2 / 161
アンネマリー編〜転生に気付いたのでやり直します
目覚めと私の家族
しおりを挟む
うーん、体がダルい。私、生きてますかー?
カーテンの隙間から入る陽の光が眩しい。病の峠を越えたらしい私は、目覚めたようだ。
体は汗だく、髪はボサボサ、喉はカラカラ。うん、侍女を呼ぼう。枕元に置いてあるベルを鳴らす。
ベルを鳴らすとすぐに私付きの侍女のカーラが駆けつける。
「お嬢様、目覚められたのですね。ううっ、良かったです。すぐに旦那様と奥様をお呼びします。」
カーラは涙をこらえながら、お父様とお母様を呼びに部屋を離れる。あぁ、カーラに心配掛けちゃって悪かったなぁとしみじみと感じていると、バタバタと騒がしい音がして、バーンと扉が勢いよく開かれる。するとそこには…はい。私のお父様である侯爵が、泣きそうな表情をしながら、私を力強く抱きしめてきます。
「アン、良かった。」
父とはいえ、前世のアラサーの記憶が戻った私としては、この目の前の美丈夫のハグは色々な意味できついものがあります。
青い瞳に、綺麗な銀髪、程よく引き締まった体に、整った顔立ち。まぁ、カッコいい父です。アラフォーに見えないよねぇ。オヤジ臭もないし。
そんな事を考えていると、また廊下からバタバタと足音が。
「アン!目覚めたのね。良かった。」
勢い良く駆けつけ、父から私を横取りするようにして抱き締める、私のお母様。涙を流す姿も綺麗な母です。ああ、お母様からいい香りが。そして、汗臭い私でごめんなさい。
お母様はこの国の元第二王女で父との結婚で今は侯爵夫人をしているお方です。艶やかなプラチナブロンドの髪に吸い込まれそうな水色の大きな瞳。お母様の実家の王家の色ですね。シミのない白いお肌にプルンとした唇。アラフォーとは思えないこの美貌は、正直羨ましいです。うちのボス(母)は美魔女ですよー。
私、アンことアンネマリー16歳は髪も瞳も顔立ちも母に似ていると言われていましたが、うーん。私はこんなに綺麗じゃないぞ。
ん!よく見ると、綺麗なお母様の目元にクマが!そんなお母様は、私のベタベタでボサボサの髪を撫でながら、
「アン、あなたは一週間も高熱で意識がなかったのよ。お医者様は、このまま意識が戻らないと、危険だって話されるし。お父様もお母様も気がおかしくなりそうだったわ。お父様なんて、職場放棄して王宮をずっとお休みして、みんなを困らせたのよ。」
お父様の部下の皆さん、ごめんなさい。これは体が回復したら、差し入れを持ってお詫びに行かなければ。
お父様はバツが悪そうに、窓の外を眺めている。王宮では財務大臣をしている切れ者と言われる父の背中が、どことなく小さく見えるのは気のせいですよね。
お母様の美貌に見惚れつつ、カーラに水を貰い、喉を潤す。ふーっ、柑橘系の香りがして美味しい。もう一杯!と言おうとしたところで、また廊下が騒がしい事に気付く。今度は誰でしょう?
「姉上っ!!ごめんなさい。」
10歳になる私の溺愛する弟が登場です。
お父様譲りのサラサラの銀髪に青い瞳、かっこいいというよりは、かわいい天使のような弟です。
我が天使である弟、フィルことフィリップは、くりくりの青い瞳をウルウルさせ
「姉上が、無理をして僕の看病をしてくれたから、姉上にも病気がうつってしまったんだよね。ごめんなさい。」
ああ、神様!弟は安定の可愛さです。
「いいのよ。私はかわいいフィルが苦しそうに寝込んでいるのを見て、どうしても側についていたかっただけなの。わたしこそ、みんなに心配かけてごめんなさい。」
フィルは私の微笑みを見て安心したような表情をする。
この高熱を伴う流行病は元々はフィルが発病し、3日位くらい寝込んでしまった。子供から10代の若者が罹りやすく、私もうつらないように接触しないよう言われていたが、熱にうなされ、私を呼ぶフィルの姿をドアの隙間から見てしまった私は、もう我慢が出来なかった。この天使の看病は私がしなければと。
今まで健康第一で体力にも自信のあった私は、周りが止めるのも聞かず、フィルの部屋に入り浸って看病をしたものの、フィルが回復してきたある日のこと、今度は私が倒れてしまった。フィルよりも症状が重く、結果的には、私が一番家族に心配と迷惑を掛けてしまったらしい。
「フィルったら、アンが早く治るようにって毎日、教会にお祈りに行っていたのよ。アルまで一緒にね。」
お母様がうふふっと笑う。
神社に願掛けならぬ、教会にお祈りですか。こんなにかわいい弟に大切に思われ、姉は幸せです。
「フィル、ありがとう。あなたのおかげで元気になれたのね。大好きよ。」
これが世間で言うブラコンなのでしょうね。
しかし、アルまで一緒に教会に行くとは…。アル、あなたは私の護衛騎士兼、従者なのに、フィルと教会に行くとは。しかも、お母様もそれを許したのですか!
