元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ

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アンネマリー編〜転生に気付いたのでやり直します

クラスメイトと彼女の今後

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 一連のやり取りの後、教室に戻る私たち4人。心なしか周りの視線を感じる。
 そんな時、面白いものを見つけたような表情でやってくる、クロエ・パディントン子爵令嬢。中々の情報通で、気さくで面白いコなのだ。

「さっきの現場見たのですが、楽しませていただきましたわ。」

 おっと、見られていたか!

「お恥ずかしいですわ。お見苦しいところを見せて、失礼致しました。」

 とりあえず、謝っておく。

「4人が来る前に、みんなでスッキリしたって話をしていたのです。」
「高位の貴族令息に媚をうり、貴族令息の婚約者には嫌がらせや嫌味を言う方々ですから、みんな困ってました。しかも、下位の貴族には男女関係なく、見下してましたし。」

 男爵令嬢がそれをやるのか。なかなか強者だな、ヒロイン気取りは。私以外にも被害者は沢山いたのね。

「アンネマリー様が、先輩相手にあそこまで言う姿と、レベッカ様達の嫌味も、とても素敵でしたわ。」

 確かにレベッカ達の嫌味は素晴らしいよね。

 先輩とやり合った姿を褒められる私たち4人。自慢出来る事ではないが、何となく嬉しかった。

 この事件の後、クラスメイトとの距離が近くなったような気がする。

 クラスの編成は成績で決められており、このクラスは上位クラスなので、みんな勉強は出来る方ばかりだ。その中でも、下位の貴族の次男三男の方たちって、実家をアテに出来ないようで、王宮の文官を志望している方が多く、すごく優秀だったりする。努力してるんだろうなぁ。婚活アラサー杏奈から見ると、低姿勢・低依存・低リスクって感じの人達。好感が持てるよね。勉強で解らないところを聞くと、丁寧に教えてくれるし。
 爵位とか関係ないなら、結婚相手としてこんな人達もアリだと思う。誠実そうでいいと思うのよ。煩い親も付いてこなそうだし。

 クラスメイトの令嬢達とは、趣味のロマンス小説で語り合ったり、流行りのスイーツやカフェの話とかで盛り上がり、放課後、みんなでクロエさまオススメの店に行ったりしてた。少し離れた所に、それぞれの家の護衛がいて、ちょっと笑った。
 こちらの都合に合わせてしまって、すみません!

 そして、忘れていたが、ヒロイン気取りこと、エイミー・ケール嬢は学校に来なくなっていた。自宅謹慎しているようだ。
 
 お父様に話を聞いたら、あの日、王宮のお父様の執務室にマディソン侯爵子息が、王太子殿下と一緒にやってきて、例のヒロイン気取りの署名入りの書類を見せてくれ、事のあらましを説明してくれたらしい。

 しかも、ヒロイン気取りが私たち高位の貴族令嬢に対して馴れ馴れしく、傲慢な態度をとっていた事で、私達が他国の王族の留学生と(わざと)勘違いしてしまったことまで、報告したようだ。

 次期宰相候補として王太子殿下の側近も務めてるから、登城した時に動いてくれたのね。

 ヒロイン気取りは、王太子殿下が在学中にも付き纏ったり、殿下の婚約者の公爵令嬢にも一方的に僻んだりと、その時からやらかしていたので、ケール男爵家に苦情を訴えるなら、王家も一緒に動こうかとのこと。
 在学中、殿下が男爵家に苦情をいれて、自宅謹慎させ、教育し直したはずであったが、今回のことで全く改善されてないのは確かなので、最終通告にしようかなとのことだが…。

 私の勝手な憶測だとそれだけではないような気がする。
 執務に飽きた腹黒殿下が、側近のマディソン侯爵子息から聞いた今回の出来事が面白そうだったので、気分転換に話に乗って来ただけだと思う。マディソン侯爵子息の持っていた、ヒロイン気取り直筆の文書を見て、笑ってそうだもん。そういう人だよ、彼は。

 そして、マディソン侯爵子息と王太子殿下の腹黒コンビは、婚約者の父である公爵閣下にも事情を話して、ヒロイン気取り直筆のあの文書を渡して来たらしい。公爵閣下は結構、お怒りだったようだ。

 王家、公爵家、侯爵家でケール男爵を呼び出し、ヒロイン気取りの直筆文書を見せながら、かなり強く抗議し、1ヶ月の謹慎処分となったらしいです。王太子殿下の次は無いという言葉も一緒に。
 その現場、考えただけで、こわ面白いよね!




 
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