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二章
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この国では、女神の力がなければ作物が育たない。
だからこそ、【女神の使い】が必要なのだ。
恋が好きな女神に去られてしまわぬように。
「すごい……!! すごいです、リッカルド様!!!」
今までの複雑な感情もどこかに吹き飛び、思わずリッカルド様の手を握る。
「……よかった」
リッカルド様は、照れたようにまつ毛を伏せた。
「本当はね、少し怖かった。……ここのことは、誰にも教えたことがないから」
「そう……だったんですね」
なるほど、だから、リッカルド様を森で何度か見かけたのね。
「でも、どうして私に……」
誰にも言っていない秘密を、話してくれたんだろう。
リッカルド様は、黒の瞳で私を見つめた。
その瞳には私だけが映っている。
「ソフィアが僕にとって、大切なひとだから」
「!!!」
は、と息が止まりそうになる。
胸が、苦しい。
嬉しさと申し訳なさでいっぱいになる。
「どうして……」
「昨日も言ったけど。ソフィア、君が好きだよ」
リッカルド様は、私の名前を呼んだ。
「……でも」
「ふふ、申し訳なさそうな目をしているね」
リッカルド様は私の頬に触れた。
「ねぇ、教えて? 何が、君をそこまで悩ませるのかな」
「私は……でも」
心の中で、ずるい私が暴れ出そうになる。
リッカルド様に全てを話してしまえと。
そうすれば、楽になれるって。
でも、そもそも、私は……、リッカルド様にもう関わるべきじゃないし、理由を言うわけにはいかない。
私の罪は、私が背負うべきもので、楽になろうだなんて……。
「ソフィア」
リッカルド様が私を呼ぶ。
そして、しっかりと私の手を掴んだ。
「君は、僕が嫌い?」
「……っ」
昨日も聞かれた質問。
嫌いって言わなきゃ。それで、今度こそもうおしまいにするんだ。
「……きらいなわけ、ないです」
涙が、溢れる。
あぁ。私は、また、間違えた。
「うん。僕も君が好きだよ」
今日は、好きだなんて一言も言っていないのに、嬉しそうに笑ってリッカルド様は続けた。
「……可哀想なソフィア」
可哀想?
誰が?
私が?
「こんな僕に囚われるなんて、可哀想だね」
「そんなこと……! 可哀想なのは、私じゃなくて、リッカルド様のほうでーー」
口に出してからしまった、と気づいた。
「そっか、なるほど。君を困らせているのは、僕、なんだね」
リッカルド様が微笑む。
「全部、教えて、ソフィア」
だからこそ、【女神の使い】が必要なのだ。
恋が好きな女神に去られてしまわぬように。
「すごい……!! すごいです、リッカルド様!!!」
今までの複雑な感情もどこかに吹き飛び、思わずリッカルド様の手を握る。
「……よかった」
リッカルド様は、照れたようにまつ毛を伏せた。
「本当はね、少し怖かった。……ここのことは、誰にも教えたことがないから」
「そう……だったんですね」
なるほど、だから、リッカルド様を森で何度か見かけたのね。
「でも、どうして私に……」
誰にも言っていない秘密を、話してくれたんだろう。
リッカルド様は、黒の瞳で私を見つめた。
その瞳には私だけが映っている。
「ソフィアが僕にとって、大切なひとだから」
「!!!」
は、と息が止まりそうになる。
胸が、苦しい。
嬉しさと申し訳なさでいっぱいになる。
「どうして……」
「昨日も言ったけど。ソフィア、君が好きだよ」
リッカルド様は、私の名前を呼んだ。
「……でも」
「ふふ、申し訳なさそうな目をしているね」
リッカルド様は私の頬に触れた。
「ねぇ、教えて? 何が、君をそこまで悩ませるのかな」
「私は……でも」
心の中で、ずるい私が暴れ出そうになる。
リッカルド様に全てを話してしまえと。
そうすれば、楽になれるって。
でも、そもそも、私は……、リッカルド様にもう関わるべきじゃないし、理由を言うわけにはいかない。
私の罪は、私が背負うべきもので、楽になろうだなんて……。
「ソフィア」
リッカルド様が私を呼ぶ。
そして、しっかりと私の手を掴んだ。
「君は、僕が嫌い?」
「……っ」
昨日も聞かれた質問。
嫌いって言わなきゃ。それで、今度こそもうおしまいにするんだ。
「……きらいなわけ、ないです」
涙が、溢れる。
あぁ。私は、また、間違えた。
「うん。僕も君が好きだよ」
今日は、好きだなんて一言も言っていないのに、嬉しそうに笑ってリッカルド様は続けた。
「……可哀想なソフィア」
可哀想?
誰が?
私が?
「こんな僕に囚われるなんて、可哀想だね」
「そんなこと……! 可哀想なのは、私じゃなくて、リッカルド様のほうでーー」
口に出してからしまった、と気づいた。
「そっか、なるほど。君を困らせているのは、僕、なんだね」
リッカルド様が微笑む。
「全部、教えて、ソフィア」
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