4 / 30
第4話 嘲笑と沈黙の中で
しおりを挟む
旅立ちの日の朝、辺境への準備が整うと同時に、私はふと現実の重みを感じた。
仮の宿を発ってから数日。アレン公爵の使者から、正式な護衛と馬車が用意されていると知らされたとき、ほんの少し胸の奥に複雑な思いがよぎった。
もはや王都に戻ることはない――その事実が、あらためて心に刻まれたからだ。
「お嬢様、本当にアレン様の領地へ行かれるのですか?」
クラリスが尋ねる声は、迷いと不安を含んでいた。
彼女にとっても、私にとっても見知らぬ地。
王族の保護も、家の威光も、副うものはもう何もない。
けれど――それでも私は、この提案を断る理由が見つからなかった。
「ええ。父上も文で許可してくださいました。彼もアレン公爵を信頼しているようです」
「でも……もしかすると、殿下の耳にも届くかもしれません」
「構いません。彼が私の行方を知っても、何も変わらないでしょう」
その言葉を口にすると、なぜか胸がすっと軽くなった。
もう、過去に引き戻される必要はないのだと、ようやく理解できたのかもしれない。
雪の中を走る馬車の車輪がきしむ。
外では、冬の森が静かに広がっていた。
大木の間には細い霧が立ちこめ、陽光がそこに溶けて消えていく。
その幻想的な風景を眺めながら、私は目を閉じた。
思えば、あの王都で過ごした年月は、息を潜めて耐える時間だった。
誰かに優しくされることを望まず、愛されることも恐れていた。
それは、幼い頃から染みついた習慣のようなものだったのだろう。
——王太子妃たる者は、常に品位を持ち、感情に流されてはならぬ。
——涙は弱さを示す。誇りを失えば、周囲に付け入られる。
幼い日の父の言葉が、まだ胸に残っている。
私はそれを忠実に守り続けた。
結果、彼は私に誇りを見出し、王家は私を選んだ。
だが、その“理想の姿”が、殿下にとっては冷たく、遠い壁にしか見えなかったのだ。
忠実であったがゆえに愛されず、誇りを重んじたがゆえに孤独になった。
人生の皮肉とは、常に正しさの裏に潜むものだ。
馬車が一瞬、大きく揺れた。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
クラリスの声で我に返る。
外の道がぬかるみ、車輪が沈んで止まっていた。
御者が慌てて馬をなだめるが、雪と泥に車が取られているらしい。
「ここで少し待ちましょう。危険ではないわ」
「そうですね……ですが、森の中は獣も出ますから、油断はできません」
クラリスが不安そうに辺りを見回す。そのときだった。
「困っているようですね」
見慣れた低い声に振り向くと、そこにはアレン公爵が立っていた。
黒い外套の裾を翻し、灰の瞳が淡く輝いている。
まるで風のように現れる男だ、と私は思った。
いつも唐突なのに、不思議と不安を感じさせない。
「アレン様……どうしてこちらに?」
「あなた方が通る道は、私の領地に入る山道に続いている。途中まで迎えに行こうと思っていた」
「わざわざ……恐縮です」
「謝る必要はありません。貴女を迎えるのは、約束したことですから」
言われてみると、彼の声には一切の義務感がなかった。
その自然な響きに、私は少しだけ心の防壁を緩めた。
彼が部下に指示を出すと、馬車は短時間で再び動き出した。
アレン公爵が乗り込み、対面に座る。
近づいた彼の姿を、あらためて見つめた。
整った顔立ちだが、どこか傷に似た影がある。戦場帰りの男特有の、静かな強さ。
彼の存在が、室内の空気をわずかに熱く変えた。
「辺境の空気は王都とは違います。寒さが厳しいですが、静かな土地ですよ」
「静けさなら、好ましいです」
「そうだろうと思いました。――リディア嬢、貴女はよく耐えてきた」
「……耐えるのは得意なんです。誰も褒めてはくれませんけれど」
ふと彼がまなざしを落とした。
沈黙の中に、火の灯のような温度を感じる。
聞こえるのは馬の足音と、風の音だけ。
そして、彼の声が再び響いた。
「ここでは、誰も貴女を裁かない。失敗や噂に怯えることもない。望むなら、ただ心を休めてほしい」
「……まるで、夢のようなお言葉ですね」
「夢で終わらせたくはありません」
その一言に、胸の奥で氷がひときわ大きく軋んだ気がした。
信じてはいけない。そう思う。
けれど、その優しさを拒むだけの力が、今の私にはなかった。
やがて馬車は小さな丘を越え、視界の先に広がる屋敷へと近づいていく。
瓦屋根に雪を被った白亜の建物――ヴァルディール公爵邸。
王都の宮殿のような華やかさはないが、どこか落ち着いた荘厳さがあった。
「到着です。ようこそ、ヴァルディール領へ」
公爵の言葉に、私は小さく息を呑んだ。
屋敷の玄関先には数人の使用人が整列し、中年の執事が恭しく頭を下げる。
「お出迎え申し上げます、公爵様。そして……お客様をお連れくださったのですね」
「そうだ。今日からこちらに滞在していただく。丁重にもてなすように」
「かしこまりました」
屋敷に入ると、暖炉の香と温かな空気が包み込んだ。
ほっと息をつくと、緊張が一気に溶ける。
まるで長い冬の旅を終えて、やっと避難所にたどり着いた気分だった。
案内された客室は広く、柔らかな絨毯が敷かれていた。
窓からは雪原が見え、夜になると月光が白く反射するのだという。
クラリスが手早く荷をほどきながら、「まるで夢のようですね」とつぶやいた。
私は微笑んで頷いた。
「ええ、本当に……けれど、これは夢であってほしくないの」
その夜、ひとり部屋に残った後、私は窓辺に立った。
月が冴え冴えと輝いている。
思えば、婚約破棄された夜も同じ月を見た。
けれど今は、あのときと違って孤独ではなかった。
遠くの廊下からは、微かに人の気配がする。
あのアレン公爵が同じ屋敷にいるという事実が、なぜか心を落ち着かせた。
机の上には、公爵の書き置きが一枚。
「ここでは、誰も貴女を嘲らない。沈黙の中でも貴女が呼吸できるように」
それを読んだ途端、胸の奥に込み上げてきた何かがあった。
涙ではなかった。ただ、胸の奥があたたかくなる。
私はそっと椅子に腰を下ろし、両手を胸の上に重ねた。
――不思議ね。誰かの優しさがこんなに静かで、強いものだなんて。
窓の外では、雪が新しい夜を描き続けていた。
白い闇の中で、次の朝が来るのを穏やかに待ちながら、私はそっと目を閉じた。
続く
仮の宿を発ってから数日。アレン公爵の使者から、正式な護衛と馬車が用意されていると知らされたとき、ほんの少し胸の奥に複雑な思いがよぎった。
もはや王都に戻ることはない――その事実が、あらためて心に刻まれたからだ。
「お嬢様、本当にアレン様の領地へ行かれるのですか?」
クラリスが尋ねる声は、迷いと不安を含んでいた。
彼女にとっても、私にとっても見知らぬ地。
王族の保護も、家の威光も、副うものはもう何もない。
けれど――それでも私は、この提案を断る理由が見つからなかった。
「ええ。父上も文で許可してくださいました。彼もアレン公爵を信頼しているようです」
「でも……もしかすると、殿下の耳にも届くかもしれません」
「構いません。彼が私の行方を知っても、何も変わらないでしょう」
その言葉を口にすると、なぜか胸がすっと軽くなった。
もう、過去に引き戻される必要はないのだと、ようやく理解できたのかもしれない。
雪の中を走る馬車の車輪がきしむ。
外では、冬の森が静かに広がっていた。
大木の間には細い霧が立ちこめ、陽光がそこに溶けて消えていく。
その幻想的な風景を眺めながら、私は目を閉じた。
思えば、あの王都で過ごした年月は、息を潜めて耐える時間だった。
誰かに優しくされることを望まず、愛されることも恐れていた。
それは、幼い頃から染みついた習慣のようなものだったのだろう。
——王太子妃たる者は、常に品位を持ち、感情に流されてはならぬ。
——涙は弱さを示す。誇りを失えば、周囲に付け入られる。
幼い日の父の言葉が、まだ胸に残っている。
私はそれを忠実に守り続けた。
結果、彼は私に誇りを見出し、王家は私を選んだ。
だが、その“理想の姿”が、殿下にとっては冷たく、遠い壁にしか見えなかったのだ。
忠実であったがゆえに愛されず、誇りを重んじたがゆえに孤独になった。
人生の皮肉とは、常に正しさの裏に潜むものだ。
馬車が一瞬、大きく揺れた。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
クラリスの声で我に返る。
外の道がぬかるみ、車輪が沈んで止まっていた。
御者が慌てて馬をなだめるが、雪と泥に車が取られているらしい。
「ここで少し待ちましょう。危険ではないわ」
「そうですね……ですが、森の中は獣も出ますから、油断はできません」
クラリスが不安そうに辺りを見回す。そのときだった。
「困っているようですね」
見慣れた低い声に振り向くと、そこにはアレン公爵が立っていた。
黒い外套の裾を翻し、灰の瞳が淡く輝いている。
まるで風のように現れる男だ、と私は思った。
いつも唐突なのに、不思議と不安を感じさせない。
「アレン様……どうしてこちらに?」
「あなた方が通る道は、私の領地に入る山道に続いている。途中まで迎えに行こうと思っていた」
「わざわざ……恐縮です」
「謝る必要はありません。貴女を迎えるのは、約束したことですから」
言われてみると、彼の声には一切の義務感がなかった。
その自然な響きに、私は少しだけ心の防壁を緩めた。
彼が部下に指示を出すと、馬車は短時間で再び動き出した。
アレン公爵が乗り込み、対面に座る。
近づいた彼の姿を、あらためて見つめた。
整った顔立ちだが、どこか傷に似た影がある。戦場帰りの男特有の、静かな強さ。
彼の存在が、室内の空気をわずかに熱く変えた。
「辺境の空気は王都とは違います。寒さが厳しいですが、静かな土地ですよ」
「静けさなら、好ましいです」
「そうだろうと思いました。――リディア嬢、貴女はよく耐えてきた」
「……耐えるのは得意なんです。誰も褒めてはくれませんけれど」
ふと彼がまなざしを落とした。
沈黙の中に、火の灯のような温度を感じる。
聞こえるのは馬の足音と、風の音だけ。
そして、彼の声が再び響いた。
「ここでは、誰も貴女を裁かない。失敗や噂に怯えることもない。望むなら、ただ心を休めてほしい」
「……まるで、夢のようなお言葉ですね」
「夢で終わらせたくはありません」
その一言に、胸の奥で氷がひときわ大きく軋んだ気がした。
信じてはいけない。そう思う。
けれど、その優しさを拒むだけの力が、今の私にはなかった。
やがて馬車は小さな丘を越え、視界の先に広がる屋敷へと近づいていく。
瓦屋根に雪を被った白亜の建物――ヴァルディール公爵邸。
王都の宮殿のような華やかさはないが、どこか落ち着いた荘厳さがあった。
「到着です。ようこそ、ヴァルディール領へ」
公爵の言葉に、私は小さく息を呑んだ。
屋敷の玄関先には数人の使用人が整列し、中年の執事が恭しく頭を下げる。
「お出迎え申し上げます、公爵様。そして……お客様をお連れくださったのですね」
「そうだ。今日からこちらに滞在していただく。丁重にもてなすように」
「かしこまりました」
屋敷に入ると、暖炉の香と温かな空気が包み込んだ。
ほっと息をつくと、緊張が一気に溶ける。
まるで長い冬の旅を終えて、やっと避難所にたどり着いた気分だった。
案内された客室は広く、柔らかな絨毯が敷かれていた。
窓からは雪原が見え、夜になると月光が白く反射するのだという。
クラリスが手早く荷をほどきながら、「まるで夢のようですね」とつぶやいた。
私は微笑んで頷いた。
「ええ、本当に……けれど、これは夢であってほしくないの」
その夜、ひとり部屋に残った後、私は窓辺に立った。
月が冴え冴えと輝いている。
思えば、婚約破棄された夜も同じ月を見た。
けれど今は、あのときと違って孤独ではなかった。
遠くの廊下からは、微かに人の気配がする。
あのアレン公爵が同じ屋敷にいるという事実が、なぜか心を落ち着かせた。
机の上には、公爵の書き置きが一枚。
「ここでは、誰も貴女を嘲らない。沈黙の中でも貴女が呼吸できるように」
それを読んだ途端、胸の奥に込み上げてきた何かがあった。
涙ではなかった。ただ、胸の奥があたたかくなる。
私はそっと椅子に腰を下ろし、両手を胸の上に重ねた。
――不思議ね。誰かの優しさがこんなに静かで、強いものだなんて。
窓の外では、雪が新しい夜を描き続けていた。
白い闇の中で、次の朝が来るのを穏やかに待ちながら、私はそっと目を閉じた。
続く
0
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたはずなのに、溺愛が止まりません!~断罪された令嬢は第二の人生で真実の愛を手に入れる~
sika
恋愛
社交界で名高い公爵令嬢・アイリスは、婚約者である王太子に冤罪をでっち上げられ、婚約破棄と同時にすべてを失った。
誰も信じられず国外に逃れた彼女は、名を偽り辺境の地で静かに生きるはずだった――が、そこで出会った青年将軍が、彼女に異常なまでの執着と愛を向け始める。
やがて明らかになる陰謀の真相、そして王都から彼女を探す“元婚約者”の焦燥。
過去を乗り越え、愛を選ぶ彼女の物語は、痛快な逆転劇と甘く濃密な溺愛とともに幕を開ける。
枯渇聖女は婚約破棄され結婚絶対無理ランキング1位の辺境伯に言い寄られる
はなまる
恋愛
らすじ
フレイシアは10歳の頃母と一緒に魔物に遭遇。その時母はかなりの傷を負い亡くなりショックで喋れなくなtったがその時月の精霊の加護を受けて微力ながらも魔法が使えるようになった。
このニルス国では魔力を持っている人間はほとんどいなくて魔物討伐でけがを負った第二王子のジェリク殿下の怪我をほんの少し治せた事からジェリク殿下から聖女として王都に来るように誘われる。
フレイシアは戸惑いながらも淡い恋心を抱きジェリク殿下の申し出を受ける。
そして王都の聖教会で聖女として働くことになりジェリク殿下からも頼られ婚約者にもなってこの6年フレイシアはジェリク殿下の期待に応えようと必死だった。
だが、最近になってジェリクは治癒魔法が使えるカトリーナ公爵令嬢に気持ちを移してしまう。
その前からジェリク殿下の態度に不信感を抱いていたフレイシアは魔力をだんだん失くしていて、ついにジェリクから枯渇聖女と言われ婚約を破棄されおまけに群れ衣を着せられて王都から辺境に追放される事になった。
追放が決まり牢に入れられている間に月の精霊が現れフレイシアの魔力は回復し、翌日、辺境に向かう騎士3名と一緒に荷馬車に乗ってその途中で魔物に遭遇。フレイシアは想像を超える魔力を発揮する。
そんな力を持って辺境に‥
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。少し間が開いてしまいましたがよろしくです。
まったくの空想の異世界のお話。誤字脱字などご不快な点は平にご容赦お願いします。最後までお付き合いいただけると嬉しいです。他のサイトにも投稿しています。
敗戦国の元王子へ 〜私を追放したせいで貴国は我が帝国に負けました。私はもう「敵国の皇后」ですので、頭が高いのではないでしょうか?〜
六角
恋愛
「可愛げがないから婚約破棄だ」 王国の公爵令嬢コーデリアは、その有能さゆえに「鉄の女」と疎まれ、無邪気な聖女を選んだ王太子によって国外追放された。
極寒の国境で凍える彼女を拾ったのは、敵対する帝国の「氷の皇帝」ジークハルト。 「私が求めていたのは、その頭脳だ」 皇帝は彼女の才能を高く評価し、なんと皇后として迎え入れた!
コーデリアは得意の「物流管理」と「実務能力」で帝国を黄金時代へと導き、氷の皇帝から極上の溺愛を受けることに。 一方、彼女を失った王国はインフラが崩壊し、経済が破綻。焦った元婚約者は戦争を仕掛けてくるが、コーデリアの完璧な策の前に為す術なく敗北する。
和平交渉の席、泥まみれで土下座する元王子に対し、美しき皇后は冷ややかに言い放つ。 「頭が高いのではないでしょうか? 私はもう、貴国を支配する帝国の皇后ですので」
これは、捨てられた有能令嬢が、最強のパートナーと共に元祖国を「実務」で叩き潰し、世界一幸せになるまでの爽快な大逆転劇。
婚約破棄は了承済みですので、慰謝料だけ置いていってください
鍛高譚
恋愛
公爵令嬢アナスタシア・オルステッドは、第三王子アレンの婚約者だった。
しかし、アレンは没落貴族の令嬢カリーナと密かに関係を持っていたことが発覚し、彼女を愛していると宣言。アナスタシアとの婚約破棄を告げるが──
「わかりました。でも、それには及びません。すでに婚約は破棄されております」
なんとアナスタシアは、事前に国王へ婚約破棄を申し出ており、すでに了承されていたのだ。
さらに、慰謝料もしっかりと請求済み。
「どうぞご自由に、カリーナ様とご婚約なさってください。でも、慰謝料のお支払いはお忘れなく」
驚愕するアレンを後にし、悠々と去るアナスタシア。
ところが数カ月後、生活に困窮したアレンが、再び彼女のもとへ婚約のやり直しを申し出る。
「呆れたお方ですね。そんな都合のいい話、お受けするわけがないでしょう?」
かつての婚約者の末路に興味もなく、アナスタシアは公爵家の跡取りとして堂々と日々を過ごす。
しかし、王国には彼女を取り巻く新たな陰謀の影が忍び寄っていた。
暗躍する謎の勢力、消える手紙、そして不審な襲撃──。
そんな中、王国軍の若きエリート将校ガブリエルと出会い、アナスタシアは自らの運命に立ち向かう決意を固める。
「私はもう、誰かに振り回されるつもりはありません。この王国の未来も、私自身の未来も、私の手で切り拓きます」
婚約破棄を経て、さらに強く、賢くなった公爵令嬢の痛快ざまぁストーリー!
自らの誇りを貫き、王国を揺るがす陰謀を暴く彼女の華麗なる活躍をお楽しみください。
婚約破棄された悪役令嬢ですが、私の”役目”に気づいたのは冷酷公爵だけでした
ria_alphapolis
恋愛
悪役令嬢と呼ばれ、
王太子から公衆の面前で婚約破棄された令嬢――
彼女は、何も語らぬまま王都を去った。
誰も知らない。
彼女が国を守るため、
あえて嫌われ役を演じ続けていたことを。
すべてを失ったはずの彼女の前に現れたのは、
冷酷無比と噂される公爵。
彼だけが、彼女の行動に違和感を覚え、
やがて“役目”の真実にたどり着く。
これは、
国のために悪役を演じた令嬢が、
役目を終え、
一人の女性として愛されるまでの物語。
追放されましたが、辺境で土壌改革をしたら領民からの感謝が止まりません。~今更戻ってきてと言われても、王都の地盤はもうボロボロですよ?~
水上
恋愛
【全11話完結】
「君は泥臭くて可愛くない」と婚約破棄されたセレナ。
そんな王太子に見切りをつけ、彼女は辺境へ。
そこで待っていたのは、強面だけど実は過保護な辺境伯だった。
セレナは持ち前の知識と技術で不毛の大地を大改革。
荒野は豊作、領民は大歓喜。
一方、彼女を追放した王都は、特産品のワインが作れなくなったり、土壌が腐って悪臭を放ったり、他国との同盟に亀裂が入り始めたりと大惨事に。
戻ってきてと縋られても、もう手遅れですよ?
『お前の顔は見飽きた!』内心ガッツポーズで辺境へ
夏乃みのり
恋愛
「リーナ・フォン・アトラス! 貴様との婚約を破棄する!」
華やかな王宮の夜会で、第一王子ジュリアンに突きつけられた非情な宣告。冤罪を被せられ、冷酷な悪役令嬢として追放を言い渡されたリーナだったが、彼女の内心は……「やったーーー! これでやっとトレーニングに専念できるわ!」と歓喜に震えていた!
地味で無才な私を捨てたことを、どうぞ一生後悔してください。
有賀冬馬
恋愛
「お前のような雑用女、誰にでも代わりはいる」
そう言って私を捨てたディーン様。でも、彼は気づいていなかったのです。公爵家の繁栄を支えていたのは、私の事務作業と薬草の知識だったということに。
追放された辺境の地で、私はようやく自分らしく生きる道を見つけました。無口な辺境伯様に「君がいなければダメだ」と熱烈に求められ、凍っていた心が溶けていく。
やがて王都で居場所をなくし、惨めな姿で私を追いかけてきた元婚約者。
「もう、私の帰る場所はここしかありませんから」
絶望する彼を背に、私は最愛の人と共に歩み出します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる