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しおりを挟む「シスル。ロベリア付きの侍女を連れてきて」
「かしこまりました」
部屋に戻った私はすぐに動き出した
私の指示を聞いてシスルが部屋から出て行く
部屋に1人になった私は窓際に置いているカウチに座り眼下に広がるロータス庭園を眺める
実は私の部屋から庭園が見える先程までいた四阿も見えたりする
エルムとロベリアの2人はまだ四阿でティータイムをしているようだ
(「私の考えすぎなのかしら。ロベリアが良い子になったのは喜ばしいことよ。それなのに、なんでこんなにモヤモヤとするの?」)
自分自身に問いかける
王太子妃の義妹として、今の彼女は問題がない
それどころか完璧というまでに貴族令嬢としての立ち居振る舞いができていることは喜ばしいことだ
「私ったらどうしちゃった……えっ!!!?」
ぼんやりと四阿にいる2人を眺めながら一人で考え込んでいたその時
今まで普通に話していた2人が近づいたと思ったらそのまま接吻をしていたのだ
「え…えっ?!!キス??ふ、2人ともそんな仲だったの…?」
2人の行動に自分の顔がさっと赤くなるのがわかった
食い入るように2人を見てしまった
そんな自分にハッとしてすぐに視線を2人から外した
(「待って待って待って!いくら婚約者同士といえども結婚前に身体的接触をするのは褒められたことではないわ…」)
平民の男女の仲ならまだしも、貴族となると婚前交渉はかなり厳しく制限されている
エスコートする時にそっと触れる程度の接触は問題ないが、手袋を外しての接触やましてやキスなどご法度に近い
「もしかして…!!」
ある可能性に気づいてしまった私はカウチからバッと立ち上がり、ドレスの裾を持ち上げて勢いよく駆け出した
ーー
「お嬢様?」
「シスル!」
「どうされたのですか?何か問題でも?」
「問題大有りよ!!…その後ろの侍女はロベリアの?」
「はい。今からお嬢様のところに参ろうと思っていたところでした」
廊下を駆け足で進んでいた私の目の前にロベリアの侍女を連れたシスルが歩いていた
「あなた、名前は?」
「ダリアと申します」
「…ここ最近のロベリアの動向を教えて」
「動向、ですか?」
「そうよ。何か大きな変化はなかったのかしら?」
私の迫る気迫にダリアと名乗る侍女は半歩後ろに下がった
視線を彷徨わせながらもおずおずと話し始めた彼女の言葉に私は驚愕した
「ちょうど、1年前。アマリリスお嬢様が婚約されてからロベリアお嬢様はエルム小侯爵様と別邸に移られましたが…それ以外は特別大きなことはありません」
「別邸に移った…?」
「はい。エルム小侯爵様が教育のために、と」
「お母様はなんて?」
「期限付きではありましたが、了承されていました」
お母様が許した、と聞いた私は頭が鈍器で殴られたような衝撃が走り、ふらりと倒れそうになった
「お嬢様!」
「大丈夫よ。少し驚いただけ」
ふらついた私をシスルが支える
シスルの肩を借り体制を整えてダリアに仕事に戻っていいと指示を出した
失礼します。と礼をし廊下を歩いていくダリアの背中を眺めながら私はすぐさまお母様がいるであろう執務室に向かって歩き出した
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