【完結】一生に一度だけでいいから、好きなひとに抱かれてみたい。

村松砂音(抹茶砂糖)

文字の大きさ
27 / 35

27 いまだけ ※

しおりを挟む
 火照った身体を持て余し、シーツの上でもぞもぞと身をくねらせていると、アレックスに身体を起こされた。脚のあいだに座らせられ、背中をアレックスに預ける格好になる。

「魔力を出させるぞ。つらいだろうが我慢しろ」

 こくこくと無言で頷くリュカを見て、アレックスがリュカの性器を手で握り込む。自身の精液で濡れそぼり、ぴんと張り詰めたそれは、幾度か上下に擦られただけであっという間に吐精した。

「あああッ! ああ……っ!」

 途切れ途切れの射精が落ち着くと、またアレックスの手が性器を扱き出す。うなじに熱い唇が押し当てられ、もう片方の指で胸の突起を擦られる。

「ひ、あ……っ、あ、あっ、んあ……――や、また、でる……ッ!」
「もう何回も達しているせいか、薄いな」

 精液で濡れた指先を擦り合わせながら、アレックスが言う。
 一度寝て目を覚ます前に、リュカはアレックスとの触れ合いですでに何度も登り詰めていた。だから、リュカの精液は薄く、量も少ない。
 リュカはアレックスに触れてほしくてたまらないのに、冷静なアレックスの態度が自分たちの関係をそのまま表しているようでせつなくなった。

「アレックス、隊長……いれて、ください」

 腰のあたりに当たっている硬いものへ尻を押しつけながら言うと、「だめだ」と低い声にばっさり切り捨てられた。

「でも、おれ、隊長に、きもちよくなってほしくて、娼館に行ってほしくなくて……俺じゃ、きもちよくなれませんか? ……いまだけで、いいですから……」

 身体を後ろに向け、アレックスに抱き着きながら懇願した。自分勝手な浅ましい欲望が身体と口を勝手に動かしていた。

「……おまえ、あいつになにを言われた? オレを引き留めたら褒美でもやると言われたか? それとも、オレに抱かれることが条件か?」

 目の前にある水色の瞳が、怒りに染まっていた。青い炎が燃えている。顔を近づけて瞳を覗き込むと、わずかに瞳の中の炎が揺らいだ。

「きれい……――あいつって、だれですか?」
「まさか、口淫もあいつに教わったんじゃないだろうな」

 アレックスはリュカの問いかけに答えず、次の質問を重ねてくる。

「こういん? ……ああ、えっと、口淫は友達に教わりました。王子様を誘惑するなら必要だからって」
「……なるほどな」

 ぎりっ、と奥歯を噛みしめる音が静かな部屋に響いた。

「いまだけ、とはどういう意味だ?」
「俺は、ずっとここにはいられませんから。アレックス隊長に抱いてもらえたら、殿下に――」
「もういい」

 手のひらで口を塞がれた。じっとこちらを見据える瞳がなにを考えているのかわからない。怒りとは似て異なる感情が向けられている、ということしかわからない。頭が働かない。ただ、アレックスに触れてほしい、ということしか考えられない。

「おまえを抱いてやる。その約束を違えるつもりはない。……だが、男のおまえには準備が必要だ。それに、今日は魔力を受け過ぎている。無理なものは無理だ、聞き分けろ」
「……はい」

 リュカの口に押し当てていた手のひらを離し、アレックスが笑みを浮かべる。

「不服そうな顔だな。……心配するな。摂取し過ぎたおまえの魔力をもう少し発散させる必要があるからな。それまでは相手をしてやる」

 そう言ったアレックスに、ベッドへ仰向けに寝かされた。大きく開かされた脚のあいだに、張り詰めた性器が押し当てられる。

「あ……っ!」

 脚の付け根にある膨らみを性器の先端につつかれただけで、甘い痺れが走った。アレックスが自身の先走りを擦りつけるようにしてリュカの膨らみとくぼみのあいだを先端で擦ったあと、性器の裏側をずるりと擦ってくる。
 腰を前後させるアレックスの動きが艶めかしく、まるで本当に性器を入れられているかのような錯覚を覚えて、ひどく興奮してしまった。

「ひあッ! や、あ……んあ……ッ!」

 アレックスの剛直に擦られ、あちこちへと跳ねる性器がもどかしく、腰を揺らしていると笑われた。

「自分でいいところに当たるよう、手を添えてみろ」
「え、あっ、こう、ですか?」

 互いの性器を密着させた状態でアレックスに言われ、下腹部に両手で輪を作り、ふたつの性器を収める。

「ああ、いいな」
「あッ! ああっ、あ……っ、んあッ!」

 まともに性器と性器が擦れあい、先ほどよりも快感の度合いが跳ね上がる。自分の手の中をアレックスの性器が出入りするさまはいやらしく、先端からこぼれた先走りが粘ついた水音を立てた。

「ああっ、あっ、あ……っ、ひう……ッ!」
「体勢、変えるぞ」
「や、あ……ッ! あ、んっ、あっ、あ」

 リュカが射精すると、アレックスはリュカの身体をひっくり返し、尻を高く上げさせた。脚を閉じさせ、太腿のあいだに性器を押し入れる。

「ひゃっ、やあッ!」

 獣の交尾のような体勢で、後ろから繰り返し腰を打ちつけられ、シーツに頭を突っ伏して嬌声を上げることしかできなかった。熱く硬い性器の感触が、リュカの全身を熱に染めあげる。

「……っは」
「――……や、あああ……ッ!」

 いっそう激しく性器を擦られ、脚のあいだでアレックスの性器が大きく跳ね上がる。性器に、太腿に、尻のあいだに。絶頂に震える身体のあちこちに熱い粘液をかけられながら、うなじや背中を吸い上げられた。ぴりっと走った痛みさえも気持ちよくて、また登り詰めてしまう。

「言っておくが、あいつの思惑通りにさせるつもりはないぞ」
「……どういういみ、ですか?」

 シーツに突っ伏したまま、顔を上げる気力もなかった。くぐもった声で尋ねると、アレックスが笑った気配を感じた。

「オレのものをあいつにくれてやるつもりはない。そう言ったんだ」

 アレックスのことばの意味を理解できないまま、リュカは意識を手放していった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした

こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。

追放された『呪物鑑定』持ちの公爵令息、魔王の呪いを解いたら執着溺愛ルートに入りました

水凪しおん
BL
「お前のそのスキルは不吉だ」 身に覚えのない罪を着せられ、聖女リリアンナによって国を追放された公爵令息カイル。 死を覚悟して彷徨い込んだ魔の森で、彼は呪いに蝕まれ孤独に生きる魔王レイルと出会う。 カイルの持つ『呪物鑑定』スキル――それは、魔王を救う唯一の鍵だった。 「カイル、お前は我の光だ。もう二度と離さない」 献身的に尽くすカイルに、冷徹だった魔王の心は溶かされ、やがて執着にも似た溺愛へと変わっていく。 これは、全てを奪われた青年が魔王を救い、世界一幸せになる逆転と愛の物語。

【本編完結】転生先で断罪された僕は冷酷な騎士団長に囚われる

ゆうきぼし/優輝星
BL
断罪された直後に前世の記憶がよみがえった主人公が、世界を無双するお話。 ・冤罪で断罪された元侯爵子息のルーン・ヴァルトゼーレは、処刑直前に、前世が日本のゲームプログラマーだった相沢唯人(あいざわゆいと)だったことを思い出す。ルーンは魔力を持たない「ノンコード」として家族や貴族社会から虐げられてきた。実は彼の魔力は覚醒前の「コードゼロ」で、世界を書き換えるほどの潜在能力を持つが、転生前の記憶が封印されていたため発現してなかったのだ。 ・間一髪のところで魔力を発動させ騎士団長に救い出される。実は騎士団長は呪われた第三王子だった。ルーンは冤罪を晴らし、騎士団長の呪いを解くために奮闘することを決める。 ・惹かれあう二人。互いの魔力の相性が良いことがわかり、抱き合う事で魔力が循環し活性化されることがわかるが……。

【完結】ツンデレ妖精王が、獅子だけど大型ワンコな獣人王にとろとろに愛される話

古井重箱
BL
【あらすじ】妖精王レクシェールは、獣人王ガルトゥスが苦手である。ある時、レクシェールはガルトゥスに熱いキスをされてしまう。「このキスは宿題だ。その答えが分かったら、返事をくれ」 ガルトゥスの言葉に思い悩むレクシェール。果たして彼が出した答えは——。【注記】妖精王も獣人王も平常時は人間の青年の姿です。獅子に変身するけど大型ワンコな攻×ツンデレ美人受です。この作品はアルファポリスとムーンライトノベルズ、エブリスタ、pixivに掲載しています。ラブシーンありの回には*をつけております。

魔力ゼロの無能オメガのはずが嫁ぎ先の氷狼騎士団長に執着溺愛されて逃げられません!

松原硝子
BL
これは魔法とバース性のある異世界でのおはなし――。 15歳の魔力&バース判定で、神官から「魔力のほとんどないオメガ」と言い渡されたエリス・ラムズデール。 その途端、それまで可愛がってくれた両親や兄弟から「無能」「家の恥」と罵られて使用人のように扱われ、虐げられる生活を送ることに。 そんな中、エリスが21歳を迎える年に隣国の軍事大国ベリンガム帝国のヴァンダービルト公爵家の令息とアイルズベリー王国のラムズデール家の婚姻の話が持ち上がる。 だがヴァンダービルト公爵家の令息レヴィはベリンガム帝国の軍事のトップにしてその冷酷さと恐ろしいほどの頭脳から常勝の氷の狼と恐れられる騎士団長。しかもレヴィは戦場や公的な場でも常に顔をマスクで覆っているため、「傷で顔が崩れている」「二目と見ることができないほど醜い」という恐ろしい噂の持ち主だった。 そんな恐ろしい相手に子どもを嫁がせるわけにはいかない。ラムズデール公爵夫妻は無能のオメガであるエリスを差し出すことに決める。 「自分の使い道があるなら嬉しい」と考え、婚姻を大人しく受け入れたエリスだが、ベリンガム帝国へ嫁ぐ1週間前に階段から転げ落ち、前世――23年前に大陸の大戦で命を落とした帝国の第五王子、アラン・ベリンガムとしての記憶――を取り戻す。 前世では戦いに明け暮れ、今世では虐げられて生きてきたエリスは前世の祖国で平和でのんびりした幸せな人生を手に入れることを目標にする。 だが結婚相手のレヴィには驚きの秘密があった――!? 「きみとの結婚は数年で解消する。俺には心に決めた人がいるから」 初めて顔を合わせた日にレヴィにそう言い渡されたエリスは彼の「心に決めた人」を知り、自分の正体を知られてはいけないと誓うのだが……!? 銀髪×碧眼(33歳)の超絶美形の執着騎士団長に気が強いけど鈍感なピンク髪×蜂蜜色の目(20歳)が執着されて溺愛されるお話です。

ぼくが風になるまえに――

まめ
BL
「フロル、君との婚約を解消したいっ! 俺が真に愛する人は、たったひとりなんだっ!」 学園祭の夜、愛する婚約者ダレンに、突然別れを告げられた少年フロル。 ――ああ、来るべき時が来た。講堂での婚約解消宣言!異世界テンプレ来ちゃったよ。 精霊の血をひく一族に生まれ、やがては故郷の風と消える宿命を抱えたフロルの前世は、ラノベ好きのおとなしい青年だった。 「ダレンが急に変わったのは、魅了魔法ってやつのせいじゃないかな?」 異世界チートはできないけど、好きだった人の目を覚ますくらいはできたらいいな。 切なさと希望が交錯する、ただフロルがかわいそかわいいだけのお話。ハピエンです。 ダレン×フロル どうぞよろしくお願いいたします。

処理中です...