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武人祭
子育て
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「兄さん、赤ちゃんの抱き方ってこれでいいの?」
ノクトが魔族の赤ん坊を抱きながら聞いてきた。
「もう少し首に負担をかけないようにした方がいい。二の腕を枕にする感じで。フィーナを見本にするといいぞ」
そう言って俺とノクトはフィーナに視線を送る。
憂鬱そうにして赤ん坊を二人同時に寝かせてる姿は様になっていた。
フィーナが視線を送る二人に気付くと、プイッとそっぽを向いてしまう。
「・・・・・・フィーナさんってなんか、いつも不機嫌ですよね」
「あれは不機嫌なんじゃなく、ツンデレって言うんだよ。怒ってるわけじゃないから気にしなくていい」
「そうなんですか?・・・・・・その割にすっごい睨んできてますけど・・・・・・」
俺の言葉が聞こえていたのか、フィーナは赤くした顔で再び振り返り睨む。
赤ん坊を抱いていて大声を出せないフィーナは、『あとで殺す!』と口パクをする。
しかし俺たちから見れば、怖さよりも可愛さが先行してしまい、つい笑ってしまう。
「あとで絶対フィーナさんに怒られますよ、これ」
「んなもん、聞き流しときゃいいんだよ。暴力だって本気でしてくるわけじゃないし」
そう言いながら他の奴らの様子を見渡す。
今、俺たちがいるのは魔空間の中だ。それも、軽く村と言える規模の家々が建ち並んでいる。
作ったのは全てほとんど俺だ。ここに住んでいる奴らにも手伝ってももらって出来上がった。
そして今、子育ての経験がある奴らを含めて、子守りをしている。
ヘレナは一応抱いてはいるものの、どうしていいかわからず、オロオロしながらその赤ん坊の母親や他の奴らからアドバイスを受けていた。
イリーナは慣れた様子で赤ん坊二人のオムツなどを取り替えて、周りの連中も感心していた。
クリララも若干不慣れな感じではあるが、哺乳瓶でミルクを作ってやっている。
メアとミーナは二人で一人の赤ん坊を見ている。一応、母親も傍にいるが、一人だと不安だと言うので二人で組ませている。
こうやって見ると、これだけで子育てのが大変だとよくわかる。
すると、意外と赤ん坊の遊び相手になっていたユウキが、顔を引っ張られたまま俺の姿を見て苦笑いをする。
「お前はどんだけ扱い慣れているんだ?凄い状態なんだが・・・・・・」
俺の状態は腕に一人、背中に背負ってるのが一人、胡座を掻いて赤ん坊を両足にそれぞれ一人ずつ寝かせている。
全員特に騒ぐでもなく、スヤスヤと眠っていたり、大人しく自らの親指を咥えていたりするだけだった。
つまり俺は今、赤ん坊を四人同時に相手しているわけだ。
「抱いてるだけなんだがな。大人しくしてくれて助かるよ」
「本当に父親と思っているのではないですか?」
カシアが笑いながら冗談混じりにそう言うと、メアとミーナがジト目で睨んできていた。
「だからやめろって。四児の父親とか、まだ早いだろ」
「魔王様は人間で、年齢は十八になるのですよね?もう子作りを始めている時期なのでは?」
その直球な質問に、こっちの話を聞いていたメアが今度は吹き出してしまい、ミーナも若干頬を赤くする。
顔を険しくしたり赤くしたり・・・・・・あいつらも忙しないな。
「たしかにそうだが、気持ちの問題だ。相手がいるいないの話じゃなく、まだ父親になる覚悟がないって事だ」
「その言葉、相手の方が聞いたらきっと泣いてしまいますよ?」
なんてカシアが忠告気味に言うが、その相手に相当するであろう二人はそれどころではないようだ。
メアたちは互いに話し合い、『先にミーナが・・・・・・』とか『メアが成人するまで・・・・・・』みたいなのがちょくちょく聞こえ、何の話をしているか気になるのと同時に心配になってきていた。
何はともあれ、未だ学生気分の取れない俺が父親というのは変な話である。
よく聞く、育てるための収入が心配だとか、一人の時間を味わいたいなどというのはないが、そもそも恋愛云々の問題が解決していない。
こんな俺が誰かを愛して子を成すなど、到底無理な話だ。
だから俺はこの話を、軽く笑って返す。
「そんだけ本気になってくれる相手がいてくれるなら、嬉しい限りだがな」
そう言いつつ、メアたちに視線を送る。
俺の視線先に気付いたカシアも微笑む。
「魔王様のような優しい方が相手なら、本気になりますよ。私も年甲斐もなく、ときめきそうになってしまいましたから」
頬を赤らめて、かなり本気っぽく答えるカシア。
年甲斐もなくというが、魔族の外観年齢があやふやでパッと見二十代後半にしか見えないのは、スルーしていいだろうか?
と思っていると、ユウキがだらけた状態でこっちを向いていた。
「お前、こっちに来てから本当にモテるようになったな・・・・・・」
「全員、冗談で言ってるんだろ。ほぼ初対面の相手に普通、そんな事言わねぇよ」
ユウキは『それもそっか』と言って納得する。
しかし感情の読める俺は知っている。こいつらの言っている好意がどれだけ本気なのかというのが。
まぁ、それだけこいつらがチョロいという事になり、今後も変な男を捕まえてしまうんじゃないかという心配があるのだが・・・・・・
「ところでさっきの話なんだが・・・・・・」
『さっきの話』というのは『村を捨てて新しい生活を』という俺の提案の事だ。
その続きに、この魔空間に住まないかと言った。
当然、すぐには決められないだろうから、一度この魔空間に来てもらい、どんな環境で誰が住んでいるかを見てもらった。
そして最初見てもらった時、やはり三種族が集まって生活しているのを見たカシアたちは驚いていた。
そして魔物も生息しておらず、互いに喧嘩しなければ向こうより比較的安全な場所だという事にも。
種族の比率的には奴隷商人から助けた亜人が多く、魔族はほとんどいないが、その少数の魔族が人間と亜人たちと分け隔てなく会話している。しかもその中に、前の魔王に仕えていたナルシャの姿もあるときた。
改めて見ると、ここはまるでサザンドのようだった。『第二のサザンド』と言うべきか。
ともかく、これらを見たカシアの答えを、ここでそろそろ聞こうと思う。
そのカシアの表情は困惑した、というか何か悩んでいる様子に見えた。
「今の村に何か思い入れでも?」
俺の質問に首を横に振るカシア。
「いえ、そうではなく・・・・・・魔王様は何がしたいのかと、思いまして・・・・・・」
「何をしたいのか、か・・・・・・」
そりゃあ、こんな都合のいい話を持ちかけられて疑うのはわかるが・・・・・・特に考えてなかったな。
俺が無自覚に行動していた自分の行動の理由を唸りながら探していると、カシアが慌てて弁明しようとする。
「あ、いえ、失礼な事を言いました!魔王様を疑っているわけではないのですが、どうしてここまでしてくれるのかと思いまして・・・・・・」
「・・・・・・自分でもあまり深くは考えてなかった。俺にこんな力があって、ただなんとなく助けようとしたらこの形になっただけだ。俺は無視してでも誰かを助けようとするほど、聖人君子じゃないもんでな」
「できるからと全員助けようとするのはもう、聖人君子では?」
そう言ってクスクスと笑うカシア。
いや、違う。俺は助けようとする奴を選り好んでいる。その時点で聖人君子などとは程遠い。
それにしても一度助けてもらっただけで聖人君子とは・・・・・・第一印象は大事なんてよく言ったものだな。
なんて考えていると、カシアが頭を下げてきた。
「ではお言葉に甘えて・・・・・・ここにいる者たちも異論はないと思いますので」
そう言って下げていた頭を上げて微笑むカシア。
すると頭に僅かなノイズが走る。
最近気付いた念話する時に繋がったという合図だ。
【アヤト様、お忙しいところ失礼します】
ノワールの声が頭に直接響く。何かあったのだろうか?
【どうした?】
【アヤト様に面会したいという方が来ています】
【面会?】
心当たりのない言葉に首を捻っていると、ノワールが言葉を続ける。
【ラライナの王から手紙があるそうです】
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「もう少し首に負担をかけないようにした方がいい。二の腕を枕にする感じで。フィーナを見本にするといいぞ」
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「・・・・・・フィーナさんってなんか、いつも不機嫌ですよね」
「あれは不機嫌なんじゃなく、ツンデレって言うんだよ。怒ってるわけじゃないから気にしなくていい」
「そうなんですか?・・・・・・その割にすっごい睨んできてますけど・・・・・・」
俺の言葉が聞こえていたのか、フィーナは赤くした顔で再び振り返り睨む。
赤ん坊を抱いていて大声を出せないフィーナは、『あとで殺す!』と口パクをする。
しかし俺たちから見れば、怖さよりも可愛さが先行してしまい、つい笑ってしまう。
「あとで絶対フィーナさんに怒られますよ、これ」
「んなもん、聞き流しときゃいいんだよ。暴力だって本気でしてくるわけじゃないし」
そう言いながら他の奴らの様子を見渡す。
今、俺たちがいるのは魔空間の中だ。それも、軽く村と言える規模の家々が建ち並んでいる。
作ったのは全てほとんど俺だ。ここに住んでいる奴らにも手伝ってももらって出来上がった。
そして今、子育ての経験がある奴らを含めて、子守りをしている。
ヘレナは一応抱いてはいるものの、どうしていいかわからず、オロオロしながらその赤ん坊の母親や他の奴らからアドバイスを受けていた。
イリーナは慣れた様子で赤ん坊二人のオムツなどを取り替えて、周りの連中も感心していた。
クリララも若干不慣れな感じではあるが、哺乳瓶でミルクを作ってやっている。
メアとミーナは二人で一人の赤ん坊を見ている。一応、母親も傍にいるが、一人だと不安だと言うので二人で組ませている。
こうやって見ると、これだけで子育てのが大変だとよくわかる。
すると、意外と赤ん坊の遊び相手になっていたユウキが、顔を引っ張られたまま俺の姿を見て苦笑いをする。
「お前はどんだけ扱い慣れているんだ?凄い状態なんだが・・・・・・」
俺の状態は腕に一人、背中に背負ってるのが一人、胡座を掻いて赤ん坊を両足にそれぞれ一人ずつ寝かせている。
全員特に騒ぐでもなく、スヤスヤと眠っていたり、大人しく自らの親指を咥えていたりするだけだった。
つまり俺は今、赤ん坊を四人同時に相手しているわけだ。
「抱いてるだけなんだがな。大人しくしてくれて助かるよ」
「本当に父親と思っているのではないですか?」
カシアが笑いながら冗談混じりにそう言うと、メアとミーナがジト目で睨んできていた。
「だからやめろって。四児の父親とか、まだ早いだろ」
「魔王様は人間で、年齢は十八になるのですよね?もう子作りを始めている時期なのでは?」
その直球な質問に、こっちの話を聞いていたメアが今度は吹き出してしまい、ミーナも若干頬を赤くする。
顔を険しくしたり赤くしたり・・・・・・あいつらも忙しないな。
「たしかにそうだが、気持ちの問題だ。相手がいるいないの話じゃなく、まだ父親になる覚悟がないって事だ」
「その言葉、相手の方が聞いたらきっと泣いてしまいますよ?」
なんてカシアが忠告気味に言うが、その相手に相当するであろう二人はそれどころではないようだ。
メアたちは互いに話し合い、『先にミーナが・・・・・・』とか『メアが成人するまで・・・・・・』みたいなのがちょくちょく聞こえ、何の話をしているか気になるのと同時に心配になってきていた。
何はともあれ、未だ学生気分の取れない俺が父親というのは変な話である。
よく聞く、育てるための収入が心配だとか、一人の時間を味わいたいなどというのはないが、そもそも恋愛云々の問題が解決していない。
こんな俺が誰かを愛して子を成すなど、到底無理な話だ。
だから俺はこの話を、軽く笑って返す。
「そんだけ本気になってくれる相手がいてくれるなら、嬉しい限りだがな」
そう言いつつ、メアたちに視線を送る。
俺の視線先に気付いたカシアも微笑む。
「魔王様のような優しい方が相手なら、本気になりますよ。私も年甲斐もなく、ときめきそうになってしまいましたから」
頬を赤らめて、かなり本気っぽく答えるカシア。
年甲斐もなくというが、魔族の外観年齢があやふやでパッと見二十代後半にしか見えないのは、スルーしていいだろうか?
と思っていると、ユウキがだらけた状態でこっちを向いていた。
「お前、こっちに来てから本当にモテるようになったな・・・・・・」
「全員、冗談で言ってるんだろ。ほぼ初対面の相手に普通、そんな事言わねぇよ」
ユウキは『それもそっか』と言って納得する。
しかし感情の読める俺は知っている。こいつらの言っている好意がどれだけ本気なのかというのが。
まぁ、それだけこいつらがチョロいという事になり、今後も変な男を捕まえてしまうんじゃないかという心配があるのだが・・・・・・
「ところでさっきの話なんだが・・・・・・」
『さっきの話』というのは『村を捨てて新しい生活を』という俺の提案の事だ。
その続きに、この魔空間に住まないかと言った。
当然、すぐには決められないだろうから、一度この魔空間に来てもらい、どんな環境で誰が住んでいるかを見てもらった。
そして最初見てもらった時、やはり三種族が集まって生活しているのを見たカシアたちは驚いていた。
そして魔物も生息しておらず、互いに喧嘩しなければ向こうより比較的安全な場所だという事にも。
種族の比率的には奴隷商人から助けた亜人が多く、魔族はほとんどいないが、その少数の魔族が人間と亜人たちと分け隔てなく会話している。しかもその中に、前の魔王に仕えていたナルシャの姿もあるときた。
改めて見ると、ここはまるでサザンドのようだった。『第二のサザンド』と言うべきか。
ともかく、これらを見たカシアの答えを、ここでそろそろ聞こうと思う。
そのカシアの表情は困惑した、というか何か悩んでいる様子に見えた。
「今の村に何か思い入れでも?」
俺の質問に首を横に振るカシア。
「いえ、そうではなく・・・・・・魔王様は何がしたいのかと、思いまして・・・・・・」
「何をしたいのか、か・・・・・・」
そりゃあ、こんな都合のいい話を持ちかけられて疑うのはわかるが・・・・・・特に考えてなかったな。
俺が無自覚に行動していた自分の行動の理由を唸りながら探していると、カシアが慌てて弁明しようとする。
「あ、いえ、失礼な事を言いました!魔王様を疑っているわけではないのですが、どうしてここまでしてくれるのかと思いまして・・・・・・」
「・・・・・・自分でもあまり深くは考えてなかった。俺にこんな力があって、ただなんとなく助けようとしたらこの形になっただけだ。俺は無視してでも誰かを助けようとするほど、聖人君子じゃないもんでな」
「できるからと全員助けようとするのはもう、聖人君子では?」
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いや、違う。俺は助けようとする奴を選り好んでいる。その時点で聖人君子などとは程遠い。
それにしても一度助けてもらっただけで聖人君子とは・・・・・・第一印象は大事なんてよく言ったものだな。
なんて考えていると、カシアが頭を下げてきた。
「ではお言葉に甘えて・・・・・・ここにいる者たちも異論はないと思いますので」
そう言って下げていた頭を上げて微笑むカシア。
すると頭に僅かなノイズが走る。
最近気付いた念話する時に繋がったという合図だ。
【アヤト様、お忙しいところ失礼します】
ノワールの声が頭に直接響く。何かあったのだろうか?
【どうした?】
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