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「絵本作家『ほたる』さんですか?!」
ほたるさんは僕でも知ってる超有名な絵本作家だ。何年か前に絵本ブームを巻き起こした人で、その独特の淡いファンタジーな絵が大人の女性の間で話題となり、一躍有名になった作家さんだ。
「でもほたるさんて、自分で絵も描く人じゃないですか」
そんな人がなんで他の人、それも僕なんかに絵を頼むのだろうか?
「それが・・・水森くん、何年か前にネットに絵をあげてなかった?」
ネットに絵?
確かに学生時代に何枚が気まぐれであげたことはあるけど・・・。
「ほたるは当時からその絵の大ファンでね、何枚かだけでぱったり更新されなくて、ほたるのやつすごい残念がってたんだよ。だけどほら、面接の時君の絵を何枚か出してもらっただろ?その時にどこかで見たことあるなって思ったら、あの時ほたるが騒いでた絵に似てることに気づいて・・・」
ほんの気まぐれでネットにあげた僕の絵は、僕ですら興味がなくてあげっぱなしになって忘れていたというのに、それにファンがいたとは・・・。
「君の絵をほたるに見せた時のほたるのはしゃぎようを見せてあげたいよ。もう、それは大騒ぎだったんだから」
その時を思い出したのか、木佐さんは苦笑いする。
「それでどうしても君に絵を付けてもらいたいって、出版社にかけあって半ば脅すように許可を取り付けてきたんだけど、どうする?断ってもいいよ」
そこまで喜んでもらえたことにも驚きだけど、それで挿絵の仕事まで来るなんて・・・。それも僕に決定権があるの?
「断ってもいいんですか?」
不安げな僕の言葉に、当然のように『もちろん』と返事を返してくれるけど・・・。
「君は今身重だし、そもそもうちの事務所の管轄外だし、完全にあいつのわがままだし、全然問題ないよ」
むしろ断って当然とばかりの言いよう。
だけど、どうしよう。
今まで好き勝手描いてきたけど、絵本の挿絵となれば作者の意に沿うものではなくてはならなくて、僕は果たしてほたるさんのイメージ通りに描くことが出来るのだろうか・・・。
だけど、僕は絵本と言う言葉に惹かれる。
もし本当に絵本として出版されれば当然僕の手にも入り、この子に読み聞かせられるのではないか・・・?
僕が描いた絵の本をこの子が見る。
それはなんて素敵なことなんだろう。
そう思ったら途端にやってみたくなった。
「あの・・・やりたいです。絵を描かせてください」
お腹に手をあてながらの僕の言葉に、木佐さんは目を細めて優しく受け止めてくれた。
「分かった。じゃあその様に返事をしとくね。だけど、無理はしちゃダメだよ」
最後にしっかり釘を刺されたものの、僕はほたるさんの絵本の挿絵を描くことになった。
絵本の挿絵なんてどうやってするのだろう?と思っていたら、ほたるさんが書いたストーリーをもらって、入る絵の位置を指示されただけで、あとは僕の好きにしていいと言われた。
その大雑把な内容に面食らったものの、ほたるさんが僕に全面的に任せてくれた結果らしい。
でも普通はキャラクターとか世界観とか、作者と色々擦り合わせて決めていくんじゃないのかな?
なのにこれは全て僕に丸投げされた。
木佐さん曰く、僕の絵が好きすぎて注文なんて付けられないらしい。
だけど、ほたるさんはいいけど、出版社的にはやっぱり売れないと困るだろうし、今までのほたるさんのイメージもあるだろうし・・・と初めは悩んだんだけど、それだったらやっぱり今まで通りほたるさんが描けばいい話で、それをやめてまで僕に依頼が来たということは、僕の好きにしていいということで・・・。
と完全に開き直り、僕は僕の受けたイメージ通りに絵を描くことにした。
だって、僕は僕でほたるさんじゃないし。
そう思って、ほたるさんが書いたストーリーから感じるままの世界を描いて行った。
ストーリーとしては、うさぎの村で一人だけ垂れ耳の主人公が、自分と同じ垂れ耳のうさぎを探しに旅に出るお話。今まで小さい村の中で同じ種族の仲間しか知らなかった主人公が世界の色々なところを訪れ、様々な種族と出会っていく。
話としては在り来りだけど、初めて訪れる知らない世界に主人公は目を奪われ、触れ合う人達に心を揺さぶられていくのだ。
そんな世界と登場人物達を、僕は原色ばりばりに仕上げていく。
ほたるさんは僕でも知ってる超有名な絵本作家だ。何年か前に絵本ブームを巻き起こした人で、その独特の淡いファンタジーな絵が大人の女性の間で話題となり、一躍有名になった作家さんだ。
「でもほたるさんて、自分で絵も描く人じゃないですか」
そんな人がなんで他の人、それも僕なんかに絵を頼むのだろうか?
「それが・・・水森くん、何年か前にネットに絵をあげてなかった?」
ネットに絵?
確かに学生時代に何枚が気まぐれであげたことはあるけど・・・。
「ほたるは当時からその絵の大ファンでね、何枚かだけでぱったり更新されなくて、ほたるのやつすごい残念がってたんだよ。だけどほら、面接の時君の絵を何枚か出してもらっただろ?その時にどこかで見たことあるなって思ったら、あの時ほたるが騒いでた絵に似てることに気づいて・・・」
ほんの気まぐれでネットにあげた僕の絵は、僕ですら興味がなくてあげっぱなしになって忘れていたというのに、それにファンがいたとは・・・。
「君の絵をほたるに見せた時のほたるのはしゃぎようを見せてあげたいよ。もう、それは大騒ぎだったんだから」
その時を思い出したのか、木佐さんは苦笑いする。
「それでどうしても君に絵を付けてもらいたいって、出版社にかけあって半ば脅すように許可を取り付けてきたんだけど、どうする?断ってもいいよ」
そこまで喜んでもらえたことにも驚きだけど、それで挿絵の仕事まで来るなんて・・・。それも僕に決定権があるの?
「断ってもいいんですか?」
不安げな僕の言葉に、当然のように『もちろん』と返事を返してくれるけど・・・。
「君は今身重だし、そもそもうちの事務所の管轄外だし、完全にあいつのわがままだし、全然問題ないよ」
むしろ断って当然とばかりの言いよう。
だけど、どうしよう。
今まで好き勝手描いてきたけど、絵本の挿絵となれば作者の意に沿うものではなくてはならなくて、僕は果たしてほたるさんのイメージ通りに描くことが出来るのだろうか・・・。
だけど、僕は絵本と言う言葉に惹かれる。
もし本当に絵本として出版されれば当然僕の手にも入り、この子に読み聞かせられるのではないか・・・?
僕が描いた絵の本をこの子が見る。
それはなんて素敵なことなんだろう。
そう思ったら途端にやってみたくなった。
「あの・・・やりたいです。絵を描かせてください」
お腹に手をあてながらの僕の言葉に、木佐さんは目を細めて優しく受け止めてくれた。
「分かった。じゃあその様に返事をしとくね。だけど、無理はしちゃダメだよ」
最後にしっかり釘を刺されたものの、僕はほたるさんの絵本の挿絵を描くことになった。
絵本の挿絵なんてどうやってするのだろう?と思っていたら、ほたるさんが書いたストーリーをもらって、入る絵の位置を指示されただけで、あとは僕の好きにしていいと言われた。
その大雑把な内容に面食らったものの、ほたるさんが僕に全面的に任せてくれた結果らしい。
でも普通はキャラクターとか世界観とか、作者と色々擦り合わせて決めていくんじゃないのかな?
なのにこれは全て僕に丸投げされた。
木佐さん曰く、僕の絵が好きすぎて注文なんて付けられないらしい。
だけど、ほたるさんはいいけど、出版社的にはやっぱり売れないと困るだろうし、今までのほたるさんのイメージもあるだろうし・・・と初めは悩んだんだけど、それだったらやっぱり今まで通りほたるさんが描けばいい話で、それをやめてまで僕に依頼が来たということは、僕の好きにしていいということで・・・。
と完全に開き直り、僕は僕の受けたイメージ通りに絵を描くことにした。
だって、僕は僕でほたるさんじゃないし。
そう思って、ほたるさんが書いたストーリーから感じるままの世界を描いて行った。
ストーリーとしては、うさぎの村で一人だけ垂れ耳の主人公が、自分と同じ垂れ耳のうさぎを探しに旅に出るお話。今まで小さい村の中で同じ種族の仲間しか知らなかった主人公が世界の色々なところを訪れ、様々な種族と出会っていく。
話としては在り来りだけど、初めて訪れる知らない世界に主人公は目を奪われ、触れ合う人達に心を揺さぶられていくのだ。
そんな世界と登場人物達を、僕は原色ばりばりに仕上げていく。
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