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ダスク・ブリガンド編
6 毛骨悚然
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side 白髪の少年
寒い、寒い……寒い………。
帝都アクロポリス中央部。そこにはふらふらとした足取りで屋根伝いを歩く人影があった。まだ早朝のため人が少ないのか、誰もその姿を認識している者はいない。
少年はなんとか一歩ずつ足を前に出しながら、目的の場所へと向かっていた。
身体、寒いのに、目、熱い……焼けそうだ……。
少年は目を押さえながら進んでいく。俯きながら重い足取りで前に進む少年の身体は悲鳴をあげていた。
「わっ……」
案の定、少年は足を踏み外して路地裏へと落下した。幸いにもそこにはゴミ袋が大量に積まれており、軽い負傷で済んだ。だが、これまで必死に意識を保ち耐えてきた身体は限界を超え、ついに少年は失神してしまった。
…………温かい……ふかふか、してる………………。
「ん……」
目を開けると、そこには見知らぬ茶色の天井があった。少年はすぐに自身の置かれた状況を把握しようとした。だが起きあがろうとした瞬間に、目に鋭い痛みが走り、ベットに身体を預けるほかなかった。
「……起きた」
左隣から声がした。見るとそこには見知らぬ少女がいる。少年はどうしようと考えながらも、じっと彼女を見つめた。
「ミオ、どうだい?あの子の様子は?」
ガチャッと扉を開けて入ってきたのは、彼女とよく似た男だった。少年は内心困惑しながらも、決して表には出さず、状況把握に専念した。
「目、覚ました」
「本当かい?」
男は手に水の入ったおけと小さな白いタオルを持ったまま少年へと近づいた。
「良かった、目を覚まして。でもまだ目に熱を持ってるから、これ乗せておくからね」
男はタオルを水につけ軽く絞ると、少年の目元に冷えたタオルを乗せた。少年は状況把握が追いつかずなされるがままであった。
「僕はイオリだ。隣にいるのは妹のミオだよ。良ければ君の名前、聞いてもいいかな?」
なんでかわからない、けど……この人、ノアとおんなじ感じがする。……あったかい人だ。
「リュウ……」
「リュウか。なんだか強そうな名前だね。リュウ、君は今安静にしていなきゃいけない状態だ。それは自分でもよくわかってるだろう?だから、ここでしばらく休んでいくんだよ」
「……寝るの大事」
「じゃあ僕たちは行くけど、外に別の大人がいるから何かあったらその人を呼んでね。スザンヌさんって名前だから。……行くよ、ミオ」
「……バイバイ」
イオリと名乗った男とミオと呼ばれた女は、少年の身を案じながらこの場を後にした。
二人は少年がなぜ路地裏に倒れていたのかなどといった事情を詮索することなく去っていったのだ。それはきっと、弱っている少年の体にこれ以上の負担をかけることを避けたためであろう。少しでも休んでほしい、そんな思いが垣間見える、なんとも優しい兄妹である。
「じゃあ、スザンヌさん。後のことは任せます。帰ってきたら顔出しますね」
「ああ、分かったよ」
扉越しに会話する二人の人間。ひとりは先ほどの男だが、もうひとりは先ほどの少女とは別の人間の声だった。
『ガチャ』
「どうだい調子は?」
「……」
「そんなに警戒しなくてもいい。私はスザンヌ。あんたを治療した治癒術師だよ」
ぼくを治してくれた…….?
あ……いつもより、つらくない……。
少年は困惑した。普段であれば丸一日、声にならないほどの痛みが目に走り、対して身体は雪山に放り出された時のように冷え切ってしまうというのに、今回はやけに楽すぎたのだ。
「話すのは辛いかもしれないが、私はあんたを治療した治癒術師として、あんたの命がこれ以上危険に晒されないように対処しなきゃいけなくなった。だから、ゆっくりでもいいからあんたのこと話してくれないか?」
ぼくのこと……そ、そんなの、言えるわけない。ぼくは……たくさんの人をこの手で殺した……罪人、なんだから……。
「……」
少年は唇に歯を立てて噛み締めた。タオルが乗せられた目元からは、一粒の涙が少年の頬へと線状に流れ落ちた。
「……悪かったね、無理に聞こうとして。あんたの気持ちを汲み取るべきだった」
スザンヌは少年の頭を優しく撫でた。
「おや?もうタオルが温かい」
スザンヌは先ほどまでかなり冷えていたはずのタオルを取り、ベット横に置かれた水桶へと浸した。
「……これでよし……なっ!」
スザンヌはタオルを軽く絞り、再び少年の目元へと乗せようとベットへ向き直ったが、そこにはついさっきまで横になっていたはずの少年の姿はどこにもなく、ベットはもぬけの殻であった。
手に持っていた濡れタオルを床に落とし、呆然とする。そしてベット近くの窓が僅かに空いていることに気づき、外を覗いた。
「まだ治っていないってのに、一体どこへ行ってしまったんだ……」
「……はぁはぁはぁ……っはぁはぁ……」
少年は人という人でごった返す大通りを、針の穴を縫うように進んでいく。黒いローブを着ているため、普通なら誰かしらの目に留まりそうなものだが、少年に気づく者は誰ひとりとしていなかった。
少年は路地へと入り身体を建物へと預けた。そしてそのまま座り込んだ。
体が軽い……あんなに苦しかったのが嘘みたいだ……。
「はぁはぁ……ふぅ……」
大きく深呼吸をする少年。
「……僕なんかを助けてくれた……あったかくて、優しい人たちだった、なぁ……」
お礼したい……でもまだ仕事、終わってない……。
それに……ぼくなんかが、あんなにキラキラしててすっごくあったかい世界にいちゃだめだ。
ぼくは穢れてるんだから……。
少年はゆっくりと立ち上がる。その時、ピシッと目に鋭い痛みが走ったが、少年は一瞬眉を顰めるのみで特に気にする様子はなく、さらに奥の路地へと進んでいった。
side桜木イオリ
「お兄ちゃん、嬉しそう……」
「そりゃあね。まさか湊から誘ってくれるなんて……嬉しい以外の言葉が見つからないよ」
先ほどギルド長へしばらく僕たちが留守にすることを伝え、フリースペースで軽く休憩していたら、たまたま湊と秀に会えた。最近は色々あって湊との早朝鍛錬に行けずじまいだった。だから湊からの誘いはすごく嬉しかった。
「あの人、強いの?」
「ミオだってなんとなくでも気づいてるんじゃないかい?湊は怪物並みに強いってね。まあそれは秀も同じだろうけど」
「……うん」
「あの二人の正体は結局わからなかったけど、僕は信頼できると思ってる。もちろん、ノアとシンもね」
「ノアもシンも、なんだか……読めない」
「それは僕も同意だよ。あの二人には湊や秀には無い何かがある。得体の知れない何かがね」
そうこうしているうちに帝都の出入り口である大門へと辿り着いた。そこにいた師団員へと軽く挨拶をし外へ出る。
「さあ、任務開始といこう」
「え?あんたらをファランクスに連れてけって?無理無理。あそこは俺らみたいな力のない商人が行っても殺されるだけだ。悪いが他を当たってくれ」
「い、いやに決まってんだろ、あんなとこ。お前らで勝手に行けよな」
「は?あそこに行くのかい?やめといたほうがいいよ。あそこは死の巣窟だから」
「君らまだ若いんだから、あんなとこ行って無駄死にするのは良くないってー。ま、僕もその若い命のひとつだけどねー、ハハ!」
先ほどから時々通りすがる馬車に、僕たちをファランクスまで乗せて行ってほしいと頼んではいるのだが、どうもうまくいかない。
理由はわかっているし、難航するとは思っていたけど、まさかここまでとは……。
「せめてファランクスに入る前には馬車に乗っておきたいんだけど……」
馬車にも乗らず歩いて国々を渡り歩く者などそうはいない。このまま歩いて行けば、ファランクス内の関所で問い詰められる可能性がある。それはなんとかして避けないといけない。
最初から馬車に乗って行けば良かったのだが、急ぎの任務のためその準備は間に合わないと判断し、指示しなかった。その結果がこの状況なわけだけど……。
さて、どうしたものか……。
「あれー?そこのお二人は旅人さんですかー?」
たった今通り過ぎたばかりの馬車から、若い女性の声が聞こえてきた。見ると馬車にかけられた布製の白い幕から、身を乗り出す女性の姿があった。
「ちょっと止めてくんない?休憩がてら旅人さんのお話聞きたいし」
「えっマジかよ。この荷物あと二日以内に届けなきゃ行けないのに?」
「いいじゃん。お得意様だから少しくらい遅れたって文句言われないって」
「えぇ……俺はちゃんと止めたぞ。あとで商長にどやされても知んないから」
「わかってるって」
馬車は僕たちの十メートル前方あたりで止まった。すると中から、青い制服に身を包んだ女性が現れた。そして手を口に当てる。
「おーい、お二人さん。良かったら私たちの馬車に乗っていきませんかー?」
「いやー、遠くからは気づかなかったけど、近くで見るとすっごい別嬪さんだね、二人とも」
先ほどの女性の誘いは願ってもないことだったから来てみたんだけど……顔、近いな。
