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二章
醜い私
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「なによ、それ……」
せいぜい、幸せになれ?
ーーそんなこと。
『お前の望みは元よりあの男を、生き返らせることだろう。ーーそして、それは果たされた』
悪魔は静かな声で話を続ける。
『おまけに、互いが想い合っている。なんの問題もないではないか』
……そうかもしれない。
でも。
「あなたは?」
『……は』
真紅の瞳を見つめ返す。
「神になるって息巻いてたクセに、すごすごと自分の国に帰って大丈夫なの?」
『……』
悪魔は、ゆっくりと瞳を瞬かせた。
「なに?」
『なにがそこまでお前を躊躇わせる?』
「っ!」
ほんとなら幸運なこと、で済ませれば丸く収まることはわかってる。
悪魔の贄にならなくてすむなら、それに越したことはない。リッカルド様も私のことを想ってくださってる。
でも……。
『……ふ』
押し黙り俯いて、手を握りしめると、悪魔が笑う気配がした。
『要するに、お前は、自分の中の罪悪感を消したいのだろう?』
「!!」
悪魔は、手で私の顎を持ち上げた。
『我の贄になることで、罪を帳消しに出来ると考えていたな?』
「……」
そんなこと、ない、とはいえない。
だって、だって、やり直す前、私のせいでリッカルド様は死んだのだ。
もう、あのリッカルド様には二度と会えないけれど。
リッカルド様が今度こそ笑ってくれたら。
それで、私が破滅すれば、少しはこの気持ちが軽くなるんじゃないかって。
そう想ってた、私がいる。
「醜い……」
『…………そうだな』
悪魔は、ゆっくりと頷いた。
こんな醜い私を、贄として悪魔が欲しくないと思うのも当然かもしれない。
「っ!?」
思わず唇を噛もうとすると、悪魔の細くて長い指が、私の口の中に入ってきた。
「なにして……」
『跡が付く』
まるで、心配するような言葉に、力が抜ける。
『ソフィア』
悪魔は、私の名前を呼んだ。
『お前は、醜い』
「2回も言わないでよ」
『だが、醜くないものなどいない。誰しも罪悪感とずるさと醜さを心のうちに飼っている』
遠い目をした悪魔は、何かを思い出しているようだった。
「悪魔も……あなたも、抱えているものがある?」
私は悪魔の胸にそっと触れた。
心臓の脈打つ鼓動を感じる。
……悪魔も、生きているのね。
まるで当たり前のことを、今更ながらに感じながら、目を閉じる。
『……ああ。言っただろう、成し遂げられなかったことがあると。結局のところ、ーーも』
「え?」
途中聞き取れなくて、目を開ける。
『いや。我もーーお前を利用していた』
せいぜい、幸せになれ?
ーーそんなこと。
『お前の望みは元よりあの男を、生き返らせることだろう。ーーそして、それは果たされた』
悪魔は静かな声で話を続ける。
『おまけに、互いが想い合っている。なんの問題もないではないか』
……そうかもしれない。
でも。
「あなたは?」
『……は』
真紅の瞳を見つめ返す。
「神になるって息巻いてたクセに、すごすごと自分の国に帰って大丈夫なの?」
『……』
悪魔は、ゆっくりと瞳を瞬かせた。
「なに?」
『なにがそこまでお前を躊躇わせる?』
「っ!」
ほんとなら幸運なこと、で済ませれば丸く収まることはわかってる。
悪魔の贄にならなくてすむなら、それに越したことはない。リッカルド様も私のことを想ってくださってる。
でも……。
『……ふ』
押し黙り俯いて、手を握りしめると、悪魔が笑う気配がした。
『要するに、お前は、自分の中の罪悪感を消したいのだろう?』
「!!」
悪魔は、手で私の顎を持ち上げた。
『我の贄になることで、罪を帳消しに出来ると考えていたな?』
「……」
そんなこと、ない、とはいえない。
だって、だって、やり直す前、私のせいでリッカルド様は死んだのだ。
もう、あのリッカルド様には二度と会えないけれど。
リッカルド様が今度こそ笑ってくれたら。
それで、私が破滅すれば、少しはこの気持ちが軽くなるんじゃないかって。
そう想ってた、私がいる。
「醜い……」
『…………そうだな』
悪魔は、ゆっくりと頷いた。
こんな醜い私を、贄として悪魔が欲しくないと思うのも当然かもしれない。
「っ!?」
思わず唇を噛もうとすると、悪魔の細くて長い指が、私の口の中に入ってきた。
「なにして……」
『跡が付く』
まるで、心配するような言葉に、力が抜ける。
『ソフィア』
悪魔は、私の名前を呼んだ。
『お前は、醜い』
「2回も言わないでよ」
『だが、醜くないものなどいない。誰しも罪悪感とずるさと醜さを心のうちに飼っている』
遠い目をした悪魔は、何かを思い出しているようだった。
「悪魔も……あなたも、抱えているものがある?」
私は悪魔の胸にそっと触れた。
心臓の脈打つ鼓動を感じる。
……悪魔も、生きているのね。
まるで当たり前のことを、今更ながらに感じながら、目を閉じる。
『……ああ。言っただろう、成し遂げられなかったことがあると。結局のところ、ーーも』
「え?」
途中聞き取れなくて、目を開ける。
『いや。我もーーお前を利用していた』
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