クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗

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財宝を全て売る覚悟

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 一時間後――ついに千年世も合流を果たした。

「ただいまです!」
「おかえり、千年世。これで全員集合か」

 待機組の合流は難しいので、今のメンバーで活動をする。

「言われた通り、島の購入を完了しました」
「助かった。みんな、千年世の言う通りだ。神造島を購入した!」


「「「「「おおおおお~~~~~!!!!!」」」」」


 歓声が上がり、騒然となる。


「その神造島はどこにあるの~?」
「良い質問だ、艾。鹿児島にある。ほら、少し前に鹿児島港へ行ったろ?」
「うん」
「桜島の周辺だよ。鹿児島県霧島市らしい」
「あ~、あの辺りか」

 みんなも納得したようだ。

「神造島に移住して、当面は島に住む。で、財宝を“全て”売るぞ」
「それからは海外移住ですね?」
「そうだ、北上さん。俺たちが日本にいれば敵から狙われるだけの人生だ。そんなのは面倒すぎる! さっさと現金を作り、俺たちは自由を手に入れる」

 それが当面の目標だ。
 数日は櫛家のお世話になり、準備を整えていく。

 今日のところは散会とし、各々の部屋へ。

 俺は、北上さんと天音と同じ部屋。あとは月、星、桃枝のグループ、千年世、リコ、艾、大塚さんのグループに別れることになった。

 プランを練っていると、時間もあっと言う間に過ぎ――深夜を迎えていた。

「そろそろ寝よう、早坂くん」
「天音……そうだな、北上さんなんか珍しく先に寝ちゃってるし」
「うん、珍しいよね。いつも遅いのに」
「今までメンバーを集める為に動いてくれていたからな、その疲労もあるんだろう」
「ああ、そっか。じゃあ、少しだけ二人で……」

 天音は照れながらも、俺の手をにぎってきた。
 隙あらばこうして俺とイチャイチャしたいらしい。俺も天音とこういう時間を過ごせるのは嬉しい。

「分かった。少し、ゲームでもするか」
「パズルゲームのブヨブヨやろう」
「いいね」
「早坂くんが勝ったら、なんでも言うこと聞いてあげる」
「マジか」
「わたしが勝っても、なんでも言うこと聞いてあげる」
「なんて好条件なんだ……って、マテ。それでは、どっちにしても俺の勝ちじゃないか!?」

 よくよく考えたら、それって天音を自由にできるってことじゃないかっ。意味ねええええ!! いや……ありなのか。


「だめ?」
「だめじゃないけどさ。そこはせめて、俺になんでも命令できるでいいぞ」
「いいの~? 後悔するよ~?」

 ま、まさか……天音はこのゲームが得意なのだろうか。いやだけど、俺もブヨブヨは得意だ。
 ブヨブヨは、ぶよぶよしたスライムを色ごとに並べ、魔法コンボを決めて、相手におじゃまスライムを降らせまくり、天井まで積み上がると勝ちというパズルゲーム。

 色を上手く使い分け、魔法コンボをしまくれば瞬殺も可能だ。結構頭の使うゲームなのである。


「舐めんなよ、天音。俺は小さい頃から、このゲームをプレイしていた」
「お、偶然だね。わたしもよくパパとプレイしていたんだよね~」


 これは白熱したバトルになりそうな予感……!
 勝って天音を好き放題したい……!
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