115 / 154
2章 東日本県大会編
スプリングフィールド3
しおりを挟む
グンマにおける試合はぼくたちの予想をうらぎる
展開となった。あびせられたのは水ではなく音。
緑の世界で声にとらわれつつあってしまう。
「あいつら、何をしてんだ・・・?」
「うるさいんだけど・・・」
ヘタに相手すると危険で一度動くのを止めて、
スイリュウはキャンプから一番近い位置で
メンバーたちといっしょにカバー。
(家でもこんな話はなかった、陸上成績が良いだけ)
事前情報でもこんな事は知らされていない。
たぶんずっとかくしてきたんだろう。
だからといってためらってばかりじゃダメ。
相手の戦法かもしれない。
考えられることをつくして
すぐさまウオッチでみんなに伝えた。
「「あの声はデコイ[オトリ]、わざと音を出して
気を引かせてちがうところからねらってくる。
まどわされないで」」
ぼくは相手に聞かれないように伝えた。
デコイとはフェイントの一種で、思ったとおりに
人を向かせる方法。
それでなぜおたけびを上げるのかまでは分からないけど、
ビックリさせて目を引かせているだろう。
「「特に中央の近くは危ない、見えにくい場所から
声をあげるのはその分、限られた方向に目を向く
危険性もあるから気をつけて」」
つまりクッションの反対からでも声はきこえるから
音がした方に向くと別の死角が生まれる。
知らせを聞いたメンバーたちは注意し直す。
「なるほどな、思いの他チンプじゃねーか」
「ついそっちの方を向いちゃう、気をつけよう」
タネが分かれば対応はかんたん。
まだ向こうは活発に動く様子が見られない。
クッションの上部を意識しながらAに行く。
ププシュッ
「草壁モブ5、ビート!」
顔を出していた相手をヤスケとはさみうち。
マガジンもろくに使ってないから十分のこっている。
無事にAは取ることができた。でも、まだBC2つは
向こうに取られているから次にうつらなければならない。
対する草壁じんえいは清青の動きが変わったことに
気づき始める。
「「山に近づかなくなった?」」
「「作戦がバレたかも」」
Aを取ったとたん急にはなれ始めた。
ふつうなら旗の近くで守るはずが、そこを見放すような
行動をとっているように見える。
マリサは作戦へんこうを指示した。
「ま、それも予想のうちよ。
じゃあ作戦2へ変えるわよ!」
目線は清青にもどり、メンバーたちはAからはなれて
Cの方まで回りこみ始める。
のこっていたヤスケは草壁の身体能力に目を細めて
バレルの向き先を上のままにした。
(やつらはジャンプ力も高いな。
スイリュウと同じくらいか、それよりかもな)
クッションを一回けっただけですぐ上に登っている。
だてに棒高とびで全国トップを取っていない。
どいつもみんなハイジャンプに優れた連中だ。
ただ、あんまりこしをかがめて動くのはきつい。
相手はとびあがりながら打ってくるから、
すぐにステップしないとよけられない。
「むほほほほっほほおおおお!!」
(むし)
ププププシュッ
「ヤスケ君、ビート!」
「なっ!?」
さけんだ相手に打たれる。
別の方向と思いきや、ストレートなショットにやられた。
「「おい、さけんでたやつに打たれた!
話がちがうぞ!?」」
「「え?」」
急な流れの変化にメンバーたちの足がストップ。
おそらく対応を読まれたんだろう。
スイリュウは短い時間で考えこむ。
ならばこれはどうか、新しい手を伝えた。
「「二手に分かれよう、ぼくとタケルとヤスケは
山へ向かう。みんなは遠くで応戦して」」
「「3人でか?」」
音のおびきよせで気を引かせるというのは、
言いかえれば配置をくるわせようとするため。
だから、わざとオトリになる役を作る。
そういった手口をコロコロ変えるならこっちも
変えていく。めまぐるしくも役割分担するべき。
「「ぼくとタケルとヤスケで山まで行こう。
当然向こうだってこっちの動きを見ながら
決めているから、今はそうするしかないよ」」
「「わ、分かった」」
「・・・・・・」
まるで軍隊の切り捨てみたいなやり方だ。
できたての作戦にとまどいつつ、足だけ進む。
言われるままそれぞれの配置まで向かった。
ごく一部のちんもくに気づかずに。
展開となった。あびせられたのは水ではなく音。
緑の世界で声にとらわれつつあってしまう。
「あいつら、何をしてんだ・・・?」
「うるさいんだけど・・・」
ヘタに相手すると危険で一度動くのを止めて、
スイリュウはキャンプから一番近い位置で
メンバーたちといっしょにカバー。
(家でもこんな話はなかった、陸上成績が良いだけ)
事前情報でもこんな事は知らされていない。
たぶんずっとかくしてきたんだろう。
だからといってためらってばかりじゃダメ。
相手の戦法かもしれない。
考えられることをつくして
すぐさまウオッチでみんなに伝えた。
「「あの声はデコイ[オトリ]、わざと音を出して
気を引かせてちがうところからねらってくる。
まどわされないで」」
ぼくは相手に聞かれないように伝えた。
デコイとはフェイントの一種で、思ったとおりに
人を向かせる方法。
それでなぜおたけびを上げるのかまでは分からないけど、
ビックリさせて目を引かせているだろう。
「「特に中央の近くは危ない、見えにくい場所から
声をあげるのはその分、限られた方向に目を向く
危険性もあるから気をつけて」」
つまりクッションの反対からでも声はきこえるから
音がした方に向くと別の死角が生まれる。
知らせを聞いたメンバーたちは注意し直す。
「なるほどな、思いの他チンプじゃねーか」
「ついそっちの方を向いちゃう、気をつけよう」
タネが分かれば対応はかんたん。
まだ向こうは活発に動く様子が見られない。
クッションの上部を意識しながらAに行く。
ププシュッ
「草壁モブ5、ビート!」
顔を出していた相手をヤスケとはさみうち。
マガジンもろくに使ってないから十分のこっている。
無事にAは取ることができた。でも、まだBC2つは
向こうに取られているから次にうつらなければならない。
対する草壁じんえいは清青の動きが変わったことに
気づき始める。
「「山に近づかなくなった?」」
「「作戦がバレたかも」」
Aを取ったとたん急にはなれ始めた。
ふつうなら旗の近くで守るはずが、そこを見放すような
行動をとっているように見える。
マリサは作戦へんこうを指示した。
「ま、それも予想のうちよ。
じゃあ作戦2へ変えるわよ!」
目線は清青にもどり、メンバーたちはAからはなれて
Cの方まで回りこみ始める。
のこっていたヤスケは草壁の身体能力に目を細めて
バレルの向き先を上のままにした。
(やつらはジャンプ力も高いな。
スイリュウと同じくらいか、それよりかもな)
クッションを一回けっただけですぐ上に登っている。
だてに棒高とびで全国トップを取っていない。
どいつもみんなハイジャンプに優れた連中だ。
ただ、あんまりこしをかがめて動くのはきつい。
相手はとびあがりながら打ってくるから、
すぐにステップしないとよけられない。
「むほほほほっほほおおおお!!」
(むし)
ププププシュッ
「ヤスケ君、ビート!」
「なっ!?」
さけんだ相手に打たれる。
別の方向と思いきや、ストレートなショットにやられた。
「「おい、さけんでたやつに打たれた!
話がちがうぞ!?」」
「「え?」」
急な流れの変化にメンバーたちの足がストップ。
おそらく対応を読まれたんだろう。
スイリュウは短い時間で考えこむ。
ならばこれはどうか、新しい手を伝えた。
「「二手に分かれよう、ぼくとタケルとヤスケは
山へ向かう。みんなは遠くで応戦して」」
「「3人でか?」」
音のおびきよせで気を引かせるというのは、
言いかえれば配置をくるわせようとするため。
だから、わざとオトリになる役を作る。
そういった手口をコロコロ変えるならこっちも
変えていく。めまぐるしくも役割分担するべき。
「「ぼくとタケルとヤスケで山まで行こう。
当然向こうだってこっちの動きを見ながら
決めているから、今はそうするしかないよ」」
「「わ、分かった」」
「・・・・・・」
まるで軍隊の切り捨てみたいなやり方だ。
できたての作戦にとまどいつつ、足だけ進む。
言われるままそれぞれの配置まで向かった。
ごく一部のちんもくに気づかずに。
0
あなたにおすすめの小説
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる