13 / 161
アンネマリー編〜転生に気付いたのでやり直します
忘れていたこと
しおりを挟む
留学の話は、隣国の王妃殿下(叔母様)のお陰で、あっさりと進んでいく。薬学や野菜など専門的なことを学ぶなら、貴族学園の更に上になる、高等学園に入った方がいいらしい。前世でいう大学だろうね。
そこで問題が発生。高等学園には貴族学園を卒業しないと入れない。私は卒業まで後2年残っている。そこで、二つの選択肢がある。
①自国の貴族学園を卒業した後に、隣国の高等学園にいく。
②隣国の貴族学園に転校し、高等学園入学に向けて、勉強しながら卒業を待つ。
③貴族学園の飛び級制度を利用して、予定より早い卒業を目指し、卒業でき次第、隣国の高等学園に行く。
色々迷ったが、結婚行き遅れを回避したい私は、③を選択しつつ、もし無理なら恥を忍んで②に変更しようという、少しズルい選択に決めた。
しかし、飛び級制度と早期の卒業を目指すには各教科のレポートを提出し、更に卒業試験に合格しなければならない。かなり難しい挑戦である。成績は上位にはいるものの、ダントツ1位とかではない。自分でも、無茶してるのは分かってはいるのです。
やると決めた以上は、やるしかない。その日から、先生方への質問攻撃と、図書室通いが始まるのであった。
レベッカ達とシリル様には仮婚約は白紙になる予定で両親に動いてもらうこと、急遽、隣国に留学する予定になったことを報告した。ついでに婚約者の彼とのこの前の出来事を話し、今まで以上に彼を避けて生活していくこともね。うっかり会いたくないから。
驚いていたけど、前向きな新たなスタートをみんなは応援してくれることになった。
そして、忙しかったので、忘れていたことがあった。それは、王家の主催の剣術大会である。
カーラにもうすぐ大会ですが、いつクッキーを焼きますか?と聞かれるまで、すっかり忘れていたのだ。
婚約白紙の件は、お父様が変な気を遣って、まだ正式に発表してないので、アル以外は使用人にも話してなかったから、カーラも知らなかったのよね。ごめんなさい。
毎年開かれるこの大会は、騎士を目指す子息だけでなく、騎士団や貴族の護衛になりたい平民も出場する。少年から青年まで、年齢層ごとに分かれて戦うのだ。
今までは彼が子供の頃に好きだった、私の手作りクッキーを持って応援しに行っていた。ここ数年は、クッキーを持って行っても、従者に渡しておくように言われて、直接受け取ってもらえなかった。こんな冷たい扱いをされても、本当にアンネマリーはいいコだったよね。
しかも、今年で学園を卒業する彼にとっては特別な大会かと思って、手作りのアミュレットまで用意してたんだったわ。元々、手作りで作るのが好きだったし。杏奈の記憶が戻る前だったけど、無意識にミサンガ風に紐を編んで、そこに特注しておいた、小ぶりのアメジストのペンダントトップをつけて。紐も糸から選んで、銀糸をメインに彼の髪色の黒の糸も入れて編んだのよね。豪華版ミサンガみたいな。結構、大作だと思うのよ。更に、いつでも渡せるように、メッセージカードを入れて、すでにラッピングまでしてあるという手際の良さ…。
あぁ、こんなことしてたから、病を拗らせて、死にそうになったのかしら。
「今年は忙しいし、婚約が白紙になるので剣術大会には行かない。だから、クッキーも焼かないわ。」
カーラは絶句してしまった。
「近いうちに婚約の話はなくなるわ。まだ正式に発表してないから、内密にしてね。やっと解放されるのよ。」
私はニヤリと笑う。
「お嬢様、私は何と言っていいものか分かりませんが。ただ、お嬢様の幸せを願ってます。」
「ありがとう。いつもカーラがいるお陰で、私は元気でいれるの。これからもよろしくね。それと、あのアミュレットも処分しておいてね。」
「お嬢様、あのアミュレットは心をこめて、手間暇をかけて、お嬢様が手作りした物ですよ。とても素晴らしく出来上がっていて、私には捨てることは出来ません。」
確かに自信作ではあるが、あの方を思い出したくないので、手元に置きたくないのよね。私にとっては不快な思い出の作品だし。
「じゃあ、カーラにあげるわ。アメジストならお金に替えて使えるだろうから。」
カーラは少し考え込んでから、では大切に預からせて頂きますとのことだった。
それと、もう一つ忘れていたこと。
ヒロイン気取りこと、エイミー・ケール嬢が学園を退学したらしい。田舎の男爵の後妻として、嫁いだんだって。
謹慎明けたら、学園に戻ってくるかと思っていたが、全く反省する様子がないし、王家と公爵家と侯爵家に目をつけられているので、まともな縁談も期待出来そうにないから、厄介払いされたようだ。
前妻との間に子供が数人いる男爵家で、そこまで裕福じゃないらしいから、子育て要員だろうって。クラスの情報通のクロエ様が教えてくれた。
王太子殿下や高位の貴族令息相手に、一生懸命に婚活してたのに、呆気なかったなぁ。
ヒロイン気取りが、前妻の子育てをするとか、想像できないが…。
ヒロイン気取りが、幸せになれることを祈ろう。
そこで問題が発生。高等学園には貴族学園を卒業しないと入れない。私は卒業まで後2年残っている。そこで、二つの選択肢がある。
①自国の貴族学園を卒業した後に、隣国の高等学園にいく。
②隣国の貴族学園に転校し、高等学園入学に向けて、勉強しながら卒業を待つ。
③貴族学園の飛び級制度を利用して、予定より早い卒業を目指し、卒業でき次第、隣国の高等学園に行く。
色々迷ったが、結婚行き遅れを回避したい私は、③を選択しつつ、もし無理なら恥を忍んで②に変更しようという、少しズルい選択に決めた。
しかし、飛び級制度と早期の卒業を目指すには各教科のレポートを提出し、更に卒業試験に合格しなければならない。かなり難しい挑戦である。成績は上位にはいるものの、ダントツ1位とかではない。自分でも、無茶してるのは分かってはいるのです。
やると決めた以上は、やるしかない。その日から、先生方への質問攻撃と、図書室通いが始まるのであった。
レベッカ達とシリル様には仮婚約は白紙になる予定で両親に動いてもらうこと、急遽、隣国に留学する予定になったことを報告した。ついでに婚約者の彼とのこの前の出来事を話し、今まで以上に彼を避けて生活していくこともね。うっかり会いたくないから。
驚いていたけど、前向きな新たなスタートをみんなは応援してくれることになった。
そして、忙しかったので、忘れていたことがあった。それは、王家の主催の剣術大会である。
カーラにもうすぐ大会ですが、いつクッキーを焼きますか?と聞かれるまで、すっかり忘れていたのだ。
婚約白紙の件は、お父様が変な気を遣って、まだ正式に発表してないので、アル以外は使用人にも話してなかったから、カーラも知らなかったのよね。ごめんなさい。
毎年開かれるこの大会は、騎士を目指す子息だけでなく、騎士団や貴族の護衛になりたい平民も出場する。少年から青年まで、年齢層ごとに分かれて戦うのだ。
今までは彼が子供の頃に好きだった、私の手作りクッキーを持って応援しに行っていた。ここ数年は、クッキーを持って行っても、従者に渡しておくように言われて、直接受け取ってもらえなかった。こんな冷たい扱いをされても、本当にアンネマリーはいいコだったよね。
しかも、今年で学園を卒業する彼にとっては特別な大会かと思って、手作りのアミュレットまで用意してたんだったわ。元々、手作りで作るのが好きだったし。杏奈の記憶が戻る前だったけど、無意識にミサンガ風に紐を編んで、そこに特注しておいた、小ぶりのアメジストのペンダントトップをつけて。紐も糸から選んで、銀糸をメインに彼の髪色の黒の糸も入れて編んだのよね。豪華版ミサンガみたいな。結構、大作だと思うのよ。更に、いつでも渡せるように、メッセージカードを入れて、すでにラッピングまでしてあるという手際の良さ…。
あぁ、こんなことしてたから、病を拗らせて、死にそうになったのかしら。
「今年は忙しいし、婚約が白紙になるので剣術大会には行かない。だから、クッキーも焼かないわ。」
カーラは絶句してしまった。
「近いうちに婚約の話はなくなるわ。まだ正式に発表してないから、内密にしてね。やっと解放されるのよ。」
私はニヤリと笑う。
「お嬢様、私は何と言っていいものか分かりませんが。ただ、お嬢様の幸せを願ってます。」
「ありがとう。いつもカーラがいるお陰で、私は元気でいれるの。これからもよろしくね。それと、あのアミュレットも処分しておいてね。」
「お嬢様、あのアミュレットは心をこめて、手間暇をかけて、お嬢様が手作りした物ですよ。とても素晴らしく出来上がっていて、私には捨てることは出来ません。」
確かに自信作ではあるが、あの方を思い出したくないので、手元に置きたくないのよね。私にとっては不快な思い出の作品だし。
「じゃあ、カーラにあげるわ。アメジストならお金に替えて使えるだろうから。」
カーラは少し考え込んでから、では大切に預からせて頂きますとのことだった。
それと、もう一つ忘れていたこと。
ヒロイン気取りこと、エイミー・ケール嬢が学園を退学したらしい。田舎の男爵の後妻として、嫁いだんだって。
謹慎明けたら、学園に戻ってくるかと思っていたが、全く反省する様子がないし、王家と公爵家と侯爵家に目をつけられているので、まともな縁談も期待出来そうにないから、厄介払いされたようだ。
前妻との間に子供が数人いる男爵家で、そこまで裕福じゃないらしいから、子育て要員だろうって。クラスの情報通のクロエ様が教えてくれた。
王太子殿下や高位の貴族令息相手に、一生懸命に婚活してたのに、呆気なかったなぁ。
ヒロイン気取りが、前妻の子育てをするとか、想像できないが…。
ヒロイン気取りが、幸せになれることを祈ろう。
187
あなたにおすすめの小説
【完結】公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
行動あるのみです!
棗
恋愛
※一部タイトル修正しました。
シェリ・オーンジュ公爵令嬢は、長年の婚約者レーヴが想いを寄せる名高い【聖女】と結ばれる為に身を引く決意をする。
自身の我儘のせいで好きでもない相手と婚約させられていたレーヴの為と思った行動。
これが実は勘違いだと、シェリは知らない。
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です
有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!!
お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。
皆様、お気に入り登録ありがとうございました。
現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
赤貧令嬢の借金返済契約
夏菜しの
恋愛
大病を患った父の治療費がかさみ膨れ上がる借金。
いよいよ返す見込みが無くなった頃。父より爵位と領地を返還すれば借金は国が肩代わりしてくれると聞かされる。
クリスタは病床の父に代わり爵位を返還する為に一人で王都へ向かった。
王宮の中で会ったのは見た目は良いけど傍若無人な大貴族シリル。
彼は令嬢の過激なアプローチに困っていると言い、クリスタに婚約者のフリをしてくれるように依頼してきた。
それを条件に父の医療費に加えて、借金を肩代わりしてくれると言われてクリスタはその契約を承諾する。
赤貧令嬢クリスタと大貴族シリルのお話です。
【完結】記憶にありませんが、責任は取りましょう
楽歩
恋愛
階段から落ちて三日後、アイラは目を覚ました。そして、自分の人生から十年分の記憶が消えていることを知らされる。
目の前で知らない男が号泣し、知らない子どもが「お母様!」としがみついてくる。
「状況を確認いたします。あなたは伯爵、こちらは私たちの息子。なお、私たちはまだ正式な夫婦ではない、という理解でよろしいですね?」
さらに残されていたのは鍵付き箱いっぱいの十年分の日記帳。中身は、乙女ゲームに転生したと信じ、攻略対象を順位付けして暴走していた“過去のアイラ”の黒歴史だった。
アイラは一冊の日記を最後の一行まで読み終えると、無言で日記を暖炉へ投げ入れる。
「これは、焼却処分が妥当ですわね」
だいぶ騒がしい人生の再スタートが今、始まる。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる