スキル覚醒の覇王ー最弱から成り上がる異世界チート伝

あか

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第10話

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第10話 創世会議

 ――白。
 音も、温度も、時間すら存在しない“無”の空間。

 天城蓮は、光に包まれた大地に立っていた。
 目の前には五つの玉座。
 それぞれの座に、異なる光と影を纏った存在が腰掛けている。

 その中心――一際強く輝く玉座から声が響いた。

「模倣者、天城蓮。
 汝、神の秩序を破りし者なり。ここに“創世会議”を開く」

 声は重なり合い、世界そのものが共鳴するように響く。
 エリスもリィナもいない。
 ここは“神の座”。
 人間は存在することすら許されない領域。

「……やっぱり、来たな。神様たち」

 蓮の声は静かだが、瞳には怯えはなかった。

 五柱の神は、それぞれが異なる形をしていた。
• 第一神・アルトリウス:創造の神。純白の衣と光の翼を持つ。
• 第二神・ノイエル:秩序の女神。無数の法陣を背に浮かべる。
• 第三神・ゼヴァン:破壊と再生の双面神。半身が黒く、半身が金。
• 第四神・シルフィード:運命の女神。目を閉じたまま未来を語る。
• 第五神・エリオス:沈黙の神。光を吸うような闇の衣を纏う。

 その姿は荘厳で、見るだけで膝をつきたくなるほど圧倒的だった。
 だが、蓮は立ったまま、笑った。

「神様の会議ってわりに、派手さがねぇな」

「人間風情が軽口を……」
 ノイエルの声が冷たく響く。

「お前の罪は、存在そのもの。
 “虚神”の力を宿し、秩序の外に立った。
 その時点で、世界は崩壊を始めている」

「崩壊? 違うだろ。
 お前らが“創った世界”が、壊されただけだ」

 蓮の言葉に、神々の光がざわめく。

「お前たちは人を創った。スキルで縛り、運命で支配した。
 魂を“データ”扱いして、何度もやり直させた。
 そんな世界、壊れて当然だろ」

 ゼヴァンが低く笑う。
「面白い。人間のくせに、神の言葉を理解するか」

「理解なんてしてねぇよ。ただ、見ただけだ。
 俺のスキルが“真実”を模倣しただけだ」

 アルトリウスが立ち上がる。
「ならば試練を与えよう。
 我ら五柱のうち、三柱に認められれば、お前の存在を容認する。
 だが拒まれれば、その魂は消滅する」

「上等だ」

 蓮の声が空気を震わせた。



 第一の試練――創造神アルトリウス。
 光が形を取り、巨大な聖剣が現れる。

「創造とは、神の意志そのもの。
 人間が手を出す領域ではない!」

 アルトリウスが剣を振り下ろす。
 世界が割れ、空から光の刃が降り注いだ。

 蓮は跳ぶ。
 金黒の紋章が輝き、周囲の光を吸収する。

《スキル融合:“虚神模倣” + “創造構築”》

「なら、俺も創るぜ。――“新しい世界を”!」

 足元の大地が光り、幾億の魔法陣が浮かぶ。
 そこから生まれたのは、金黒の翼。
 蓮の背から、虚神と神の力が融合した翼が広がる。

 アルトリウスの剣と、蓮の翼が激突した。
 光と闇が衝突し、創造と破壊が同時に生まれる。

 閃光の中、アルトリウスが一歩下がった。
「……神の力を、完全に制御しているだと……!?」

「制御? 違う。
 “模倣”だ。お前の創造を写して、上書きしただけだ」

 アルトリウスの剣が砕け、彼は笑った。
「……なるほど。認めよう、模倣者。お前は確かに創造を理解している」

 一柱、承認。



 第二の試練――秩序の女神ノイエル。
 彼女の周囲に無数の法陣が浮かび、空間を封じる。

「秩序なき力は、混沌を生む。
 世界に存在する以上、すべては法に従わねばならぬ」

「法ね……。
 じゃあ、その“法”を俺に見せてみろ」

 ノイエルが指を鳴らすと、空間がひっくり返った。
 上下も前後もなく、蓮の身体は千切れそうなほど引き裂かれる。

《空間拘束式・無限階層》

「これが秩序だ。抗うことなど、許されぬ」

 蓮は唇を歪めた。
「抗うさ。それが人間だからな」

 金黒の紋章がさらに輝く。
 世界の法則が音を立てて崩れ、ノイエルの法陣が反転する。

「秩序もまた、“模倣”できる」

《上書き発動:“法則逆転(ルール・オーバーライド)”》

 ノイエルの陣が自らを縛り、彼女は驚愕に目を見開いた。

「な……私の秩序が、私を……!?」

「それが模倣だ。お前のルールは、俺が書き換える」

 ノイエルが崩れ落ち、静かに微笑んだ。
「……人の自由とは、恐ろしいものね」

 二柱、承認。



 第三の試練――破壊神ゼヴァン。
 半分が闇、半分が光の神。
 彼はゆっくりと蓮に近づき、囁いた。

「俺は何も試さん。ただ問う。
 “お前は本当に人間か?”」

 その問いに、蓮は言葉を失った。
 心の奥に、あの声が蘇る。
 ――《人格融合率92%》

 黒い自分、虚神の残滓、そして神格の因子。
 もはや“人間”と呼べる存在ではない。

 それでも、蓮は答えた。

「……そうだよ。俺は人間だ。
 痛みを知って、怒って、笑って、生きてる。
 それ以上の証明が、どこにある」

 ゼヴァンの双眼が光る。
 次の瞬間、彼は笑った。

「それで十分だ。
 お前の中にある“破壊”も、“再生”も、確かに人間のものだ」

 三柱、承認。



 光が降り注ぐ。
 神々の玉座が静かに消え、空間が揺らぐ。

《創世会議 承認条件達成》
《模倣者、天城蓮――“第六神”として登録可能》

 蓮の周囲に金黒の環が現れる。
 その中で、彼は小さく笑った。

「……神になる気なんてねぇよ。
 俺は、人間のままでこの世界を書き換える」

 光が弾け、神々の座が崩壊した。
 創世の空が割れ、神の都市エデンが燃え落ちる。

 新たな時代――“人の創世”が始まろうとしていた。
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