86 / 161
マリーベル編〜楽しく長生きしたい私
やられた
しおりを挟む
正門の横には、かっこいい騎士様こと、フィル兄様が既に待っていた。怒ってないかしら?私に気付くと、優しく微笑んでくれる。ふぅー、大丈夫そうね。レジーナやユーリア達がフィル兄様に挨拶している。フィル兄様は、とにかく感じのいい好青年だから、みんな喜んでいるわね。最近、過保護なのが気になるところだけど。
そう言えば、この人は恋人とかいるのかしら?もしいるなら、ただの従兄妹の1人に過ぎない私なんかに構っていないで、恋人を優先して欲しいわね。帰りの馬車の中で聞いてみようかな。
みんなとサヨナラして馬車に乗り込む。フィル兄様は私の隣にピッタリとくっついて座る。
「フィル兄様は、恋人とか婚約者はいらっしゃるのでしょうか?」
「急にそんな事を聞くなんて、どうしたの?」
「もしいらっしゃるのなら、私なんかより、恋人や婚約者の方を優先して欲しいと思いまして。」
「へぇ。マリーはそう思っていたんだ。」
あれっ?何となく怒っている?どうしてー!すると、フィル兄様は私をギュッと抱きしめる。ちょっとー!貴方のそれは刺激が強いのよ!
「恋人も婚約者もいないよ。マリーは好きな奴はいるの?」
「私ですか?まだいません。」
「そう。じゃあ、私を好きになってよ。」
「えっ?」
この人、私を揶揄ってる?フィル兄様の顔を見上げると
「んっ。んっ…んっ。」
えー、これってキス。しかも、すごく上手い?慣れてるよね。何でー!
抵抗するが、現役の騎士の力には敵わないし、キスが上手すぎて、ヤバい、クラクラしてきた。
「ハァ、フィル兄様は私が子供だからって、揶揄ってるのですか?酷いです。キスも初めてなのに…。」
生まれ変わって初めてのキスを突然奪われて、アラサーのつもりだけど、涙が出てきたわよ。
「泣かないで。揶揄ってないし、私はマリーが好きだから、我慢出来ないだけ。マリーは全く私を異性として見てないから、意地悪したくなった。ごめん。」
そう言って、私の目や額にキスをする。何となく、遊びなれているような気が。でも、年上のイケメンなら、多少の経験は当たり前か。黙っていても令嬢が寄ってきて、困ってそうだしね。
「フィル兄様は、モテて困っているから、私を女避けにするつもりなのですか?」
「モテるのは否定はしないけど…。マリーは全然私の気持ちを理解してないんだね。」
すると、ドサっと馬車の座席に押し倒される私。何でー!
さっきよりも、更に濃厚なキスをされ、ポーッとする私。ヤバい、流されちゃう。この人の色気はヤバいわー!
「ハァ、ハァ…。フィル兄様、やめて…、んっ。」
「マリーって、そういう色っぽい顔するんだね。そんな顔見せられたら、止められなくなるよ。」
その時、馬車が減速しているのが分かる。邸に着いた?助かったわね!
「マリー、助かったって思ってるでしょ?」
フィル兄様が黒い笑みを浮かべる。ひぃー、怖いわ!
邸の正面に止められる馬車。同時にドアを開けるフィル兄様。
「マリーが疲れてぐったりしているから、私が部屋に運ぶから。」
出迎えた家令に話すフィル兄様。何言ってんの?
「大丈夫です。自分で歩けますわ。」
「無理しちゃダメだよ。今無理して、体調を崩したら、またどこにも行けなくなっちゃうよ。マリーもそれは困るよね?」
目がマジだ!ひえー!怖い。しばらく外出禁止にするってこと?優しいフィル兄様は、本当は腹黒だったのね。
何も言い返すことが出来ず、お姫様抱っこでドナドナされる私。
「お嬢様、確かに顔色が悪いですわね。」
フィーネが心配そうに言う。
「慣れないことをして、疲れてしまったようなんだ。今日は部屋で休ませてあげよう。父上と母上は、陛下達と夕食会でそのまま王宮に泊まるって言ってたし、今日は私がマリーについているから。マリーがゆっくり眠れるように、人払いしておいて。あっ、喉が渇いていると思うから、レモン水は、今すぐ持って来てくれる?」
そうだったー!おば様達は留守だったー!血の気が引く私。
「かしこまりました。」
フィーネはすぐに飲み物を取りに行ってしまった。私、このまま餌食にされるのね…。
部屋に入ると、そのままベッドに運ばれる。すると、ドアがノックされ飲み物を持ってきたフィーネの姿が見える。フィル兄様は入り口でそれを受け取り、
「じゃあ、後はやっておくから。」
「かしこまりました。」
ドアがバタンと閉まる。飲み物をテーブルに置き、フィル兄様はこっちに来る。ああ、フィル兄様がこんな危険人物だったなんて。
「マリー、そんな顔しないで。ただ、私がどれだけマリーが好きか分かって欲しくて。その困った顔ですら、可愛くてしょうがない。」
色気たっぷりのフィル兄様に、そのままベッドに押し倒された私は、またあの濃厚なキスをされ、制服をあっさりと脱がされてしまった。抵抗してもびくともしない、フィル兄様の素敵な胸板が憎い。
ううっ。恥ずかしい。
「泣かないで。もう、マリーが可愛い過ぎて止められないんだ。ごめん。優しくするから。それに、今はまだ全部はしないから、安心して。」
フィル兄様は、私に、あんなことや、こんなことを沢山しまくるのであった。何度も執拗に責められた私は、そのまま意識を無くしてしまった。
そして、次の日の朝…
……何だか体が熱い。うーん。寝返りをして、離れようとするが…。ぐいっと引っ張られ、腕に閉じ込められる。熱いから離してー。
あれ?そういえば、私は昨夜は……。バチって目覚めると、そこには。うっ、どアップのフィル兄様が裸で寝ているし!うわー鼻血が…、じゃなくて、早く起きて服を着ないと、誰かに見られちゃう。
慌てて、フィル兄様の腕から逃げ出そうとするが、がっちりと抱きしめられて、出られない。
「マリー、起きたの?もしかして、逃げようとしている?」
うっ。起きているのね。
「フィル兄様、早く起きませんと、誰かに見られてしまいますわ。」
「見られても、私は困らないけど。マリーはそんなに嫌なの?」
「嫌というか、恥ずかしいですし。勘違いされたら困るじゃないですか。」
「私とマリーはこんな関係だって、私は知ってもらいたいけど。隠すような関係でいたくないし。」
どんな関係だ!
「お願いです!服を着たいので、離してほしいのです。」
「逃げないって約束出来る?」
「約束するので、離してください。」
「分かった。絶対に逃げないでね。………これからも。」
慌てている私は、最後の言葉まで聞こえていなかった。
フィル兄様は、軽いキスをして離してくれる。早く何かを着ないと。部屋をキョロキョロする私。
「マリーの体、すごく綺麗。他の誰にも見せたり、触れさせたりしちゃダメだよ。」
フィル兄様は、背後から私を抱きしめ、首筋にキスをする。
何でこの人は余裕なの?
慌てて、見つけたナイトワンピースを着る私。しかし、フィル兄様は普通に裸…。しかも、いい身体してるし。
「兄様、早く服を着て、お部屋にお戻り下さい。」
昨日脱ぎ捨てていたシャツを着せて、ボタンを素早く留める。この人、手が掛かるな!年上の弟みたい。
「マリー、慌ててボタンを留める姿が可愛すぎる。」
そのまま、ぎゅっと抱きしめるフィル兄様。だから、急いでよー!
何とか服を着てもらい、私の部屋から出て行ってもらえた。昨日脱がされて、散らかった制服や下着を片付ける私。ああ、本気で疲れたわ。ぐったりね。
まだ、一応は処女だけど…、これは下手するとそのうち奪われるわ。愛情表現なのか、軽い男なのかよくわからないけど、初体験が従兄妹でした…なんて、何かの体験談みたいじゃない。近いうちに、寮に帰るようにする?おば様達には何て言おうか?
しかし、かっこよくて、あの色気は反則ね。中身アラサーだから、ギリギリ理性?を保っているつもりだったけど、それでも流されちゃったし。普通の10代の汚れなき少女だったら、あっさりフィル兄様に落ちているわね。
ああ、本当にやられたわ!
私は背中からお尻に付けられた、幾つものキスマークに気付かないのであった。
そう言えば、この人は恋人とかいるのかしら?もしいるなら、ただの従兄妹の1人に過ぎない私なんかに構っていないで、恋人を優先して欲しいわね。帰りの馬車の中で聞いてみようかな。
みんなとサヨナラして馬車に乗り込む。フィル兄様は私の隣にピッタリとくっついて座る。
「フィル兄様は、恋人とか婚約者はいらっしゃるのでしょうか?」
「急にそんな事を聞くなんて、どうしたの?」
「もしいらっしゃるのなら、私なんかより、恋人や婚約者の方を優先して欲しいと思いまして。」
「へぇ。マリーはそう思っていたんだ。」
あれっ?何となく怒っている?どうしてー!すると、フィル兄様は私をギュッと抱きしめる。ちょっとー!貴方のそれは刺激が強いのよ!
「恋人も婚約者もいないよ。マリーは好きな奴はいるの?」
「私ですか?まだいません。」
「そう。じゃあ、私を好きになってよ。」
「えっ?」
この人、私を揶揄ってる?フィル兄様の顔を見上げると
「んっ。んっ…んっ。」
えー、これってキス。しかも、すごく上手い?慣れてるよね。何でー!
抵抗するが、現役の騎士の力には敵わないし、キスが上手すぎて、ヤバい、クラクラしてきた。
「ハァ、フィル兄様は私が子供だからって、揶揄ってるのですか?酷いです。キスも初めてなのに…。」
生まれ変わって初めてのキスを突然奪われて、アラサーのつもりだけど、涙が出てきたわよ。
「泣かないで。揶揄ってないし、私はマリーが好きだから、我慢出来ないだけ。マリーは全く私を異性として見てないから、意地悪したくなった。ごめん。」
そう言って、私の目や額にキスをする。何となく、遊びなれているような気が。でも、年上のイケメンなら、多少の経験は当たり前か。黙っていても令嬢が寄ってきて、困ってそうだしね。
「フィル兄様は、モテて困っているから、私を女避けにするつもりなのですか?」
「モテるのは否定はしないけど…。マリーは全然私の気持ちを理解してないんだね。」
すると、ドサっと馬車の座席に押し倒される私。何でー!
さっきよりも、更に濃厚なキスをされ、ポーッとする私。ヤバい、流されちゃう。この人の色気はヤバいわー!
「ハァ、ハァ…。フィル兄様、やめて…、んっ。」
「マリーって、そういう色っぽい顔するんだね。そんな顔見せられたら、止められなくなるよ。」
その時、馬車が減速しているのが分かる。邸に着いた?助かったわね!
「マリー、助かったって思ってるでしょ?」
フィル兄様が黒い笑みを浮かべる。ひぃー、怖いわ!
邸の正面に止められる馬車。同時にドアを開けるフィル兄様。
「マリーが疲れてぐったりしているから、私が部屋に運ぶから。」
出迎えた家令に話すフィル兄様。何言ってんの?
「大丈夫です。自分で歩けますわ。」
「無理しちゃダメだよ。今無理して、体調を崩したら、またどこにも行けなくなっちゃうよ。マリーもそれは困るよね?」
目がマジだ!ひえー!怖い。しばらく外出禁止にするってこと?優しいフィル兄様は、本当は腹黒だったのね。
何も言い返すことが出来ず、お姫様抱っこでドナドナされる私。
「お嬢様、確かに顔色が悪いですわね。」
フィーネが心配そうに言う。
「慣れないことをして、疲れてしまったようなんだ。今日は部屋で休ませてあげよう。父上と母上は、陛下達と夕食会でそのまま王宮に泊まるって言ってたし、今日は私がマリーについているから。マリーがゆっくり眠れるように、人払いしておいて。あっ、喉が渇いていると思うから、レモン水は、今すぐ持って来てくれる?」
そうだったー!おば様達は留守だったー!血の気が引く私。
「かしこまりました。」
フィーネはすぐに飲み物を取りに行ってしまった。私、このまま餌食にされるのね…。
部屋に入ると、そのままベッドに運ばれる。すると、ドアがノックされ飲み物を持ってきたフィーネの姿が見える。フィル兄様は入り口でそれを受け取り、
「じゃあ、後はやっておくから。」
「かしこまりました。」
ドアがバタンと閉まる。飲み物をテーブルに置き、フィル兄様はこっちに来る。ああ、フィル兄様がこんな危険人物だったなんて。
「マリー、そんな顔しないで。ただ、私がどれだけマリーが好きか分かって欲しくて。その困った顔ですら、可愛くてしょうがない。」
色気たっぷりのフィル兄様に、そのままベッドに押し倒された私は、またあの濃厚なキスをされ、制服をあっさりと脱がされてしまった。抵抗してもびくともしない、フィル兄様の素敵な胸板が憎い。
ううっ。恥ずかしい。
「泣かないで。もう、マリーが可愛い過ぎて止められないんだ。ごめん。優しくするから。それに、今はまだ全部はしないから、安心して。」
フィル兄様は、私に、あんなことや、こんなことを沢山しまくるのであった。何度も執拗に責められた私は、そのまま意識を無くしてしまった。
そして、次の日の朝…
……何だか体が熱い。うーん。寝返りをして、離れようとするが…。ぐいっと引っ張られ、腕に閉じ込められる。熱いから離してー。
あれ?そういえば、私は昨夜は……。バチって目覚めると、そこには。うっ、どアップのフィル兄様が裸で寝ているし!うわー鼻血が…、じゃなくて、早く起きて服を着ないと、誰かに見られちゃう。
慌てて、フィル兄様の腕から逃げ出そうとするが、がっちりと抱きしめられて、出られない。
「マリー、起きたの?もしかして、逃げようとしている?」
うっ。起きているのね。
「フィル兄様、早く起きませんと、誰かに見られてしまいますわ。」
「見られても、私は困らないけど。マリーはそんなに嫌なの?」
「嫌というか、恥ずかしいですし。勘違いされたら困るじゃないですか。」
「私とマリーはこんな関係だって、私は知ってもらいたいけど。隠すような関係でいたくないし。」
どんな関係だ!
「お願いです!服を着たいので、離してほしいのです。」
「逃げないって約束出来る?」
「約束するので、離してください。」
「分かった。絶対に逃げないでね。………これからも。」
慌てている私は、最後の言葉まで聞こえていなかった。
フィル兄様は、軽いキスをして離してくれる。早く何かを着ないと。部屋をキョロキョロする私。
「マリーの体、すごく綺麗。他の誰にも見せたり、触れさせたりしちゃダメだよ。」
フィル兄様は、背後から私を抱きしめ、首筋にキスをする。
何でこの人は余裕なの?
慌てて、見つけたナイトワンピースを着る私。しかし、フィル兄様は普通に裸…。しかも、いい身体してるし。
「兄様、早く服を着て、お部屋にお戻り下さい。」
昨日脱ぎ捨てていたシャツを着せて、ボタンを素早く留める。この人、手が掛かるな!年上の弟みたい。
「マリー、慌ててボタンを留める姿が可愛すぎる。」
そのまま、ぎゅっと抱きしめるフィル兄様。だから、急いでよー!
何とか服を着てもらい、私の部屋から出て行ってもらえた。昨日脱がされて、散らかった制服や下着を片付ける私。ああ、本気で疲れたわ。ぐったりね。
まだ、一応は処女だけど…、これは下手するとそのうち奪われるわ。愛情表現なのか、軽い男なのかよくわからないけど、初体験が従兄妹でした…なんて、何かの体験談みたいじゃない。近いうちに、寮に帰るようにする?おば様達には何て言おうか?
しかし、かっこよくて、あの色気は反則ね。中身アラサーだから、ギリギリ理性?を保っているつもりだったけど、それでも流されちゃったし。普通の10代の汚れなき少女だったら、あっさりフィル兄様に落ちているわね。
ああ、本当にやられたわ!
私は背中からお尻に付けられた、幾つものキスマークに気付かないのであった。
150
あなたにおすすめの小説
全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。
彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。
何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。
自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。
彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。
そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。
大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…
嘘つくつもりはなかったんです!お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
季邑 えり
恋愛
異世界転生した記憶をもつリアリム伯爵令嬢は、自他ともに認めるイザベラ公爵令嬢の腰ぎんちゃく。
今日もイザベラ嬢をよいしょするつもりが、うっかりして「王子様は理想的な結婚相手だ」と言ってしまった。それを偶然に聞いた王子は、早速リアリムを婚約者候補に入れてしまう。
王子様狙いのイザベラ嬢に睨まれたらたまらない。何とかして婚約者になることから逃れたいリアリムと、そんなリアリムにロックオンして何とかして婚約者にしたい王子。
婚約者候補から逃れるために、偽りの恋人役を知り合いの騎士にお願いすることにしたのだけど…なんとこの騎士も一筋縄ではいかなかった!
おとぼけ転生娘と、麗しい王子様の恋愛ラブコメディー…のはず。
イラストはベアしゅう様に描いていただきました。
笑い方を忘れた令嬢
Blue
恋愛
お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
【完結】魔女令嬢はただ静かに生きていたいだけ
⚪︎
恋愛
公爵家の令嬢として傲慢に育った十歳の少女、エマ・ルソーネは、ちょっとした事故により前世の記憶を思い出し、今世が乙女ゲームの世界であることに気付く。しかも自分は、魔女の血を引く最低最悪の悪役令嬢だった。
待っているのはオールデスエンド。回避すべく動くも、何故だが攻略対象たちとの接点は増えるばかりで、あれよあれよという間に物語の筋書き通り、魔法研究機関に入所することになってしまう。
ひたすら静かに過ごすことに努めるエマを、研究所に集った癖のある者たちの脅威が襲う。日々の苦悩に、エマの胃痛はとどまる所を知らない……
病めるときも健やかなるときも、お前だけは絶対許さないからなマジで
あだち
恋愛
ペルラ伯爵家の跡取り娘・フェリータの婚約者が、王女様に横取りされた。どうやら、伯爵家の天敵たるカヴァリエリ家の当主にして王女の側近・ロレンツィオが、裏で糸を引いたという。
怒り狂うフェリータは、大事な婚約者を取り返したい一心で、祝祭の日に捨て身の行動に出た。
……それが結果的に、にっくきロレンツィオ本人と結婚することに結びつくとも知らず。
***
『……いやホントに許せん。今更言えるか、実は前から好きだったなんて』
「結婚しよう」
まひる
恋愛
私はメルシャ。16歳。黒茶髪、赤茶の瞳。153㎝。マヌサワの貧乏農村出身。朝から夜まで食事処で働いていた特別特徴も特長もない女の子です。でもある日、無駄に見目の良い男性に求婚されました。何でしょうか、これ。
一人の男性との出会いを切っ掛けに、彼女を取り巻く世界が動き出します。様々な体験を経て、彼女達は何処へ辿り着くのでしょうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる