25 / 42
団長と副団長
しおりを挟む
―――翌日
俺は兵士達が集まる修練場へと足を運んでいた。
ここに来た理由は昨日ジェフと相談した計画を実行するためだ。兵士の訓練強化と獣深森の開拓に乗り出すのを、兵士や軍団長達に伝えるのが目的である。
そこまでは予定通りだったのだが……
「お前達本当についてくるつもりか?」
「はい! 父上の近くで色々と勉強させて頂きたく思います」
「あたしもルドルフ様のご雄姿をぜひこの目でみたいですわ!」
目を輝かせたハイネとミラが俺を見つめてくる。その後ろにはセレンが付き従っている。
この三人は昨日執務室に乗り込んできた後、しばらく俺と一緒に行動したいとお願いしてきた。
「まあ、見学くらいなら自由にすればいいが……」
それよりも、この二人はいつの間に仲良くなったんだ?
昨日まで初対面だったのに。
仲良くなって欲しいと願ったのは俺だが、まさか即日対応までしてくれるとは想像してなかったぞ。
しかし、これは良い吉兆かもしれない。あれほど武官に興味を示さなかったハイネが修練場の見学をしたいと言っているのだ。
もしや、これはミラの作戦なのでは?
魔剣士学園にハイネを誘って欲しいとお願いした翌日にこれだ。きっとミラがハイネに良い影響を与えてくれたに違いない。
ゲームの時とミラの性格が若干違うのは違和感あるが、まちがいなくこれはグッジョブだ。これからも彼女の活躍に期待したい。
お礼の意味を込めてミラに向けて親指を立てて笑うと、彼女は何故か興奮したように顔を赤らめて「ぐふふ」と怪しげに笑った。
なんだろう。とても不安になるリアクションだ。
本当にこの子に任せて大丈夫だったのだろうか。そんな不安が頭によぎる。
いやいや、俺は何を心配してるのだ。全然問題ないはずだ。成績優秀で、後に聖女と覚醒するミラに怪しい点などあるはずがない。どうも最近は、シナリオブレイクがおきないか四六時中ビクビクしているせいで心配性が加速しているな。
「ルドルフ様、既に全員揃っているみたいです」
修練場につくと、ジェフがそう伝えてくる。
修練場は広い訓練スペースがあり、隣には兵士の宿舎が隣接されている。訓練スペースには事前に召集をかけておいたので、大勢の兵士が一糸乱れぬ綺麗な列を組んで並んでいた。
修練場が見渡せる位置に置いてある朝礼台へ登ると、全兵士がこちらに視線を向けてくる。
俺が定位置につくと朝礼台の左隣に立っていた赤髪の屈強そうな男が叫んだ。
「おうおうオメーラ! ルドルフの旦那からすんげえお知らせがあるらしいから、耳の穴かっぽじってよくききやがれ!」
「「「「「はっ!」」」」
「さあさあ、旦那どうぞ好きに話をしてください」
兵士達の揃った返事を聞き届けると、赤髪の男が満足そうな笑顔で俺にそう言ってきた。
この男の名前はエドワード。
ヴァリアンツ家の兵士をまとめている軍団長だ。赤髪のマンバンヘアが特徴的で、戦闘の腕は非常に立つのだが、あまり育ちがよくないせいか、言葉遣いが非常に荒い。
「こら、馬鹿団長! ルドルフ様に失礼だから旦那呼びはやめなっていつもいってるでしょう!」
エドワードが能天気に笑っていると、朝礼台の右側にいたショートボブの女が咎める。
彼女の名前はキアン。軍の副団長を任されている。
全身スラっとした細身の体形で、髪色は明るいライトブルー。切れ目の一重で、クール系の美人。
そんな彼女が眉間に皺をよせて、団長を睨みつける。しかし、エドワードはあっけからんとした態度を崩さない。
「けっけっけ、けどよ別に旦那呼びで怒られたことないし構わねーだろ。ね、旦那?」
「いや、何度も注意したが、お前が忘れてるだけだぞ」
「ええ!? そうだっけ?」
エドワードはすっとぼけた表情でつぶやいた。
その間抜けな顔を指さしながら、キアンが腹を抱えて煽るように笑う。
「ぷぷぷ、ほら見なさい! いつもいい加減だからそんなことも忘れるのよ。あんたの脳みそヒヨコより小さいんじゃない? 馬鹿に団長は不相応だから、さっさと引退して私に席を譲れば?」
「おお、こわ。だから彼氏いない歴=年齢なんじゃね」
「おい、ぶっ殺すぞクソガキ。いますぐズボン脱げや、そぎ落としてやる」
「ああん? やれるもんならやってみろ性格不細工がぁ。あと俺の方が年上だかんな!」
「うっせえんだよ!」
「ぐああ!?」
そのまま二人を見守ってると、キアンが不意打ちでエドワードの顎にスーパーマンパンチをお見舞いする。合図もなく殴り合いの喧嘩がはじまってしまった。
「卑怯だぞてめえ!」
「喧嘩に卑怯も正義もあるか! さっさと私に団長の座をよこせええ!」
「いやだあ、俺は死ぬまで団長がいい! だって名前の響きがカッコいいから!」
二人の喧嘩に、真面目に整列していたはずの兵士たちが興奮した様子で「キアン様やっちまえ!」「団長をころせえ!」「団長骨は拾ってやるぞ!」と声援を送る。
……いや、どう考えてもいま俺が話をする流れだったろ。なんでコイツら俺を無視して喧嘩してんだよ。
しかも、誰も止めないし。
あと、エドワードお前団長のくせに人望なさすぎな。
うちの兵士達が脳筋なのは知っていたけれど、前世の記憶を思い出してから改めてみると、ひどいなんてもんじゃないな。
こんな団長と副団長で、今までよく組織として成立してきたなッ!
「うるさいぞ馬鹿者ぉぉ!」
「「痛い!?」」
一向に収拾がつかないので、とりあえずキアンとエドワードを殴っておく。馬鹿には言葉よりも拳で会話をした方が話がスムーズに進む場合がある。そのことを、俺は過去にこいつらを指導した経験から学んでいる。
「お前らもだ! 早くもとの場所に戻れアホ共!」
怒鳴りつけると兵士達は急いで「なんでぇ」「いいところだったのに」と不満げに定位置に戻った。エドワードとキアンも頭を押さえながら、しぶしぶ大人しくなる。
あらためて、俺は朝礼台に登り、限界まで声を張り上げる。
「聞けええ、お前達ぃ。いまから重要なことを伝える!」
そう宣言すると、兵士達は俺の言葉に耳を傾けるのだった。
俺は兵士達が集まる修練場へと足を運んでいた。
ここに来た理由は昨日ジェフと相談した計画を実行するためだ。兵士の訓練強化と獣深森の開拓に乗り出すのを、兵士や軍団長達に伝えるのが目的である。
そこまでは予定通りだったのだが……
「お前達本当についてくるつもりか?」
「はい! 父上の近くで色々と勉強させて頂きたく思います」
「あたしもルドルフ様のご雄姿をぜひこの目でみたいですわ!」
目を輝かせたハイネとミラが俺を見つめてくる。その後ろにはセレンが付き従っている。
この三人は昨日執務室に乗り込んできた後、しばらく俺と一緒に行動したいとお願いしてきた。
「まあ、見学くらいなら自由にすればいいが……」
それよりも、この二人はいつの間に仲良くなったんだ?
昨日まで初対面だったのに。
仲良くなって欲しいと願ったのは俺だが、まさか即日対応までしてくれるとは想像してなかったぞ。
しかし、これは良い吉兆かもしれない。あれほど武官に興味を示さなかったハイネが修練場の見学をしたいと言っているのだ。
もしや、これはミラの作戦なのでは?
魔剣士学園にハイネを誘って欲しいとお願いした翌日にこれだ。きっとミラがハイネに良い影響を与えてくれたに違いない。
ゲームの時とミラの性格が若干違うのは違和感あるが、まちがいなくこれはグッジョブだ。これからも彼女の活躍に期待したい。
お礼の意味を込めてミラに向けて親指を立てて笑うと、彼女は何故か興奮したように顔を赤らめて「ぐふふ」と怪しげに笑った。
なんだろう。とても不安になるリアクションだ。
本当にこの子に任せて大丈夫だったのだろうか。そんな不安が頭によぎる。
いやいや、俺は何を心配してるのだ。全然問題ないはずだ。成績優秀で、後に聖女と覚醒するミラに怪しい点などあるはずがない。どうも最近は、シナリオブレイクがおきないか四六時中ビクビクしているせいで心配性が加速しているな。
「ルドルフ様、既に全員揃っているみたいです」
修練場につくと、ジェフがそう伝えてくる。
修練場は広い訓練スペースがあり、隣には兵士の宿舎が隣接されている。訓練スペースには事前に召集をかけておいたので、大勢の兵士が一糸乱れぬ綺麗な列を組んで並んでいた。
修練場が見渡せる位置に置いてある朝礼台へ登ると、全兵士がこちらに視線を向けてくる。
俺が定位置につくと朝礼台の左隣に立っていた赤髪の屈強そうな男が叫んだ。
「おうおうオメーラ! ルドルフの旦那からすんげえお知らせがあるらしいから、耳の穴かっぽじってよくききやがれ!」
「「「「「はっ!」」」」
「さあさあ、旦那どうぞ好きに話をしてください」
兵士達の揃った返事を聞き届けると、赤髪の男が満足そうな笑顔で俺にそう言ってきた。
この男の名前はエドワード。
ヴァリアンツ家の兵士をまとめている軍団長だ。赤髪のマンバンヘアが特徴的で、戦闘の腕は非常に立つのだが、あまり育ちがよくないせいか、言葉遣いが非常に荒い。
「こら、馬鹿団長! ルドルフ様に失礼だから旦那呼びはやめなっていつもいってるでしょう!」
エドワードが能天気に笑っていると、朝礼台の右側にいたショートボブの女が咎める。
彼女の名前はキアン。軍の副団長を任されている。
全身スラっとした細身の体形で、髪色は明るいライトブルー。切れ目の一重で、クール系の美人。
そんな彼女が眉間に皺をよせて、団長を睨みつける。しかし、エドワードはあっけからんとした態度を崩さない。
「けっけっけ、けどよ別に旦那呼びで怒られたことないし構わねーだろ。ね、旦那?」
「いや、何度も注意したが、お前が忘れてるだけだぞ」
「ええ!? そうだっけ?」
エドワードはすっとぼけた表情でつぶやいた。
その間抜けな顔を指さしながら、キアンが腹を抱えて煽るように笑う。
「ぷぷぷ、ほら見なさい! いつもいい加減だからそんなことも忘れるのよ。あんたの脳みそヒヨコより小さいんじゃない? 馬鹿に団長は不相応だから、さっさと引退して私に席を譲れば?」
「おお、こわ。だから彼氏いない歴=年齢なんじゃね」
「おい、ぶっ殺すぞクソガキ。いますぐズボン脱げや、そぎ落としてやる」
「ああん? やれるもんならやってみろ性格不細工がぁ。あと俺の方が年上だかんな!」
「うっせえんだよ!」
「ぐああ!?」
そのまま二人を見守ってると、キアンが不意打ちでエドワードの顎にスーパーマンパンチをお見舞いする。合図もなく殴り合いの喧嘩がはじまってしまった。
「卑怯だぞてめえ!」
「喧嘩に卑怯も正義もあるか! さっさと私に団長の座をよこせええ!」
「いやだあ、俺は死ぬまで団長がいい! だって名前の響きがカッコいいから!」
二人の喧嘩に、真面目に整列していたはずの兵士たちが興奮した様子で「キアン様やっちまえ!」「団長をころせえ!」「団長骨は拾ってやるぞ!」と声援を送る。
……いや、どう考えてもいま俺が話をする流れだったろ。なんでコイツら俺を無視して喧嘩してんだよ。
しかも、誰も止めないし。
あと、エドワードお前団長のくせに人望なさすぎな。
うちの兵士達が脳筋なのは知っていたけれど、前世の記憶を思い出してから改めてみると、ひどいなんてもんじゃないな。
こんな団長と副団長で、今までよく組織として成立してきたなッ!
「うるさいぞ馬鹿者ぉぉ!」
「「痛い!?」」
一向に収拾がつかないので、とりあえずキアンとエドワードを殴っておく。馬鹿には言葉よりも拳で会話をした方が話がスムーズに進む場合がある。そのことを、俺は過去にこいつらを指導した経験から学んでいる。
「お前らもだ! 早くもとの場所に戻れアホ共!」
怒鳴りつけると兵士達は急いで「なんでぇ」「いいところだったのに」と不満げに定位置に戻った。エドワードとキアンも頭を押さえながら、しぶしぶ大人しくなる。
あらためて、俺は朝礼台に登り、限界まで声を張り上げる。
「聞けええ、お前達ぃ。いまから重要なことを伝える!」
そう宣言すると、兵士達は俺の言葉に耳を傾けるのだった。
152
あなたにおすすめの小説
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
【完結】追放された元聖女は、冒険者として自由に生活します!
夏芽みかん
ファンタジー
生まれながらに強大な魔力を持ち、聖女として大神殿に閉じ込められてきたレイラ。
けれど王太子に「身元不明だから」と婚約を破棄され、あっさり国外追放されてしまう。
「……え、もうお肉食べていいの? 白じゃない服着てもいいの?」
追放の道中出会った剣士ステファンと狼男ライガに拾われ、冒険者デビュー。おいしいものを食べたり、可愛い服を着たり、冒険者として仕事をしたりと、外での自由な生活を楽しむ。
一方、魔物が出るようになった王国では大司教がレイラの回収を画策。レイラの出自をめぐる真実がだんだんと明らかになる。
※表紙イラストはレイラを月塚彩様に描いてもらいました。
【2025.09.02 全体的にリライトしたものを、再度公開いたします。】
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
二人分働いてたのに、「聖女はもう時代遅れ。これからはヒーラーの時代」と言われてクビにされました。でも、ヒーラーは防御魔法を使えませんよ?
小平ニコ
ファンタジー
「ディーナ。お前には今日で、俺たちのパーティーを抜けてもらう。異論は受け付けない」
勇者ラジアスはそう言い、私をパーティーから追放した。……異論がないわけではなかったが、もうずっと前に僧侶と戦士がパーティーを離脱し、必死になって彼らの抜けた穴を埋めていた私としては、自分から頭を下げてまでパーティーに残りたいとは思わなかった。
ほとんど喧嘩別れのような形で勇者パーティーを脱退した私は、故郷には帰らず、戦闘もこなせる武闘派聖女としての力を活かし、賞金首狩りをして生活費を稼いでいた。
そんなある日のこと。
何気なく見た新聞の一面に、驚くべき記事が載っていた。
『勇者パーティー、またも敗走! 魔王軍四天王の前に、なすすべなし!』
どうやら、私がいなくなった後の勇者パーティーは、うまく機能していないらしい。最新の回復職である『ヒーラー』を仲間に加えるって言ってたから、心配ないと思ってたのに。
……あれ、もしかして『ヒーラー』って、完全に回復に特化した職業で、聖女みたいに、防御の結界を張ることはできないのかしら?
私がその可能性に思い至った頃。
勇者ラジアスもまた、自分の判断が間違っていたことに気がついた。
そして勇者ラジアスは、再び私の前に姿を現したのだった……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる