【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ

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第一章

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 私と王太子様の婚約のことで話があると言うから、私とお兄様はそのままファミリールームに移動することになった。

 お父様は途中すれ違ったメイドにお母様を呼んでくるよう指示をした。

 ユーリ様は話し合いは上手く進んだって言ってたから問題ないと思うけど、お父様からちゃんと話を聞くまでは安心できないわよね。

 もしかしたら何か条件をつけられるかもしれないし、陛下からの印象が悪くなったら困る

「そんな不安そうな顔をするなよ。父上なら上手く陛下を丸め込んだはずだ。父上はお前には甘い父親だけど、かなりの策士で腹黒だからな」

「ほ~、セミュンは私のことをそんなふうに思ってたのか」

 お父様はお兄様の肩に腕を回して、お兄様の顔を覗き込んでいる。

「冗談ですよ。父上はとても優しい方です」

 お父様とお兄様が無言で見つめ合ってると、お父様は何か納得したように頷く

「まぁ、何でもいいけどな。王宮には化け物級に性格が捻くれてるものばかりだから、凡人ではやっていけないんだよ。勤続年数が長ければ長いほど曲者が多い印象があるな」

 そうなんだ。

 ユーリ様も性格に一癖も二癖もあるのかしら?

 お父様がお兄様をからかって遊んでると、お母様が入ってきた。

「イワン帰ってきたのね。お帰りなさい。お仕事は忙しいのですか?」

「今は人手不足で忙しいな。今もお前たちに大切な話があるから、一時的に帰ってきただけなんだ」

 またすぐに戻っちゃうのね。

 久しぶりに家族の時間が取れると思ったのにな。

「そうなの。イワンにもリリヤと過ごしてもらって、あの子の良いところを知ってもらおうと思ったのに残念だわ」

 またリリヤか………

 お母様は気がついてるのかな?

 リリヤが家に来てから、私はお母様とちゃんと話した時間は一週間で1時間もないことに

「私はあの子と関わるつもりはないって言ってるだろ。お前はあの子の事ばかり考えてるが、自分の子供のことをちゃんと見てあげてるのか?」

「当たり前ではないですか!!私は子供達のことも愛してますわ。だけど今は親を亡くして悲しい思いをしてるリリヤを優先するのは、大人として当然の行動ですわ」

「そのためなら自分の子供が悲しい思いをしてもいいというのか?あの者が使用人やイリーナに暴言を吐いてるのは知ってるか?知っていて放置してるなら、私はお前を幻滅する」

 使用人への態度は知ってるはず、だけどもしかしたら私への態度は知らなかったのかもしれない。

 もしも今、初めて知ったならその事を言うわよね。

 リリヤの私への態度を知らなかったと言ってくれることを願ってお母様を見つめるけど、お母様は下を向いて何も言ってくれない。

「お母様?もしかして知ってたのですか?違いますよね?知っていてリリヤの好きにさせてたんじゃないですよね?…………お母様!!黙ってないで話して下さい!!」

 お母様がリリヤを優先してたのは知っている、だけどそれは親を亡くしたばかりのリリヤを同情してるからで、私が辛い思いをする時は私を優先してくれると、心のどこかで願っていた。

 だけどお母様は娘の私より、リリヤの方が大事なのね。

「あの子には悪気はないのよ。家族に愛されてる貴女が羨ましいだけなのよ。周りをちょっと困らせて、周りに注目されたいだけなの。もう少し時間が経てば落ち着いて優しい子になるわ」

「リリヤの心を慰めるためなら、私が傷付いても良いってことですか?そんなにリリヤが大切ならリリヤの母親になればいい!!私のお母様は亡くなりました!!」

 とうとう私の目から涙がポロポロ流れる。

 お兄様とお父様が私をぎゅっと抱きしめてくれて、まるで私には自分たちが付いてると言ってくれてるみたいだった。

「イリーナわかって頂戴。今のリリヤには母親代わりが必要なのよ。リリヤの気持ちが落ち着いたら、お互いに謝って家族としてみんなで仲良くしましょう」

「お前は娘がこんなに泣いてるのにまだそんな事を言ってるのか!!イリーナは何も悪いことをしてないのに、何故お互いに謝るなんて発想になる!!今のお前に子供たちを会わせたくない、そんなに姪が大切ならお前も別棟で暮らしなさい。食事も向こうで2人で食べればいい」

「待って下さい!!私は家族皆で仲良く過ごしたいだけなんです!!それの何がイケないのですか!!」

「今のお前とは話にならん。まずあの者は私の家族ではない。何度も言ってるだろ。あれは居候なだけだ。それとお前をここに呼んだのは、イリーナが王太子の婚約者候補を辞退することになったと話すためだ。もう話すことはないから別棟に戻るといい」

 お父様は言いたいことだけ言うと、私とお兄様の背中を押して部屋から出ようとする。

「お待ち下さい!!そんな大切な事を何故私は知らされてないのですか!!」

「お前があの者を優先して、娘を蔑ろにしてるからだろ。イリーナが王太子の婚約者候補を辞退したいと言ったんだ。我が家的には絶対に王太子妃になる必要はないから、イリーナがなる気がないなら辞退しても何も問題ない。話はそれだけだ」

 今度こそ私達は部屋から出た
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