外国人御曹司と結婚を前提にお付き合いすることになりました。が、

ミネ

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ヒューの実家から戻ってもうすぐ一週間が過ぎようとしていた。

瀧はヒューに対する対抗心や劣等感に囚われる自分のつまらなさを痛感していた。

瀧の気持ちの変化に戸惑うヒューに優しくされれば、自分にはない寛容さだと自身を卑下し、瀧の機嫌を取りたいヒューに食事や買い物を奢られると、学生の身分ながらも甲斐性がないと落ち込んでみたり。

夜は夜で、ヒューに触れられると、以前のような触り合いっこだけでは自分の身体が済まないことは想像に容易かったし、とは言ってすんなりとヒューを受け入れ、簡単に陥落させられるのも悔しく、誘いを断り続けていた。


そんな瀧は、今まで女性に困ったこともなく、ヒューと付き合ってからはそれこそ二日一遍は営んでいたその若い身体を持て余しはじめていた。


仲間うちから御曹司の婚約者が本当にいると囁かれ始めてはいたが、それでも瀧のスマホには男女ともに遊びの誘いへのメッセージが多い。

瀧は鬱憤を晴らすかのように友人の誘いに乗って出掛けることにした。

誘われた居酒屋には瀧によく声を掛けてくる女の子も参加しており積極的なタイプで、その日も瀧の横を陣取っていた。

しばらくすると瀧のスマホが震え、彼女から二人で抜け出そうとメッセージが来る。

スマホには帰りの遅い瀧を心配したヒューからも連絡が来ていたが、返事はしなかった。

繁華街に近いラブホに入り、瀧は手慣れた動作で女の子を抱こうとした。しかし、女性特有の柔らかい肌が触れるたび、瀧はこれじゃない違和感を覚え、引き締まったヒューの身体の熱を思い出した。

意識すまいと考えれば考えるほど瀧は集中力を欠き、欲望は上がることなく萎んでいった。

緊張を言い訳にして瀧はホテルから去り、しかしヒューのいるマンションには戻りたくなく、久しぶりの実家に帰った。

終電もなくなる時刻で、両親はすでに休んでおり、姉の静湖が人の気配に気づいて、自室のドアを開けてきた。

「なんだ、瀧か。玄関から音がするからびっくりするじゃん。なに?こんな時間に。‥‥‥‥。ふっふ~ん。はっは~ん。ヒューさんとケンカでもした?」

「うるさいよ、バカ」

瀧はすぐさま部屋に入る。ホテルに入る時にサイレントにしたスマホを見れば、いつの間かヒューからの着信とメッセージが何件も入っていた。

【外食飽きた。母さんの肉じゃがとか玉子焼きとか食べたいからしばらく実家に帰る】


それだけ送るとサイレントは解除せず眠りについた。
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