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018 お金の使い道
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「どうでしょうか……。私にはプライドが全くないようには思えませんが、プライドだけでは人は生きていけませんからね」
「まぁ、そうでしょうね。そこだけは同意だわ。ともかく貴女たち侍女も奥様も、くれぐれもこの離れには近づかぬように言っておいてちょうだい」
「分かりました。ですが、こちらのお掃除などはしなくてもよろしいのですか?」
「離れには、離れ専用の侍女や使用人たちがいるから人手は足りているわ。だから大丈夫よ」
「ああ、そうなのですね。分かりました。奥様にもそう申し伝えておきます。ありがとうございました」
私はしっかりと頭を下げる。
しかし彼女はそれを見ることもなくため息交じりに、自分の持ち場へと戻って行った。
「ふぅ。ホント、バレなくて良かったわ。ダミアン様はどうしたって気づかないだろうけど、マトモな使用人なら一度顔を合わせたら気づかれてしまうものね」
それに彼女の話のおかげで、今までずっと疑問だったことの答えを得ることができた。
本邸にはまったく人を配置していないのに、あっちには足りるだけの人間がいる。
おそらく人件費はそっちに流れているようね。
ただ離れはそんなには大きくはない。
そう考えると、膨大なお金がかかるほどではないのよね。
「そうなると、他はどこにお金を使っているのかしら」
まぁ、あの愛人に使っているのは間違いなさそうだけど。
ここは仮にも男爵家なのよねぇ。
たった一人の愛人の散財くらいで、ここまで傾くかしら。
三年後、あれほどあったはずの私の持参金は見事に使い切ってしまっていたし。
いくらドレスや宝石が高いからって、三年で全額は使い切れないと思うのよね。
屋敷の修繕もほぼしなかったし。
本邸は使用人の経費もかかっていない。
ご飯だって、マトモなものが出てくることはなかったし。
まぁ、別邸はいいものを食べていたんでしょうけど。
だけど愛人さんは、貴族令嬢なわけでしょう?
お金持っていないってワケでもないから、つぎ込むって言ってもねぇ。
んー。ホント、何に使っていたのかしら。
「そこらへんも考えて、もう少しお金の流れを調べないといけないわね」
全部を綺麗に一掃するには、細部まで知っていないとね。
あとから変な邪魔が入っても困るし。
「ああ、こんなとこにいらっしたのですか!」
ブツブツと考えながら歩く私を、ミーアが声をかけてきた。
どうやら私を探しながら走ってきたようで、息が切れてしまっている。
「どうしたの、ミーア。何かあったの?」
「そうなんです! 他の者が掃除の最中にちょうど見つけて! まだ間に合うはずです。とにかく来てください」
「え、ええ」
私はミーアに促されるままに、私たちは本邸へと早歩きで歩き出した。
しばらく歩くと、玄関先に見なれない馬車が横付けされている。
この屋敷には似つかわしくはない、白く大きな馬車。
白に水色の細工が施され、中には高そうな皮で座椅子が造られていた。
ずいぶんと高そうな馬車だけど、どこかの貴族様が遊びに来ているのかしら。
それにしてもこれ一台で、相当な金額よね。
だってこの家に置かれている馬車の比ではないし。
挙式の後に夫と乗った男爵家の馬車は、辻馬車かと思えるほど質素だった。
革張りすらされていない座席は木のままで、何もしいていないから腰が痛くなったのよね。
あれなら、実家にある中古の馬車のがいくらかマシだと思えた。
にしても、だ。
この馬車は、明らかにこの屋敷にはにつかわしくない。
だって元よりお金持ちが集まるような感じではないし、屋敷主催のパーティーもやらないって言ったくらいなのよ。
つまりはお友だちもいないってことじゃない?
そういえば、前の三年間でダミアンの友だちだなんて人が訪ねてきたことは一度もなかったわね。
ああでも、義母には誰かお客様がきていたって教えてもらったことはあったけど。
でもあの時は興味もなかったし、言いつけられた仕事をこなすので精一杯だったから、そのお相手を見たことはなかったのよね。
「奥様、ぼーっとしてないで急いで下さい!」
「ああ、うん。すぐ行くわ」
おそらくミーアが急かす先に、この馬車の持ち主がいるはず。
初の義母とのお友だちか何かとのご対面ね。
私はやや気もそぞろになりながら、小走りで屋敷に入って行った。
「まぁ、そうでしょうね。そこだけは同意だわ。ともかく貴女たち侍女も奥様も、くれぐれもこの離れには近づかぬように言っておいてちょうだい」
「分かりました。ですが、こちらのお掃除などはしなくてもよろしいのですか?」
「離れには、離れ専用の侍女や使用人たちがいるから人手は足りているわ。だから大丈夫よ」
「ああ、そうなのですね。分かりました。奥様にもそう申し伝えておきます。ありがとうございました」
私はしっかりと頭を下げる。
しかし彼女はそれを見ることもなくため息交じりに、自分の持ち場へと戻って行った。
「ふぅ。ホント、バレなくて良かったわ。ダミアン様はどうしたって気づかないだろうけど、マトモな使用人なら一度顔を合わせたら気づかれてしまうものね」
それに彼女の話のおかげで、今までずっと疑問だったことの答えを得ることができた。
本邸にはまったく人を配置していないのに、あっちには足りるだけの人間がいる。
おそらく人件費はそっちに流れているようね。
ただ離れはそんなには大きくはない。
そう考えると、膨大なお金がかかるほどではないのよね。
「そうなると、他はどこにお金を使っているのかしら」
まぁ、あの愛人に使っているのは間違いなさそうだけど。
ここは仮にも男爵家なのよねぇ。
たった一人の愛人の散財くらいで、ここまで傾くかしら。
三年後、あれほどあったはずの私の持参金は見事に使い切ってしまっていたし。
いくらドレスや宝石が高いからって、三年で全額は使い切れないと思うのよね。
屋敷の修繕もほぼしなかったし。
本邸は使用人の経費もかかっていない。
ご飯だって、マトモなものが出てくることはなかったし。
まぁ、別邸はいいものを食べていたんでしょうけど。
だけど愛人さんは、貴族令嬢なわけでしょう?
お金持っていないってワケでもないから、つぎ込むって言ってもねぇ。
んー。ホント、何に使っていたのかしら。
「そこらへんも考えて、もう少しお金の流れを調べないといけないわね」
全部を綺麗に一掃するには、細部まで知っていないとね。
あとから変な邪魔が入っても困るし。
「ああ、こんなとこにいらっしたのですか!」
ブツブツと考えながら歩く私を、ミーアが声をかけてきた。
どうやら私を探しながら走ってきたようで、息が切れてしまっている。
「どうしたの、ミーア。何かあったの?」
「そうなんです! 他の者が掃除の最中にちょうど見つけて! まだ間に合うはずです。とにかく来てください」
「え、ええ」
私はミーアに促されるままに、私たちは本邸へと早歩きで歩き出した。
しばらく歩くと、玄関先に見なれない馬車が横付けされている。
この屋敷には似つかわしくはない、白く大きな馬車。
白に水色の細工が施され、中には高そうな皮で座椅子が造られていた。
ずいぶんと高そうな馬車だけど、どこかの貴族様が遊びに来ているのかしら。
それにしてもこれ一台で、相当な金額よね。
だってこの家に置かれている馬車の比ではないし。
挙式の後に夫と乗った男爵家の馬車は、辻馬車かと思えるほど質素だった。
革張りすらされていない座席は木のままで、何もしいていないから腰が痛くなったのよね。
あれなら、実家にある中古の馬車のがいくらかマシだと思えた。
にしても、だ。
この馬車は、明らかにこの屋敷にはにつかわしくない。
だって元よりお金持ちが集まるような感じではないし、屋敷主催のパーティーもやらないって言ったくらいなのよ。
つまりはお友だちもいないってことじゃない?
そういえば、前の三年間でダミアンの友だちだなんて人が訪ねてきたことは一度もなかったわね。
ああでも、義母には誰かお客様がきていたって教えてもらったことはあったけど。
でもあの時は興味もなかったし、言いつけられた仕事をこなすので精一杯だったから、そのお相手を見たことはなかったのよね。
「奥様、ぼーっとしてないで急いで下さい!」
「ああ、うん。すぐ行くわ」
おそらくミーアが急かす先に、この馬車の持ち主がいるはず。
初の義母とのお友だちか何かとのご対面ね。
私はやや気もそぞろになりながら、小走りで屋敷に入って行った。
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