放置令嬢 選択スキルでスローライフ満喫します 聖女をお探しのようですが私は関係ありません

しろこねこ

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6 ピンクオーラの男

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「まあ、講習はこんなとこだな。
後は実践あるのみなんだが、はじめは誰かついてもらった方がいい。…とくにルチアは。」

夕刻に近くなって講習が終わってゴース所長さんが立ち上がった。
とくに私はって、なにかやらかしそうってことですか?

「明日4刻過ぎに来い。誰か適当なやつを探しといてやるから。」



翌朝4刻、前世での朝8時頃、私はまたギルドに来ていた。
今日から実践なのだ。

「おー、ルチア来たか。ちょっと待ってろよ。
そうだった、そうだった、誰にするかな。バクスターか?いやあいつはこないだ女にふらたばっかで…」

ゴース所長に挨拶すると何やらぶつぶつ言ってる。
というか、付き添いの冒険者さんの件、忘れてましたね。
頭を掻きながらぶつぶつ言いつづけるゴース所長の横で私はギルド内を見ていた。
この時間は冒険者の出入りが多くて、ギルドのドアは開けっ放しになっている。
がやがやとギルドから出ていく冒険者、入ってく冒険者。
そんな中その人は入ってきた。

「あ、圧倒的ピンクっ!」

濃いピンクのもやもや、もうピンクが濃くて姿が見えないくらい。
もはや神々しい!ピンクのオーラが射してるよ!
いかにも私の人生に幸運をもたらしてくれそうなオーラだよ。

「お。おーい、リチャー「あの人がいいですっ。」

ゴース所長が何か言ってたけど、聞こえない。
私は夢中でピンクの人に抱き着いた。
抱き心地も最高ッ!

「あー、ちょっ、おい、ルチア!」

慌てたゴース所長がやってきて私ははっと我に返った。
見上げるとピンクさんは背の高い男の人で、バンザイするみたいに両手を上げてて、私と目が合うと片眉をクイッと上げた。

「俺に用か?」

わわわ。やってしまった。
男の人に抱き着いちゃったよ。
私は恥ずかしくなってゆっくりと抱き着いてた腕を下して、つつつとゴース所長の後ろに下がった。

「あー、ジル。すまねぇ。えーっと、ルチアの。ああ、こいつ初心者で、初日の付き添いを探してて。
つーか、B級のあんたに頼むようなことじゃねーから。すまなかったな。ほら、ルチアも謝っとけ。」

ゴース所長がすごい勢いで頭を掻きながら後ろに隠れてた私を前に押し出す。
…結構な力入ってますけど。

「あの、すみませんでしたっ!」

とりあえず、焦ってがばっと頭を下げる。
ピンクさんB級なんだ。これはとってもまずいことをしてしまった。殺られても文句は言えないよね。
冷たい汗が背中をたらりと落ちる。
それにB級冒険者様に付き添いなんて頼めないよ。
こういうのはだいたいD級かE級って言ってたもんね。
私が恥ずかしさとで恐怖で縮こまっていると。

「かまわないが?」

頭の上から声が聞こえた。
見上げると、ピンクさんことジルを見ると肩を震わせている。
まじですか!でも、恥ずかしいからそんなに笑わないでほしい。
まわりからもひゅーひゅーと歓声が上がってる。

「ありがとうございますっ。」

「へ。まじか。助かる。」

またまた頭を下げる私と、驚いたゴース所長も「ははは。」と乾いた笑いでジルの肩をバンバンたたいてた。
ゴース所長とジルが軽い打合せをしてる間、私はジルのことを見てた。
背が高くてごついってほどではないけど筋肉がすごい。
焦げ茶の髪にブルーの瞳で笑うと目がくっしゃとたれて優しそう。

「早速行こうか。」
「ルチア、行って来い。ジルならこれ以上なく安心だ。熱烈アタックがかなって良かったな。」

ジルが私の背中に手をまわしてギルドを出ようとうながす後ろで、ゴース所長のセクハラおやじっぽい発言にギルドがどっと沸いていた。
…ゴース所長ゆるすまじ。

「あの、ピ、ジルさん、ルチアと言います。今日はよろしくお願いします。
それにすみません、あんな人前で…。
ジルさんB級なんですよね?付き添いなんてお願いして本当に申し訳ないです。」

「いや、こんなかわいい女の子に抱き着かれて嫌な男なんていないぜ。
それにここんとこ大した依頼もねえし、ゴースに貸しもできたし気にすんな。」

ジルが私の髪をくしゃりと撫でた。
ふぁっ。髪くしゃいただいちゃいました。
やわらかな髪の間からのぞく瞳にジルが一瞬驚いたような顔をしたけど、あわあわしてた私は気づかなかった。




*ギルドにて*

「そーゆーことだからな。お前らルチアに手ぇ出すんじゃねぇぞ。」

かわいいうさぎちゃんをどうやって守ろうか頭を悩ませていたゴースだったが、うさぎちゃんがジルに抱き着いたときは焦ったものの、最良の結果になったと安堵していた。
うさぎちゃんが自ら庇護者に選び、うちで最強のジルがそれを了承した形になったのだ。
しかも大勢の前で。
野郎どもが屍になっているがまあいつものことだ。

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