「あ、ありがとう」
「あたいはリズ。こっちの根暗はフィッツ」
「根暗ってなんだよ」
「えー、だっていつも猫背だし、目元にくまがあるのが通常運行ですって感じのやつの、どの辺が根暗に見えないってのよ」
「不眠症なんだから仕方ないだろ」
「もっとシャキッとしなさいよ!」
「イッテ!……いつも言ってんだろ、俺の背中をほいほい叩くなって」
「えー、なんでよ?」
「お前の平手打ちがクソイテーからに決まってんだろ?!」
うーん、このままだと僕たち忘れられそうだ……。
「あの、ちょっといいかい?」
「あっ、ごめんごめん。こいつと口論してる場合じゃなかったわ」
「君たちエリック商団員がどこへ向かっているか聞いてもいいかな?」
「お。あたいらのこと知ってるんだー。そりゃこの大陸一有名な商団だもんねー。……えーと?あたいらの行き先が知りたいんだっけ?あたいらはね、あのおっかなーいファランクスに行く予定さ」
リズ殿はおっかないと言う割にはまったく怯えるそぶりもなく、むしろ明るい表情をみせている。
「おっかないって言ってもいつもの客んとこ行くだけだ。大したことじゃねぇよ」
「そりゃそうだけどさー。あたい的にはもっとスリルがあったほうが面白いんだよねー」
「おいおい、俺を巻き込むなよ」
「フィッツは私の補佐役なんだから巻き込むに決まってるっしょ」
『バシッ』
「イッテッ!だぁー、もう、なんでこいつと組ませたんだよ、商長……恨むぜほんと」
背中をさすりながら不満を垂れるフィッツ殿。なんだかかわいそうに見える。
「で、あんたたちはどこに行きたいの?てか名前聞いてなかったかも」
「僕はイオリ。歴史学者として各国を転々と旅してるんだ。こっちは妹のミオ」
ミオはペコっと軽くお辞儀する。
「へぇー、歴史学者かー。あたいも何度か会ったことあるけど、こんなに若い人は初めて見たかも。しかもめっちゃ美人!」
「亡くなった父が歴史学者だったからね。その影響もあったし、子供の頃からよくあちこちを回ってたから、そもそも旅は好きなんだよ」
「それで?おまえらはどこ行きてぇんだ?」
「ファランクスに行こうかと思ってるんだ。あそこは唯一行ったことがないからね」
「おまえ勇気あんな。物騒が取り柄のあの国行くなんて」
「僕はどうしても、この大陸全ての歴史を知りたいからね。多少の危険は自分の手でどうにかするよ」
「ふーん。おまえ強いのか?」
「どうだろう。人並み程度……かな?」
「へぇー」
フィッツはそこまで興味がなさそうな声のトーンで反応する。
「あたいらと同じ場所行くならなおさら乗っていきなよ。あたいらは国境近くの街までだけど、そこまでなら乗せてってあげるからさ」
軽く話を済ませた僕たちは、リズ殿とフィッツ殿の了承を得て、フィッツ殿の案内のもと、馬車の中でゆっくりさせてもらっていた。
「へぇー。そんなことがあったんだ。あたいはまだ葦原国には行ったことないんだよねー」
「エリック商団員でもあそこに踏み入れたことないのかい?」
「まあねー。エリック商長は一回だけ行ったらしいけど、あの国に船が近づくと、何故か突然海は大荒れになって竜巻や渦潮も無数に発生するらしいよー。おかけで船は全壊してエリック商長以外の団員は全員、死亡または行方不明。商長は運良く葦原国に漂着することができて、現地の人に船を借りてなんとか帰還したって言ってたねー」
僕が十四の頃、父さんが帝国の使者として葦原国へ赴くことになり、無理を言って僕を連れて行ってもらったことがある。葦原国は昔から誰も踏み入れたことのない未知の国と言われている。だけど、父さんと僕が行った時は海は荒れてなかったし、むしろ穏やかだったように思う。あの時は噂と違って変だなと思いはしたけど、そこまで気にしなかったのを覚えている。
「あたいも行きたいけど商長に絶対にダメって言われてるからねー」
「……なんで、そんなに行きたいの?」
「そりゃ、ワクワクしたいからだよ、ミオちゃん」
リズ殿はガバッと立ち上がり胸の前で拳を握った。
「うわっ……ととと」
車輪が石を踏んだのか、ガタンと馬車が揺れた。立ち上がっていたリズ殿は危うく倒れそうになるが、なんとか持ち堪えた。
「もー、フィッツ。ちゃんと運転してよねー」
「はぁ?それ絶対俺のせいじゃねぇやつだろ?」
「いーや、か・ん・ぜ・ん・にフィッツが悪い」
「意味わかんねぇよ!」
……また口喧嘩が始まったらしい。喧嘩するほど仲がいいというのはこういうことだったんだね。
何気なく二人のやり取りを見守っていたその時だった。
「……っ!」
突然、内臓が凍りつくような悪寒が全身を駆け巡った。それはまるで心の臓を握られているような、おぞましい恐怖だ。自身の手を見ると、なぜか小刻みに震えているのがわかる。
こんなこと、初めてだ………………。
この強烈な悪寒は得体の知れない何かによるものだが、それはほんの一瞬にして消えてしまった。だというのに、未だに怖いという感情が溢れ出てくる。
僕でさえここまでの恐怖を感じるんだ。ミオは……。
隣に座るミオに目をやると、ミオは自分を抱きしめるようにして縮こまっていた。
「……こわい……こわい…………」
「ミオ、大丈夫。僕がいる。安心して」
僕は震えるミオの身体へと上から覆いかぶさり抱きしめた。
「落ち着いて。ゆっくり深呼吸をするんだ」
ミオは震えながらも僕のい言う通りにした。すると幾らか震えは収まり、表情も安らいできた。
「ミオはここにいるんだ。僕は念のため少し外を覗いてみる」
「…………うん……」
一体何が起きたっていうんだ……?
恐る恐る後方の幕を少しだけめくって外を見る。そこには遠くの方に豆粒程度の姿しか見えなかったが、漆黒に近い紫色のローブを着た二人組がいるだけで、あとは特に変わった様子はなかった。
まさかあの二人組が原因?この距離で、しかもこれほどの恐怖を与えてくるなんて……一体何者なんだ……?
突如として感じた恐怖の根源は、もうとっくに消えた。だと言うのにやはりま未だに腕は震えており、足は床に張り付いたかのように動けない。
……もしこいつらが大帝国を脅かそうとしているのなら、下手をすればこれは大帝国の存亡がかかっているのかもしれない。
これは自論だが、戦いにおいて質と量どちらを取ると言われれば、確実に質を選ぶ。どれだけ量がいても、ひとりひとりが弱いのであればそれはただの有象無象の集合体。どんなに連携力があっても、その集団を壊滅させるような一撃を持った個には決して敵わない。
今この状況もそうだ。僕やミオが震えるほどに恐怖を抱く存在。こいつらが弱いなんてあるわけない。下手をすれば大帝国を滅ぼす力をも持っていると仮定すべきだ。
『国殺し』の名がついた、あの歴史上最も凶悪な王とされる、アルノ=リカードと同じか……もしかすればそれ以上の何かがあの二人組にはあるかもしれない。
「……まずいな、これは」
僕は固まった足をなんとか動かし、外に身を乗り出していた身体を馬車中へと引き戻した。震える腕を抑え、座り込む。
まさかこんな時に急ぎの報告をせねばならない事態になるとは……。
どうする。陛下への報告のため一旦戻るか?それともあの二人組を見て見ぬふりをして、このまま任務を続行するか?あるいは……。
「……ミオ?」
腕を抑えていた僕の手にミオの手が重なるようにして乗っていた。
「……お兄ちゃん、大丈夫……?」
自分も震えているというのに、ミオは僕の身を案じて行動してくれた。なんて優しい子なんだろうか。
「ああ、大丈夫だよミオ。ありがとう」
僕には愛しいミオや大切な大帝国を守らなきゃいけない使命がある。そのために何をするのが最善なのか。この選択が大帝国の未来を決めるかもしれない……。
side ???・???
「もっとマシな位置に転移しろよぉ。なんだこのなんもねぇとこはよぉ」
「文句を垂れる暇があるなら足を動かせ。我々にはやらねばならぬ目的があることを忘れるな」
「わーってるって」
漆黒に似た紫色のローブをその身に纏う二人組の男女。そのローブにより容姿は不明だが、声音からそう判断できるだろう。
「それとそのオーラを引っ込めろ。五月蝿くて仕方ない」
「ああ、忘れてたわ。さっきまでケルベロスと戯れてたから戦闘モードのままだった。……ふぅ。これでいいか?」
雑な話し方をする女は、目を瞑り一呼吸した。
「ああ、問題ない」
「そういや、どこいきゃいいんだっけか?」
「……先ほどの話をもう忘れたと?」
「いや正直、戦闘以外はどうでもいいからすぐ忘れちまうんだよな。ほら、俺って戦闘バカだろ?」
「……呆れてものも言えん。どうせ今言ってもまた忘れるだけだろうからな。……私に着いて来い」
落ち着いた話し方をする男は野蛮そうな女に呆れつつも、特に怒ることなく指示を出した。この男にとってこのようなことは些事にすぎないということだろうか。
「オーケー、オーケー。それならたぶん忘れないわ」
寒い、寒い……寒い………。
帝都アクロポリス中央部。そこにはふらふらとした足取りで屋根伝いを歩く人影があった。まだ早朝のため人が少ないのか、誰もその姿を認識している者はいない。
少年はなんとか一歩ずつ足を前に出しながら、目的の場所へと向かっていた。
身体、寒いのに、目、熱い……焼けそうだ……。
少年は目を押さえながら進んでいく。俯きながら重い足取りで前に進む少年の身体は悲鳴をあげていた。
「わっ……」
案の定、少年は足を踏み外して路地裏へと落下した。幸いにもそこにはゴミ袋が大量に積まれており、軽い負傷で済んだ。だが、これまで必死に意識を保ち耐えてきた身体は限界を超え、ついに少年は失神してしまった。
…………温かい……ふかふか、してる………………。
「ん……」
目を開けると、そこには見知らぬ茶色の天井があった。少年はすぐに自身の置かれた状況を把握しようとした。だが起きあがろうとした瞬間に、目に鋭い痛みが走り、ベットに身体を預けるほかなかった。
「……起きた」
左隣から声がした。見るとそこには見知らぬ少女がいる。少年はどうしようと考えながらも、じっと彼女を見つめた。
「ミオ、どうだい?あの子の様子は?」
ガチャッと扉を開けて入ってきたのは、彼女とよく似た男だった。少年は内心困惑しながらも、決して表には出さず、状況把握に専念した。
「目、覚ました」
「本当かい?」
男は手に水の入ったおけと小さな白いタオルを持ったまま少年へと近づいた。
「良かった、目を覚まして。でもまだ目に熱を持ってるから、これ乗せておくからね」
男はタオルを水につけ軽く絞ると、少年の目元に冷えたタオルを乗せた。少年は状況把握が追いつかずなされるがままであった。
「僕はイオリだ。隣にいるのは妹のミオだよ。良ければ君の名前、聞いてもいいかな?」
なんでかわからない、けど……この人、ノアとおんなじ感じがする。……あったかい人だ。
「リュウ……」
「リュウか。なんだか強そうな名前だね。リュウ、君は今安静にしていなきゃいけない状態だ。それは自分でもよくわかってるだろう?だから、ここでしばらく休んでいくんだよ」
「……寝るの大事」
「じゃあ僕たちは行くけど、外に別の大人がいるから何かあったらその人を呼んでね。スザンヌさんって名前だから。……行くよ、ミオ」
「……バイバイ」
イオリと名乗った男とミオと呼ばれた女は、少年の身を案じながらこの場を後にした。
二人は少年がなぜ路地裏に倒れていたのかなどといった事情を詮索することなく去っていったのだ。それはきっと、弱っている少年の体にこれ以上の負担をかけることを避けたためであろう。少しでも休んでほしい、そんな思いが垣間見える、なんとも優しい兄妹である。
「じゃあ、スザンヌさん。後のことは任せます。帰ってきたら顔出しますね」
「ああ、分かったよ」
扉越しに会話する二人の人間。ひとりは先ほどの男だが、もうひとりは先ほどの少女とは別の人間の声だった。
『ガチャ』
「どうだい調子は?」
「……」
「そんなに警戒しなくてもいい。私はスザンヌ。あんたを治療した治癒術師だよ」
ぼくを治してくれた…….?
あ……いつもより、つらくない……。
少年は困惑した。普段であれば丸一日、声にならないほどの痛みが目に走り、対して身体は雪山に放り出された時のように冷え切ってしまうというのに、今回はやけに楽すぎたのだ。
「話すのは辛いかもしれないが、私はあんたを治療した治癒術師として、あんたの命がこれ以上危険に晒されないように対処しなきゃいけなくなった。だから、ゆっくりでもいいからあんたのこと話してくれないか?」
ぼくのこと……そ、そんなの、言えるわけない。ぼくは……たくさんの人をこの手で殺した……罪人、なんだから……。
「……」
少年は唇に歯を立てて噛み締めた。タオルが乗せられた目元からは、一粒の涙が少年の頬へと線状に流れ落ちた。
「……悪かったね、無理に聞こうとして。あんたの気持ちを汲み取るべきだった」
スザンヌは少年の頭を優しく撫でた。
「おや?もうタオルが温かい」
スザンヌは先ほどまでかなり冷えていたはずのタオルを取り、ベット横に置かれた水桶へと浸した。
「……これでよし……なっ!」
スザンヌはタオルを軽く絞り、再び少年の目元へと乗せようとベットへ向き直ったが、そこにはついさっきまで横になっていたはずの少年の姿はどこにもなく、ベットはもぬけの殻であった。
手に持っていた濡れタオルを床に落とし、呆然とする。そしてベット近くの窓が僅かに空いていることに気づき、外を覗いた。
「まだ治っていないってのに、一体どこへ行ってしまったんだ……」
「……はぁはぁはぁ……っはぁはぁ……」
少年は人という人でごった返す大通りを、針の穴を縫うように進んでいく。黒いローブを着ているため、普通なら誰かしらの目に留まりそうなものだが、少年に気づく者は誰ひとりとしていなかった。
少年は路地へと入り身体を建物へと預けた。そしてそのまま座り込んだ。
体が軽い……あんなに苦しかったのが嘘みたいだ……。
「はぁはぁ……ふぅ……」
大きく深呼吸をする少年。
「……僕なんかを助けてくれた……あったかくて、優しい人たちだった、なぁ……」
お礼したい……でもまだ仕事、終わってない……。
それに……ぼくなんかが、あんなにキラキラしててすっごくあったかい世界にいちゃだめだ。
ぼくは穢れてるんだから……。
少年はゆっくりと立ち上がる。その時、ピシッと目に鋭い痛みが走ったが、少年は一瞬眉を顰めるのみで特に気にする様子はなく、さらに奥の路地へと進んでいった。
side桜木イオリ
「お兄ちゃん、嬉しそう……」
「そりゃあね。まさか湊から誘ってくれるなんて……嬉しい以外の言葉が見つからないよ」
先ほどギルド長へしばらく僕たちが留守にすることを伝え、フリースペースで軽く休憩していたら、たまたま湊と秀に会えた。最近は色々あって湊との早朝鍛錬に行けずじまいだった。だから湊からの誘いはすごく嬉しかった。
「あの人、強いの?」
「ミオだってなんとなくでも気づいてるんじゃないかい?湊は怪物並みに強いってね。まあそれは秀も同じだろうけど」
「……うん」
「あの二人の正体は結局わからなかったけど、僕は信頼できると思ってる。もちろん、ノアとシンもね」
「ノアもシンも、なんだか……読めない」
「それは僕も同意だよ。あの二人には湊や秀には無い何かがある。得体の知れない何かがね」
そうこうしているうちに帝都の出入り口である大門へと辿り着いた。そこにいた師団員へと軽く挨拶をし外へ出る。
「さあ、任務開始といこう」
「え?あんたらをファランクスに連れてけって?無理無理。あそこは俺らみたいな力のない商人が行っても殺されるだけだ。悪いが他を当たってくれ」
「い、いやに決まってんだろ、あんなとこ。お前らで勝手に行けよな」
「は?あそこに行くのかい?やめといたほうがいいよ。あそこは死の巣窟だから」
「君らまだ若いんだから、あんなとこ行って無駄死にするのは良くないってー。ま、僕もその若い命のひとつだけどねー、ハハ!」
先ほどから時々通りすがる馬車に、僕たちをファランクスまで乗せて行ってほしいと頼んではいるのだが、どうもうまくいかない。
理由はわかっているし、難航するとは思っていたけど、まさかここまでとは……。
「せめてファランクスに入る前には馬車に乗っておきたいんだけど……」
馬車にも乗らず歩いて国々を渡り歩く者などそうはいない。このまま歩いて行けば、ファランクス内の関所で問い詰められる可能性がある。それはなんとかして避けないといけない。
最初から馬車に乗って行けば良かったのだが、急ぎの任務のためその準備は間に合わないと判断し、指示しなかった。その結果がこの状況なわけだけど……。
さて、どうしたものか……。
「あれー?そこのお二人は旅人さんですかー?」
たった今通り過ぎたばかりの馬車から、若い女性の声が聞こえてきた。見ると馬車にかけられた布製の白い幕から、身を乗り出す女性の姿があった。
「ちょっと止めてくんない?休憩がてら旅人さんのお話聞きたいし」
「えっマジかよ。この荷物あと二日以内に届けなきゃ行けないのに?」
「いいじゃん。お得意様だから少しくらい遅れたって文句言われないって」
「えぇ……俺はちゃんと止めたぞ。あとで商長にどやされても知んないから」
「わかってるって」
馬車は僕たちの十メートル前方あたりで止まった。すると中から、青い制服に身を包んだ女性が現れた。そして手を口に当てる。
「おーい、お二人さん。良かったら私たちの馬車に乗っていきませんかー?」
「いやー、遠くからは気づかなかったけど、近くで見るとすっごい別嬪さんだね、二人とも」
先ほどの女性の誘いは願ってもないことだったから来てみたんだけど……顔、近いな。
「あ、ありがとう」
「あたいはリズ。こっちの根暗はフィッツ」
「根暗ってなんだよ」
「えー、だっていつも猫背だし、目元にくまがあるのが通常運行ですって感じのやつの、どの辺が根暗に見えないってのよ」
「不眠症なんだから仕方ないだろ」
「もっとシャキッとしなさいよ!」
「イッテ!……いつも言ってんだろ、俺の背中をほいほい叩くなって」
「えー、なんでよ?」
「お前の平手打ちがクソイテーからに決まってんだろ?!」
うーん、このままだと僕たち忘れられそうだ……。
「あの、ちょっといいかい?」
「あっ、ごめんごめん。こいつと口論してる場合じゃなかったわ」
「君たちエリック商団員がどこへ向かっているか聞いてもいいかな?」
「お。あたいらのこと知ってるんだー。そりゃこの大陸一有名な商団だもんねー。……えーと?あたいらの行き先が知りたいんだっけ?あたいらはね、あのおっかなーいファランクスに行く予定さ」
リズ殿はおっかないと言う割にはまったく怯えるそぶりもなく、むしろ明るい表情をみせている。
「おっかないって言ってもいつもの客んとこ行くだけだ。大したことじゃねぇよ」
「そりゃそうだけどさー。あたい的にはもっとスリルがあったほうが面白いんだよねー」
「おいおい、俺を巻き込むなよ」
「フィッツは私の補佐役なんだから巻き込むに決まってるっしょ」
『バシッ』
「イッテッ!だぁー、もう、なんでこいつと組ませたんだよ、商長……恨むぜほんと」
背中をさすりながら不満を垂れるフィッツ殿。なんだかかわいそうに見える。
「で、あんたたちはどこに行きたいの?てか名前聞いてなかったかも」
「僕はイオリ。歴史学者として各国を転々と旅してるんだ。こっちは妹のミオ」
ミオはペコっと軽くお辞儀する。
「へぇー、歴史学者かー。あたいも何度か会ったことあるけど、こんなに若い人は初めて見たかも。しかもめっちゃ美人!」
「亡くなった父が歴史学者だったからね。その影響もあったし、子供の頃からよくあちこちを回ってたから、そもそも旅は好きなんだよ」
「それで?おまえらはどこ行きてぇんだ?」
「ファランクスに行こうかと思ってるんだ。あそこは唯一行ったことがないからね」
「おまえ勇気あんな。物騒が取り柄のあの国行くなんて」
「僕はどうしても、この大陸全ての歴史を知りたいからね。多少の危険は自分の手でどうにかするよ」
「ふーん。おまえ強いのか?」
「どうだろう。人並み程度……かな?」
「へぇー」
フィッツはそこまで興味がなさそうな声のトーンで反応する。
「あたいらと同じ場所行くならなおさら乗っていきなよ。あたいらは国境近くの街までだけど、そこまでなら乗せてってあげるからさ」
軽く話を済ませた僕たちは、リズ殿とフィッツ殿の了承を得て、フィッツ殿の案内のもと、馬車の中でゆっくりさせてもらっていた。
「へぇー。そんなことがあったんだ。あたいはまだ葦原国には行ったことないんだよねー」
「エリック商団員でもあそこに踏み入れたことないのかい?」
「まあねー。エリック商長は一回だけ行ったらしいけど、あの国に船が近づくと、何故か突然海は大荒れになって竜巻や渦潮も無数に発生するらしいよー。おかけで船は全壊してエリック商長以外の団員は全員、死亡または行方不明。商長は運良く葦原国に漂着することができて、現地の人に船を借りてなんとか帰還したって言ってたねー」
僕が十四の頃、父さんが帝国の使者として葦原国へ赴くことになり、無理を言って僕を連れて行ってもらったことがある。葦原国は昔から誰も踏み入れたことのない未知の国と言われている。だけど、父さんと僕が行った時は海は荒れてなかったし、むしろ穏やかだったように思う。あの時は噂と違って変だなと思いはしたけど、そこまで気にしなかったのを覚えている。
「あたいも行きたいけど商長に絶対にダメって言われてるからねー」
「……なんで、そんなに行きたいの?」
「そりゃ、ワクワクしたいからだよ、ミオちゃん」
リズ殿はガバッと立ち上がり胸の前で拳を握った。
「うわっ……ととと」
車輪が石を踏んだのか、ガタンと馬車が揺れた。立ち上がっていたリズ殿は危うく倒れそうになるが、なんとか持ち堪えた。
「もー、フィッツ。ちゃんと運転してよねー」
「はぁ?それ絶対俺のせいじゃねぇやつだろ?」
「いーや、か・ん・ぜ・ん・にフィッツが悪い」
「意味わかんねぇよ!」
……また口喧嘩が始まったらしい。喧嘩するほど仲がいいというのはこういうことだったんだね。
何気なく二人のやり取りを見守っていたその時だった。
「……っ!」
突然、内臓が凍りつくような悪寒が全身を駆け巡った。それはまるで心の臓を握られているような、おぞましい恐怖だ。自身の手を見ると、なぜか小刻みに震えているのがわかる。
こんなこと、初めてだ………………。
この強烈な悪寒は得体の知れない何かによるものだが、それはほんの一瞬にして消えてしまった。だというのに、未だに怖いという感情が溢れ出てくる。
僕でさえここまでの恐怖を感じるんだ。ミオは……。
隣に座るミオに目をやると、ミオは自分を抱きしめるようにして縮こまっていた。
「……こわい……こわい…………」
「ミオ、大丈夫。僕がいる。安心して」
僕は震えるミオの身体へと上から覆いかぶさり抱きしめた。
「落ち着いて。ゆっくり深呼吸をするんだ」
ミオは震えながらも僕のい言う通りにした。すると幾らか震えは収まり、表情も安らいできた。
「ミオはここにいるんだ。僕は念のため少し外を覗いてみる」
「…………うん……」
一体何が起きたっていうんだ……?
恐る恐る後方の幕を少しだけめくって外を見る。そこには遠くの方に豆粒程度の姿しか見えなかったが、漆黒に近い紫色のローブを着た二人組がいるだけで、あとは特に変わった様子はなかった。
まさかあの二人組が原因?この距離で、しかもこれほどの恐怖を与えてくるなんて……一体何者なんだ……?
突如として感じた恐怖の根源は、もうとっくに消えた。だと言うのにやはりま未だに腕は震えており、足は床に張り付いたかのように動けない。
……もしこいつらが大帝国を脅かそうとしているのなら、下手をすればこれは大帝国の存亡がかかっているのかもしれない。
これは自論だが、戦いにおいて質と量どちらを取ると言われれば、確実に質を選ぶ。どれだけ量がいても、ひとりひとりが弱いのであればそれはただの有象無象の集合体。どんなに連携力があっても、その集団を壊滅させるような一撃を持った個には決して敵わない。
今この状況もそうだ。僕やミオが震えるほどに恐怖を抱く存在。こいつらが弱いなんてあるわけない。下手をすれば大帝国を滅ぼす力をも持っていると仮定すべきだ。
『国殺し』の名がついた、あの歴史上最も凶悪な王とされる、アルノ=リカードと同じか……もしかすればそれ以上の何かがあの二人組にはあるかもしれない。
「……まずいな、これは」
僕は固まった足をなんとか動かし、外に身を乗り出していた身体を馬車中へと引き戻した。震える腕を抑え、座り込む。
まさかこんな時に急ぎの報告をせねばならない事態になるとは……。
どうする。陛下への報告のため一旦戻るか?それともあの二人組を見て見ぬふりをして、このまま任務を続行するか?あるいは……。
「……ミオ?」
腕を抑えていた僕の手にミオの手が重なるようにして乗っていた。
「……お兄ちゃん、大丈夫……?」
自分も震えているというのに、ミオは僕の身を案じて行動してくれた。なんて優しい子なんだろうか。
「ああ、大丈夫だよミオ。ありがとう」
僕には愛しいミオや大切な大帝国を守らなきゃいけない使命がある。そのために何をするのが最善なのか。この選択が大帝国の未来を決めるかもしれない……。
side ???・???
「もっとマシな位置に転移しろよぉ。なんだこのなんもねぇとこはよぉ」
「文句を垂れる暇があるなら足を動かせ。我々にはやらねばならぬ目的があることを忘れるな」
「わーってるって」
漆黒に似た紫色のローブをその身に纏う二人組の男女。そのローブにより容姿は不明だが、声音からそう判断できるだろう。
「それとそのオーラを引っ込めろ。五月蝿くて仕方ない」
「ああ、忘れてたわ。さっきまでケルベロスと戯れてたから戦闘モードのままだった。……ふぅ。これでいいか?」
雑な話し方をする女は、目を瞑り一呼吸した。
「ああ、問題ない」
「そういや、どこいきゃいいんだっけか?」
「……先ほどの話をもう忘れたと?」
「いや正直、戦闘以外はどうでもいいからすぐ忘れちまうんだよな。ほら、俺って戦闘バカだろ?」
「……呆れてものも言えん。どうせ今言ってもまた忘れるだけだろうからな。……私に着いて来い」
落ち着いた話し方をする男は野蛮そうな女に呆れつつも、特に怒ることなく指示を出した。この男にとってこのようなことは些事にすぎないということだろうか。
「オーケー、オーケー。それならたぶん忘れないわ」
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