起きてはいない。灰の下で、芯だけが息をしている。
扉を閉めると、外の喧騒が遠ざかっていった。
静かな店の中に、鯖の匂いと、干し茸の乾いた香りが重なる。
──火は、まだだ。
だが、香りはすでに宵を予感させていた。
厨房の隅、炭床の手前に膝をつくと、ベネリオは指先で灰を崩した。
炭の芯がまだ柔らかく赤らんでいるのを確かめると、乾いた薪をひとつ、そっと重ねる。
ぱちり、と音がした。
乾いた空気のせいか、火の移りも早い。
炭に触れる前から、薪の表皮がきしむように収縮し、香ばしい匂いが滲み出していた。
干し茸の香りと、鯖の生臭さ、香草の青み。
これらを一つの火で結びつけるには、芯が静かに立ち上がる火がいい。
跳ねるような火では、茸の油が焦げつく。
眠っているような火なら、魚の脂が煙る前に弾ける。
──焚き火じゃない。料理の火だ。
火加減は、舌のためにある。
そう自分に言い聞かせるように、ベネリオは灰の山を少し崩し、炭を持ち上げて位置をずらす。
火を吸った炭は、指先に微かな振動を伝えてきた。
「……よし」
小さく呟いてから、包みに入っていた干し茸をいくつか並べた。
香草の束は、葉を一枚ずつちぎり、陶皿の縁に添えていく。
鯖はまだ捌いていない。だが、仕込みの前に、火の機嫌を見るのが先だ。
炭床の中央から、ひと筋、白く細い煙が立った。
香草が火を吸い、茸の油を焦がさぬように熱を分散させている。
──静かだ。
潮の匂いは、まだ濃くない。だが、干し茸の香りは炭の赤を撫でるように滲んでいる。
ひとつ、茸を箸で持ち上げてかじる。
さくり。
乾いた感触が最初に来る。だがすぐに、傘の内からほのかな苦味と、深い旨みが広がってきた。
香草の香りがそのあとに鼻を抜け、舌には塩を使っていないのに甘味が残った。
「……こりゃ、やっぱり……火で変わるな」
昼のうちに炙るのはもったいないほどだ。
だが、試し焼きには最適だった。
台の上に鯖を置く。尾に向けて刃を入れると、脂がわずかににじんだ。
今朝の潮の中で獲れたものだと、漁師の親父は言っていた。
切り口にそれが証明されている。
腹を裂き、内臓を丁寧に掻き出す。肝は崩さず、小鉢に分けておいた。
指先を洗い、ふたたび火のほうを見る。
赤は深く、薪の芯もくすぶり始めていた。灰の縁に煙の筋がまとわりつく──ちょうどよい、呼吸を持った火だ。
仕込みを終えた頃には、外の光が、少し斜めになっていた。
扉を開けると、午後の陽が長く伸びていた。
表通りにはまだ賑わいが残るが、どこか人々の歩みに影が差している。
──そろそろ、誰かが火の匂いを感じる時刻だ。
店の前に立ち、腕を組む。
潮の香りはかすかに残り、かわりにどこかから、炊きたての穀の匂いが風に乗って届いていた。
「……いい頃合い、ってとこか」
もうすぐ、最初の客が現れるかもしれない。
それとも、まだ宵の始まりには早いか──
再び戸を閉めた。
内と外が分かたれ、室内には静寂が戻る。
火の前に戻ると、炙っていた干し茸がゆっくりと反り、焦げる直前の色に染まりつつあった。
今はまだ、出す客はいない。
だが、夜は始まりかけていた。
火が香りを呼び寄せる。炭が味を育てる。
──それだけで、十分だった。
炭の音が、かすかに鳴った。
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