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第二章 男を誘う
8 バー体験
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小高に案内された場所は、アルファがあまり出入りのしないバー。少しカジュアルな雰囲気だと感じる。
ポカンと辺りを見渡す爽に、面白そうに笑いながら小高は言った。
「ちょっと飲んで楽しみたい時はここに来るの。本気でアルファを落としたい時は、また別のもうちょっとお高めのところに行くんだよ。でも三上君のターゲットはベータだって聞いたから、ここで大丈夫そう?」
事前にどんな人と出会いたいか、小高には伝えていたので、それを汲み取って案内してくれたのだった。
「うん、俺はアルファが苦手なんだ。ここなら雰囲気もカジュアルでいいし、落ち着く」
「それならよかったぁ。ここはね、オメガが二人で来ても安心のところなんだ」
「へ、へぇ」
テーブル席につくと、小高は酒を頼む。
爽はまだ十九歳なので、ひとつ年が足りずジュースにした。二人で少しだけ他愛もない会話をしていたら、すぐに男二人に声をかけられた。小高は可愛いからオメガとわかるが、彼らからは爽も一応オメガに見えたらしい。
オメガが二人で酒を飲んでいると、声がかかると事前に聞いていたとおり、すぐに声がかかったことに爽は驚く。バーとはそういうところなのだろうか? これが目的だから問題ないが、なぜかこの軽い雰囲気に気分が乗らなかった。
小高は声をかけられた相手に嫌悪感がなかったようで、四人で飲む。いい具合に爽以外の男たちは酒が入り、爽を除く周りは楽しそうにしていた。
知らない人と話していたところで、爽は全く楽しくなかった。
世間のことに疎いので、流行りのことを言われてもわからない。そもそも知らない男にベタベタ触られるのは内心不快だった。
このような感情で、爽は男とできるのかすら不安になった。何が何でも麗香の結婚式では妊娠していなければならないのに……と、またしても不安は大きくなる。
爽が神妙な顔をしていると、男の一人が気付き話しかける。
「爽君、もう飲み物ないね。次何頼む?」
「あ、じゃあオレンジジュースでお願いします」
「オッケー」
気が利く男のようだった。
小高はもう一人の男と楽しそうに手を絡めていた。彼は男を引っ掛けるつもりだと、ここに来る前に言っていた。爽は二人の雰囲気に納得したが、少しだけ驚いた。
ちょうどいいベータと体の関係だけを求めている小高は、世間ではビッチと言われる部類なのかもしれない。だから爽がセックスだけの相手を求めていると言っても、引かなかったのだろうと考える。
アルファと付き合うと、束縛や本気度などがベータと違うらしい。前回の束縛彼氏には疲れたから、今度は体だけ発散できる軽い付き合いを望んでいると経験者は語った。頼もしい同僚を尊敬した瞬間だった。
早く妊娠しなければならない爽は、彼の考えがとても勉強になると思い真剣に聞いていた。とにかく、ここに来た以上は手当り次第男に抱かれなければならない――そんな思いでおかわりした飲み物をグイっと飲んだ。
一人に拘るつもりもないし、父親はいらない。子供さえこの腹にきてくれればいい。
幸いなことに、就職した会社はオメガ手当や産休制度がしっかりとしていた。だからそれを利用して、子育ては一人で頑張る。とにかく大好きな姉とその男の結婚式さえクリアすればいい。その後の人生はきっと大変だろうけれど、まだ見ぬ子供と二人で生きていく覚悟を爽は決めていた。
あとはその種を貰うだけ。
そう考えたら、会社で男を漁るわけにいかない。お腹の子供に父親は必要ないのだから、妊娠したことも知らないでいられる相手がいい。だからこそ、見ず知らずの人で、手っ取り早く体だけ繋げてくれる軽い男しか選択肢はなかった。
「はい、オレンジジュース」
「あ、ありがとうございます」
よし、男は度胸だ! そう思った爽はオレンジジュースを一気に飲み干した。
「おお、いい飲みっぷり」
「あれ? なんか、これ苦いような?」
一気に飲んだせいか、味がよくわからなかったが喉が熱くなる。
「そう? ほら、俺もオレンジジュース頼んだから、これも飲んでいいよ」
「ありがとう! じゃ、遠慮なく」
体も熱くなってきたので喉が渇いているのかと思い、またゴクっと飲んだ。そこで小高が声をかけてくる。
「三上君、僕は彼とこれから違うお店に行くことになったから、ここで解散でいい?」
「え、ああ、うん。今日はありがとう」
「いいえ、三上君も楽しい夜をね」
「ああ! じゃあまた会社で」
小高はこれからしけこむらしい。事前にそう言われていたから邪魔しないし、彼もこちらの邪魔をしないと互いにそう決めて、ここに来た。そこで爽の前に座る男が提案をしてくる。
「ねえ、爽君、俺らも移動しない?」
「え、あ、うん。ちょっとまって、なんか体が熱くて、足が」
「酔っちゃった?」
「酔わないですよ。だって俺オレンジジュースしか飲んでないし、あははは、うはっ、あんた面白いな、あははは」
先ほどまでつまらなかったのが嘘のように、爽は楽しくなっていた。
「あれ? 笑い上戸?」
「暑い、服脱ぐっ」
「え。ちょ、ちょっとまって、服はホテルに行ってからにしよう」
「おおー! 行くぞ、行くぞぉ」
この男には若干嫌悪感があったが、今はそれもどこかに行ってしまったらしい。不思議だと思った。これなら嫌悪感のある男とでも、できるかもしれない。店を出て、その男に介抱されながら歩いていた。
「俺、エッチしたことないけど、いい?」
「え、そうなの? 処女?」
「うん、もらってくれる?」
「うわ、今日は大当たりだな。初物なんてもらえると思わなかった」
「あたりって?」
「ううん、なんでもない、急ごう! ああ、ラブホ検索するからちょっと待ってね」
この男は初めて会った、ベータに見えるオメガの爽を抱けるらしい。
バーを出て道に立ち止まり、男がラブホを検索していた。その時ふいに爽の鼻腔にアルファの香りがしてきた。
それは爽の好みの、嗅いだことのあるフェロモンだった。酔っていた脳が一気に覚める。
――え、この香り……。どうしてこんなところに? あっ、体が! 熱い……
「えっ、ちょっと、爽君? 大丈夫?」
「熱い、熱い、なに、これ」
「うわっ、これってオメガのヒート? うわあ、マジか! 俺今日超絶ラッキーじゃね?」
「あ、やだ、触らないで。やだっ」
男は道端にもかかわらず爽に抱きつき股間を触ってきた。いきなりの嫌悪感。体は熱いのに、この男じゃない感が酷い。この男じゃない、欲しいのはコレじゃない。そう思った爽は、意識し始めると一気に気持ち悪くなってきた。
「爽君、大丈夫だよ。よっぽどやりたかったんだね、ホテル見つかったから行こうね」
「や、やだ。やっぱりヤダ。あんたじゃない」
「ちっ、こんな状況でわがまま言わないで。ほら、いくよ」
この男じゃないとはっきりと今、爽の脳では確信している。そして、どうしてたった一人のアルファのフェロモンが漂ってくるのか爽にはわからなかった。土壇場になって、運命以外に抱かれることを拒んでいるのだろうか。
これで本当に妊娠できる?
爽の脳裏に疑問が浮かぶ。誰かと寝ようと思うと、こんなにもあの男のフェロモンを感じてしまう浅ましさが、麗香をまた裏切っている。姉の幸せを願っているはずなのに、爽の行動が、思考が、全てが姉を悲しませる行為でしかない。
知らない男の子供を孕むことだって、姉は悲しむだろう。何をしてもだめだ。そう思ったとき、急に眠気も訪れて爽の意識がとだえた。
ポカンと辺りを見渡す爽に、面白そうに笑いながら小高は言った。
「ちょっと飲んで楽しみたい時はここに来るの。本気でアルファを落としたい時は、また別のもうちょっとお高めのところに行くんだよ。でも三上君のターゲットはベータだって聞いたから、ここで大丈夫そう?」
事前にどんな人と出会いたいか、小高には伝えていたので、それを汲み取って案内してくれたのだった。
「うん、俺はアルファが苦手なんだ。ここなら雰囲気もカジュアルでいいし、落ち着く」
「それならよかったぁ。ここはね、オメガが二人で来ても安心のところなんだ」
「へ、へぇ」
テーブル席につくと、小高は酒を頼む。
爽はまだ十九歳なので、ひとつ年が足りずジュースにした。二人で少しだけ他愛もない会話をしていたら、すぐに男二人に声をかけられた。小高は可愛いからオメガとわかるが、彼らからは爽も一応オメガに見えたらしい。
オメガが二人で酒を飲んでいると、声がかかると事前に聞いていたとおり、すぐに声がかかったことに爽は驚く。バーとはそういうところなのだろうか? これが目的だから問題ないが、なぜかこの軽い雰囲気に気分が乗らなかった。
小高は声をかけられた相手に嫌悪感がなかったようで、四人で飲む。いい具合に爽以外の男たちは酒が入り、爽を除く周りは楽しそうにしていた。
知らない人と話していたところで、爽は全く楽しくなかった。
世間のことに疎いので、流行りのことを言われてもわからない。そもそも知らない男にベタベタ触られるのは内心不快だった。
このような感情で、爽は男とできるのかすら不安になった。何が何でも麗香の結婚式では妊娠していなければならないのに……と、またしても不安は大きくなる。
爽が神妙な顔をしていると、男の一人が気付き話しかける。
「爽君、もう飲み物ないね。次何頼む?」
「あ、じゃあオレンジジュースでお願いします」
「オッケー」
気が利く男のようだった。
小高はもう一人の男と楽しそうに手を絡めていた。彼は男を引っ掛けるつもりだと、ここに来る前に言っていた。爽は二人の雰囲気に納得したが、少しだけ驚いた。
ちょうどいいベータと体の関係だけを求めている小高は、世間ではビッチと言われる部類なのかもしれない。だから爽がセックスだけの相手を求めていると言っても、引かなかったのだろうと考える。
アルファと付き合うと、束縛や本気度などがベータと違うらしい。前回の束縛彼氏には疲れたから、今度は体だけ発散できる軽い付き合いを望んでいると経験者は語った。頼もしい同僚を尊敬した瞬間だった。
早く妊娠しなければならない爽は、彼の考えがとても勉強になると思い真剣に聞いていた。とにかく、ここに来た以上は手当り次第男に抱かれなければならない――そんな思いでおかわりした飲み物をグイっと飲んだ。
一人に拘るつもりもないし、父親はいらない。子供さえこの腹にきてくれればいい。
幸いなことに、就職した会社はオメガ手当や産休制度がしっかりとしていた。だからそれを利用して、子育ては一人で頑張る。とにかく大好きな姉とその男の結婚式さえクリアすればいい。その後の人生はきっと大変だろうけれど、まだ見ぬ子供と二人で生きていく覚悟を爽は決めていた。
あとはその種を貰うだけ。
そう考えたら、会社で男を漁るわけにいかない。お腹の子供に父親は必要ないのだから、妊娠したことも知らないでいられる相手がいい。だからこそ、見ず知らずの人で、手っ取り早く体だけ繋げてくれる軽い男しか選択肢はなかった。
「はい、オレンジジュース」
「あ、ありがとうございます」
よし、男は度胸だ! そう思った爽はオレンジジュースを一気に飲み干した。
「おお、いい飲みっぷり」
「あれ? なんか、これ苦いような?」
一気に飲んだせいか、味がよくわからなかったが喉が熱くなる。
「そう? ほら、俺もオレンジジュース頼んだから、これも飲んでいいよ」
「ありがとう! じゃ、遠慮なく」
体も熱くなってきたので喉が渇いているのかと思い、またゴクっと飲んだ。そこで小高が声をかけてくる。
「三上君、僕は彼とこれから違うお店に行くことになったから、ここで解散でいい?」
「え、ああ、うん。今日はありがとう」
「いいえ、三上君も楽しい夜をね」
「ああ! じゃあまた会社で」
小高はこれからしけこむらしい。事前にそう言われていたから邪魔しないし、彼もこちらの邪魔をしないと互いにそう決めて、ここに来た。そこで爽の前に座る男が提案をしてくる。
「ねえ、爽君、俺らも移動しない?」
「え、あ、うん。ちょっとまって、なんか体が熱くて、足が」
「酔っちゃった?」
「酔わないですよ。だって俺オレンジジュースしか飲んでないし、あははは、うはっ、あんた面白いな、あははは」
先ほどまでつまらなかったのが嘘のように、爽は楽しくなっていた。
「あれ? 笑い上戸?」
「暑い、服脱ぐっ」
「え。ちょ、ちょっとまって、服はホテルに行ってからにしよう」
「おおー! 行くぞ、行くぞぉ」
この男には若干嫌悪感があったが、今はそれもどこかに行ってしまったらしい。不思議だと思った。これなら嫌悪感のある男とでも、できるかもしれない。店を出て、その男に介抱されながら歩いていた。
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バーを出て道に立ち止まり、男がラブホを検索していた。その時ふいに爽の鼻腔にアルファの香りがしてきた。
それは爽の好みの、嗅いだことのあるフェロモンだった。酔っていた脳が一気に覚める。
――え、この香り……。どうしてこんなところに? あっ、体が! 熱い……
「えっ、ちょっと、爽君? 大丈夫?」
「熱い、熱い、なに、これ」
「うわっ、これってオメガのヒート? うわあ、マジか! 俺今日超絶ラッキーじゃね?」
「あ、やだ、触らないで。やだっ」
男は道端にもかかわらず爽に抱きつき股間を触ってきた。いきなりの嫌悪感。体は熱いのに、この男じゃない感が酷い。この男じゃない、欲しいのはコレじゃない。そう思った爽は、意識し始めると一気に気持ち悪くなってきた。
「爽君、大丈夫だよ。よっぽどやりたかったんだね、ホテル見つかったから行こうね」
「や、やだ。やっぱりヤダ。あんたじゃない」
「ちっ、こんな状況でわがまま言わないで。ほら、いくよ」
この男じゃないとはっきりと今、爽の脳では確信している。そして、どうしてたった一人のアルファのフェロモンが漂ってくるのか爽にはわからなかった。土壇場になって、運命以外に抱かれることを拒んでいるのだろうか。
これで本当に妊娠できる?
爽の脳裏に疑問が浮かぶ。誰かと寝ようと思うと、こんなにもあの男のフェロモンを感じてしまう浅ましさが、麗香をまた裏切っている。姉の幸せを願っているはずなのに、爽の行動が、思考が、全てが姉を悲しませる行為でしかない。
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