廊下に控えているアルを部屋に呼んでもらう。
「失礼します。」
ブラウンの短髪と綺麗な緑色の瞳を持つ、優男風イケメンの護衛騎士のアルこと、アルフォンス。
「アル、心配掛けちゃってごめんね。いつもありがとう。」
護衛騎士という職業柄、ムダに笑顔を見せないアルが、目を細めて微笑む。
「お嬢様、元気になられて良かったです。しかし、あまり無理はしないでくださいね。」
ハイ、分かっておりますとも。お父様やお母様がいるから、猫を被ってますよ。この男は。
二人きりになったらまた小言を貰いそうだわ。
カーテンの隙間から入る陽の光が眩しい。病の峠を越えたらしい私は、目覚めたようだ。
体は汗だく、髪はボサボサ、喉はカラカラ。うん、侍女を呼ぼう。枕元に置いてあるベルを鳴らす。
ベルを鳴らすとすぐに私付きの侍女のカーラが駆けつける。
「お嬢様、目覚められたのですね。ううっ、良かったです。すぐに旦那様と奥様をお呼びします。」
カーラは涙をこらえながら、お父様とお母様を呼びに部屋を離れる。あぁ、カーラに心配掛けちゃって悪かったなぁとしみじみと感じていると、バタバタと騒がしい音がして、バーンと扉が勢いよく開かれる。するとそこには…はい。私のお父様である侯爵が、泣きそうな表情をしながら、私を力強く抱きしめてきます。
「アン、良かった。」
父とはいえ、前世のアラサーの記憶が戻った私としては、この目の前の美丈夫のハグは色々な意味できついものがあります。
青い瞳に、綺麗な銀髪、程よく引き締まった体に、整った顔立ち。まぁ、カッコいい父です。アラフォーに見えないよねぇ。オヤジ臭もないし。
そんな事を考えていると、また廊下からバタバタと足音が。
「アン!目覚めたのね。良かった。」
勢い良く駆けつけ、父から私を横取りするようにして抱き締める、私のお母様。涙を流す姿も綺麗な母です。ああ、お母様からいい香りが。そして、汗臭い私でごめんなさい。
お母様はこの国の元第二王女で父との結婚で今は侯爵夫人をしているお方です。艶やかなプラチナブロンドの髪に吸い込まれそうな水色の大きな瞳。お母様の実家の王家の色ですね。シミのない白いお肌にプルンとした唇。アラフォーとは思えないこの美貌は、正直羨ましいです。うちのボス(母)は美魔女ですよー。
私、アンことアンネマリー16歳は髪も瞳も顔立ちも母に似ていると言われていましたが、うーん。私はこんなに綺麗じゃないぞ。
ん!よく見ると、綺麗なお母様の目元にクマが!そんなお母様は、私のベタベタでボサボサの髪を撫でながら、
「アン、あなたは一週間も高熱で意識がなかったのよ。お医者様は、このまま意識が戻らないと、危険だって話されるし。お父様もお母様も気がおかしくなりそうだったわ。お父様なんて、職場放棄して王宮をずっとお休みして、みんなを困らせたのよ。」
お父様の部下の皆さん、ごめんなさい。これは体が回復したら、差し入れを持ってお詫びに行かなければ。
お父様はバツが悪そうに、窓の外を眺めている。王宮では財務大臣をしている切れ者と言われる父の背中が、どことなく小さく見えるのは気のせいですよね。
お母様の美貌に見惚れつつ、カーラに水を貰い、喉を潤す。ふーっ、柑橘系の香りがして美味しい。もう一杯!と言おうとしたところで、また廊下が騒がしい事に気付く。今度は誰でしょう?
