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戦線膠着
平和な一時
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太平洋戦線が膠着したことで日本には一時的に平和な時間が流れていた。
また政府も日ソ開戦には慎重な姿勢を示しておりこの平和は早々破られるものではなかった。
そのため各地の陸海の軍人達は立ち代わり立ち代わりではあるものの本土に一時帰還していった。
「1か月後の3月2日にここ雲鷹に戻ってくるように。話はそれだけだ。」
雲鷹の艦長は艦橋前の飛行甲板に整列した搭乗員に伝える。
搭乗員たちは一糸乱れぬ動きで艦長に敬礼し艦長もそれに敬礼で返す。
そして艦長が戻っていくと搭乗員はカッターに乗り込み横須賀の港へ向かった。
横須賀はいつにも増して活気に満ちていた。
久々に日本の土を踏んだ海軍軍人がその中核であることは言うまでもない。
その中の1軒の居酒屋で昼ながらも4人の軍人が酒を飲みながら談笑していた。
「イギリスの奴らまだ複葉機を使ってやがってな。」
「それでどうなったんです?」
「一撃で粉砕していやったさ!」
そう豪快に笑うのは雲鷹飛行隊長の赤松だった。
「松っちゃんらしいですね。」
そういうのは翔鶴飛行隊長の坂井三郎だ。
「先輩はちゃんと名前で呼べ!」
赤松は怒るような口調で言うも顔は笑っていた。
「ともかく、こうして酒を飲めるだけいいとしましょうや。」
翔鶴戦闘機隊中隊長の笹井の言葉に皆が同意するように首を縦に振る。
「岩本ももっと飲め!今日は俺の奢りだ!」
赤松に言われて瑞鶴飛行隊長の岩本は申し訳なさそうな顔をした。
「すいません。それがそろそろ船の時間なので。」
「そういえばすぐに樺太に帰るんだったな。親孝行して来いよ。俺たちはいつ死ぬのか分からないからな。」
赤松の言葉に後押しされるように岩本は居酒屋を出て横須賀の船着き場へ向かった。
「こうしていると今が戦争中であることを忘れそうになるな。」
小沢は茶をすすりながら井上に話しかける。
「まったくだ。だがこれは恒久的なものではない。」
井上は特務機関から提供された情報を目に通す。
「アメリカ海軍はかなりの勢いで復活している。44年末には我々の戦力を超えるだろう。」
小沢の目つきも鋭くなる。
「決戦は44年末か45年か。」
「そうなるだろう。だがこちらも手をこまねいているだけではない。」
「というと?」
「仁科という学者が居てな。その人が原子を利用した新型爆弾の開発を推し進めている。」
「その新型爆弾の威力はどの程度なんだ?」
「艦隊付近で起爆した場合、艦隊は一瞬で壊滅するらしい。」
「それは期待できるな。」
小沢の言葉に井上も頷いた。
また政府も日ソ開戦には慎重な姿勢を示しておりこの平和は早々破られるものではなかった。
そのため各地の陸海の軍人達は立ち代わり立ち代わりではあるものの本土に一時帰還していった。
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そして艦長が戻っていくと搭乗員はカッターに乗り込み横須賀の港へ向かった。
横須賀はいつにも増して活気に満ちていた。
久々に日本の土を踏んだ海軍軍人がその中核であることは言うまでもない。
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「それでどうなったんです?」
「一撃で粉砕していやったさ!」
そう豪快に笑うのは雲鷹飛行隊長の赤松だった。
「松っちゃんらしいですね。」
そういうのは翔鶴飛行隊長の坂井三郎だ。
「先輩はちゃんと名前で呼べ!」
赤松は怒るような口調で言うも顔は笑っていた。
「ともかく、こうして酒を飲めるだけいいとしましょうや。」
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「すいません。それがそろそろ船の時間なので。」
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「それは期待できるな。」
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