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戦力増強
和田操との出会い
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藤本は設計の仕事の合間を縫って航空機の勉強を始めた。
流石に航空力学などを一からするわけには行かなかったが、エンジンなどは軍艦にも通ずるところがあり日本も含めた世界各国のエンジンの諸元を調べた。
すると、もはや欧米列強の間では1000馬力エンジンは到達点から新たなエンジンの土台となっていた。
現在の日本では1000馬力エンジンをやっと開発し終えたところであった。
(これほどまでに我が国は航空分野が遅れているとは…)
藤本は少なくない衝撃を受けた。
暗い話だけでも無く各企業は互いに競い合ってより良いエンジンの開発に全力を注いでいた。
だが、藤本はあるエンジンに目を付けていた。
(この金星エンジンは他国の小型機用空冷エンジンと比べても大きいわけではない。このエンジンを搭載した戦闘機や爆撃機を開発すればすぐに欧米に追い付くことが出来るのではないだろうか…?)
藤本はそう思わずにいられなかった。
藤本がそうして航空機の勉強をしている頃、世界では第二次欧州大戦が始まった。
これによりドイツは戦争状態となり、行われてきた日独海軍の連携は一旦は途絶えた。
ただ、断続的な情報交換などはソ連領を通じて行われており、関係はすこぶる良好だった。
この恩恵を最も受けたのは意外にも航空機関係であった。
日本海軍が空母を中心とした艦隊を建設しつつあると知ったドイツ海軍は、総統ヒトラーに直談判して完成したばかりのFw190戦闘機3機とエンジン技術の供与を取り付けた。
すでにヒトラーにとっても日本は強大な同盟国であり、また英仏の目をアジアに向けさせることが出来る唯一の存在だった。
(ここで技術を出し惜しみして戦争に負けたら笑いものだ!)
ヒトラーはそう考えて技術供与を承諾したのである。
ともかく、これで日本の航空技術は底上げされることになる。
藤本は厚木飛行場で海軍高官に公開されたFw190のそれ洗練された機能美に度肝を抜かれた。
(やはりドイツの技術力は凄まじいな…)
そう思ううちに、”なんとかこの戦闘機を日本で生産出来ないだろうか…?”と考える様になった。
その時、横から声が聞こえた。
「えらくしっかり見てらっしゃいますね」
藤本は少し動揺したがすぐに反応した。
「いや、なに。この戦闘機を国産化できれば我が国の空は安泰だなと思いまして」
するとその男は少し真剣そうな顔つきとなった。
「全くその通りです。ですが、上と下は”機動性が悪い!”としてなかなか受け入れようとしないのです。理解者がいて良かった」
そう言う男に藤本は尋ねた。
「お名前は?」
「和田操といいます。和田はそのままに、ミサオは操縦の操です」
これが2人の出会いであった。
流石に航空力学などを一からするわけには行かなかったが、エンジンなどは軍艦にも通ずるところがあり日本も含めた世界各国のエンジンの諸元を調べた。
すると、もはや欧米列強の間では1000馬力エンジンは到達点から新たなエンジンの土台となっていた。
現在の日本では1000馬力エンジンをやっと開発し終えたところであった。
(これほどまでに我が国は航空分野が遅れているとは…)
藤本は少なくない衝撃を受けた。
暗い話だけでも無く各企業は互いに競い合ってより良いエンジンの開発に全力を注いでいた。
だが、藤本はあるエンジンに目を付けていた。
(この金星エンジンは他国の小型機用空冷エンジンと比べても大きいわけではない。このエンジンを搭載した戦闘機や爆撃機を開発すればすぐに欧米に追い付くことが出来るのではないだろうか…?)
藤本はそう思わずにいられなかった。
藤本がそうして航空機の勉強をしている頃、世界では第二次欧州大戦が始まった。
これによりドイツは戦争状態となり、行われてきた日独海軍の連携は一旦は途絶えた。
ただ、断続的な情報交換などはソ連領を通じて行われており、関係はすこぶる良好だった。
この恩恵を最も受けたのは意外にも航空機関係であった。
日本海軍が空母を中心とした艦隊を建設しつつあると知ったドイツ海軍は、総統ヒトラーに直談判して完成したばかりのFw190戦闘機3機とエンジン技術の供与を取り付けた。
すでにヒトラーにとっても日本は強大な同盟国であり、また英仏の目をアジアに向けさせることが出来る唯一の存在だった。
(ここで技術を出し惜しみして戦争に負けたら笑いものだ!)
ヒトラーはそう考えて技術供与を承諾したのである。
ともかく、これで日本の航空技術は底上げされることになる。
藤本は厚木飛行場で海軍高官に公開されたFw190のそれ洗練された機能美に度肝を抜かれた。
(やはりドイツの技術力は凄まじいな…)
そう思ううちに、”なんとかこの戦闘機を日本で生産出来ないだろうか…?”と考える様になった。
その時、横から声が聞こえた。
「えらくしっかり見てらっしゃいますね」
藤本は少し動揺したがすぐに反応した。
「いや、なに。この戦闘機を国産化できれば我が国の空は安泰だなと思いまして」
するとその男は少し真剣そうな顔つきとなった。
「全くその通りです。ですが、上と下は”機動性が悪い!”としてなかなか受け入れようとしないのです。理解者がいて良かった」
そう言う男に藤本は尋ねた。
「お名前は?」
「和田操といいます。和田はそのままに、ミサオは操縦の操です」
これが2人の出会いであった。
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