「姉上っ!!ごめんなさい。」
10歳になる私の溺愛する弟が登場です。
お父様譲りのサラサラの銀髪に青い瞳、かっこいいというよりは、かわいい天使のような弟です。
我が天使である弟、フィルことフィリップは、くりくりの青い瞳をウルウルさせ
「姉上が、無理をして僕の看病をしてくれたから、姉上にも病気がうつってしまったんだよね。ごめんなさい。」
ああ、神様!弟は安定の可愛さです。
「いいのよ。私はかわいいフィルが苦しそうに寝込んでいるのを見て、どうしても側についていたかっただけなの。わたしこそ、みんなに心配かけてごめんなさい。」
フィルは私の微笑みを見て安心したような表情をする。
この高熱を伴う流行病は元々はフィルが発病し、3日位くらい寝込んでしまった。子供から10代の若者が罹りやすく、私もうつらないように接触しないよう言われていたが、熱にうなされ、私を呼ぶフィルの姿をドアの隙間から見てしまった私は、もう我慢が出来なかった。この天使の看病は私がしなければと。
今まで健康第一で体力にも自信のあった私は、周りが止めるのも聞かず、フィルの部屋に入り浸って看病をしたものの、フィルが回復してきたある日のこと、今度は私が倒れてしまった。フィルよりも症状が重く、結果的には、私が一番家族に心配と迷惑を掛けてしまったらしい。
「フィルったら、アンが早く治るようにって毎日、教会にお祈りに行っていたのよ。アルまで一緒にね。」
お母様がうふふっと笑う。
神社に願掛けならぬ、教会にお祈りですか。こんなにかわいい弟に大切に思われ、姉は幸せです。
「フィル、ありがとう。あなたのおかげで元気になれたのね。大好きよ。」
これが世間で言うブラコンなのでしょうね。
しかし、アルまで一緒に教会に行くとは…。アル、あなたは私の護衛騎士兼、従者なのに、フィルと教会に行くとは。しかも、お母様もそれを許したのですか!
廊下に控えているアルを部屋に呼んでもらう。
「失礼します。」
ブラウンの短髪と綺麗な緑色の瞳を持つ、優男風イケメンの護衛騎士のアルこと、アルフォンス。
「アル、心配掛けちゃってごめんね。いつもありがとう。」
護衛騎士という職業柄、ムダに笑顔を見せないアルが、目を細めて微笑む。
「お嬢様、元気になられて良かったです。しかし、あまり無理はしないでくださいね。」
ハイ、分かっておりますとも。お父様やお母様がいるから、猫を被ってますよ。この男は。
二人きりになったらまた小言を貰いそうだわ。
159
あなたにおすすめの小説
【完結】公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
行動あるのみです!
棗
恋愛
※一部タイトル修正しました。
シェリ・オーンジュ公爵令嬢は、長年の婚約者レーヴが想いを寄せる名高い【聖女】と結ばれる為に身を引く決意をする。
自身の我儘のせいで好きでもない相手と婚約させられていたレーヴの為と思った行動。
これが実は勘違いだと、シェリは知らない。
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です
有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!!
お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。
皆様、お気に入り登録ありがとうございました。
現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
赤貧令嬢の借金返済契約
夏菜しの
恋愛
大病を患った父の治療費がかさみ膨れ上がる借金。
いよいよ返す見込みが無くなった頃。父より爵位と領地を返還すれば借金は国が肩代わりしてくれると聞かされる。
クリスタは病床の父に代わり爵位を返還する為に一人で王都へ向かった。
王宮の中で会ったのは見た目は良いけど傍若無人な大貴族シリル。
彼は令嬢の過激なアプローチに困っていると言い、クリスタに婚約者のフリをしてくれるように依頼してきた。
それを条件に父の医療費に加えて、借金を肩代わりしてくれると言われてクリスタはその契約を承諾する。
赤貧令嬢クリスタと大貴族シリルのお話です。
【完結】記憶にありませんが、責任は取りましょう
楽歩
恋愛
階段から落ちて三日後、アイラは目を覚ました。そして、自分の人生から十年分の記憶が消えていることを知らされる。
目の前で知らない男が号泣し、知らない子どもが「お母様!」としがみついてくる。
「状況を確認いたします。あなたは伯爵、こちらは私たちの息子。なお、私たちはまだ正式な夫婦ではない、という理解でよろしいですね?」
さらに残されていたのは鍵付き箱いっぱいの十年分の日記帳。中身は、乙女ゲームに転生したと信じ、攻略対象を順位付けして暴走していた“過去のアイラ”の黒歴史だった。
アイラは一冊の日記を最後の一行まで読み終えると、無言で日記を暖炉へ投げ入れる。
「これは、焼却処分が妥当ですわね」
だいぶ騒がしい人生の再スタートが今、始まる。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる