超量産艦隊

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三一六計画

九七式単座艦上爆撃機

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1936年11月22日。
空母大鷹は駆逐艦雷、電、暁、響に付き添われ徳山沖を航行していた。
「これが、単爆か…」
艦長の有馬正文大佐は大鷹の飛行甲板に並べられた10機の航空機を見ながら言った。
それらの航空機は逆ガル翼で単座である。
つまり、件の一試単座爆撃機である。
有馬が言った単爆とは、単座爆撃機の略称である。
「この機体だけを大鷹が運用すればかなり効率が良くなりそうです」
副艦長がおもむろに言った。
有馬は驚きはしたものの、”確かに”と思い直した。
(単爆は元々九六式艦戦の試作機だと聞く…なら、戦闘機としても爆撃機としても運用できるこの機体は、艦載機数が少ないこの大鷹にうってつけではないか!)
有馬は期待の目で飛行甲板を眺めていた。


一試単座爆撃機の一番機は大鷹飛行隊長の江草隆繁大尉が搭乗する。
(勝手は九七式艦戦と変わらない…とにかく飛んでみるしかない)
江草が一試単座爆撃機に乗るのはこれが初めての事である。
諸々の準備をしていると、発進許可の信号が出た。
江草はエンジンの出力を上げる。
逆ガル翼と言うこともあり、九六式艦上戦闘機よりかなり力強い。
江草機が滑走し始めた地点から飛行甲板の先端までは100mほどであったが、難なく発艦に成功した。
これでも、胴体直下には250㎏のコンクリートの塊を抱いている。
(さて…他の奴らは…)
江草は高度を上げながらも大鷹の飛行甲板に目をやる。
後続機たちも問題なく発艦に成功している。
江草以外の搭乗員は新米ばかりであるが、それでも発艦はなんら問題なかった。
(かなり発艦がやりやすいようだな)
そう思いながら江草は編隊を組み10分ほど飛行する。
そこには小島があり標的が描かれていた。
急降下爆撃の訓練を行うのである。
江草は編隊を離れ、残りの9機の爆撃を見守る。
逆ガル翼はやはり下方視界が良いらしく、新米でも降下位置を間違えることはなく次々と逆落としとなって標的に向かっていく。
タイドブレーキも作動し、1機も地面に突っ込む機体は無く訓練は終了した。
さすがに全機命中とはいかななかったが、それでも従来機よりは高かった。
あとは着艦だけである。
(これが一番心配だ…)
江草は自分の事は棚に上げ、9名の後輩達を心配していた。
真っ先に着艦したのは江草であった。
江草は何ら問題なく着艦。
残りの9機も後に続く。
考えてみれば、現在一試単座爆撃機は戦闘機と何ら変わりない。
鈍重な艦爆よりかは着艦が容易かった。
(これは…いい機体だ)
江草はただ褒め称えた。


大鷹での成功を受け、海軍航空本部は一試単座爆撃機を九七式単座爆撃機として制式採用に踏み切った。
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