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決戦への備え
連合艦隊司令長官たる小沢治三郎
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先に示した3個の航空艦隊に小沢の名前が無かったのはもちろん理由がある。
それはポートモレスビーから機体補充に帰投した1943年7月の事だった。
「君にGFの長官をやってもらうことにした!」
司令部に呼び出されて何事かと思っていると開口一番にそう山本に言われた。
「…いきなりですね…」
「次の内閣で首相が東条さんから米内さんに代わることになった。よって本格的な終戦準備が始まることになる。私はその内閣で海軍大臣を務めることが決まった。だから、次は君がやれ」
この工作は大東亜戦争が始まって以来続けられていたことだった。
東条ではおそらく対米講和が無しえないと考えた木戸幸作は米内光政を首相に担ぎ上げ、本格的に対米講和を行おうと考えた。
そして政治工作を行った末、ついに東条の退陣と米内の再登板が決まったのだった。
ただ、米内だけでは陸軍をいなせるかは未知数だ。
そこで政治力に長ける山本に白羽の矢が立ったのだった。
「ですが良いのですか?私は中将であり大将は何人もおられますが…」
連合艦隊司令長官は慣習的に大将が就任することになっていた。
「分かっている…だから君は今から大将だ!」
なんとも強引だが、山本は自身の後釜を小沢以外考えることが出来なかった。
(それに、小沢はかなり戦功をあげている…誰も文句は言わんだろう)
打算も含みながらもこうして小沢は第二十八代連合艦隊司令長官となった。
連合艦隊の顔である長官が変わったため、参謀長も変更されることになった。
それが大西瀧次郎中将である。
彼は生粋の航空屋で山本と共に航空主兵主義に邁進した人物だった。
航空参謀はそのまま樋端久利生少将が務める。
また、新しく創設された情報参謀には中島親孝少将が着任し連合艦隊の面々は固まった。
「連合艦隊司令部はハワイ・真珠湾に置く」
初めての会議で小沢は開口一番に行った。
通常なら前線に司令部が出る等持っての他である。
だが、今の連合艦隊首脳部は大西を筆頭に血の気が多かった。
「是非そうしましょう!」
全会一致で連合艦隊司令部は真珠湾に置かれることになった。
日本海軍ではこうして着々と決戦に向けての準備が行われていた。
これには当然理由があある。
いくつもの情報筋からアメリカ海軍が月間正規空母、月間軽空母、週刊護衛空母など大戦力をそろえていると伝えられていた。
そして1944年の夏ごろには”日本海軍の総戦力を超える”という予想が出されていた。
と言うことは後1年もないことになる。
そのためにこうして備えを行っていたのだった。
それはポートモレスビーから機体補充に帰投した1943年7月の事だった。
「君にGFの長官をやってもらうことにした!」
司令部に呼び出されて何事かと思っていると開口一番にそう山本に言われた。
「…いきなりですね…」
「次の内閣で首相が東条さんから米内さんに代わることになった。よって本格的な終戦準備が始まることになる。私はその内閣で海軍大臣を務めることが決まった。だから、次は君がやれ」
この工作は大東亜戦争が始まって以来続けられていたことだった。
東条ではおそらく対米講和が無しえないと考えた木戸幸作は米内光政を首相に担ぎ上げ、本格的に対米講和を行おうと考えた。
そして政治工作を行った末、ついに東条の退陣と米内の再登板が決まったのだった。
ただ、米内だけでは陸軍をいなせるかは未知数だ。
そこで政治力に長ける山本に白羽の矢が立ったのだった。
「ですが良いのですか?私は中将であり大将は何人もおられますが…」
連合艦隊司令長官は慣習的に大将が就任することになっていた。
「分かっている…だから君は今から大将だ!」
なんとも強引だが、山本は自身の後釜を小沢以外考えることが出来なかった。
(それに、小沢はかなり戦功をあげている…誰も文句は言わんだろう)
打算も含みながらもこうして小沢は第二十八代連合艦隊司令長官となった。
連合艦隊の顔である長官が変わったため、参謀長も変更されることになった。
それが大西瀧次郎中将である。
彼は生粋の航空屋で山本と共に航空主兵主義に邁進した人物だった。
航空参謀はそのまま樋端久利生少将が務める。
また、新しく創設された情報参謀には中島親孝少将が着任し連合艦隊の面々は固まった。
「連合艦隊司令部はハワイ・真珠湾に置く」
初めての会議で小沢は開口一番に行った。
通常なら前線に司令部が出る等持っての他である。
だが、今の連合艦隊首脳部は大西を筆頭に血の気が多かった。
「是非そうしましょう!」
全会一致で連合艦隊司令部は真珠湾に置かれることになった。
日本海軍ではこうして着々と決戦に向けての準備が行われていた。
これには当然理由があある。
いくつもの情報筋からアメリカ海軍が月間正規空母、月間軽空母、週刊護衛空母など大戦力をそろえていると伝えられていた。
そして1944年の夏ごろには”日本海軍の総戦力を超える”という予想が出されていた。
と言うことは後1年もないことになる。
そのためにこうして備えを行っていたのだった。
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