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アンネマリー編〜転生に気付いたのでやり直します
小さな変化と動き
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ヒロイン気取りこと、エイミー・ケール男爵令嬢が自宅謹慎し学園を休み始めてから、婚約者の取り巻き令嬢のお姉様方が私に絡んで来ることが無くなった気がする。
今までは、何も言わない私を下に見てバカにしてたけど、この前のヒロイン気取りとのやり取りを見て、絡むと面倒なヤツと認定されたのだと思う。しかも、ヒロイン気取りは今回のことで、王家・公爵家・侯爵家を怒らせた伝説の男爵令嬢として、学園で有名になっている。私達は何も言ってないのに、一体誰がそんな噂を広めたのやら。
マディソン侯爵子息とも、あの事件の後から、顔を合わせると話をする仲になった。
お礼を改めて伝えると、楽しめたから気にしなくていいとのこと。本当に黒いですよね。
噂を広めたのはもしかして…と聞くと、面白かったから、友人に話しただけなんだが…だって。ワザとですよね、それ。
マディソン侯爵子息って長いから、シリルでいいよと言われたので、私の事もアンネマリーでと言っておいた。
少し離れたところで、ニヤニヤするレベッカ達が見えたが、スルーしておくことにした。
そんな感じで、それなりに楽しい学園生活を送っていた私は、すっかり婚約者の存在を忘れてしまっていたように思う。
今までは、学園で会わないように、場所や歩く通路まで気を付けて生活していたのに、その事を忘れ、気が緩んでしまっていたことを後悔することになる。
放課後に図書室に本を返そうと、1人で廊下を歩いている時のこと。少し前を歩く2人の男子生徒。見慣れた後ろ姿に嫌な予感がした時は、すでに遅かった。聞きたくもない会話が聞こえてきたからだ。
「最近、スペンサー嬢、お前の所に全く来なくなったよな。大丈夫なのか?」
彼の幼馴染の王都騎士団長の子息が彼に尋ねる。
「子供の頃からの政略結婚の婚約者に、今更、何も思わないし、気にならないさ。」
「それでいいのか?」
王都騎士団長子息がそう口にしたところで、少し後ろを歩く私に気付き、「あっ」と声を上げ、それを見た彼も私に気づき、驚愕の表情で目を見開いて止まる。
淑女教育について、厳しく指導してくれたお母様や先生方に感謝したいと思った。こんな時に弱い表情を見せずに済んだのだから。
「お互い、同じ気持ちだったようですね。親が決めただけのただの政略結婚。いつ無くなっても困りませんわね。…ご機嫌よう。」
自分でもびっくりするくらい冷たい声であったと思う。
私はそのまま、後ろに振り返り、小走りでその場を去って行った。小走りなんて、お母様に見られたら、睨まれそうだけど、とにかくその場を早く離れたかったのだ。
そのまま小走りしたところで、廊下の角で誰かにぶつかってしまう。痛みより先に、やっちまったと羞恥心がくる。
「申し訳ありません。」
慌ててぶつかってしまった相手に謝ると、そこには見知った顔が。
「アンネマリー嬢?」
いつも、隙のない笑顔ばかりであったシリル様が、珍しく驚いた顔をしている。
すると、後ろからバタバタと誰かが走ってくるような音が。慌てる私を見たシリル様が、「こっち来て」と手を引いて、近くの空き教室の中へ誘導してくれる。
入り口のドアから死角となる壁の陰で息を潜め、足音が遠ざかったところで、
「何かあった?」
「久しぶりに婚約者の方と話して、ちょっと不愉快な気持ちになっただけですわ。」
シリル様は、はぁーっと溜め息をつく。
「ちょっと不愉快になったって言うレベルの顔に見えないが。涙…溢れてる。」
そう言われて、初めて自分が泣いていることに気付く。
「も、申し訳ありません。人前でみっともない顔を見せてしまって。」
「そんなの気にしない。…で?」
「で?」って言った?話せっていう圧力ですよね?
今までは、何も言わない私を下に見てバカにしてたけど、この前のヒロイン気取りとのやり取りを見て、絡むと面倒なヤツと認定されたのだと思う。しかも、ヒロイン気取りは今回のことで、王家・公爵家・侯爵家を怒らせた伝説の男爵令嬢として、学園で有名になっている。私達は何も言ってないのに、一体誰がそんな噂を広めたのやら。
マディソン侯爵子息とも、あの事件の後から、顔を合わせると話をする仲になった。
お礼を改めて伝えると、楽しめたから気にしなくていいとのこと。本当に黒いですよね。
噂を広めたのはもしかして…と聞くと、面白かったから、友人に話しただけなんだが…だって。ワザとですよね、それ。
マディソン侯爵子息って長いから、シリルでいいよと言われたので、私の事もアンネマリーでと言っておいた。
少し離れたところで、ニヤニヤするレベッカ達が見えたが、スルーしておくことにした。
そんな感じで、それなりに楽しい学園生活を送っていた私は、すっかり婚約者の存在を忘れてしまっていたように思う。
今までは、学園で会わないように、場所や歩く通路まで気を付けて生活していたのに、その事を忘れ、気が緩んでしまっていたことを後悔することになる。
放課後に図書室に本を返そうと、1人で廊下を歩いている時のこと。少し前を歩く2人の男子生徒。見慣れた後ろ姿に嫌な予感がした時は、すでに遅かった。聞きたくもない会話が聞こえてきたからだ。
「最近、スペンサー嬢、お前の所に全く来なくなったよな。大丈夫なのか?」
彼の幼馴染の王都騎士団長の子息が彼に尋ねる。
「子供の頃からの政略結婚の婚約者に、今更、何も思わないし、気にならないさ。」
「それでいいのか?」
王都騎士団長子息がそう口にしたところで、少し後ろを歩く私に気付き、「あっ」と声を上げ、それを見た彼も私に気づき、驚愕の表情で目を見開いて止まる。
淑女教育について、厳しく指導してくれたお母様や先生方に感謝したいと思った。こんな時に弱い表情を見せずに済んだのだから。
「お互い、同じ気持ちだったようですね。親が決めただけのただの政略結婚。いつ無くなっても困りませんわね。…ご機嫌よう。」
自分でもびっくりするくらい冷たい声であったと思う。
私はそのまま、後ろに振り返り、小走りでその場を去って行った。小走りなんて、お母様に見られたら、睨まれそうだけど、とにかくその場を早く離れたかったのだ。
そのまま小走りしたところで、廊下の角で誰かにぶつかってしまう。痛みより先に、やっちまったと羞恥心がくる。
「申し訳ありません。」
慌ててぶつかってしまった相手に謝ると、そこには見知った顔が。
「アンネマリー嬢?」
いつも、隙のない笑顔ばかりであったシリル様が、珍しく驚いた顔をしている。
すると、後ろからバタバタと誰かが走ってくるような音が。慌てる私を見たシリル様が、「こっち来て」と手を引いて、近くの空き教室の中へ誘導してくれる。
入り口のドアから死角となる壁の陰で息を潜め、足音が遠ざかったところで、
「何かあった?」
「久しぶりに婚約者の方と話して、ちょっと不愉快な気持ちになっただけですわ。」
シリル様は、はぁーっと溜め息をつく。
「ちょっと不愉快になったって言うレベルの顔に見えないが。涙…溢れてる。」
そう言われて、初めて自分が泣いていることに気付く。
「も、申し訳ありません。人前でみっともない顔を見せてしまって。」
「そんなの気にしない。…で?」
「で?」って言った?話せっていう圧力ですよね?
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