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5.南海の秘宝
21.それぞれの戦い(カレルとレギニータ)
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「ふぇ~、これは凄いなぁ」
魔法医療学受講生『カレル・スミット』は、転送された丘陵地で周囲を見渡して、思わず呟いていた。
吹き抜ける風は、秋の風。丘陵地には疎らに点在するが、麓は一面の草原である。
秋の風が、『ザァッ』と一面に広がるススキの穂を揺らし波打つ姿は、まさに黄金の海の様であった。
「これがさっきまで僕達がいた野外演習場にあるなんて信じられませんね」
カレルは傍らに佇むデーゲンハルトに話しかける。カレルより3歳年長の20歳であるデーゲンハルトは、既に5年の経験がある中堅に入りかけの冒険者であり、アルベニア王国内の各地を冒険した経験もあり、カレルとしてはついつい頼ってしまう兄貴分でもあった。
デーゲンハルトは、手早く自分自身の背嚢や装備類の確認を終えて、符術士基礎講座の学生から配布されていた陣地の地図に示された待機場所へと歩き出している。
「カレル殿、既に演習は開始されているのであります。指示された場所に移動するのであります」
誰にでも下級兵士が話す様な言葉を使うデーゲンハルトである。カレルはそんなデーゲンハルトに付き従い、丘陵地中腹に設置されている救護班詰め所に向った。
救護班詰め所には既に3人の女性受講生も待機していたが、彼女達とのカレルの間での会話は少ない。カレルには2人の姉がおり、末っ子のカレルは姉達が成人するまで、かまいまくられていた為、女性を苦手と感じていた事もある為であろう。女性の受講者は、身体つきは年相応なのに、精神的に幼く感じるカレルに対し、特別好悪の感情を持っている訳ではなかったのだが……
集合直後、青味がかった銀髪の少女(といっても、カレルと同年であるが)のレギニータがデーゲンハルトに声をかけると、花が咲くような微笑を残し、丘陵の上へと歩いていった。
(あいかわらず、綺麗な子だよなぁ)
カレルはそう思いつつも、デーゲンハルトに声をかける。
「デーゲンハルトさん、レギニータさんは何処にいったんです?」
興味深そうに尋ねるカレルに、デーゲンハルトは生真面目に答える。
「レギニータ殿は本部に連絡要員として、符術士の待機をお願いにいったのでありますが……」
今一つ歯切れの悪い答えに、カレルは首を傾げる。
「どうかしたんですか?」
カレルは質問したが、デーゲンハルトは難しい顔をして首を振るだけであった。
「いや、何でもありません。演習開始からだいぶ時間も経っているのであります。恐らく、本部はこちらに人を回す気はないと思われます」
カレルは思わずデーゲンハルトの顔を見直してしまう。経験と年齢で、魔法医療学受講生のリーダー扱いとなっているデーゲンハルトである。その彼が、本部は魔法医療学の受講生を軽く扱っているという意味の発言をしたのは重かった。
「そんな。負傷者がでたら如何するつもりなんですか」
「今回の演習では、致命傷と相当するダメージを受けた場合、即座に演習場からエスケープさせられ、外部で治療を受けます。つまり、死者はでないのであります。ならば、死ぬ直前まで戦えるだろうというのが、本部の心積もりでありますね」
カレルはしばし呆然としたが、デーゲンハルトはそんなカレルを見ながら呟いた。
「この本陣の配置も見事なものであります。登坂口は一箇所のみであり、まともに進めば常に3方向から迎撃部隊の魔法や矢に晒されます。対するは成人前後の少女が4人でありますからね、普通であれば圧勝と考えても可笑しくないのであります」
とはいえ、とデーゲンハルトは言葉を続けた。
「こちらも実習として参加している以上、せめて連絡係は付けていただきませんと困るのであります。ここは、レギニータ殿の支援にまいるのであります。いきますよ、カレル殿」
そういってデーゲンハルトは残るサンドラとクラリスに声を駆けた後、本陣がある丘陵へと登坂を開始したのであった。カレンはそんなデーゲンハルトの後について、ひょこひょこ歩き出す。歩き出して数分経っただろうか、突如本陣脇に眩いばかりの光の柱が立ち上り、目を伏せたカレルは、直後に悲鳴じみた驚きの声を聞いたのである。
「おいっ、遊撃隊の居た丘が消えちまったぞ」
「嘘でしょう、どんな魔法よ、光属性の魔法なんて、聖職者の方々しかつかえないはず」
眩しさに腕で顔を隠していたデーゲンハルトは、カレルに向って叫んだ。
「カレル殿、至急待機所で治療の準備を整えて下さい。場合によっては、緊急で現地に向う必要があるのであります。自分は、本部の指示を仰ぎます」
そう言って走り出していってしまう。カレルは慌ててきた道を戻ろうとするが、先ほどの光の柱が目に焼きついてしまい、足がすくんで度々転んでしまった。
(あれが、アレキサンドリアの悪魔、クロエさんの魔法攻撃っ、あんなの喰らったらエスケープなんて出来るの?)
丘陵の道半ばで、本陣を目指す他の受講者から、講師たちが本陣麓に現われたことをきいたカレルは、完全に逃げ腰となり、その場をなんとか離れようとしていたが、腰が抜けたように動けない。
「ははっ、駄目だ。僕にはやっぱり……」
呟いたその時であった。
「あれっ、こんな所で何をしているんですの? カレル」
声をかけてきたのはレギニータ。カレルはレギニータが少し苦手だ。レギニータは綺麗で陽気な明るい性格をしているが、時折カレルに対して妙に冷たいところがある。突き放した感じが、年下なのにカレルをかまい倒そうとする、サンドラやクラリスちは違っていた。
そんなレギニータの前で、なんとか意地で立ち上がったカレルであったが、引き続き襲った『ズンッ』という縦揺れに、完全に腰を抜かしてしまう
「う、うひゃぁ。なんだよこれ。地面が……」
「火山の噴火? いえ、違う。地震?」
咄嗟にレギニータは丘陵の上に目をやる。一方のカレルは、生家のある地方は地震に無縁の為、何が起こっているか理解すらできていない。
『ズズズズッズズズズズ』と地面が振動し、立っている事もできなくなった直後、丘陵を走った亀裂は、あっさりとレギニータとカレルの間で口を開いた。
『ドンッ』と突き上げる身体を突き上げる感覚に、レギニータの身体は中に浮く。
「むぅ、まずいですの。《魔力よ、壁となりて敵の攻撃を弾け!障壁》」
咄嗟に展開した障壁とともに、レギニータの周囲を満たした海水が急速に土砂の流れと速度を合わせて流れを作り、レギニータ自身の位置は殆ど変わらずに、高さだけを減じた丘の上へと軟着陸する。
「カレル……は、残念ながらのまれたんですの……」
レギニータの見た、カレルは座り込んだ姿勢のまま、《障壁》すら張らずに土砂に飲み込まれていった。
周囲の様子をみて、ぽかんとした表情を浮かべたレギニータは、「すごい!すごい!」と連呼する。
(さすがは『裁きの巫女』と呼ばれるだけあるんですの。こんな方が味方になって暮れれば最高なんですが……)
途端に暗い表情を浮かべたレギニータは、周囲の水の気配を探知し、治療の為の移動を開始したのであった。
魔法医療学受講生『カレル・スミット』は、転送された丘陵地で周囲を見渡して、思わず呟いていた。
吹き抜ける風は、秋の風。丘陵地には疎らに点在するが、麓は一面の草原である。
秋の風が、『ザァッ』と一面に広がるススキの穂を揺らし波打つ姿は、まさに黄金の海の様であった。
「これがさっきまで僕達がいた野外演習場にあるなんて信じられませんね」
カレルは傍らに佇むデーゲンハルトに話しかける。カレルより3歳年長の20歳であるデーゲンハルトは、既に5年の経験がある中堅に入りかけの冒険者であり、アルベニア王国内の各地を冒険した経験もあり、カレルとしてはついつい頼ってしまう兄貴分でもあった。
デーゲンハルトは、手早く自分自身の背嚢や装備類の確認を終えて、符術士基礎講座の学生から配布されていた陣地の地図に示された待機場所へと歩き出している。
「カレル殿、既に演習は開始されているのであります。指示された場所に移動するのであります」
誰にでも下級兵士が話す様な言葉を使うデーゲンハルトである。カレルはそんなデーゲンハルトに付き従い、丘陵地中腹に設置されている救護班詰め所に向った。
救護班詰め所には既に3人の女性受講生も待機していたが、彼女達とのカレルの間での会話は少ない。カレルには2人の姉がおり、末っ子のカレルは姉達が成人するまで、かまいまくられていた為、女性を苦手と感じていた事もある為であろう。女性の受講者は、身体つきは年相応なのに、精神的に幼く感じるカレルに対し、特別好悪の感情を持っている訳ではなかったのだが……
集合直後、青味がかった銀髪の少女(といっても、カレルと同年であるが)のレギニータがデーゲンハルトに声をかけると、花が咲くような微笑を残し、丘陵の上へと歩いていった。
(あいかわらず、綺麗な子だよなぁ)
カレルはそう思いつつも、デーゲンハルトに声をかける。
「デーゲンハルトさん、レギニータさんは何処にいったんです?」
興味深そうに尋ねるカレルに、デーゲンハルトは生真面目に答える。
「レギニータ殿は本部に連絡要員として、符術士の待機をお願いにいったのでありますが……」
今一つ歯切れの悪い答えに、カレルは首を傾げる。
「どうかしたんですか?」
カレルは質問したが、デーゲンハルトは難しい顔をして首を振るだけであった。
「いや、何でもありません。演習開始からだいぶ時間も経っているのであります。恐らく、本部はこちらに人を回す気はないと思われます」
カレルは思わずデーゲンハルトの顔を見直してしまう。経験と年齢で、魔法医療学受講生のリーダー扱いとなっているデーゲンハルトである。その彼が、本部は魔法医療学の受講生を軽く扱っているという意味の発言をしたのは重かった。
「そんな。負傷者がでたら如何するつもりなんですか」
「今回の演習では、致命傷と相当するダメージを受けた場合、即座に演習場からエスケープさせられ、外部で治療を受けます。つまり、死者はでないのであります。ならば、死ぬ直前まで戦えるだろうというのが、本部の心積もりでありますね」
カレルはしばし呆然としたが、デーゲンハルトはそんなカレルを見ながら呟いた。
「この本陣の配置も見事なものであります。登坂口は一箇所のみであり、まともに進めば常に3方向から迎撃部隊の魔法や矢に晒されます。対するは成人前後の少女が4人でありますからね、普通であれば圧勝と考えても可笑しくないのであります」
とはいえ、とデーゲンハルトは言葉を続けた。
「こちらも実習として参加している以上、せめて連絡係は付けていただきませんと困るのであります。ここは、レギニータ殿の支援にまいるのであります。いきますよ、カレル殿」
そういってデーゲンハルトは残るサンドラとクラリスに声を駆けた後、本陣がある丘陵へと登坂を開始したのであった。カレンはそんなデーゲンハルトの後について、ひょこひょこ歩き出す。歩き出して数分経っただろうか、突如本陣脇に眩いばかりの光の柱が立ち上り、目を伏せたカレルは、直後に悲鳴じみた驚きの声を聞いたのである。
「おいっ、遊撃隊の居た丘が消えちまったぞ」
「嘘でしょう、どんな魔法よ、光属性の魔法なんて、聖職者の方々しかつかえないはず」
眩しさに腕で顔を隠していたデーゲンハルトは、カレルに向って叫んだ。
「カレル殿、至急待機所で治療の準備を整えて下さい。場合によっては、緊急で現地に向う必要があるのであります。自分は、本部の指示を仰ぎます」
そう言って走り出していってしまう。カレルは慌ててきた道を戻ろうとするが、先ほどの光の柱が目に焼きついてしまい、足がすくんで度々転んでしまった。
(あれが、アレキサンドリアの悪魔、クロエさんの魔法攻撃っ、あんなの喰らったらエスケープなんて出来るの?)
丘陵の道半ばで、本陣を目指す他の受講者から、講師たちが本陣麓に現われたことをきいたカレルは、完全に逃げ腰となり、その場をなんとか離れようとしていたが、腰が抜けたように動けない。
「ははっ、駄目だ。僕にはやっぱり……」
呟いたその時であった。
「あれっ、こんな所で何をしているんですの? カレル」
声をかけてきたのはレギニータ。カレルはレギニータが少し苦手だ。レギニータは綺麗で陽気な明るい性格をしているが、時折カレルに対して妙に冷たいところがある。突き放した感じが、年下なのにカレルをかまい倒そうとする、サンドラやクラリスちは違っていた。
そんなレギニータの前で、なんとか意地で立ち上がったカレルであったが、引き続き襲った『ズンッ』という縦揺れに、完全に腰を抜かしてしまう
「う、うひゃぁ。なんだよこれ。地面が……」
「火山の噴火? いえ、違う。地震?」
咄嗟にレギニータは丘陵の上に目をやる。一方のカレルは、生家のある地方は地震に無縁の為、何が起こっているか理解すらできていない。
『ズズズズッズズズズズ』と地面が振動し、立っている事もできなくなった直後、丘陵を走った亀裂は、あっさりとレギニータとカレルの間で口を開いた。
『ドンッ』と突き上げる身体を突き上げる感覚に、レギニータの身体は中に浮く。
「むぅ、まずいですの。《魔力よ、壁となりて敵の攻撃を弾け!障壁》」
咄嗟に展開した障壁とともに、レギニータの周囲を満たした海水が急速に土砂の流れと速度を合わせて流れを作り、レギニータ自身の位置は殆ど変わらずに、高さだけを減じた丘の上へと軟着陸する。
「カレル……は、残念ながらのまれたんですの……」
レギニータの見た、カレルは座り込んだ姿勢のまま、《障壁》すら張らずに土砂に飲み込まれていった。
周囲の様子をみて、ぽかんとした表情を浮かべたレギニータは、「すごい!すごい!」と連呼する。
(さすがは『裁きの巫女』と呼ばれるだけあるんですの。こんな方が味方になって暮れれば最高なんですが……)
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