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第4話 一夜の逃走と名の消失
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夜の森は、息を飲むほど静かだった。
冷たい月明かりに照らされた雪解けの道を、フード姿の女が一人歩く。
その歩みは慎重で、しかし確固たる意思を秘めていた。
アイリス――いや、今は“アイラ”と名乗る彼女は、辺境の村での生活を捨て、密かに森へと逃れようとしていた。
村での穏やかな日々は、夢のように儚かった。
“癒し手の娘”という噂が、いつしか“奇跡を起こす魔女”という尾ひれをつけ、村の外へと広がっていったのだ。
人々の憧れと好奇の眼差しが混ざり合い、やがてそれは恐れへと変わる。
――過去と同じだ、と彼女は悟った。
どこにいても、人は自分が理解できぬ力を恐れ、そしてそれを排除しようとするのだ。
きっかけは三日前。
隣村で疫病が流行り、手の施しようがないと泣く母親を前に、アイリスは癒しの力を振るった。
病の子は息を吹き返し、村人たちは歓喜に包まれた。
だがその奇跡の翌日、濡れ衣のような噂が流れ始めた。
「癒しの代償に命を奪う魔女がいる」「夜に闇と契約している女がいる」――。
その噂を聞いた瞬間、アイリスの背筋に冷たいものが走った。
まただ。全てを奪われたあの夜と、何も変わらない。
自分が何をしても、真実は歪められ、人々の都合いい形で消費されていく。
「もう……繰り返したくない」
彼女は夜半、荷をまとめた。宿の老婦人にだけ短い手紙を残す。
“世話になりました。どうか皆を幸せに。私は、もう要らぬ災いを呼びたくありません。”
背を向けたその瞬間、胸の奥が引き裂かれるように痛んだ。
本当は去りたくなかった。
あの笑顔や声、温かな人々。
だが、彼らが“王都からの追手”に巻き込まれる未来を、どうしても見たくなかった。
森を歩きながら、小さく吐息をつく。
「……まるで罪人のようね」
その声は静寂に溶け、風に散った。
***
同じころ、村の道を数人の騎士が駆け抜けていた。
先頭に立つ黒髪の青年は、目つき鋭くもどこか冷静な気配を纏っている。
辺境防衛軍の将軍、ディラン=ヴァーミリオン。
噂の“癒しの女”の真偽を確かめるための、視察という名の任務だった。
「将軍、村人の証言によると“アイラ”という名の娘が――」
「その娘はまだいるのか?」
「いえ……三日前から姿を見せぬようで。宿の老婆に聞いたところ、夜明け前に消えたとか」
ディランは無言で馬の手綱をきつく引いた。目を細め、遠くの森を見据える。
「……足が速いな」
その声には焦燥が滲んでいた。
彼はもともと、ただの命令で動いていたわけではない。
村に残っていた手紙――そこには、当の娘の筆跡で「誰かをこれ以上巻き込みたくない」と記されていたのだ。
その一文を見た瞬間、胸の奥に何か温かいものが広がった。
彼もまた、何かから逃げ続けてきた人間だったからだ。
「よし、俺が追う」
「将軍、お一人で?」
「お前たちは村に残れ。もし“王都の騎士”が動いたらすぐ知らせろ」
命令を下すと同時に、ディランは馬を走らせた。
夜の森を、月明かりが切り取る。
***
その頃、アイリスは小さな川辺に辿り着いていた。
荷物を下ろし、靴を脱いで足先を冷たい水に沈める。
短い休息しか取れぬことはわかっていたが、疲れ切った体がそれを無視できなかった。
小川のせせらぎに紛れて、小さな声で呟く。
「お父様……お母様……」
そこまで言いかけて、唇を噛む。
もうどこにいるのかも、無事なのかもわからない。
ただ王都の知らせを聞いた日からずっと、胸を締めつける痛みだけが消えない。
あの時、止めなかった。
真実を叫ぶことも、抗うことも、なにひとつ。
それが誇り高いと信じていたけれど――今となっては、ただの弱さだったのかもしれない。
「……私は、何を望んでいるのかしら」
復讐でも、赦しでもない。
ただ、まっとうに生きたいだけだ。
誰かを癒して、静かに日を重ねたい。
それだけのことなのに、どうしてこんなにも遠いのだろう。
その願いを握りしめた時、背後で小枝が折れる音がした。
瞬間、アイリスは立ち上がる。
「誰ですか!」
返事はない。風が木々を撫でる音だけが、かすかに響く。
身構えたまま後ずさりしたその時――影が、月光の中に浮かび上がった。
長身の男。肩には黒い外套。
灰銀の髪が風に揺れる。
「……っ!」
その男は、剣を抜かなかった。
ただ両手を広げるようにして、静かに彼女を見つめる。
「怖がらせるつもりはない。俺は敵じゃない」
低く、落ち着いた声。だが、どこか懐かしい響きがあった。
「名前を聞かせてくれるか? 娘さん」
「……ただの旅人です」
「なら、俺もただの軍人だ。行き倒れを助けには来るけどな」
微笑したその顔に、彼女は少しだけ心を緩ませる。
見れば、彼の手には松明ではなく灯石の明かり。照らされた顔には誠実な影が落ちていた。
「……旅の途中で森に入るなんて、無謀だな」
「仕方ありません。ここに留まるわけにもいきませんから」
彼は少し首を傾げた。その視線が、まるで人の心を見透かすようだった。
「追われているのか」
「……違います。ただ、逃げているだけです」
「誰から?」
「……過去から」
言葉の意味を測るように、ディランはしばらく黙った。
そして静かに息を吐き、手を差し出した。
「それならなおさら、此処で少し休むといい。北の風は容赦ない。凍えて死ぬよりは、俺の天幕で暖を取れ」
しばし悩んだ末、アイリスはその手を受け取った。
本当に久しぶりに、誰かの体温を感じた気がした。
それは恐ろしいほど優しく、胸の奥で小さく火を灯す。
「……ありがとうございます」
「礼はいらない。明日になったら、それから考えよう」
二人は小さな焚き火のそばに腰を下ろした。
沈黙の間、薪のはぜる音だけが響く。
やがて、ディランがぽつりと訊ねた。
「名を、聞いてもいいか」
少し迷い、彼女は答える。
「……アイラ。旅医です」
「アイラ、か」
男は小さくその名を繰り返し、頷いた。
「奇遇だな。辺境では“癒し手のアイラ”の噂を耳にした。まさか当人とは」
「……そんな大層なものではありません。ただの村娘です」
「いや、その手で誰かを救ったなら、それで十分だ」
その言葉に胸が締めつけられる。
誰にも信じてもらえなかった力を、否定せずに受け止める人がいる――その事実が、涙が出るほど嬉しかった。
焚き火の熱で頬を赤くしながら、アイリスは目を伏せた。
「あなたは……どうしてそんなに優しいのですか」
「優しい?」
ディランは短く笑う。
「優しくなんてないさ。ただ俺も、昔一度だけ逃げたことがある」
アイリスは顔を上げる。
男の目には、深い海のような哀しみと強さが混ざっていた。
「大切なものを失って、後悔して、それでも前を向こうとした。その時、手を差し伸べてくれた人がいた。今度は俺の番だと思っている、それだけだ」
その夜、彼女は久しぶりに安らかに眠りについた。
夜風が木々を揺らし、焚き火の光が二人の影を柔らかく包む。
遠くで狼が鳴いた。だが、不思議と恐ろしくなかった。
夢の中で、アイリスは初めて王都の姿が霞んでいくのを見た。
それは痛みではなく、“別れ”という名の静かな解放だった。
そして、夜明け前。
薄明の空に一筋の光が差し込み、ディランが静かに呟く。
「……名前を捨てても、心までは失うなよ」
アイリスの耳には届かなかった。
彼女は穏やかな寝息を立てていた。
続く
冷たい月明かりに照らされた雪解けの道を、フード姿の女が一人歩く。
その歩みは慎重で、しかし確固たる意思を秘めていた。
アイリス――いや、今は“アイラ”と名乗る彼女は、辺境の村での生活を捨て、密かに森へと逃れようとしていた。
村での穏やかな日々は、夢のように儚かった。
“癒し手の娘”という噂が、いつしか“奇跡を起こす魔女”という尾ひれをつけ、村の外へと広がっていったのだ。
人々の憧れと好奇の眼差しが混ざり合い、やがてそれは恐れへと変わる。
――過去と同じだ、と彼女は悟った。
どこにいても、人は自分が理解できぬ力を恐れ、そしてそれを排除しようとするのだ。
きっかけは三日前。
隣村で疫病が流行り、手の施しようがないと泣く母親を前に、アイリスは癒しの力を振るった。
病の子は息を吹き返し、村人たちは歓喜に包まれた。
だがその奇跡の翌日、濡れ衣のような噂が流れ始めた。
「癒しの代償に命を奪う魔女がいる」「夜に闇と契約している女がいる」――。
その噂を聞いた瞬間、アイリスの背筋に冷たいものが走った。
まただ。全てを奪われたあの夜と、何も変わらない。
自分が何をしても、真実は歪められ、人々の都合いい形で消費されていく。
「もう……繰り返したくない」
彼女は夜半、荷をまとめた。宿の老婦人にだけ短い手紙を残す。
“世話になりました。どうか皆を幸せに。私は、もう要らぬ災いを呼びたくありません。”
背を向けたその瞬間、胸の奥が引き裂かれるように痛んだ。
本当は去りたくなかった。
あの笑顔や声、温かな人々。
だが、彼らが“王都からの追手”に巻き込まれる未来を、どうしても見たくなかった。
森を歩きながら、小さく吐息をつく。
「……まるで罪人のようね」
その声は静寂に溶け、風に散った。
***
同じころ、村の道を数人の騎士が駆け抜けていた。
先頭に立つ黒髪の青年は、目つき鋭くもどこか冷静な気配を纏っている。
辺境防衛軍の将軍、ディラン=ヴァーミリオン。
噂の“癒しの女”の真偽を確かめるための、視察という名の任務だった。
「将軍、村人の証言によると“アイラ”という名の娘が――」
「その娘はまだいるのか?」
「いえ……三日前から姿を見せぬようで。宿の老婆に聞いたところ、夜明け前に消えたとか」
ディランは無言で馬の手綱をきつく引いた。目を細め、遠くの森を見据える。
「……足が速いな」
その声には焦燥が滲んでいた。
彼はもともと、ただの命令で動いていたわけではない。
村に残っていた手紙――そこには、当の娘の筆跡で「誰かをこれ以上巻き込みたくない」と記されていたのだ。
その一文を見た瞬間、胸の奥に何か温かいものが広がった。
彼もまた、何かから逃げ続けてきた人間だったからだ。
「よし、俺が追う」
「将軍、お一人で?」
「お前たちは村に残れ。もし“王都の騎士”が動いたらすぐ知らせろ」
命令を下すと同時に、ディランは馬を走らせた。
夜の森を、月明かりが切り取る。
***
その頃、アイリスは小さな川辺に辿り着いていた。
荷物を下ろし、靴を脱いで足先を冷たい水に沈める。
短い休息しか取れぬことはわかっていたが、疲れ切った体がそれを無視できなかった。
小川のせせらぎに紛れて、小さな声で呟く。
「お父様……お母様……」
そこまで言いかけて、唇を噛む。
もうどこにいるのかも、無事なのかもわからない。
ただ王都の知らせを聞いた日からずっと、胸を締めつける痛みだけが消えない。
あの時、止めなかった。
真実を叫ぶことも、抗うことも、なにひとつ。
それが誇り高いと信じていたけれど――今となっては、ただの弱さだったのかもしれない。
「……私は、何を望んでいるのかしら」
復讐でも、赦しでもない。
ただ、まっとうに生きたいだけだ。
誰かを癒して、静かに日を重ねたい。
それだけのことなのに、どうしてこんなにも遠いのだろう。
その願いを握りしめた時、背後で小枝が折れる音がした。
瞬間、アイリスは立ち上がる。
「誰ですか!」
返事はない。風が木々を撫でる音だけが、かすかに響く。
身構えたまま後ずさりしたその時――影が、月光の中に浮かび上がった。
長身の男。肩には黒い外套。
灰銀の髪が風に揺れる。
「……っ!」
その男は、剣を抜かなかった。
ただ両手を広げるようにして、静かに彼女を見つめる。
「怖がらせるつもりはない。俺は敵じゃない」
低く、落ち着いた声。だが、どこか懐かしい響きがあった。
「名前を聞かせてくれるか? 娘さん」
「……ただの旅人です」
「なら、俺もただの軍人だ。行き倒れを助けには来るけどな」
微笑したその顔に、彼女は少しだけ心を緩ませる。
見れば、彼の手には松明ではなく灯石の明かり。照らされた顔には誠実な影が落ちていた。
「……旅の途中で森に入るなんて、無謀だな」
「仕方ありません。ここに留まるわけにもいきませんから」
彼は少し首を傾げた。その視線が、まるで人の心を見透かすようだった。
「追われているのか」
「……違います。ただ、逃げているだけです」
「誰から?」
「……過去から」
言葉の意味を測るように、ディランはしばらく黙った。
そして静かに息を吐き、手を差し出した。
「それならなおさら、此処で少し休むといい。北の風は容赦ない。凍えて死ぬよりは、俺の天幕で暖を取れ」
しばし悩んだ末、アイリスはその手を受け取った。
本当に久しぶりに、誰かの体温を感じた気がした。
それは恐ろしいほど優しく、胸の奥で小さく火を灯す。
「……ありがとうございます」
「礼はいらない。明日になったら、それから考えよう」
二人は小さな焚き火のそばに腰を下ろした。
沈黙の間、薪のはぜる音だけが響く。
やがて、ディランがぽつりと訊ねた。
「名を、聞いてもいいか」
少し迷い、彼女は答える。
「……アイラ。旅医です」
「アイラ、か」
男は小さくその名を繰り返し、頷いた。
「奇遇だな。辺境では“癒し手のアイラ”の噂を耳にした。まさか当人とは」
「……そんな大層なものではありません。ただの村娘です」
「いや、その手で誰かを救ったなら、それで十分だ」
その言葉に胸が締めつけられる。
誰にも信じてもらえなかった力を、否定せずに受け止める人がいる――その事実が、涙が出るほど嬉しかった。
焚き火の熱で頬を赤くしながら、アイリスは目を伏せた。
「あなたは……どうしてそんなに優しいのですか」
「優しい?」
ディランは短く笑う。
「優しくなんてないさ。ただ俺も、昔一度だけ逃げたことがある」
アイリスは顔を上げる。
男の目には、深い海のような哀しみと強さが混ざっていた。
「大切なものを失って、後悔して、それでも前を向こうとした。その時、手を差し伸べてくれた人がいた。今度は俺の番だと思っている、それだけだ」
その夜、彼女は久しぶりに安らかに眠りについた。
夜風が木々を揺らし、焚き火の光が二人の影を柔らかく包む。
遠くで狼が鳴いた。だが、不思議と恐ろしくなかった。
夢の中で、アイリスは初めて王都の姿が霞んでいくのを見た。
それは痛みではなく、“別れ”という名の静かな解放だった。
そして、夜明け前。
薄明の空に一筋の光が差し込み、ディランが静かに呟く。
「……名前を捨てても、心までは失うなよ」
アイリスの耳には届かなかった。
彼女は穏やかな寝息を立てていた。
続く
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