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5 冒険者な令嬢
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レベル5になったから冒険者ギルドに登録が出来る。
冒険者ギルドは12歳から登録出来るんだけど、レベル5以上が必要になんだよね。
冒険者になれば採取や魔獣討伐で稼げるし、ギルドカードは身分証にもなるから、私の作った石鹸とかロウソクとかを売ることも出来るようになるの。
売れる物はまだそれしかないんだけどね。
あ。作ればあるんだよ。
トリートメントとか調味料とかね。
その辺は少しづつでいいかなと思ってる。
この半年、レベル上げをしながら街を見たりもしてた。
もちろんシンプルなドレスで良いとこの商家の娘みたいな格好してね。
だからギルドの場所も分かるんだけど、荒々しい人達が出入りしててちょっと緊張です。
何しろ生まれてこの方ずーっと女の園育ちなもんで。
「こんにちは…」
人の少なそうな時間を狙ってギルドに入つてみる。
前世でいう役所っぽい雰囲気だけど、人が少ない割にはざわざわしてる。
受付に女の人はいなくて、1番普通そうな男の人に声をかけると、一瞬驚いたような顔をした後にっこり笑ってくれた。
「登録お願いします。」
「きみが?」
「はい。」
どこか変なのかな?
今日は膝下までの長めのチュニックみたいなワンピースにスパッツのようなパンツ。
女性冒険者だけじゃなくて街でも普通にいる感じのはず。
ざわざわが大きくなったけど、受付の男の人が私の後ろに視線をやるとざわざわしていたギルドが一瞬で静かになった。
ん、なんかちょっと寒い。
「ではこれを書いて、水晶に触ってね。」
男の人はさらににっこりしながら、紙と水晶をずいっと出してきた。
「ふんふん、ルチアちゃんね、14歳と。」
そう、私はこの半年の間に14歳になったの。
プレゼントとか何もなかったけどね。
偽名にしようかと思ったけど、ルチアっていう名前は田中さんや佐藤さんなみに多いからそのままにした。
水晶に触れると小さな光が5つ光った。
これでレベルが分かるんだよね。
知ってはいたけど、もしかしてスキルも分かるんじゃないかって心配してたからほっとした。
自分のスキルを知りたかったら教会で調べてもらえるらしいんだけど、かなり高額なんだって。
たいていは水を出したり火を出したり色々試してみて、魔法が発動すればそのスキルがあるんだねって感じ。
「レベル5だね。じゃあ初心者講習があるから受けてって。」
記入した紙を渡すと受付の横の扉を指さされたので、こくんとうなずいてそちらに向かう。
受付がドタバタしているのがチラッと見えたけど、気付いちゃいけない気がしてそのまま扉の中に入った。
「お待たせっ。」
しばらくするとさっきの受付の男の人が入ってきた。
息が切れてるけど大丈夫かな。
講習と言っても受講生は私1人で、机を挟んだだけだからすごく距離が近い。
「俺はウィル。よろしくね。
ルチアちゃん、すごく綺麗な手だね。
こんな綺麗な手で冒険者なんて心配しちゃうな。
分からないことがあったら何でも聞いてね。」
ウィルさんが私の手を取って手の甲をするっと撫でる。
わかっちゃいましたか。
手作り石鹸の匂いなんですよ。
さりげなく手作り石鹸をアピろうとしたその時、バーンと扉が勢いよく開いたと思ったら、ゴッとウィルさんがゲンコされてて、厳つい髭もじゃのおじさんが立っていた。
「講習は俺の仕事だろうがっ。
すけべったらしく手なんか握ってねーで、お前は荒くれどもの相手でもしてこいっ。」
「いてー。あ、所長。」
頭をさすりながら渋々席を立ったウィルさんは髭もじゃさんに睨まれながらも「ルチアちゃんまたねー。」と手を振りながら扉の向こうに消えていった。
「ふー。すまねーな。ギルド長のゴースだ。よろしくな。」
髭もじゃさんはゴース所長というらしい。
ゴース所長の説明によると、冒険者は初心者のI級からはじまってS級までの級があって、この街のギルドでは最高B級の冒険者が所属してるとのこと。
S級はほとんどいなくって、このサジキスタ国では3人しかいない。
A級は30人くらい。
他にも採取できる薬草や魔獣の種類、武器とか、冒険者がいかに危険な仕事かとか。
基本的にスキルはあまり他人に言わないものらしい。
有名な冒険者になると「蒼の水神」とか「火雷の剣」なんてふたつ名で呼ばれたりするからスキルももろばれなんだけどね。そんなちょっとしたルールも教わりました。
「で、ルチアは本当に冒険者になりてーのか?」
ゴース所長が急に真面目な顔で聞いてくる。
「はいっ。なりたいです。」
だから、私も真剣に答えたの。
以前のルチアままじゃ何も変わらないもん。
自由のない澱んだ人生なんて嫌。
それに異世界と言えば冒険者だしね!
「じゃあ、登録料銀貨2枚な。」
おふっ。今いいとこだったよね?
ニヤッと手を出したゴース所長にずるっとしちゃうよ。
ちなみにこの世界のお金はこんな感じ。
小銅貨1枚が前世の1円くらい。
小銅貨10枚が銅貨で10円。
銅貨10枚が大銅貨で100円。
大銅貨10枚が銀貨で1000円。
銀貨10枚が大銀貨で10000円。
大銀貨10枚が金貨で100000円。
私はチュニックのポケットに手を入れてゴースさんにばれないように、亜空間ポケットから銀貨2枚を取り出した。
冒険者ギルドは12歳から登録出来るんだけど、レベル5以上が必要になんだよね。
冒険者になれば採取や魔獣討伐で稼げるし、ギルドカードは身分証にもなるから、私の作った石鹸とかロウソクとかを売ることも出来るようになるの。
売れる物はまだそれしかないんだけどね。
あ。作ればあるんだよ。
トリートメントとか調味料とかね。
その辺は少しづつでいいかなと思ってる。
この半年、レベル上げをしながら街を見たりもしてた。
もちろんシンプルなドレスで良いとこの商家の娘みたいな格好してね。
だからギルドの場所も分かるんだけど、荒々しい人達が出入りしててちょっと緊張です。
何しろ生まれてこの方ずーっと女の園育ちなもんで。
「こんにちは…」
人の少なそうな時間を狙ってギルドに入つてみる。
前世でいう役所っぽい雰囲気だけど、人が少ない割にはざわざわしてる。
受付に女の人はいなくて、1番普通そうな男の人に声をかけると、一瞬驚いたような顔をした後にっこり笑ってくれた。
「登録お願いします。」
「きみが?」
「はい。」
どこか変なのかな?
今日は膝下までの長めのチュニックみたいなワンピースにスパッツのようなパンツ。
女性冒険者だけじゃなくて街でも普通にいる感じのはず。
ざわざわが大きくなったけど、受付の男の人が私の後ろに視線をやるとざわざわしていたギルドが一瞬で静かになった。
ん、なんかちょっと寒い。
「ではこれを書いて、水晶に触ってね。」
男の人はさらににっこりしながら、紙と水晶をずいっと出してきた。
「ふんふん、ルチアちゃんね、14歳と。」
そう、私はこの半年の間に14歳になったの。
プレゼントとか何もなかったけどね。
偽名にしようかと思ったけど、ルチアっていう名前は田中さんや佐藤さんなみに多いからそのままにした。
水晶に触れると小さな光が5つ光った。
これでレベルが分かるんだよね。
知ってはいたけど、もしかしてスキルも分かるんじゃないかって心配してたからほっとした。
自分のスキルを知りたかったら教会で調べてもらえるらしいんだけど、かなり高額なんだって。
たいていは水を出したり火を出したり色々試してみて、魔法が発動すればそのスキルがあるんだねって感じ。
「レベル5だね。じゃあ初心者講習があるから受けてって。」
記入した紙を渡すと受付の横の扉を指さされたので、こくんとうなずいてそちらに向かう。
受付がドタバタしているのがチラッと見えたけど、気付いちゃいけない気がしてそのまま扉の中に入った。
「お待たせっ。」
しばらくするとさっきの受付の男の人が入ってきた。
息が切れてるけど大丈夫かな。
講習と言っても受講生は私1人で、机を挟んだだけだからすごく距離が近い。
「俺はウィル。よろしくね。
ルチアちゃん、すごく綺麗な手だね。
こんな綺麗な手で冒険者なんて心配しちゃうな。
分からないことがあったら何でも聞いてね。」
ウィルさんが私の手を取って手の甲をするっと撫でる。
わかっちゃいましたか。
手作り石鹸の匂いなんですよ。
さりげなく手作り石鹸をアピろうとしたその時、バーンと扉が勢いよく開いたと思ったら、ゴッとウィルさんがゲンコされてて、厳つい髭もじゃのおじさんが立っていた。
「講習は俺の仕事だろうがっ。
すけべったらしく手なんか握ってねーで、お前は荒くれどもの相手でもしてこいっ。」
「いてー。あ、所長。」
頭をさすりながら渋々席を立ったウィルさんは髭もじゃさんに睨まれながらも「ルチアちゃんまたねー。」と手を振りながら扉の向こうに消えていった。
「ふー。すまねーな。ギルド長のゴースだ。よろしくな。」
髭もじゃさんはゴース所長というらしい。
ゴース所長の説明によると、冒険者は初心者のI級からはじまってS級までの級があって、この街のギルドでは最高B級の冒険者が所属してるとのこと。
S級はほとんどいなくって、このサジキスタ国では3人しかいない。
A級は30人くらい。
他にも採取できる薬草や魔獣の種類、武器とか、冒険者がいかに危険な仕事かとか。
基本的にスキルはあまり他人に言わないものらしい。
有名な冒険者になると「蒼の水神」とか「火雷の剣」なんてふたつ名で呼ばれたりするからスキルももろばれなんだけどね。そんなちょっとしたルールも教わりました。
「で、ルチアは本当に冒険者になりてーのか?」
ゴース所長が急に真面目な顔で聞いてくる。
「はいっ。なりたいです。」
だから、私も真剣に答えたの。
以前のルチアままじゃ何も変わらないもん。
自由のない澱んだ人生なんて嫌。
それに異世界と言えば冒険者だしね!
「じゃあ、登録料銀貨2枚な。」
おふっ。今いいとこだったよね?
ニヤッと手を出したゴース所長にずるっとしちゃうよ。
ちなみにこの世界のお金はこんな感じ。
小銅貨1枚が前世の1円くらい。
小銅貨10枚が銅貨で10円。
銅貨10枚が大銅貨で100円。
大銅貨10枚が銀貨で1000円。
銀貨10枚が大銀貨で10000円。
大銀貨10枚が金貨で100000円。
私はチュニックのポケットに手を入れてゴースさんにばれないように、亜空間ポケットから銀貨2枚を取り出した。
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