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5.南海の秘宝
31.水中での戦い②
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「次は誰が行きます?」
僕の言葉にイリスさんもユイも、そしてユーリアちゃんも顔を見合わせます。まあ、僕達の中でも物理攻撃力が最も高いエマでさえ、レギニータに掠り傷さえ負わせることができないのですから、その反応になるでしょうね。
ジェシーが手を上げようとしていましたが、僕はそれを視線でやめさせていいます。
「じゃあ、僕が次に戦うので、ジェシーとエマはその分析をお願い。海水は一度入れ替えて、肉食魚も付近から話すけど、それでいいかな?」
後半のセリフは、レギニータに向けての言葉です。レギニータはイリスさん達の反応が当然と思っていたのに、僕が戦うと言ったので、少し驚きの表情を見せています。
「レギはかまいませんですの。でも、地上の人に海中での戦いは不利だということが分かっても、レギと戦うんですの?」
青みがかった銀髪を揺らすレギニータに、僕は答えました。
「戦わないに越したことはないけど、戦わないといけない時に何もできないんじゃ困るしね。それに、僕は飛び道具を持っているからね」
そして右のガンブレードを取り出し、レギに照準を合わせます。モードは銃モードですから、みためはコルトパイソンと同じです。でも、レギニータは銃身をみて、銃の一種だと分かったようですね。
「それは、銃なんですの? エリクシア兵が使っているものはもっと大きくて長かったんですの」
「これは火薬式の銃じゃないからね。魔導銃だよ。でも、物理攻撃モードにすれば、水中でも打つことは可能だしね。あぁ、エリクシアの銃は水中では使えないから安心していいよ」
僕の言葉にレギニータのこわばっていた表情が和らぎます。水中でも銃が使えるならば、人魚といえどエリクシア兵に接近することはたやすくありませんからね。
でも、僕と戦う場合には、接近しづらいことはわかるのでしょう。
「クロエ様だけでも、水中戦の訓練ができれば役にたつことになるんですの」
レギの言葉に僕は頭を振ります。
「初戦のエマは仕方ないとしても、『アレキサンドライト』の皆はそんな甘い人じゃないよ。僕が戦い方を示せば、みんな自分なりに応用して戦ってくれるよ」
そう言って、僕は仲間達に視線を戻して微笑みました。そして、フィールドにレギとともに転移しました。
*****
さて、皆の前でああは言いましたが、これはかなり厄介ですね。まずは、エマが頑張って取ってくれた情報から、水魔法で動きを阻害する水の抵抗を和らげます。
「《水の精霊よ、我に加護をお与えください。水がわが動きを鈍らさぬように。アクアベール》」
アクアベールの魔法で、全身を覆った僕は、水の抵抗を無視して変わらぬ速度で体を動かすことができます。とはいえ、まさに地に足がついていない状況ですからね。姿勢が安定しないのは、エマが戦った時と変わりません。
そんな僕の状況をみて、レギニータも余裕を取り戻したようですね。恐らく最初にこちらに銃を撃たせて、その威力を確認しようとするでしょう。
戦闘に勝つだけなら、初弾で仕留めればよいのですが、それではみんなの参考になりませんからね。
『それでは、開始してください』
僕の代わりに、ユイの優しいソプラノの声が響きます。その声に、なんとなく信頼を感じて、僕も微笑みを浮かべてしまいます。
では、物理攻撃行きますか!
「《氷弾》」
水の抵抗を考えると、腕や足などの細い部位を狙うのは難しいと判断した僕は、レギニータの胴体を狙って、3連射します。距離は10m程ですが、打ち出された氷弾は、銃身に刻まれたライフリングによって高速回転しながら、レギニータに向かいます。
さて、小口径のためですし、魔導銃ですから、射撃音も炎もでません。撃たれたかどうかの判断は非常につきづらいはずですが、やはり人魚族にはつうじませんか。
レギニータの至近距離まで迫った氷弾は、気づかれてしまったようで尾を振って横に移動したレギニータを掠めるにとどまります。
「掠るのがやっとですか……それに、だいぶ弾速も落ちますね」
掠ったのに驚いたのか、レギニータは距離を取りますが、その距離ではそちらの攻撃は通りませんよ。そう思っていたら、レギニータは僕から距離を取ったまま、右回りに回り込もうとします。
むぅ、地上程早く身体を回せないと予想されていますね。でも、その程度は僕も予想済みです。エマの奮戦は無駄にはしませんよ。
踏み込んだ足、靴の下の海水を一瞬固めて足場とした僕はそのまま無理なく体を回してレギニータに照準をつけ続けます。これは、ラビの変異種が雪上で踏み込む為に、魔法で足場を固めていた事の応用です。とはいえ、今のレギニータとの距離では氷弾が当たっても、ダメージにはならないようですね。
「《水よ渦巻き、かの者を飲み込め 水竜巻》」
レギの魔法詠唱で、僕の周りの海水が、突然渦を巻き始まます。でもアクアベールに覆われた僕には、水の流れは抵抗にはなりません。そう思った矢先のことです。水の流れは下から上に、周囲のものを巻き上げます。もちろん、スカートの裾さえも……
もともと水中でふわふわしていましたからね。多少めくれても仕方ないと思っていましたが、こうまで勢いよくめくれると、一瞬焦ります。咄嗟に左手でめくれるスカートを抑えた瞬間、レギニータが人魚族である最大の利点、水中での高速移動を使って、あっという間に距離を詰めてきます。
ドルフィン泳法で頭からまっすぐに向かってくるレギニータは、僕から見れば頭と肩程度しか見えません。
咄嗟に氷弾を3発撃ちますが、レギニータは尾をくねらせて、右に左にと身をかわし、急速に接近してきます。多少移動してもかわせませんね、これは。
僕は右のガンブレードのモードを切り替え、魔法剣を銃身にそって生成します。そのままレギニータが付きこんできたトライデントの三又に打合わせ、トライデントを止めた直後のことでした。
「ガッ、!#&%」
右からの急な打撃に、僕の身体は水中とはいえ大きく飛ばされます。アクアベールが水の抵抗を和らげているせいで、普通なら数メートルで止まったでしょうが、そのまま海中の岩に身体を叩きつけられて、僕は一瞬息が詰まります。
岩に当たった所為で左腕に痛みが走りますが、辛うじて折れたりはしなかったようですね。とはいえ、何が起きたのでしょう。
痛む左手で、右脇腹を押さえますが、切られたわけではありませんね。トライデントはガンブレードで押さえていたのですから。
僕の視線の先では、レギニータが悠然と魚身と化した尾を振っています。なるほど、今のは尾による一撃ですか……
動きやすくするためのアクアベールを逆手にとった尾による一撃といい、その前の水竜巻での僕の注意を引きつけたりと、レギニータはイリスさんの受講生、回復役といえど、人魚族の水中での戦闘力は侮れませんね……
僕の言葉にイリスさんもユイも、そしてユーリアちゃんも顔を見合わせます。まあ、僕達の中でも物理攻撃力が最も高いエマでさえ、レギニータに掠り傷さえ負わせることができないのですから、その反応になるでしょうね。
ジェシーが手を上げようとしていましたが、僕はそれを視線でやめさせていいます。
「じゃあ、僕が次に戦うので、ジェシーとエマはその分析をお願い。海水は一度入れ替えて、肉食魚も付近から話すけど、それでいいかな?」
後半のセリフは、レギニータに向けての言葉です。レギニータはイリスさん達の反応が当然と思っていたのに、僕が戦うと言ったので、少し驚きの表情を見せています。
「レギはかまいませんですの。でも、地上の人に海中での戦いは不利だということが分かっても、レギと戦うんですの?」
青みがかった銀髪を揺らすレギニータに、僕は答えました。
「戦わないに越したことはないけど、戦わないといけない時に何もできないんじゃ困るしね。それに、僕は飛び道具を持っているからね」
そして右のガンブレードを取り出し、レギに照準を合わせます。モードは銃モードですから、みためはコルトパイソンと同じです。でも、レギニータは銃身をみて、銃の一種だと分かったようですね。
「それは、銃なんですの? エリクシア兵が使っているものはもっと大きくて長かったんですの」
「これは火薬式の銃じゃないからね。魔導銃だよ。でも、物理攻撃モードにすれば、水中でも打つことは可能だしね。あぁ、エリクシアの銃は水中では使えないから安心していいよ」
僕の言葉にレギニータのこわばっていた表情が和らぎます。水中でも銃が使えるならば、人魚といえどエリクシア兵に接近することはたやすくありませんからね。
でも、僕と戦う場合には、接近しづらいことはわかるのでしょう。
「クロエ様だけでも、水中戦の訓練ができれば役にたつことになるんですの」
レギの言葉に僕は頭を振ります。
「初戦のエマは仕方ないとしても、『アレキサンドライト』の皆はそんな甘い人じゃないよ。僕が戦い方を示せば、みんな自分なりに応用して戦ってくれるよ」
そう言って、僕は仲間達に視線を戻して微笑みました。そして、フィールドにレギとともに転移しました。
*****
さて、皆の前でああは言いましたが、これはかなり厄介ですね。まずは、エマが頑張って取ってくれた情報から、水魔法で動きを阻害する水の抵抗を和らげます。
「《水の精霊よ、我に加護をお与えください。水がわが動きを鈍らさぬように。アクアベール》」
アクアベールの魔法で、全身を覆った僕は、水の抵抗を無視して変わらぬ速度で体を動かすことができます。とはいえ、まさに地に足がついていない状況ですからね。姿勢が安定しないのは、エマが戦った時と変わりません。
そんな僕の状況をみて、レギニータも余裕を取り戻したようですね。恐らく最初にこちらに銃を撃たせて、その威力を確認しようとするでしょう。
戦闘に勝つだけなら、初弾で仕留めればよいのですが、それではみんなの参考になりませんからね。
『それでは、開始してください』
僕の代わりに、ユイの優しいソプラノの声が響きます。その声に、なんとなく信頼を感じて、僕も微笑みを浮かべてしまいます。
では、物理攻撃行きますか!
「《氷弾》」
水の抵抗を考えると、腕や足などの細い部位を狙うのは難しいと判断した僕は、レギニータの胴体を狙って、3連射します。距離は10m程ですが、打ち出された氷弾は、銃身に刻まれたライフリングによって高速回転しながら、レギニータに向かいます。
さて、小口径のためですし、魔導銃ですから、射撃音も炎もでません。撃たれたかどうかの判断は非常につきづらいはずですが、やはり人魚族にはつうじませんか。
レギニータの至近距離まで迫った氷弾は、気づかれてしまったようで尾を振って横に移動したレギニータを掠めるにとどまります。
「掠るのがやっとですか……それに、だいぶ弾速も落ちますね」
掠ったのに驚いたのか、レギニータは距離を取りますが、その距離ではそちらの攻撃は通りませんよ。そう思っていたら、レギニータは僕から距離を取ったまま、右回りに回り込もうとします。
むぅ、地上程早く身体を回せないと予想されていますね。でも、その程度は僕も予想済みです。エマの奮戦は無駄にはしませんよ。
踏み込んだ足、靴の下の海水を一瞬固めて足場とした僕はそのまま無理なく体を回してレギニータに照準をつけ続けます。これは、ラビの変異種が雪上で踏み込む為に、魔法で足場を固めていた事の応用です。とはいえ、今のレギニータとの距離では氷弾が当たっても、ダメージにはならないようですね。
「《水よ渦巻き、かの者を飲み込め 水竜巻》」
レギの魔法詠唱で、僕の周りの海水が、突然渦を巻き始まます。でもアクアベールに覆われた僕には、水の流れは抵抗にはなりません。そう思った矢先のことです。水の流れは下から上に、周囲のものを巻き上げます。もちろん、スカートの裾さえも……
もともと水中でふわふわしていましたからね。多少めくれても仕方ないと思っていましたが、こうまで勢いよくめくれると、一瞬焦ります。咄嗟に左手でめくれるスカートを抑えた瞬間、レギニータが人魚族である最大の利点、水中での高速移動を使って、あっという間に距離を詰めてきます。
ドルフィン泳法で頭からまっすぐに向かってくるレギニータは、僕から見れば頭と肩程度しか見えません。
咄嗟に氷弾を3発撃ちますが、レギニータは尾をくねらせて、右に左にと身をかわし、急速に接近してきます。多少移動してもかわせませんね、これは。
僕は右のガンブレードのモードを切り替え、魔法剣を銃身にそって生成します。そのままレギニータが付きこんできたトライデントの三又に打合わせ、トライデントを止めた直後のことでした。
「ガッ、!#&%」
右からの急な打撃に、僕の身体は水中とはいえ大きく飛ばされます。アクアベールが水の抵抗を和らげているせいで、普通なら数メートルで止まったでしょうが、そのまま海中の岩に身体を叩きつけられて、僕は一瞬息が詰まります。
岩に当たった所為で左腕に痛みが走りますが、辛うじて折れたりはしなかったようですね。とはいえ、何が起きたのでしょう。
痛む左手で、右脇腹を押さえますが、切られたわけではありませんね。トライデントはガンブレードで押さえていたのですから。
僕の視線の先では、レギニータが悠然と魚身と化した尾を振っています。なるほど、今のは尾による一撃ですか……
動きやすくするためのアクアベールを逆手にとった尾による一撃といい、その前の水竜巻での僕の注意を引きつけたりと、レギニータはイリスさんの受講生、回復役といえど、人魚族の水中での戦闘力は侮れませんね……
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