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翌日の昼前に瀧は興奮した母の声で起きることになった。一階へ降りるとヒューがリビングのソファで背筋をぴんと立てて母の茗子と雑談している。
瀧が顔を出すと茗子が振り返る。
「ああーん。もうたーきー、いつまで寝てるの。ヒューさん、来てくださってるのよお」
瀧の家族とヒューも顔合わせをしたことがあり、ヒューは瀧の家に何度か訪れている。その時にそれぞれとスマホのメッセージアプリで連絡先を交換しておりヒューと瀧の一家は頻繁にやり取りをしている。
瀧からの連絡を一晩中待ち、居ても立っても居られなくなったヒューは朝になって茗子と連絡を取った後、仕事を休み、瀧の家へとやってきた。
「突然来てごめんね。瀧と連絡が取れないから心配になって」
「瀧、ちゃんとヒューさんと連絡取りなさいよ」
「あー‥、ごめん。疲れて寝てた」
瀧は全く悪びれず、ぶっきらぼうに答える。
「ヒューさん、瀧が私のご飯食べたいって言うからレシピを教えてほしいって言ってくれるのよお」
「いや、それは後でいいから‥。とりあえず、ヒュー、俺の部屋行こ」
二階へ上がり、部屋に入るとすぐに名前を呼ばれ、後ろから抱きしめられる。
「瀧が居なくて昨日とても寂しかった。死んでしまうかと思ったよ」
明るく冗談めかしてヒューは言うが、何の連絡もなくマンションにも帰ってこない昨夜は気が気じゃなかった。誰と会っているのか、どのように過ごしているのか悪い妄想がヒューの頭を駆け巡り、最悪の事態を想像してはその可能性を否定して、また思いついては打ち消しての繰り返しだった。
深夜にやっと瀧から連絡があり、その文面をそのまま信じたわけではないが、ひとまず返事があったことに安堵し、ヒューも返事を返したがそれ以降、音沙汰が無い。
瀧の返信をいつまでも待ち、スマホを手から離せず、眠れずに夜明けまで送られてきた瀧のメッセージの文面に思いを巡らせ、朝になって母の茗子に事実確認と訪問の了解を取るためメッセージを送った。
「わざわざ来なくていいよ。連絡しただろ」
瀧は投げやりな口調で、ヒューと目を合わさずに部屋のベッドに腰掛ける。
瀧は瀧で昨夜は眠れなかった。女の子相手に勃たなかった自分に焦り、その出来事を忘れるため一所懸命にお気に入りの女優のエロいシュチュエーションを思い描くのだが、脳裏によぎるのはベッドでのヒューの甘い囁きや整った身体、色気のある息遣いで、それを思い出しては下半身に重い熱を感じている自分を戒め、いつの間にか夜は更けていった。
そのせいで瀧の機嫌はすこぶる悪い。瀧は男性の機能が異性に対して正常に作用しなかった原因をヒューのせいにしてその動揺や恐れを拭おうとしていた。
瀧のにべもない態度に、ヒューの頭には昨夜思い浮かべた数々のネガティブな可能性がよぎる。
瀧はそもそもストレートで同性に興味はない。そんな彼が自分から離れてしまうことは簡単なことのように思えた。
これまでもそれが怖くて高い頻度で瀧の性的欲求を満たすように夜に奉仕してきたのだ。
ヒューは瀧を誰にも渡したくなどない。
瀧を想う時に一番最初に思い出すのは、初めて彼を見た時だ。
自社の飲料水のCM撮りの日、燦々と輝く光を浴びた窓辺の作り付けのベンチで苦しそうに脂汗を浮かべていた。
その次は自分達の関係に慣れてきた瀧が自分からしてくれたキス。一緒にリビングでテレビを見ているちょっとした合間だった。驚いたヒューが少し目を見開くと、「何?」と、わざと怒ったような態度をとった時の顔。
いつからか瀧の瞳に浮かぶようになった好意の感情に気づいた時は地面から足がぷかぷかと浮きそうなくらい舞い上がったのを覚えている。
瀧を手放したくない一心からヒューは瀧の足元に跪くとおずおずと瀧の太腿の傍に手を置いて見上げた。ヒューは切なそう表情を浮かべ、その顔を瀧の太腿に横たえた。
「‥瀧、お願い。帰ってきてよ」
ヒューみたいな地位も美貌も財産も、何もかもを手に入れているような男が自分の足元に伏し、まるで甘える犬のように歓心を買うその姿を見た時、瀧の裡でぞわりとした暗い喜びが生まれた。
瀧は太腿で頬擦りすらしそうなヒューのこめかみ辺りから指を入れて手櫛で梳く。
「ヒュー、このまま出来る?」
梳いた手を頭の後ろで止めるとそのまま少し自らの股間のほうへ引き寄せるように力を入れた。
真っ昼間の他人の家で、この上品を絵に描いたような男が同じ男の性器を咥える様を想像するだけで瀧の心は熱く乱れた。
窓から入る明るい日差しが瀧が中学生の頃から使っているベッドとその上の二人に降り注ぐ。
ヒューはほんの一瞬、躊躇いを見せたがゆっくりと瀧の太腿の際に顔を近づけると、柔らかく盛り上がったそこに唇を当てた。
そのまま喰み、そっと吸い付く。瀧の性器は服の上からの刺激でも十分で、すぐにぐぐっと容量を増した。
形がしっかりとわかるようになるとヒューは腰のゴムの部分に指を掛け脱がすように促す。瀧が緩慢に腰を上げると、ヒューは瀧の履いているスエットを丁寧に脱がした。
勃ち上がる瀧の性器を舌で包みながら唇を窄めて何度かじゅぷじゅぷと扱くと、溜まった欲はすぐに弾けてヒューの口内に吐き出された。
瀧に喜んで欲しいと訴えるように、口の中に放たれた精を飲み下すヒューを、快楽を手放したばかりのとろんとした目で瀧は見つめる。その瞳の中には翳りのある悦びがある。
「ヒュー。ヒューも気持ちよくなって」
瀧が自分の股の間で唇に僅かについた残滓を舐めとる魅惑的な男を見下ろすと、彼も熱の籠った目で見つめ返す。
「ヒューがイクとこ、俺に見せて」
ヒューは瀧の裡に咲いた爛れた感情をその目に見た気がしたがそれに触れることはしなかった。
瀧の望むままに振る舞うことに抵抗はなかった。
跪いた姿勢から腰を床に下ろし、ベルトに手を掛ける。まだ静かなその場所をボトムスから出すと緩やかに指を絡めた。
目を伏せ、思い描くのは苦しそうに眉を寄せる瀧の顔だ。再び出会えるまでの半年間、幾度となくあの日の瀧を思い出しては一人で慰めることもあった。
勃ち上がる性器を上下に律動させ快感を掬い取る。下げていた瞳を瀧に向ければ、熱に浮かされた顔でこちらを見ていた。
切長の美しい二重の瞳が蕩けて恍惚の境地にでもいるかのようだ。
官能的なその姿にヒューの劣情も煽られ、手の中にある自身がボリュームを増した。
次第に、絡まるように上下を行き来する指のスピードが上がり、ヒューが僅かに震えると同時に白濁の液が蒔かれる。
白い飛沫が弾け飛び、瀧の頬にぴちゃりと跳ねた。
瀧が顔を出すと茗子が振り返る。
「ああーん。もうたーきー、いつまで寝てるの。ヒューさん、来てくださってるのよお」
瀧の家族とヒューも顔合わせをしたことがあり、ヒューは瀧の家に何度か訪れている。その時にそれぞれとスマホのメッセージアプリで連絡先を交換しておりヒューと瀧の一家は頻繁にやり取りをしている。
瀧からの連絡を一晩中待ち、居ても立っても居られなくなったヒューは朝になって茗子と連絡を取った後、仕事を休み、瀧の家へとやってきた。
「突然来てごめんね。瀧と連絡が取れないから心配になって」
「瀧、ちゃんとヒューさんと連絡取りなさいよ」
「あー‥、ごめん。疲れて寝てた」
瀧は全く悪びれず、ぶっきらぼうに答える。
「ヒューさん、瀧が私のご飯食べたいって言うからレシピを教えてほしいって言ってくれるのよお」
「いや、それは後でいいから‥。とりあえず、ヒュー、俺の部屋行こ」
二階へ上がり、部屋に入るとすぐに名前を呼ばれ、後ろから抱きしめられる。
「瀧が居なくて昨日とても寂しかった。死んでしまうかと思ったよ」
明るく冗談めかしてヒューは言うが、何の連絡もなくマンションにも帰ってこない昨夜は気が気じゃなかった。誰と会っているのか、どのように過ごしているのか悪い妄想がヒューの頭を駆け巡り、最悪の事態を想像してはその可能性を否定して、また思いついては打ち消しての繰り返しだった。
深夜にやっと瀧から連絡があり、その文面をそのまま信じたわけではないが、ひとまず返事があったことに安堵し、ヒューも返事を返したがそれ以降、音沙汰が無い。
瀧の返信をいつまでも待ち、スマホを手から離せず、眠れずに夜明けまで送られてきた瀧のメッセージの文面に思いを巡らせ、朝になって母の茗子に事実確認と訪問の了解を取るためメッセージを送った。
「わざわざ来なくていいよ。連絡しただろ」
瀧は投げやりな口調で、ヒューと目を合わさずに部屋のベッドに腰掛ける。
