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第1章 始まり
第4話ー③ 僕は空っぽな人間だから
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センセーと雑談の後、アタシはさっきのまゆおのことが気になって仕方がなかった。
まゆおのことを考えながら、アタシは今、とぼとぼと廊下を歩いている。
まゆおは、今まで自分のことを自信がなさそうに言う事はあっても、あんなに声を荒げて怒ることはなかった。
そういえば、アタシはまゆおの家族のことは何も知らないし、ここに来る前に何があったかも聞いたことがない。
もしかしてアタシは無意識にまゆおを傷つけることを言っちゃったんじゃないかって、すごく不安になってる。
「とりあえず謝んなきゃ!」
このまままゆおと気まずいのは絶対に嫌だ。
そう思ったアタシはまゆおの自室に急いで向かった。
まゆおの部屋の前に立ついろは。そして扉を叩こうと手を上げては、叩く前に下ろし、再び手を上げて、また下ろす。そんなことをかれこれ何度繰り返しただろう。
扉の前まで来たのはいいけど、アタシはノックする勇気がない。
今更まゆおに何を言えばいいのだろう。
もしかしたらアタシはまた余計なことを言って、もっとまゆおを傷つけるかもしれない……。
「はあ」
そんなことを考え、扉の前に立ったまま、時間だけが過ぎていった。
アタシは目の前にある扉を見つめる。
この先にまゆおがいる。いつもなら、何の躊躇もなくこの扉を叩くのに、なんで今のアタシには、それができないの……?
「あはは。こんなのいつものアタシじゃないわ……」
そうだよ。こんなところで悩むなんて、アタシらしくない!
それにせっかくここまで来たんだ。
だったら、もうなるようになれだよ! がんばれ、アタシ!
そしてアタシは「すぅ」と息を吸い込み、何度も叩くことを躊躇していたその扉を叩いた。
「まゆお、いる?」
「……う、うん」
まゆおは小さな声で答える。
やっぱりまだ元気がない。アタシのこと怒っているのかも。
「ごめんね、アタシさっきひどいことをいたかもって思って……」
「……そんなこと、ない。いろはちゃんは、何も悪くないよ。悪いのは、僕」
まゆおはいつもこうだ。何かあれば、いつも自分のせいにして……。まゆおが悪いことなんて何にもないのに。
「ねえまゆお。なんで、いつも自分を責めるの?そんなんじゃ、辛くない……?」
「……僕は、これでいいんだ。全部、僕のせいなんだから」
「そんなことないって……」
「ごめん、ごめんね」
「すぐに謝んないでよ……」
まただ。またまゆおは自分のせいだ、自分が悪いんだって自分を責めてる。
悪かったのはアタシなんだよ? ねえ。それなのに、どうして……
「僕が辛いことを背負えば、みんな幸せになれるんだ」
「は? 何言ってんの?」
「僕が辛いことを我慢すれば、みんな不幸にならなくて済むから」
「そんなのおかしいよ……」
「おかしくなんかない。これが一番なんだ」
それじゃ、まゆおが苦しいだけなのに……。
アタシはまゆおに何をしてあげられるの……。
今のまゆおがあるのは、きっと他のクラスメイトたちみたいに過去に何か辛いことがあったからなんだ。
こんなに自分に自信を失くして、そして自分だけを責めている。
まゆおは本人が思っているよりも、ずっとみんなのことを考えられる優しい性格で、みんなそんなまゆおのことが大好きなのに……。
まゆおの過去に、いったい何があったの……。
アタシは扉の前で立ったまま、まゆおにかける言葉を探した。
でもどれだけ考えても、良い言葉なんて思い浮かばなかった。
過去に捕らわれているまゆおにアタシは何をしてあげられるのかな。
「これじゃ、アタシも過去に捕らわれているのと変わんないじゃん」
悶々とした気持ちから、アタシはその答えに至った。
そもそもアタシにはまゆおの過去は変えられないし、変える必要もない。
……変えなきゃいけないのは、これからのまゆおなんだよ。
じゃあそのために今のアタシがまゆおにできることって何?
これも考えても仕方がないこと。アタシはそんなに賢くはないんだからさ。
そう。アタシはアタシの直感を信じるだけ。
アタシがしてあげたいことをしてあげるだけだよ。
「……そう。じゃあそう思うなら、それでもいいんじゃない」
「……」
「アタシはまゆおが辛いのはアタシのせいだってことにするから」
「それじゃ、意味ない……」
「意味って?」
「誰かが不幸なのは、全部僕のせいなんだよ。僕のせいでいろはちゃんが辛くなったら、意味がないんだ。辛いのは僕だけでいい」
「ねえ、まゆお? アタシはまゆおが辛いだけで、もう充分辛いの。大事な友達が辛そうにしてるのに、自分が何もできないなんて、そんなのアタシはやだよ……」
「じゃあ僕はどうしたらいい? 僕の存在が人を不幸にしてしまうってことじゃないか……」
「はあ。本当に馬鹿なんだから!! いい? よく聞きな? アタシはまゆおに幸せでいてほしいわけ! 笑顔で楽しく過ごしてほしいの!! 自分が周りの人間を不幸にする? そんな馬鹿な事あるわけないでしょ? 不幸かどうかなんて自分自身で決めることなの。まゆおが居てもいなくて関係ないことなんだよ!」
「……」
「……まあ少なくとも、アタシはまゆおと一緒にいて、楽しくて幸せだって思うけどね!」
「え……」
「ああ! もう! 恥ずかしいこと言わせんなぁ!! ってか、早く部屋から出てきてよ! 一人で話してるみたいで、はずいでしょ!!」
そしてゆっくりと扉が開く。
そこには顔が耳まで真っ赤なまゆおの姿。
「い、いろはちゃん……あ、ありがとう……」
「ちょ! そんなに照れないでよ! アタシが恥ずかしいから! もうっ!!」
「ご、ごめん……」
「またすぐに謝る! いい? アタシの前では謝るのは禁止ね!! これからはごめんじゃなくて、ありがとうっていうこと!! いい?」
「う、うん!」
「よし! ああ。言いたいこといったら、すっきりした!」
「あ、ごめ……」
「謝るのは?」
「は、はい……」
「よしよし」
まゆおはアタシのことをどう思ってくれているのかはわからないけれど、アタシにとってまゆおはとても大事な友達なんだ。
まゆおといると、アタシは普通の女の子でいられるような、そんな気がするから。
そして今のアタシがまゆおにできることはまゆおのすべてを受け入れて、隣で笑いあうことだってわかったよ。
「そういえばね、最近好きなバンドが居てね! ちょっと聞いてみない?」
持ってきたスマホをまゆおに見せるいろは。
「う、うん!」
そしてアタシとまゆおは夕食の時間まで、最新の音楽を楽しんだ。
いろはちゃんと出会うまでの僕は剣道がないと誰からも必要とされない、いらない子だって思っていた。
でもいろはちゃんとの出会いが、僕の人生や考えを変えた。
いろはちゃんは僕の存在を肯定してくれる。
僕も幸せになってもいいと言ってくれる。
僕は僕のまま生きていけばいいんだ。
迷惑をかけない為とか誰かに必要とされる為じゃなく、これからは自分の為、守りたい人の為に生きよう。
僕は笑顔で音楽を楽しむいろはちゃんを見て思った。
隣にいるこの子の笑顔を守りたいと。
「出会ってくれて、ありがとう」
聞えているかはわからないが、まゆおはそう呟き微笑んだ。
夕食の時間になり、続々と生徒たちが食堂に集まる。
その中に、まゆおといろはの姿があった。
どうやら二人は仲直りができたみたいだ。
仲睦まじそうな二人を見て、俺はなんだか嬉しくなった。
「まゆお、あの曲めっちゃあがるっしょ?」
「うん。ありがとう、いろはちゃん!」
「ああ、いつか外に出られるようになったら、一緒にライブ行きたいねー!」
そして夕食はいつも通りに楽しく過ごした。
まゆおのことを考えながら、アタシは今、とぼとぼと廊下を歩いている。
まゆおは、今まで自分のことを自信がなさそうに言う事はあっても、あんなに声を荒げて怒ることはなかった。
そういえば、アタシはまゆおの家族のことは何も知らないし、ここに来る前に何があったかも聞いたことがない。
もしかしてアタシは無意識にまゆおを傷つけることを言っちゃったんじゃないかって、すごく不安になってる。
「とりあえず謝んなきゃ!」
このまままゆおと気まずいのは絶対に嫌だ。
そう思ったアタシはまゆおの自室に急いで向かった。
まゆおの部屋の前に立ついろは。そして扉を叩こうと手を上げては、叩く前に下ろし、再び手を上げて、また下ろす。そんなことをかれこれ何度繰り返しただろう。
扉の前まで来たのはいいけど、アタシはノックする勇気がない。
今更まゆおに何を言えばいいのだろう。
もしかしたらアタシはまた余計なことを言って、もっとまゆおを傷つけるかもしれない……。
「はあ」
そんなことを考え、扉の前に立ったまま、時間だけが過ぎていった。
アタシは目の前にある扉を見つめる。
この先にまゆおがいる。いつもなら、何の躊躇もなくこの扉を叩くのに、なんで今のアタシには、それができないの……?
「あはは。こんなのいつものアタシじゃないわ……」
そうだよ。こんなところで悩むなんて、アタシらしくない!
それにせっかくここまで来たんだ。
だったら、もうなるようになれだよ! がんばれ、アタシ!
そしてアタシは「すぅ」と息を吸い込み、何度も叩くことを躊躇していたその扉を叩いた。
「まゆお、いる?」
「……う、うん」
まゆおは小さな声で答える。
やっぱりまだ元気がない。アタシのこと怒っているのかも。
「ごめんね、アタシさっきひどいことをいたかもって思って……」
「……そんなこと、ない。いろはちゃんは、何も悪くないよ。悪いのは、僕」
まゆおはいつもこうだ。何かあれば、いつも自分のせいにして……。まゆおが悪いことなんて何にもないのに。
「ねえまゆお。なんで、いつも自分を責めるの?そんなんじゃ、辛くない……?」
「……僕は、これでいいんだ。全部、僕のせいなんだから」
「そんなことないって……」
「ごめん、ごめんね」
「すぐに謝んないでよ……」
まただ。またまゆおは自分のせいだ、自分が悪いんだって自分を責めてる。
悪かったのはアタシなんだよ? ねえ。それなのに、どうして……
「僕が辛いことを背負えば、みんな幸せになれるんだ」
「は? 何言ってんの?」
「僕が辛いことを我慢すれば、みんな不幸にならなくて済むから」
「そんなのおかしいよ……」
「おかしくなんかない。これが一番なんだ」
それじゃ、まゆおが苦しいだけなのに……。
アタシはまゆおに何をしてあげられるの……。
今のまゆおがあるのは、きっと他のクラスメイトたちみたいに過去に何か辛いことがあったからなんだ。
こんなに自分に自信を失くして、そして自分だけを責めている。
まゆおは本人が思っているよりも、ずっとみんなのことを考えられる優しい性格で、みんなそんなまゆおのことが大好きなのに……。
まゆおの過去に、いったい何があったの……。
アタシは扉の前で立ったまま、まゆおにかける言葉を探した。
でもどれだけ考えても、良い言葉なんて思い浮かばなかった。
過去に捕らわれているまゆおにアタシは何をしてあげられるのかな。
「これじゃ、アタシも過去に捕らわれているのと変わんないじゃん」
悶々とした気持ちから、アタシはその答えに至った。
そもそもアタシにはまゆおの過去は変えられないし、変える必要もない。
……変えなきゃいけないのは、これからのまゆおなんだよ。
じゃあそのために今のアタシがまゆおにできることって何?
これも考えても仕方がないこと。アタシはそんなに賢くはないんだからさ。
そう。アタシはアタシの直感を信じるだけ。
アタシがしてあげたいことをしてあげるだけだよ。
「……そう。じゃあそう思うなら、それでもいいんじゃない」
「……」
「アタシはまゆおが辛いのはアタシのせいだってことにするから」
「それじゃ、意味ない……」
「意味って?」
「誰かが不幸なのは、全部僕のせいなんだよ。僕のせいでいろはちゃんが辛くなったら、意味がないんだ。辛いのは僕だけでいい」
「ねえ、まゆお? アタシはまゆおが辛いだけで、もう充分辛いの。大事な友達が辛そうにしてるのに、自分が何もできないなんて、そんなのアタシはやだよ……」
「じゃあ僕はどうしたらいい? 僕の存在が人を不幸にしてしまうってことじゃないか……」
「はあ。本当に馬鹿なんだから!! いい? よく聞きな? アタシはまゆおに幸せでいてほしいわけ! 笑顔で楽しく過ごしてほしいの!! 自分が周りの人間を不幸にする? そんな馬鹿な事あるわけないでしょ? 不幸かどうかなんて自分自身で決めることなの。まゆおが居てもいなくて関係ないことなんだよ!」
「……」
「……まあ少なくとも、アタシはまゆおと一緒にいて、楽しくて幸せだって思うけどね!」
「え……」
「ああ! もう! 恥ずかしいこと言わせんなぁ!! ってか、早く部屋から出てきてよ! 一人で話してるみたいで、はずいでしょ!!」
そしてゆっくりと扉が開く。
そこには顔が耳まで真っ赤なまゆおの姿。
「い、いろはちゃん……あ、ありがとう……」
「ちょ! そんなに照れないでよ! アタシが恥ずかしいから! もうっ!!」
「ご、ごめん……」
「またすぐに謝る! いい? アタシの前では謝るのは禁止ね!! これからはごめんじゃなくて、ありがとうっていうこと!! いい?」
「う、うん!」
「よし! ああ。言いたいこといったら、すっきりした!」
「あ、ごめ……」
「謝るのは?」
「は、はい……」
「よしよし」
まゆおはアタシのことをどう思ってくれているのかはわからないけれど、アタシにとってまゆおはとても大事な友達なんだ。
まゆおといると、アタシは普通の女の子でいられるような、そんな気がするから。
そして今のアタシがまゆおにできることはまゆおのすべてを受け入れて、隣で笑いあうことだってわかったよ。
「そういえばね、最近好きなバンドが居てね! ちょっと聞いてみない?」
持ってきたスマホをまゆおに見せるいろは。
「う、うん!」
そしてアタシとまゆおは夕食の時間まで、最新の音楽を楽しんだ。
いろはちゃんと出会うまでの僕は剣道がないと誰からも必要とされない、いらない子だって思っていた。
でもいろはちゃんとの出会いが、僕の人生や考えを変えた。
いろはちゃんは僕の存在を肯定してくれる。
僕も幸せになってもいいと言ってくれる。
僕は僕のまま生きていけばいいんだ。
迷惑をかけない為とか誰かに必要とされる為じゃなく、これからは自分の為、守りたい人の為に生きよう。
僕は笑顔で音楽を楽しむいろはちゃんを見て思った。
隣にいるこの子の笑顔を守りたいと。
「出会ってくれて、ありがとう」
聞えているかはわからないが、まゆおはそう呟き微笑んだ。
夕食の時間になり、続々と生徒たちが食堂に集まる。
その中に、まゆおといろはの姿があった。
どうやら二人は仲直りができたみたいだ。
仲睦まじそうな二人を見て、俺はなんだか嬉しくなった。
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