4 / 17
装甲艦隊構想
模擬海戦
しおりを挟む
1936年6月22日。
横須賀沖にて模擬海戦が行われた。
日本海軍はこれから装甲空母を建造することになっているが、そうなると戦艦と供に敵陣深くまで切り込むような戦術も取れる様になる。
と、すると戦艦は敵制空権下の中でもかなり自由に行動が出来るようになる。
だが、それは母艦航空隊の練度次第と言うこともあった。
そこに山本は目を付けた。
山本は”母艦航空隊の戦技向上並びに、戦艦乗組員の対空意識の向上”を表向きの目標として軍令部に模擬海戦に実施を提案したのだったが、実際は”上層部に航空機に真価を見せてやろう!”と腹の奥で考えていたのである。
上層部に航空機の脅威を植え付けることが出来れば大型戦艦建造を諦め、新型空母やその艦載機に資金を使えるようになる。
この山本の狙いは第一航空戦隊の皆に伝わっており、彼らは張り切って”戦艦撃滅!”を目標に攻撃機に乗って2隻の軽空母を発艦していった。
相手をするのは戦艦金剛である。
金剛は中速戦艦に分類されており、最高速26ノットを誇る。
これは現在の日本海軍が保有する中で最速であった。
(金剛を撃沈判定に出来れば上層部もかなり動揺するに違いない!)
山本はそう期待して鳳翔と龍驤から攻撃隊を送り出した。
攻撃隊は九二式艦攻45機。
現在、急降下爆撃機の研究も行っているがいまはまだ実用化に至っていない。
そのため、今回は艦攻だけが参戦することになる。
そして、その艦攻たちはすべてが模擬魚雷を装備していた。
金剛は目視で航空隊を捉えた。
すぐに艦長は対空戦闘と回避行動を命令する。
だが、金剛には軍縮条約の影響で今だ本格的な対空火器が装備されておらず撃墜できた機体は多めに見積もっても2機でしかなかった。
そのため、艦攻はなんら影響を受けずに冷静に魚雷を投下していく。
ほとんどが挟み撃ちで攻撃を仕掛けたが、攻撃は明らかに左舷に集中していた。
結果的に、金剛は右舷には2本の被雷だけにとどめたものの、左舷になんと18本もの魚雷を喰らった判定となったのである。
如何に堅牢な戦艦で、かつ比較的小さな魚雷であろうとも18本の被雷はもはや撃沈と言っても差し支えなかった。
この模擬海戦の結果はすぐに海軍全体に広まることになる。
ある物は”ただの模擬戦”と切り捨てたが、軍令部総長たる伏見宮は違った。
(…なぜこのような結果になったのか、奴に問い詰めなければならん)
奴とは山本の事で、伏見宮は早速山本を軍令部に呼びつけたのだった。
横須賀沖にて模擬海戦が行われた。
日本海軍はこれから装甲空母を建造することになっているが、そうなると戦艦と供に敵陣深くまで切り込むような戦術も取れる様になる。
と、すると戦艦は敵制空権下の中でもかなり自由に行動が出来るようになる。
だが、それは母艦航空隊の練度次第と言うこともあった。
そこに山本は目を付けた。
山本は”母艦航空隊の戦技向上並びに、戦艦乗組員の対空意識の向上”を表向きの目標として軍令部に模擬海戦に実施を提案したのだったが、実際は”上層部に航空機に真価を見せてやろう!”と腹の奥で考えていたのである。
上層部に航空機の脅威を植え付けることが出来れば大型戦艦建造を諦め、新型空母やその艦載機に資金を使えるようになる。
この山本の狙いは第一航空戦隊の皆に伝わっており、彼らは張り切って”戦艦撃滅!”を目標に攻撃機に乗って2隻の軽空母を発艦していった。
相手をするのは戦艦金剛である。
金剛は中速戦艦に分類されており、最高速26ノットを誇る。
これは現在の日本海軍が保有する中で最速であった。
(金剛を撃沈判定に出来れば上層部もかなり動揺するに違いない!)
山本はそう期待して鳳翔と龍驤から攻撃隊を送り出した。
攻撃隊は九二式艦攻45機。
現在、急降下爆撃機の研究も行っているがいまはまだ実用化に至っていない。
そのため、今回は艦攻だけが参戦することになる。
そして、その艦攻たちはすべてが模擬魚雷を装備していた。
金剛は目視で航空隊を捉えた。
すぐに艦長は対空戦闘と回避行動を命令する。
だが、金剛には軍縮条約の影響で今だ本格的な対空火器が装備されておらず撃墜できた機体は多めに見積もっても2機でしかなかった。
そのため、艦攻はなんら影響を受けずに冷静に魚雷を投下していく。
ほとんどが挟み撃ちで攻撃を仕掛けたが、攻撃は明らかに左舷に集中していた。
結果的に、金剛は右舷には2本の被雷だけにとどめたものの、左舷になんと18本もの魚雷を喰らった判定となったのである。
如何に堅牢な戦艦で、かつ比較的小さな魚雷であろうとも18本の被雷はもはや撃沈と言っても差し支えなかった。
この模擬海戦の結果はすぐに海軍全体に広まることになる。
ある物は”ただの模擬戦”と切り捨てたが、軍令部総長たる伏見宮は違った。
(…なぜこのような結果になったのか、奴に問い詰めなければならん)
奴とは山本の事で、伏見宮は早速山本を軍令部に呼びつけたのだった。
41
あなたにおすすめの小説
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記
糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。
それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。
かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。
ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。
※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。
徳川慶勝、黒船を討つ
克全
歴史・時代
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
尾張徳川家(尾張藩)の第14代・第17代当主の徳川慶勝が、美濃高須藩主・松平義建の次男・秀之助ではなく、夭折した長男・源之助が継いでおり、彼が攘夷派の名君となっていた場合の仮想戦記を書いてみました。夭折した兄弟が活躍します。尾張徳川家15代藩主・徳川茂徳、会津藩主・松平容保、桑名藩主・松平定敬、特に会津藩主・松平容保と会津藩士にリベンジしてもらいます。
もしかしたら、消去するかもしれません。
【架空戦記】炎立つ真珠湾
糸冬
歴史・時代
一九四一年十二月八日。
日本海軍による真珠湾攻撃は成功裡に終わった。
さらなる戦果を求めて第二次攻撃を求める声に対し、南雲忠一司令は、歴史を覆す決断を下す。
「吉と出れば天啓、凶と出れば悪魔のささやき」と内心で呟きつつ……。
If太平洋戦争 日本が懸命な判断をしていたら
みにみ
歴史・時代
もし、あの戦争で日本が異なる選択をしていたら?
国力の差を直視し、無謀な拡大を避け、戦略と外交で活路を開く。
真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル…分水嶺で下された「if」の決断。
破滅回避し、国家存続をかけたもう一つの終戦を描く架空戦記。
現在1945年夏まで執筆
武蔵要塞1945 ~ 戦艦武蔵あらため第34特別根拠地隊、沖縄の地で斯く戦えり
もろこし
歴史・時代
史実ではレイテ湾に向かう途上で沈んだ戦艦武蔵ですが、本作ではからくも生き残り、最終的に沖縄の海岸に座礁します。
海軍からは見捨てられた武蔵でしたが、戦力不足に悩む現地陸軍と手を握り沖縄防衛の中核となります。
無敵の要塞と化した武蔵は沖縄に来襲する連合軍を次々と撃破。その活躍は連合国の戦争計画を徐々に狂わせていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる