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第3章 ここから始まる転換点?
三十四日目⑥ マイナス思考
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「ふい~。おつかれさまぁ~。周囲に敵影は無いよ~。」
「あぁ、俺の範囲にも居ないね。」
どうやら、完全に戦闘は終了したようだ。
デイジーの感知範囲内にも引っ掛からないようだ。
俺の範囲より広いので、ある意味デイジーのみでもいい気がしてならない。
「それにしても、俺はかなりまずいな。」
「どうしたの、カイト?」
エルダが俺の独り言を聞いていたようで、心配そうな顔をしていた。
俺は繕う様になんでもないと返事をしてしまった。
なんでもないわけはない。
これはかなり深刻だ。
俺はこの戦闘でみんなに全くと言っていいほど付いて行けて無かった。
出だしから完全に後れを取って、最後の討伐の場面でも完全にデイジーのアシストで倒せたようなものだ。
あれはデイジー一人でも余裕で倒せていただはずだ。
どう見てもあれはヘッドショットを狙った方が効率がいい場面だった。
だけどデイジーはそれを選択しないで、俺のアシストに回った。
しかも狙いずらい足を射抜く形でだ。
俺の頭の中は焦りでいっぱいだった。
どれだけ考えても、皆に追いつける気がしない。
ポールのように状況判断は早く出来ない。
エルダのように臨機応変な対応が出来ない。
デイジーのように周辺警戒も出来ない。
出来ない尽くしで自分に腹が立つ。
むしろ、俺がいない方が……この三人だけの方が安定して戦えるのではないか。
俺は居ない方が……
「カイト!!」
パン!!
?!
エルダがいきなり俺の頬をビンタした。
どうして?
「カイト、今『俺はいない方が、戦闘が安定したんじゃないか?』って考えていたでしょ?そして、『俺が居ない方が良い』って結論付けようとしたんじゃない?」
「そ、そんなことは……」
ある。そう思ってしまっていた。
エルダは、とても悲しそうな表情を浮かべていた。
どうしてそんなに悲しそうな顔をするんだ?
「カイト……、貴方は馬鹿よ。ここに何しに来たの?よく考えて?」
「何しに……」
エルダが言っている意味が分からない。
ここには素材集めに来ている。
素材を集めて、装備を整えて、さらに次のダンジョンへ。
それを繰り返せばそれなりに強くなれる。
そう考えていたし、それしかなかった。
「はっきり言ってあげる。貴方は弱いわ。それは当たり前よ。だって貴方はここに来るまでは、戦いの無い世界で生きてきたんだもの。私やデイジー、ポールは小さいころから戦うのが当たり前だったのよ?そんな私たちにカイトがすぐ追いつけるわけがないじゃない。」
確かにそうかもしれない。
ここに来て一か月を過ぎたけど、一か月前は戦う必要の無い世界で生きてきたのだ。
【生きる】経験値が違いすぎる。
そうか、最近慣れてきたせいで忘れていた。
俺は初心者なんだ。
いきなりDランクに上げられたけど、戦う為の術を全くと言っていいほど知らないんだ。
なまじスキルがあるから、それで何とかするものだと勝手に思い込んでいただけなのか……
「うん、何となく理解できたみたいね。ほんとギルマスは囲い込む為とはいえ、いきなりランクを上げ過ぎよ。一度Eランクで様子を見るべきところを、一気にDランクに上げた弊害が、今のカイトよ。」
エルダは、今度はシャバズのおっちゃんに文句を付けていた。
確かにあれは俺もないわと思った。
おかげで宿舎をいきなり追い出される羽目になったんだから。
「だから私たちが居るの。本来はFランクの時にパーティーを探して徐々に共闘することを学ぶの。人によってはそのまま組み続けるし、場合によっては別の人と組むかもしれない。そうやって、経験を積んでやっとEランク。冒険者としての本当の第一歩を踏むのよ。」
なるほどね。俺はそれを全部ぶっ飛ばしてDランクに上がり、スキルと職業の関係で、すべて一人でこなしてしまった。
それが今になって、問題として露呈したと。
「カイト、俺とデイジーが結んだ契約にはこう記載がった。”カイトの護衛および戦闘訓練官。ただし、カイトには内密とする”と。すまない、契約上本来は話すべきではないと思ったんだが、このままではカイトが自滅してしまいそうだったんでな。」
そっか、ポールとデイジーはそんな契約だったんだな。
あぁ~、おっちゃんが手回ししてくれてたってことか。
なんだかんだ言って甘いよな。
俺はなんだか嬉しくも、気恥ずかしくなってしまった。
さっきまでの鬱屈した気持ちが、どこかへ行ってしまった。
そんな感じだ。
「うんうん、なんか吹っ切れたみたいね?」
「あぁ、すまない。どこかで、俺の中に慢心があったみたいだ。なまじスキルのせいで異常異常言われてきたから、『俺は特別だ』みたいに思っていたようだ。」
デイジーは、俺の表情が落ち着いたのを感じ取ったらしい。
ニヒヒと笑いながら、話しかけてきた。
俺の中のモヤッとしたものは、もうどこにもなかった。
「みんな頼みがある。俺を鍛えてくれ。みんなに追いつけるように頑張るから。だから力を貸してほしい!!」
俺はみんなに頭を下げた。
この世界に来て初めてかもしれない。
本気で教えを乞うたのは。
本当は最初の講習の時、シャバズのおっちゃんにそうすべきだったんだろうな。
きっとそこから間違っていたのだろう。
「「「任された!!」」」
3人の返事を聞いた俺は、本気で強くなると誓ったのだった。
「あぁ、俺の範囲にも居ないね。」
どうやら、完全に戦闘は終了したようだ。
デイジーの感知範囲内にも引っ掛からないようだ。
俺の範囲より広いので、ある意味デイジーのみでもいい気がしてならない。
「それにしても、俺はかなりまずいな。」
「どうしたの、カイト?」
エルダが俺の独り言を聞いていたようで、心配そうな顔をしていた。
俺は繕う様になんでもないと返事をしてしまった。
なんでもないわけはない。
これはかなり深刻だ。
俺はこの戦闘でみんなに全くと言っていいほど付いて行けて無かった。
出だしから完全に後れを取って、最後の討伐の場面でも完全にデイジーのアシストで倒せたようなものだ。
あれはデイジー一人でも余裕で倒せていただはずだ。
どう見てもあれはヘッドショットを狙った方が効率がいい場面だった。
だけどデイジーはそれを選択しないで、俺のアシストに回った。
しかも狙いずらい足を射抜く形でだ。
俺の頭の中は焦りでいっぱいだった。
どれだけ考えても、皆に追いつける気がしない。
ポールのように状況判断は早く出来ない。
エルダのように臨機応変な対応が出来ない。
デイジーのように周辺警戒も出来ない。
出来ない尽くしで自分に腹が立つ。
むしろ、俺がいない方が……この三人だけの方が安定して戦えるのではないか。
俺は居ない方が……
「カイト!!」
パン!!
?!
エルダがいきなり俺の頬をビンタした。
どうして?
「カイト、今『俺はいない方が、戦闘が安定したんじゃないか?』って考えていたでしょ?そして、『俺が居ない方が良い』って結論付けようとしたんじゃない?」
「そ、そんなことは……」
ある。そう思ってしまっていた。
エルダは、とても悲しそうな表情を浮かべていた。
どうしてそんなに悲しそうな顔をするんだ?
「カイト……、貴方は馬鹿よ。ここに何しに来たの?よく考えて?」
「何しに……」
エルダが言っている意味が分からない。
ここには素材集めに来ている。
素材を集めて、装備を整えて、さらに次のダンジョンへ。
それを繰り返せばそれなりに強くなれる。
そう考えていたし、それしかなかった。
「はっきり言ってあげる。貴方は弱いわ。それは当たり前よ。だって貴方はここに来るまでは、戦いの無い世界で生きてきたんだもの。私やデイジー、ポールは小さいころから戦うのが当たり前だったのよ?そんな私たちにカイトがすぐ追いつけるわけがないじゃない。」
確かにそうかもしれない。
ここに来て一か月を過ぎたけど、一か月前は戦う必要の無い世界で生きてきたのだ。
【生きる】経験値が違いすぎる。
そうか、最近慣れてきたせいで忘れていた。
俺は初心者なんだ。
いきなりDランクに上げられたけど、戦う為の術を全くと言っていいほど知らないんだ。
なまじスキルがあるから、それで何とかするものだと勝手に思い込んでいただけなのか……
「うん、何となく理解できたみたいね。ほんとギルマスは囲い込む為とはいえ、いきなりランクを上げ過ぎよ。一度Eランクで様子を見るべきところを、一気にDランクに上げた弊害が、今のカイトよ。」
エルダは、今度はシャバズのおっちゃんに文句を付けていた。
確かにあれは俺もないわと思った。
おかげで宿舎をいきなり追い出される羽目になったんだから。
「だから私たちが居るの。本来はFランクの時にパーティーを探して徐々に共闘することを学ぶの。人によってはそのまま組み続けるし、場合によっては別の人と組むかもしれない。そうやって、経験を積んでやっとEランク。冒険者としての本当の第一歩を踏むのよ。」
なるほどね。俺はそれを全部ぶっ飛ばしてDランクに上がり、スキルと職業の関係で、すべて一人でこなしてしまった。
それが今になって、問題として露呈したと。
「カイト、俺とデイジーが結んだ契約にはこう記載がった。”カイトの護衛および戦闘訓練官。ただし、カイトには内密とする”と。すまない、契約上本来は話すべきではないと思ったんだが、このままではカイトが自滅してしまいそうだったんでな。」
そっか、ポールとデイジーはそんな契約だったんだな。
あぁ~、おっちゃんが手回ししてくれてたってことか。
なんだかんだ言って甘いよな。
俺はなんだか嬉しくも、気恥ずかしくなってしまった。
さっきまでの鬱屈した気持ちが、どこかへ行ってしまった。
そんな感じだ。
「うんうん、なんか吹っ切れたみたいね?」
「あぁ、すまない。どこかで、俺の中に慢心があったみたいだ。なまじスキルのせいで異常異常言われてきたから、『俺は特別だ』みたいに思っていたようだ。」
デイジーは、俺の表情が落ち着いたのを感じ取ったらしい。
ニヒヒと笑いながら、話しかけてきた。
俺の中のモヤッとしたものは、もうどこにもなかった。
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本気で教えを乞うたのは。
本当は最初の講習の時、シャバズのおっちゃんにそうすべきだったんだろうな。
きっとそこから間違っていたのだろう。
「「「任された!!」」」
3人の返事を聞いた俺は、本気で強くなると誓ったのだった。
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