瀧は瀧で昨夜は眠れなかった。女の子相手に勃たなかった自分に焦り、その出来事を忘れるため一所懸命にお気に入りの女優のエロいシュチュエーションを思い描くのだが、脳裏によぎるのはベッドでのヒューの甘い囁きや整った身体、色気のある息遣いで、それを思い出しては下半身に重い熱を感じている自分を戒め、いつの間にか夜は更けていった。
そのせいで瀧の機嫌はすこぶる悪い。瀧は男性の機能が異性に対して正常に作用しなかった原因をヒューのせいにしてその動揺や恐れを拭おうとしていた。
瀧のにべもない態度に、ヒューの頭には昨夜思い浮かべた数々のネガティブな可能性がよぎる。
瀧はそもそもストレートで同性に興味はない。そんな彼が自分から離れてしまうことは簡単なことのように思えた。
これまでもそれが怖くて高い頻度で瀧の性的欲求を満たすように夜に奉仕してきたのだ。
ヒューは瀧を誰にも渡したくなどない。
瀧を想う時に一番最初に思い出すのは、初めて彼を見た時だ。
自社の飲料水のCM撮りの日、燦々と輝く光を浴びた窓辺の作り付けのベンチで苦しそうに脂汗を浮かべていた。
その次は自分達の関係に慣れてきた瀧が自分からしてくれたキス。一緒にリビングでテレビを見ているちょっとした合間だった。驚いたヒューが少し目を見開くと、「何?」と、わざと怒ったような態度をとった時の顔。
いつからか瀧の瞳に浮かぶようになった好意の感情に気づいた時は地面から足がぷかぷかと浮きそうなくらい舞い上がったのを覚えている。
瀧を手放したくない一心からヒューは瀧の足元に跪くとおずおずと瀧の太腿の傍に手を置いて見上げた。ヒューは切なそう表情を浮かべ、その顔を瀧の太腿に横たえた。
「‥瀧、お願い。帰ってきてよ」
ヒューみたいな地位も美貌も財産も、何もかもを手に入れているような男が自分の足元に伏し、まるで甘える犬のように歓心を買うその姿を見た時、瀧の裡でぞわりとした暗い喜びが生まれた。
瀧は太腿で頬擦りすらしそうなヒューのこめかみ辺りから指を入れて手櫛で梳く。
「ヒュー、このまま出来る?」
梳いた手を頭の後ろで止めるとそのまま少し自らの股間のほうへ引き寄せるように力を入れた。
真っ昼間の他人の家で、この上品を絵に描いたような男が同じ男の性器を咥える様を想像するだけで瀧の心は熱く乱れた。
窓から入る明るい日差しが瀧が中学生の頃から使っているベッドとその上の二人に降り注ぐ。
ヒューはほんの一瞬、躊躇いを見せたがゆっくりと瀧の太腿の際に顔を近づけると、柔らかく盛り上がったそこに唇を当てた。
そのまま喰み、そっと吸い付く。瀧の性器は服の上からの刺激でも十分で、すぐにぐぐっと容量を増した。
形がしっかりとわかるようになるとヒューは腰のゴムの部分に指を掛け脱がすように促す。瀧が緩慢に腰を上げると、ヒューは瀧の履いているスエットを丁寧に脱がした。
勃ち上がる瀧の性器を舌で包みながら唇を窄めて何度かじゅぷじゅぷと扱くと、溜まった欲はすぐに弾けてヒューの口内に吐き出された。
瀧に喜んで欲しいと訴えるように、口の中に放たれた精を飲み下すヒューを、快楽を手放したばかりのとろんとした目で瀧は見つめる。その瞳の中には翳りのある悦びがある。
「ヒュー。ヒューも気持ちよくなって」
瀧が自分の股の間で唇に僅かについた残滓を舐めとる魅惑的な男を見下ろすと、彼も熱の籠った目で見つめ返す。
「ヒューがイクとこ、俺に見せて」
ヒューは瀧の裡に咲いた爛れた感情をその目に見た気がしたがそれに触れることはしなかった。
瀧の望むままに振る舞うことに抵抗はなかった。
跪いた姿勢から腰を床に下ろし、ベルトに手を掛ける。まだ静かなその場所をボトムスから出すと緩やかに指を絡めた。
目を伏せ、思い描くのは苦しそうに眉を寄せる瀧の顔だ。再び出会えるまでの半年間、幾度となくあの日の瀧を思い出しては一人で慰めることもあった。
勃ち上がる性器を上下に律動させ快感を掬い取る。下げていた瞳を瀧に向ければ、熱に浮かされた顔でこちらを見ていた。
切長の美しい二重の瞳が蕩けて恍惚の境地にでもいるかのようだ。
官能的なその姿にヒューの劣情も煽られ、手の中にある自身がボリュームを増した。
次第に、絡まるように上下を行き来する指のスピードが上がり、ヒューが僅かに震えると同時に白濁の液が蒔かれる。
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