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第235話 宿敵との杯
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表彰を終え、バグラス大将軍と落ち合う場所と時間を決めた後、ルークがリングから退場する。
(ふぅ。振り返ってみればあっという間だったが、『剣術大会』に出て良かった)
ルークは歩きながら今回の大会を振り返る。
参加するにあたり、久しぶりに本格的な鍛錬ができたのも良かった。
強敵たちとの戦いも色々と学ぶことがあって良かった。
そしてなにより、過去最大の敵であるバグラス大将軍と戦うことで自分の成長を実感することができた。
(アメリアや家族のために戦ってきた20年が全くの無駄ではなかったということの一つを知れて良かった)
軍時代の部下達からの篤い信頼の他に、剣の実力という面もあったということが『剣術大会』に出ることでよく分かったのだ。
ルークの深い胸の痛みが和らいだ気がした。
「「ルーク!!」」
「ん?」
考え事をしながら歩いている内にいつの間にかミリーナとヒルダと約束していた合流場所に辿り着いていたようだ2人がルークに気づいて駆け寄ってくる。
「優勝おめでとう!」
「優勝おめでとうなのじゃ!!」
ミリーナとヒルダが順番にルークに言ってくる。
「ありがとう」
ルークは素直に礼を言うと、2人が大きな袋を持っていることに気づいた。
「それは?」
ルークの言葉にミリーナとヒルダが顔を見合わせるとにししと笑い、中身を見せる。
「「大勝よ!!」」
中には金貨がぎっしりと詰まっていた。
「・・・すごいな。なるほど、ヒルダが金を借りた理由はこういうことだったか」
ルークは全てを理解して呟く。
「にしし、その通りなのじゃ。ミリーナのお金も併せて全てルークに賭けてな。この通り元の数十倍になったのじゃ」
ヒルダがどや顔をする。
「やるな。2人とも」
ルークが素直に賞賛する。
「という訳で、これは全部ルークに渡すぞ。借りた額から差し引いても結構な年数分の我の生活費は稼げたじゃろう」
ヒルダが安心した様子で言う。
「いやいや。多過ぎるだろう」
ルークがヒルダにそう言う。
「お主達には恩義がある。借りた分と生活費を差し引いても足りないくらいじゃ」
「・・・ヒルダちゃん」
ヒルダの気持ちに対してミリーナが感動する。
「・・・そうだな。ならこうしよう。ひとまず、預かっておく。軍の銀行の方が並ばずに済むのとまだヒルダは銀行を使えないからな。だが貸した分も含め手をつける気はない。俺としてはあげたつもりだったしな。なので、必要なときには言ってくれ」
ルークがそう提案する。
「そういう訳にもいかぬぞっ!我の気が済まぬ!!借りた分も生活費も要らぬなど」
ヒルダが大きな声を出す。
「あまり気にするな。ほら、俺も結構懐が暖かくなったしな」
ルークが賞金の入った袋を見せながら言う。
「ううう。じゃが・・・」
ヒルダが納得いかないように呟く。
「ヒルダちゃん。あたしが言った通りだったでしょ?ルークは受け取らないって」
ミリーナがここでヒルダに改めて話しかける。
「ミリーナ・・・我はどうしたら、、、」
「いいじゃない。ルークに甘えちゃえば。お金はいくらあっても困らないわよ」
ミリーナはあっけらかんと言う。
「じゃ、じゃが・・・」
ヒルダが困ったように呟く。
ルークがここでヒルダの頭を撫でる。
「ル、ルーク?」
ヒルダが突然のことに驚きながらルークの名前を呼ぶ。
「まぁ、気にするな。ひとまず、銀行に行こう。大金を持ち歩くのも面倒毎が多いからな。それに色々と話もある」
「わ、分かったのじゃ」
「そうね」
こうしてルーク、ミリーナ、ヒルダの3人は闘技場を後にしたのであった。
(ふぅ。振り返ってみればあっという間だったが、『剣術大会』に出て良かった)
ルークは歩きながら今回の大会を振り返る。
参加するにあたり、久しぶりに本格的な鍛錬ができたのも良かった。
強敵たちとの戦いも色々と学ぶことがあって良かった。
そしてなにより、過去最大の敵であるバグラス大将軍と戦うことで自分の成長を実感することができた。
(アメリアや家族のために戦ってきた20年が全くの無駄ではなかったということの一つを知れて良かった)
軍時代の部下達からの篤い信頼の他に、剣の実力という面もあったということが『剣術大会』に出ることでよく分かったのだ。
ルークの深い胸の痛みが和らいだ気がした。
「「ルーク!!」」
「ん?」
考え事をしながら歩いている内にいつの間にかミリーナとヒルダと約束していた合流場所に辿り着いていたようだ2人がルークに気づいて駆け寄ってくる。
「優勝おめでとう!」
「優勝おめでとうなのじゃ!!」
ミリーナとヒルダが順番にルークに言ってくる。
「ありがとう」
ルークは素直に礼を言うと、2人が大きな袋を持っていることに気づいた。
「それは?」
ルークの言葉にミリーナとヒルダが顔を見合わせるとにししと笑い、中身を見せる。
「「大勝よ!!」」
中には金貨がぎっしりと詰まっていた。
「・・・すごいな。なるほど、ヒルダが金を借りた理由はこういうことだったか」
ルークは全てを理解して呟く。
「にしし、その通りなのじゃ。ミリーナのお金も併せて全てルークに賭けてな。この通り元の数十倍になったのじゃ」
ヒルダがどや顔をする。
「やるな。2人とも」
ルークが素直に賞賛する。
「という訳で、これは全部ルークに渡すぞ。借りた額から差し引いても結構な年数分の我の生活費は稼げたじゃろう」
ヒルダが安心した様子で言う。
「いやいや。多過ぎるだろう」
ルークがヒルダにそう言う。
「お主達には恩義がある。借りた分と生活費を差し引いても足りないくらいじゃ」
「・・・ヒルダちゃん」
ヒルダの気持ちに対してミリーナが感動する。
「・・・そうだな。ならこうしよう。ひとまず、預かっておく。軍の銀行の方が並ばずに済むのとまだヒルダは銀行を使えないからな。だが貸した分も含め手をつける気はない。俺としてはあげたつもりだったしな。なので、必要なときには言ってくれ」
ルークがそう提案する。
「そういう訳にもいかぬぞっ!我の気が済まぬ!!借りた分も生活費も要らぬなど」
ヒルダが大きな声を出す。
「あまり気にするな。ほら、俺も結構懐が暖かくなったしな」
ルークが賞金の入った袋を見せながら言う。
「ううう。じゃが・・・」
ヒルダが納得いかないように呟く。
「ヒルダちゃん。あたしが言った通りだったでしょ?ルークは受け取らないって」
ミリーナがここでヒルダに改めて話しかける。
「ミリーナ・・・我はどうしたら、、、」
「いいじゃない。ルークに甘えちゃえば。お金はいくらあっても困らないわよ」
ミリーナはあっけらかんと言う。
「じゃ、じゃが・・・」
ヒルダが困ったように呟く。
ルークがここでヒルダの頭を撫でる。
「ル、ルーク?」
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「まぁ、気にするな。ひとまず、銀行に行こう。大金を持ち歩くのも面倒毎が多いからな。それに色々と話もある」
「わ、分かったのじゃ」
「そうね」
こうしてルーク、ミリーナ、ヒルダの3人は闘技場を後にしたのであった。
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