王妃になるのは決定事項です

Ruhuna

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その5

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12/12 22:30 追記
間違えて執筆途中に公開してしまいました。申し訳ございません。










ヨーゼフが会場を後にしたその瞬間から会場は静まりかえっていた
貴族たちの視線はドアを抜けたヨーゼフからアデラインと国王に向かう


「国王陛下。最後のお時間です」


静まり返った会場にアデラインの声が響いた
貴族たちはごクリと固唾を飲む
王妃、宰相、王太子と次々に失脚させたアデラインの動向にみな興味津々なのだ


そして会場にいるすべてのものが次の標的は国王なのだと理解した



「…いくらレプシウス公爵令嬢といえど…余に意見する気か?」

「いいえ。国王陛下。これは意見ではございませぬ。陛下には罪を償っていただきます」


アデラインは相手が国王だろうと怖気つく様子はなかった
アデラインは心の中で「後もう少しですヒルデ叔母様」と唱えた


「罪だと?」

「ええ、イフォンネ公爵及びヒルデ・イフォンネ公爵夫人より告訴状が届いております」

「な、なに?!ヒルデからだと?!」

「内容は「恐喝と性的被害」です」

「恐喝?性的被害?」

「ロドリグ王国国王陛下ともあろう方が堕ちたものですわ。まさか、かつての元婚約者、現在ではイフォンネ公爵夫人に対して

『余の愛妾になれ。さもなければ隣国に攻め込むぞ』

などと、恐喝まがいのお言葉。果ては社交の場での不必要な接触。
このことに関してイフォンネ公爵はおろか隣国の国王まてもが抗議しております」



アデラインの読み上げる言葉に顔を赤くしたり青くしたりと国王の顔は忙しそうだった


国王は良くも悪くも王族だった


幼き頃から先王のように、と育てられてきた国王は自分自身の力が父親に到底及ばないということを理解していた


だからこそ彼は卑屈になり権力に固執し、媚びへつらう者たちのみを重宝した




そして自分より遥かに優秀であったヒルデに対して劣等感を抱きつつも、美辞麗句な彼女が自分のものだと思うと国王は酔いしれていた



だからこそ嫉妬してもらうために元王妃であるメアリを侍らせていたが、結局はヒルデは隣国へと嫁ぎ自分のものにはならなかったことを国王は後悔していたのだ



国王は目の前にいるアデラインに視線を移した



自分が愛したヒルデとそっくりな銀髪紫眼の彼女を息子(だと思っていた)の婚約者に据えることは契約だったとはいえ内心では歓喜した


自分のものにはならないがいつまでもその存在を近くに感じれらる、


それだけでも天にも登るような気持ちではあったが、いつしかそれに満足できない自分がいたことにも気付いていた



そうして行ったのが先程アデラインが述べた内容のことだ




「何を言っている?国王である私がそのような真似をするわけがないだろう」


なあ、皆のもの。



震えた声で周囲の貴族たちを見るが誰もが国王の言葉を信じていないのはその雰囲気で感じ取れた



「余を、余を愚弄するのか?!国王だぞ?!」


「愚弄などしておりません。ここにいる皆様は陛下がヒルデ叔母様に対して行った性的被害を目撃しているからこそ陛下のお言葉に賛同できないのですわ」


「な、なぜだ?!誰にも見えないように触ったはず…あっ……!!」


「はぁ…最早貴方を国王と呼ぶのですら恥ずかしくなってきましたわ。ねぇエドアルト様」


アデラインは隣に立つエドアルトに視線を移した
視線の先にあるエドアルトの瞳には呆れが写っていた


カツリとエドアルトが国王に近づく
項垂れている国王はエドアルトを見上げ憎々しい表情を浮かべた


「貴様!!義兄に対して何だその目は!」


「ここまで失態を犯している人に対して尊敬などない」


「ふざけるな!!側室ごときの息子であるお前が王妃の息子である余よりも図が高いとは何事だ!!」


国王はエドアルトに対して喚き散らした



王妃の息子である国王より出来の良い側室の息子であるエドアルトは昔から有名だった


ロドリグ王国では長子が家を継ぐためにエドアルトが王太子となることは余程のことがない限りないはずだが国王は優秀であった義弟にいつ自分の立場が奪われてしまうのではないかと不安になっていたのだ



その不安は国王となった今でも続いている


大公という立場で王室に対して睨みを効かせているエドアルトの存在は国王にとって目の上のたんこぶだった



大公は王室が道を踏み外そうとした時の監視役を兼ねている


国王は自分が好き勝手しようとすると口を出してくるエドアルトをいつか失脚させたかった





だが現実は国王自身が失脚している





わずか18歳という若さの令嬢と長年いがみ合ってた義弟に追い詰められているのだ




「大公として王室の均衡を整えねばならない。貴族だけではならず国民からも王室に対する不平不満は溜まる一方だ。隣国からの抗議もある以上、退位は避けて通れない」


「い、いやだ。余は国王だ。退位などせぬ…!!」


「もう国王お前の意見など聞いていない。




  レノー大公として宣言する!!


  隣国の公爵夫人に対する犯罪


  そして、国を導く立場でありながら


  私情で国を傾かせた罪は重い。


  よって国王は退位とし、新たに


  私、エドアルト・レノー改めて


  エドアルト・ロドリグが新国王


  として即位する!!    」





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