最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし

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Extra 1巻

閑話 悪魔との手合わせ

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 コノハ学園の敷地内にある屋敷。
 そこに住んでいた俺は、メアたちが起きていない間にノワールから手合わせをしましょうと提案され、屋敷の外に連れ出されていた。

 「まさかここでやるわけじゃないよな?」

 俺の問いかけにノワールは振り返り、ニッコリといつもの笑みを浮かべる。

 「えぇ、勿論です。あなた様の期待は裏切りませんので」

 別に何かを期待しているわけじゃなかったのだが・・・・・・そんな事を考えているとノワールが再び前を向き、何もない空間に裂け目のようなものをを作った。

 「えっと・・・・・・それは?」

 『空間が割れる』などと、いかにも異世界らしい現象に対して、俺は戸惑ってしまっていた。

 「分かりますよ」

 『クフフ』と、ノワールは意味深に笑いながら躊躇なくその中に入って行ってしまった。
 さすがに騙そうとする気配はなかったので、俺も続いて裂け目の中に頭を入れる。
 するとそこはーー

 「暗い場所だな、ここは・・・・・・ん?なんだ、ここは?」

 頭を出した先には、果てしない暗い空間がどこまでも広がり、足場とされる岩が所々に浮いているだけだった。
 空中に漂っている岩の大きさは様々で、家一軒分から拳程度の小石まである。
 今立ってる足場もそこまで広くなく、ミランダと戦った決闘場くらいの大きさとなっており、その先は崖となっていた。
 崖から下を見下ろすと、岩どころか何もない暗闇と、何かのうめき声が聞こえてきた。

 「何、このホラー空間・・・・・・」
 「ここは私の空間魔術で生成した固有空間です」
 「空間魔術?なんか凄そうだな」

 なんとなく、さっきノワールが使って見せた技が空間魔術なんだろうなーと予想しながら、軽く受け答えした。
 するとノワールが興奮した様子で語り始めた。

 「もちろんです!空間魔術とはその者の魔法適性が六つ以上なければ使えない特殊なもの。一つ例に上げるとすれば、大量に魔力を消費した転移の魔法陣を用意せずとも、一度行った事のある場所であればすぐに繋げられますし、魔力を多く使用すればどれだけ大きなものでも通せます。他にも使い方は様々ですが、何よりこの特有の空間を創り出せます。この空間は術者の魔力量、質で世界の環境が決まる・・・・・・つまり言い換えれば世界を創るのと同等となるのです。私はここを『魔空間』と名付けています・・・・・・ただ、魔力の使用量とこの空間魔術を使っている間は火や水など、他の魔法魔術が使えなくなってしまうという弱点がありますが・・・・・・」

 興奮したノワールが説明する中で、サラリと凄まじい事を言ってしまっていた。
 世界を創るってそれ、神がやってるような事なんじゃないか?
 『凄い』の一言で済ませていいか分からんレベルだな・・・・・・って事は、それをやってしまっているノワールは本当に凄いのか。
 ノワールが創り出したとされる周囲のものをマジマジと見て考えていると、ふとある事に気付く。

 「さっき術者に合った環境って言ったよな?それってここがノワールが力を充分に発揮できる場所と受け取って良いのか?」
 「クフフフ、空間魔術よりそちらに興味をお示しになりましたか。ええ、御察しの通りここは私の得意とする環境でございます」

 ノワールの答えにニッと笑う。

 「なら、遠慮は要らねえな?」
 「はい、出来うる限り全力で」

 ノワールの言葉を最後に、合図無しの戦いが始まる。
 先に先制したのはノワール。
 まずは小手調べと言った風に、普通の蹴りを放ってくる。しかしただの蹴りと言えど、そこら辺の人間が放つ蹴りとは格段に違っていた。

 「っ!」

 なんとか吹き飛ぶ事なく受け止めたが、俺がこの世界に来てから初めて実感した『速さ』と『痛み』だった。
 おかげで俺にもちゃんとした痛覚が備わっているのだなと、ホッとした。

 「足癖が悪くて申し訳ありません」
 「いや、気にしなくていい。俺もーー」
 「ッ!?」

 俺の言葉の途中でノワールが突然吹き飛ぶ。それはまるで、顔面に打撃を受けたかのような飛び方。
 それを見て、自分の口角が徐々に歪に上がるのがわかる。

 「ーー手癖が悪いからさ」
 「ク、フフ・・・・・・そのようで」

 数メートル吹き飛んだノワールは何とか踏み止まり、相変わらず笑みを浮かべる。
 今やったのは、ノワールの死角から殴っただけ。ただし、視覚外からではなく、意識外からの打撃。
 たとえ人間が視覚を正面に広く持とうとも、全てに意識を配っているわけではない。
 だからつまり、『ノワールが今何を意識し、どこを意識していないか』を読み取って殴った、というわけだ。
 フラついているノワールに問う。

 「まさかこれで戦意喪失して終わり、とかじゃないよな?」
 「クフフフフ・・・・・・えぇ、それはありません」

 するとノワールの雰囲気が一変する。
 笑みを浮かべたままではあるが、重苦しい空気が漂う。
 瞬間、
 そう表現せざるおえないような消え方をしたノワール。
 そして今度は後ろに気配と殺気を感じる。
 咄嗟とっさに振り返り、手の指を半端に折った熊手の攻撃を同じ熊手で受け止める。
 そしてノワールはもう片方も同じような攻撃をし、また同じように受け止める。
 俺とノワール、互いに取っ組み合いの形となり、膠着こうちゃく状態となる。

 「やはり、これではあなた様に届きませんか・・・・・・」

 残念そうに呟くノワール。珍しくショボンとしてるところが可愛いな。
 ノワールの上には空間が裂かれた跡があった。
 さっき落ちたと錯覚した原因はそれだったらしい。
 なるほど、空間魔術って戦闘ではそういう使い方もできるってわけか。

 「ま、また一つ勉強になったってところか。空間魔術が六属性以上の適正を持ってれば使えるんだろ?なら俺にもまた教えてくれ」
 「もちろんです、主人あるじ。あなた様にはぜひ、さらなる高みへと手を伸ばしていただきたい・・・・・・」

 こいつは俺に何を求めているんだろうか・・・・・・
 会話もそこそこに、今度は俺が先制をかけ、戦いを再開した。
 互いに掴んでいる両腕を外側に回し、ノワールの体を強制的に持ち上げ、宙に浮かせる。

 「とりあえず一回沈んでもらうぞ」

 そう言ってその体勢のままノワールの腹に向かって蹴りを入れるーーが、その蹴った足の先が届く前に消え、代わりに俺の腹へと直撃した。

 「ーーっ、ぐふぉっ!?」

 頭が冷静なうちに急いで足を引き戻し、フラつきながら二、三歩下がる。
 この痛みは元の世界でもそうそう食らった事のない、大きなダメージだった。
 何があったのかと視線をノワールの方に移すと、丁度空間の裂け目が閉じようとしていたところだった。
 ああ、これもなるほどと納得できる。
 自分自身の蹴りを食らった腹を擦りながら、珍しく高揚感を覚えた俺は笑みを浮かべる。
 さすがに自分の蹴りを食らうなんて考えもしなかった。しかし予想外とは言え、直前に威力を殺していたのもあって、何とか吐かずに持ちこたえていた。

 「クフフ、どうでしょうか、自らの攻撃を食らった気分は?」
 「・・・・・・ったく、性格悪いな」
 「悪魔ですから」

 当然と言わんばかりに、冗談混じりでそう返してきたノワール。
 未だに痛む腹を抱え、次の行動に移した。
 すでにこっちに向かってくるノワールに対し、防御の構え取る。
 両手の指を軽く伸ばした状態の平手にし、並行にしてかるく前へ出す。空手の『前羽の構え』。
 しかしノワールは俺の構えなど気にした様子もなく突っ込んでくる。
 一見無策のように見えるが、明らかに何かを企んだ笑みを浮かべていた。
 いいだろう、敢えて後手に回ってやる。
 さっきのカウンターを食らってから、次は何が来るのだろうと子供のようにワクワクしていた。
 ノワールは神話級と称されている。なら、あの終地にいた芋虫の魔物とは比較にならない強さがあるはず。
 今にも爆発しそうな高揚感を抑え、ノワールの攻撃を受ける。
 
 「『黒巨人くろきょじんの腕』」

 それはノワール自身からではなく、魔術による攻撃だった。
 瞬間、ノワールの背後から複数の巨大な黒い腕が出現し、強い力で俺を拘束した。
 今にも握り潰しそうなくらいに遠慮のない握力。それに加えてノワールはまだ魔術を放つ。

 「『毒水蛇どくみずへび』『雷炎猿らいえんえん』」

 同時に二つの魔術を発動する。
 するとノワールの横に毒々しい色をした水っぽい巨大な蛇と、炎を纏いつつ帯電しているような猿・・・・・・いや、アレはゴリラか?
 どちらにしろ、ノワールは俺を拘束しているのも含めて、三つの魔術を出し惜しみせず披露して見せた。

 「巨人に蛇に猿か。動物園が開けそうだな」
 「お望みとあらば開いて見せますが?『雷鳥降臨』『黒虫王こくちゅうおう』」

 そしてまた魔術を唱え、飛行機と大差ない大きさを持つ緑と白の羽毛をした鳥と、俺より一回り大きいカブト虫が二足歩行で現れる。
 カブト虫に関してはそのまま大きくした感じなので、虫嫌いがこれを見れば卒倒するだろうなと思うくらいグロかった。
 するとノワールがパチンと指を鳴らし、その合図に周りの魔術で作られた生物たちが動き出す。
 真っ先に動いたのは蛇。ノワールから伸びている腕に絡み付きながら移動し、俺の元へと来た。

 「一応、お知らせしておきますね。その蛇が持つ毒はかなり強力です。常人であれば・・・・・・まぁ、普通ならその巨大な牙に噛まれただけで死にますが、毒を体に流し込まれた場合、一瞬で毒が周って死に至ります。私は激痛が伴う程度ですが・・・・・・あなた様はどんな結果になるのでしょうか?」

 威力よりも毒で殺しにかかってきていた。
 あれ、そういえばこれ手合わせじゃ・・・・・・?完全に殺しに来てるじゃないか。
 ・・・・・・ま、殺しにかかって来てくれた方が

 「じゃあ、答え合わせだな」

 蛇が大口を開け、目にも止まらぬ速さで噛み付いてきた。しかしーー
 ボキッ!
 何かが折れた音、そして同時に蛇がノワールの後方に吹き飛んでいった。

 「・・・・・・」

 ノワールが目にしたのは、俺が巨人の手から解かれて自由になっている姿だった。
 そしてその巨人の腕は手首から先が無くなっている。

 「食らわなければどうという事はない」
 「ク、クフフフフフ・・・・・・簡単に言ってくれますね」

 笑みを浮かべつつも焦りを見せるノワール。

 「まさかあれで俺を拘束したつもりでいたのか?というか、拘束だったのか?」
 「クフフ・・・・・・クハハハハハハハハ!」

 突然おもむろに笑い始めるノワール。そんなに俺の挑発が面白かったのか?
 なんて考えているうちにノワールの笑いが止み、いつもの礼儀正しい姿勢でお辞儀する。

 「・・・・・・失礼しました。よもやこれほど歯が立たないとは。圧倒的、という言葉はまさに、アヤト様のためにあるのですね」
 「それは流石に過言だよ」

 かなり本気で言っているノワールに、軽くそう返す。
 するとノワールの本人に意思なのか、それとも自立意識があるのか、さっきまで待機していた鳥とカブトが動き出した。
 それに合わせて蛇も起き上がり、続けて襲ってくる。

 「触ると感電とかしそうだけど・・・・・・ま、関係ねぇな」

 左手で右拳を包み、引き絞るように互いに力を入れ、放つ。

 「崩拳ポンケン三波」

 その技はデコピンの要領で放たれたそれからは、三つの拳圧がそれぞれに飛んでいく。
 全て直撃し、三匹のうち鳥と蛇が吹き飛び、崖から下へと落ちていった。
 残ったカブトは吹き飛びはしなかったものの、数メートル下がった。

 「あーぁ、残念。一匹だけ耐えたか」

 特に悔しいという感じもなく軽く笑いながらそう言うと、ノワールも申し訳なさそうに笑う。

 「アヤト様に期待を裏切らないと啖呵たんかを切った手前、こんな結果になってしまうとは・・・・・・申し訳ありません」

 『期待を裏切らない』っていうのは最初に言ったやつか?別にノワールが勝手に言った事だし、気にしなくていいんだがなぁ・・・・・・
 
 「いいよ、俺としては楽しめたし。それにそろそろメアたちも起きるだろうから、決着といくか?」
 「おや、気が早い・・・・・・とはいえ、そうですね。久々の戦いに時間を忘れてしまいそうになっていました。ですがこのままあっさりやられてしまうのも味気ないですね・・・・・・アヤト様、失礼ながら提案させていただきますが、あなた様自身の取っておきをお見せしていただけないでしょうか?」

 残っていたカブト虫を消しながらそう言ったノワールの発言に、俺は少し唸る。

 「俺の取っておき・・・・・・ノワールが死なない程度の取っておきか・・・・・・」
 「手足が吹き飛ぶ程度でしたら問題なく修復できますので、どうぞお構いなく」

 平然と笑顔でそんな事を言うノワール。なんだ、再生でもするのか?
 だけどなるほど、ならレパートリーが増えるな。

 「メアたちもいないし、が丁度いいか」
 「お決まりになりましたか?」
 「ああ、大丈夫だ。ノワールも後悔する覚悟はできたか?」
 「えぇ、心よりお待ちしております」

 ノワールの返事を聞き、大きく息を吐く。
 それは溜め息ではなく、これから始める『取っておき』のための深呼吸だ。
 それから戦いが終わるまで五分とかからなかった。
 戦いが終わると、いつの間にか屋敷の玄関付近に戻っていた。
 俺はいつもの光景を堪能しようと大きく深呼吸をする。
 その横ではノワールが、タキシードの着崩れた状態で倒れている。

 「どうだった、俺の『取っておき』は?」
 「感、服・・・・・・しました。私が恐怖を感じるとは・・・・・・やはり私の勘に狂いはなかったようです。あなた様が主人で、本当によかった・・・・・・」

 ノワールはそう言うと、眠るように静かに目を閉じた。
 ・・・・・・え?死ぬの?

 「あー・・・・・・大丈夫か?さすがにやり過ぎたかもしれん。今回復してやるぞ」
 「いいえ、お気になさらず。しばしこの気持ちのいい敗北感を味あわせてください。体の方も、少し休めばすぐに動けるようになりますので・・・・・・」
 「そうか、それならいいんだが・・・・・・でもこんなとこで寝させるわけにもいかねえから、中に運んでおくぞ?」

 そう言ってノワールの返事を聞かず、俺はすぐに肩に担いで運び始めた。

 「ああ、お優しい・・・・・・お手数をおかけ致します」

 そう言いつつ、ノワールをブラブラと情けない姿の状態で運ぶ。

 「そうだ、お前が使ってたさっきの空間魔術。今夜辺り、全員寝静まってからでもいいから教えてくれよ」
 「はい、喜んで」
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