スプラヴァン!

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2章 東日本県大会編

      スプリングフィールド5

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 緑の山がそびえる上は青く、日の光。
試合終了コールの音とともに静かなグラウンドへ変わる。
県大会1回目は熱気だけのこしつつ終わり。
そこで多くの子どもたちが足を止めていた。

「「そーくるか・・・」」

とつぶやく草壁の子どもたち。
いわゆる試合に負けてそうなっているから、
先のような力の入らない様子となる。
でも、1人だけはそういった様子もない。
マリサと草壁モブたちが歩いてきた。

「「やるわね、総理の子」」
「ぼくの名前はスイリュウだよ」

もうどこに行ってもこうよばれるのもなれた感が
でてしまうのは皮肉。おたがいきょりが近づく。
ジト目でこちらを見ている、次にこう発言。

「何よあの動き、小学生の動きじゃないじゃん。
 三角とびで回転こなすなんて・・・」
「ぼく自身は特別なことをしていない。
 特別なのは君たちがやっていたことさ」
「あ、あたしらが・・・?」

マリサはキョトンとする。試合に勝てたのはある意味
自分たちのやっていた事でとっぱできたからだと言う。
理由はジャンプ、あたしらがとぶやり方を利用して
さらに上回ったらしい。別に特別すごいことしてないけど、
そんなシンプルな方法で勝てたとのこと。

「君たちはずっと外周まで来なかった。
 いつも中央かキャンプ近くにいたと思うけど、
 それが上方向へのチャンスを生んだよ」
「まちぶせだけで?」
「このカラークッションはコート内によりすぎてる。
 つまりはんいがせまくなって外周からとびあがる
 角度も増えるエイムが増す。これは君たちにとって
 利用しやすいように設置したんでしょ?」
「ギクッ」

背をのばしながら口で効果音。
彼女たちは縦長に有利な関係で、元からジャンプする
ためにクッションを重ねてしまっていた。
それがここ、グンマのとくい分野で逆に立ち位置によって
ジャンプで返される場所も増えていたのだ。
最初は不思議に思っていたけど、自分たちと同じ動きを
マネされたケースまで対応していなかったようだ。

「こちらがジャンプした時の出落ちが心配だったけど、
 クッションは立体の四角形。
 たった10人で20以上の角度まで見られない」
「「やっぱそうくるか・・・」」

学校ごとに地形が変わるなんて少し変だけど、
もうそこはつっこむ気もない。あまり同じフィールドで
試合しても次第にダメになってくるから。
一応そんな理由で試合の流れは終了。
そろそろ帰る時となる、モブたちも集まってきて
ぼくは彼女たちと一言を交わした。

「でも、さすがぼうたかとびトップなだけあるよ。
 君とおたがいとんだ時、高さでは負けていた」
「ソッチ方面ね、んなの始めから負けなしよ。
 水鉄砲なんてまだ手になじんでないし、
 まだ全力でやれてないんだからねっ!
 今回はあたしらがスキだらけだったから負けたけど、
 今度からきちっと対策しとくから」
「楽しみにしてる、ぼくもまた新しいことを知ったから。
 すごいスプリングフィールドだったよ、ありがとう」
「え、スプ?」
「リーダー、英語できないからね」
「ちょ、そんなことここで――!」
「ガッハハハ!」

草壁モブつっこみにマリサがどうよう。
ふつうは小学校で英語は習わない。いや、一部では
もう始めている所もある。そんな技術の差も
少しずつ開けてくるもの。

「そうね、それぞれのやり方が一番かも。
 次はきっとあんたといっしょになれるかもね。
 全国大会で会いましょう」
「うん」
「それでは今日はこれで終わりです、おつかれさま!」
「ありがとうございました!」

今日はこれといってより道などない。
清青のメンバーたちはバスに乗りこむ。
ヤスケが両手を後ろにして言った。

「あいつら、立体的に動く連中だったな」
「上下を意識しているとくちょうだったよ」

ジャンプショットは急な時に起こす行動。
あんまりひんぱんにやっても動きを読まれるけど、
地形によってはとても良い方法。
環境で動物の動きも変わると爺から教わったけど、
緑に強い生活をここでまた1つ学んだ。
最初の県大会はまず勝利をおさめたが、次はどうか。
イバラギもそうだが、チバ、トチギ。
そしてなぞの多いサイタマとカナガワはどうなるか。
あと5つある関東という身内相手をむねに、
ぼくたちは草壁小学校を後にした。
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