スプラヴァン!

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2章 東日本県大会編

      スプリングフィールド4

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 早くも試合の流れは後半へとさしかかる。
清青は緑の山を前にどうにか一手を打とうとした。
ポイントが340:580の中、わずかに草壁リードで
BとCをせんきょされたままだ。

(3人でいけるか・・・?)

もどったタケルはすぐにヤスケと合流。
北がわにスイリュウ、南がわはおれとタケルに分かれて
端から攻めようとする。本当にうまくいくか不安だ。
先に北から向かうらしく、一番左下のクッションで
一度止まっていた。

草壁じんえいも全員カラークッションの上部で
身をひそめてかがんでいた。こっちもやたらと頭を
出していたら打たれるのでむやみに周りを見れない。
Bの頂点にいるマリサがメンバーたちにうかがう。

「「あいつら今どこ?」」
「「分かんない、グラウンドには何人かいるけど
  総理の子とか見えない」」

プププププシュッ

「清青モブ5、ビート!」

遠まきの相手を打つ。でも、主力そうなのだけいない。
わずかに顔を出して少なくとも平地にはいないことが
分かるくらいだ。かくれるのは向こうも同じ。
どうせクッションの真下でまちぶせしている。
音を察知さっちしたモブ1がウォーターガンを向けた時。

「そこだろ、なっ――!?」

タンッ ププププシュッ

顔に水玉が4発飛び散る、いっしゅん見えたのは
丸い何か。いや、他に例えようがなかった。

「草壁モブ1、ビート!」

何かまるいモノが飛び出してきた?
そんなわけない、動くのは人しかいないはず。
そこを見ていたマリサはわずかでも理解。

「「宙返りしながら・・・ショット!?」」

そう、スイリュウはジャンプしながら回転打ちをした。
回るのはヘッドショットを防ぐため。
ヒットをまともに受けるどう体でも弱点を少しだけ
かくせるから。
後は・・・見た目でおどろかせる。
エイムのねらいをまどわせられるからだ。
2人にどうすべきか伝える。

「「今、何人かぼくの方を向いているはず。
  だから、A近くでオトリになる。
  タケルとヤスケはCの方へ行って」」
「「そこにおれらを?」」

実はBとCの周りはすきまが多いのが分かった。
ただ、かくれる場所も多い分、相手もさがしに来る
ことがありえるから北から少ないところを対応。
3人もこっちには来れない、せめて1人だけで
どうにかしようとした。
タケルとヤスケはクッション上部を確かめながら
南へ回る。小声で聞き直した。

「「あのイバラギみたいにか、上手くできるか?」」
「「作戦がある、打つ時は三角とびをしながら。
  2人もぼくのようにマネで」」
「「空中回転しろってか!?」」
「「いや、できるだけジャンプショットだけでも。
  向こうは高い分だけ下を見てる、
  それで上下じくズラしで対応を」」

下からねらうと相手もいるのは分かっているから
エイムの位置がすぐに合わせられる。
飛び出しはふつう危ないけど、真下から離れながら
打てば少しでもヘッドショットからのがれやすい。
タケルとヤスケは回転できずとも三角とびはできる。
とにかくとび打ちでやるようにした。

タンッ プププシュッ

「草壁モブ9、ビート!」
「「おれのエイムがぁぁぁ」」

相手の体が急に上にあがってくるのでヘッドショットが
ねらいにくく、打ち負けてしまう。

(相変わらず進化してるな・・・言い方変だけど)

タケルは内心、スイリュウのうでまえに関心。
周りに見せびらかす態度もとらず、かつ実行する
しせいに自分もポイントを取られた感じだ。
運動神経はいきおいじゃなく静かに吸い取ること。
まさに水を飲む様なものかもしれない。
今は試合中、すぐに様子を前にもどした。

これでCも確保することができた。
あたりに相手がいそうな感じはしない、わずか3人でも
旗を取れるのは良い方法かもしれないだろう。

「「Aの回収まだ!? Cはどうなってんのよ!?」」
「「6人キャンプっす」」
「「はあ!!??」」

たんじゅんに手数が減っていた。
理由はグラウンド側にいる相手とクッションの真下に
いる側からはさみうちされているようだ。

「「オトリ役もやられて逆に動けなくて・・・」」
「「オトリがいないなら自動作戦3でしょ!?
  無理にヘッショもねらわなくて良い!」」

オトリがやられた場合、自動的に頂上でカバーを
続けるはずが、グラウンド側から打たれて遠くに
目を向けなければならない。が、その間で下からも
相手が出てきてやられる。まさにはさみうち。

(空中戦で負けてる・・・)

マリサはここでやっと作戦がおかしくなっている事に
気づく。声を出す役も打たれて、まちぶせする役も
数人ビートされてポジションが動いていなかった。

ワナワナ

さすがにバク宙打ちなんて練習してないしできない。
これじゃ陸上できたえたとりえがない。
どういうわけかコーチの指示も来ない。
ここで動かなければリーダー失格クラス。
そうなら自分が直接相手しようと決めた。

「ジャンプ力ならあたしも負けないわ!
 来なさい、総理の子!」
「・・・・・・」

最も高いところで身を出してさけんだ声をきく。
スイリュウは明らかに自分を指名したのを知って、
直接相手しろとさそい始めた。

「「スイリュウ、わなだぞ!?」」

ヤスケもそう言っている。
ちょうはつだろう、ここでのるか。
ここでは言い返さない、それでも足は動かす。
いっきに中央部までかけだした。

ダンッ

地をふむ音がはもり、同時にとび上がる。
マリサも総理の子のすがたを見てトリガーを引いた。

プププププププププシュッ        ドサッ


「マリサ、ビート!」
「ああああぁぁぁん、もおおぉぉぉ!!
  ああああぁぁぁん、もおおぉぉぉ!!
   ああああぁぁぁん、もおおぉぉぉ!!」←エコー

クッションにたおれつつくやしがる。
高さは勝っても先にやられてしまった。
小さな水玉とともにキレイに着地したスイリュウ。
しかし。

「いひぃん、来るなくるなあぁぁ!!」

ププププププププシュッ

「スイリュウ君、ビート!」

近くにいた草壁モブ4に打たれる。
さすがに着地後から他の相手までしきれない。
それから数分くらいたって水玉は高く飛び続ける。
山を中心にはげしい動きはほとんど見られずに、
だれも目線は低くこなす選手はいなかった。
そして。

プゥゥゥゥン

結果は1000:840。
開始最初で草壁に先手を取られていたので
かなり近い数値。県大会1回目ははげしく動かなくも
打点が高く終わった。
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