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第五章 ――晩餐会へ至る道、そして新たな未来へ――
24話
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ザマァよりも大事なこと――外交の席に響く評価
晩餐会が本格的に始まり、国王や王太子、諸外国の大使たちが続々と会場に集まってくる。中心のテーブルには豪華なフルコースが並び、料理長たちが渾身の腕を振るう。そして満を持して供されるのは、アーデルハイド家が誇る30年熟成ビンテージワイン だ。
私は展示コーナーに常駐しつつも、時おり主賓席の様子を遠目に見守る。国王がグラスを傾け、渋みと甘みが凝縮した香りに微笑んでいる姿が見える。大使たちも「これは素晴らしい!」と口々に賞賛しているようだ。
「やった……成功ね、これでワインの評価は確実に上がるはずだわ」
思わず心が踊る。苦労して準備してきた甲斐があったというものだ。ポーランドや農民たちも、この評価を聞けばどんなに喜ぶだろうか。
さらに嬉しいことに、晩餐会の後半になると、いくつかの国の大使や貴族が私たちの“新商品展示コーナー”へ興味を示し、足を運んでくれ始めた。酒が苦手な者や、珍しい食品を探している商人、あるいは異国の味を求める料理人 などが、控えめに訪ねてくるのだ。
「うちの国にはこういうジュースがあまりなくてね、試してみたかったんだ」
「このスパイス料理というのは面白い。少し刺激が強いが、むしろ酒のつまみには好都合かもしれない」
「おや、染め物も扱っているのか。うちの領地では手に入りづらい色合いだ。輸入したら好評になるやもしれん」
などなど、興味津々の反応を示す人が続出。その都度、私たちは得意そうに商品の説明をし、試食品をサーブする。ファビアンが布地やレース染めのサンプルを広げると「なんと繊細な色合いだ!」と驚く人が出たり、リヴィエールのスパイスが効いた料理を試した外国の騎士が「これは病みつきになりそうだ」と豪快に笑ったり。
最初は地味な位置づけだったコーナーが、いつの間にか一部の来賓にとっての“隠れた目玉”になっていた。お互い片言の言葉や通訳を挟みながらも、私たちの新商品を面白がってくれる様子が伝わってくる。
「お嬢様、すごいですよ! 先ほどの公爵様が、展示コーナーのことを褒めておられました! 『こんなに幅広いアイデアを一度に見せるなんて、レイラ嬢は先見の明がある』って!」
慌ただしく報告に来るのはマーガレット。彼女の頬は上気して興奮気味だ。それに合わせて、私も胸の奥が温かくなる。
「よかった……苦労した甲斐があったわね。正直なところ、間に合わないんじゃないかとハラハラしたけど、みんなの協力があればこそここまで来られたわ」
ドレスの裾を揺らしながら、私は展示コーナーを行き来してはゲストに対応し、バタバタと忙しく立ち回る。まるで“ミニ商談会”のようになってきた。王太子やその取り巻きなどどうでもよく、私にはこなすべき仕事が山積みだ。
目の端でちらりと王太子がこちらを見やっているのが分かるが、彼が再び近寄ってくる気配はない。おそらく、「こんなに活き活きと働いているレイラ」にますます声をかけづらくなったのだろう。……まあ、それでいいのだ。私は今、別のところに意識を向けているし、彼に割く暇などない。
晩餐会が本格的に始まり、国王や王太子、諸外国の大使たちが続々と会場に集まってくる。中心のテーブルには豪華なフルコースが並び、料理長たちが渾身の腕を振るう。そして満を持して供されるのは、アーデルハイド家が誇る30年熟成ビンテージワイン だ。
私は展示コーナーに常駐しつつも、時おり主賓席の様子を遠目に見守る。国王がグラスを傾け、渋みと甘みが凝縮した香りに微笑んでいる姿が見える。大使たちも「これは素晴らしい!」と口々に賞賛しているようだ。
「やった……成功ね、これでワインの評価は確実に上がるはずだわ」
思わず心が踊る。苦労して準備してきた甲斐があったというものだ。ポーランドや農民たちも、この評価を聞けばどんなに喜ぶだろうか。
さらに嬉しいことに、晩餐会の後半になると、いくつかの国の大使や貴族が私たちの“新商品展示コーナー”へ興味を示し、足を運んでくれ始めた。酒が苦手な者や、珍しい食品を探している商人、あるいは異国の味を求める料理人 などが、控えめに訪ねてくるのだ。
「うちの国にはこういうジュースがあまりなくてね、試してみたかったんだ」
「このスパイス料理というのは面白い。少し刺激が強いが、むしろ酒のつまみには好都合かもしれない」
「おや、染め物も扱っているのか。うちの領地では手に入りづらい色合いだ。輸入したら好評になるやもしれん」
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最初は地味な位置づけだったコーナーが、いつの間にか一部の来賓にとっての“隠れた目玉”になっていた。お互い片言の言葉や通訳を挟みながらも、私たちの新商品を面白がってくれる様子が伝わってくる。
「お嬢様、すごいですよ! 先ほどの公爵様が、展示コーナーのことを褒めておられました! 『こんなに幅広いアイデアを一度に見せるなんて、レイラ嬢は先見の明がある』って!」
慌ただしく報告に来るのはマーガレット。彼女の頬は上気して興奮気味だ。それに合わせて、私も胸の奥が温かくなる。
「よかった……苦労した甲斐があったわね。正直なところ、間に合わないんじゃないかとハラハラしたけど、みんなの協力があればこそここまで来られたわ」
ドレスの裾を揺らしながら、私は展示コーナーを行き来してはゲストに対応し、バタバタと忙しく立ち回る。まるで“ミニ商談会”のようになってきた。王太子やその取り巻きなどどうでもよく、私にはこなすべき仕事が山積みだ。
目の端でちらりと王太子がこちらを見やっているのが分かるが、彼が再び近寄ってくる気配はない。おそらく、「こんなに活き活きと働いているレイラ」にますます声をかけづらくなったのだろう。……まあ、それでいいのだ。私は今、別のところに意識を向けているし、彼に割く暇などない。
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