元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ

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マリーベル編〜楽しく長生きしたい私

王都騎士団 2

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 ドアをノックすると、返事がある。はぁー、中に入るか。
 入室すると、騎士団長と公爵閣下がテーブルの椅子に座っていた。公爵閣下の前に座るように言われる。いや、私は離れた隅の席でいいのですが…。

 団長が色々と話題を振ってくれるから、当たり障りなく答えていると、食事が運ばれてくる。食堂の使用人は私を見て、えっ?て顔したわね。分かるわー、自分でも場違いだって思うものね。

 今日はカツレツのような料理だった。騎士団だから、ガッツリしているのね。食べ応えがあって、美味しいわ。喋る事もないので、集中してモリモリ食べていると、

「美味しそうに食べるのだな。」

 公爵閣下が珍しく口を開く。

「はい。とても美味しいので。」

 美味しい物を食べると笑顔になるのよ。

「……それは良かった。」

 良かったような表情には見えないが、気のせいだということにしておこうか。
 

 食後にお茶が運ばれてくる。お茶飲んでいると、騎士団長が、

「公爵は、帰りにフォーレス侯爵家の近くを通るだろ?令嬢を送って行ったらいいんじゃないか?」

「…ああ。送っていこうか。」

 危険だわ!

「ありがとうございます。しかし、今は伯母のスペンサー家でお世話になってまして、帰りは従兄弟が迎えに来る約束をしていますので、大丈夫ですわ。」

「えっ?スペンサー家に住んでいるのか?」

 騎士団長は驚いている。公爵閣下も、目を見開いている。

「はい。今までは学園の寮に住んでいたのですが、しばらくは、スペンサー家に住むことになりました。」

「えー?どうして?」

「あまり話せることでもないのですが、ちょっとした兄妹喧嘩でしょうか。でも、今は和解しましたわ。スペンサー家で楽しく過ごせているので、しばらくお世話になることになったのです。」

「そうなのか!あっ、そう言えば。君の治癒魔法は、怪我にはすごい効き目だが、病気には効くのだろうか?実は君の従姉妹の、スペンサー侯爵令嬢の学生時代の親友がいるのだが、病気でずっと臥せっていて、かなり危険な状態らしいのだ。私達の友人が旦那なのだが、気落ちしていてね。何とかしてあげたいのだが、なかなか難しくて。」

 従姉妹のお姉様には、親友がいたのね。じゃあ、悪役令嬢ではなかったってこと?従姉妹がお世話になっていたなら、ぜひ助けたいけど…

「病気の治療は、聖女子学園にいる時に、病院の入院患者さんにやってはいたのですが、怪我の治療とは違って、治っているのかが、分かりにくかったのです。ただ、その時よりも治癒魔法の力は強くなってはいるので、1日で治らなくても、何日かかけて治癒魔法をかければ効果があるかもしれません。期待される程のことを出来るかはわかりませんが、試してみることをお許し頂けるなら、是非やらせて下さいませ。」

「本当か?では、早速、友人に聞いてみる!」

 騎士団長は、何だか嬉しそうだ。友人思いなのね。さっき、ハワード卿が言っていた、面倒見のよい方ということなのだろう。
 あれっ?公爵閣下はじっと私を見ているような。

「君は、優しいのだな…。」

「いえ。助かる命があるなら、私だけでなく、誰でも助けたいと思われるでしょう。私が特別に優しいわけではありませんわ。」

 命が助かるのは嬉しいが、自分の将来の為に、治癒魔法を極めておきたい気持ちがあるのだから。

 食事の後は、また医務室に戻る私。また、掃除の続きでもするかー。と考えていると

「昼食は美味しく食べれましたか?」

 あっ、ハワード卿なりに心配してくれたのかしら。

「ええ、何とか。何を喋っていいのかも分からなかったので、食べる方に集中していましたわ。騎士団のお食事はとても美味しいのですね。」

「そうですか。美味しく食べれたのなら、良かったです。」

 無表情だけど、根はいい人なのかもしれないわね。笑えば、もっとかっこいいのにね。

 午後は、掃除をやるなら書類整理をして欲しいと、言われたので、黙々と作業をしていた。いいわね、これも無になれるわ。時々、怪我の騎士が来るので、ちゃっちゃと治していく。そうしていたら、終了時間になった。フィル兄様が来ちゃうから、急がないとね。

「ハワード卿、1日お世話になり、ありがとうございました。あっ、気になっていたのですが、肩が痛いのでは?」

 何となく気になっていたのだ。事務作業は肩がこるからね。

「…よく分かりましたね。」

「ちょっと失礼します。」

 両肩とついでに腰と、頭と目もやっておこう。デスクワークで痛くなりそうだからね。
 よしっと。大丈夫だといいけど。

「大丈夫でしょうか?」

「…すごいですね。体がスッキリした気がします。あれ?目も前よりも見えるような…。」

「良かったですわ。それでは、お先に失礼します。ありがとうございました。」

「??……こちらこそ。治して頂いて、ありがとうございました。お疲れ様でした。」

 急いで着替え、レジーナ達と騎士団長室へ行き、騎士団長に挨拶をして帰る。よし、急いで正門へ行こう。
 従兄妹の騎士様に怒られないように、時間厳守よ!

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